「日ロ原子力協定」の維持は許されない

2022年03月4日

穀田委員

 日本共産党の穀田恵二です。  ロシアによるウクライナ侵略についてお聞きします。  百九十三か国で構成される国連総会は、三日、ロシアを非難し、ウクライナからの即時撤退を求める決議案を百四十一か国の賛成で採択しました。国際社会のプーチン政権に対する断罪が下されたと考えます。  国連総会は二〇一四年のクリミア併合の際もロシアを非難する決議を採択しましたが、その際、賛成が百か国と比べても、今回の決議は圧倒的多数の世界の声が示されております。  決議は、冒頭で、国家間の法の支配を促進する上で国連憲章が最も重要であることを再確認するとし、ロシアがウクライナで軍事作戦を行うと宣言したことや、核戦力の準備態勢を強化する決定を行ったことを非難しています。住宅や学校など民間施設への攻撃や民間人の犠牲者の報告に深い懸念を表明し、今の世代を戦争の惨劇から救うため、緊急の行動が必要だと認識するとまで記しております。  そこで、林大臣、今回の国連総会決議に対する受け止めを率直にお聞きしたいと思います。

林国務大臣

 三月二日の国連総会の緊急特別会合におきまして、ロシアによるウクライナへの侵略を最も強い言葉で遺憾とし、ロシア軍の即時、完全、無条件の撤退を求めること等を内容とする総会決議案が、今委員からもお触れいただきましたように、百四十一か国という多数の国の賛成によって採択をされたわけでございます。  我が国は、ロシアによるウクライナの侵略を厳しく非難するという基本的な立場に基づいて、この総会決議案の共同提案国となり賛成票を投じたものであり、これほど多くの国が賛成し、総会決議案が採択されたことを歓迎いたすわけでございます。  ウクライナ情勢に関する国連の議論の中で、これまで非常に多くの国が、ロシアの侵略は、ウクライナの主権及び領土一体性に対する侵害であり、国際法に違反し、国連憲章にも反するとして、非難の声を上げてまいりました。  政府として、今般の総会決議案の採択、これは、こうした国際社会で幅広く共有をされている強い意思、これが改めて確認されたものと受け止めておりまして、決議が実施されるということが重要であると考えております。

穀田委員

 共同提案国として九十六か国が名を連ねたことは、極めて重要だと考えています。このことも、国際社会の確固たる意思を示すものになったと思います。  決議に賛成した百四十一か国を見ますと、米国とその同盟国だけではありません。半数以上が非同盟諸国会議に属する非同盟諸国であります。  今回の決議は、非同盟、中立の国の多数が国連憲章を守れという流れをつくったことの結果だと考えますが、大臣の見解はいかがでありましょうか。

林国務大臣

 国連は、その全ての加盟国の主権平等の原則に基礎を置いておりまして、その中でも総会は、全ての国連加盟国で構成され、各構成国はそれぞれ一票の投票権を有しておるわけでございます。  三月二日の緊急特別会合における総会決議案は百四十一か国の賛成多数によって可決をいたしましたが、欧州諸国や我々のみならず、アジアやアフリカ、ラテンアメリカを含む多数の国連加盟国が賛成票を投じたわけでございます。  政府としては、引き続き、国際社会と連携して、ロシアに対して、即時に攻撃を停止し、部隊をロシア国内に撤収し、国際法を遵守するよう強く求めていく考えであり、国連においても、こうした基本的立場を踏まえて積極的に貢献してまいりたいと考えております。

穀田委員

 私は、流れといいますか、そういうものをつくる上で、いろいろな国が役割を果たしたということを言っているわけです。  今回の決議採択に至るまで、各国大使の演説から浮かび上がったのは、大国の横暴に対する小国といいますか、小さい国の怒りが非常にあったと思う。それぞれの大使の発言を読んでみますと、本当に、よく私は感動を覚えるんです。例えば、ジャマイカの大使は、その国の大きさや地位にかかわらず、全ての国に安全な環境をもたらしてくれるよう設計されたのが国際法の枠組みと国連憲章だと発言しています。また、サモアの大使は、世界平和の維持と規則に基づく国際秩序の尊重を確保するためのツールがある、その焦点は国連憲章の前文にあるに違いないと強調したように、このように小国の存立の基礎として国連憲章を強く主張したのが特徴的だったと私は率直に思います。  我が党は、ロシアが二〇一四年にクリミア併合を強行したときも、二〇〇八年のグルジアの一部独立を一方的に承認し軍事侵攻したときも、国連憲章、国際法に反する行動として厳しく批判してきました。  国連憲章は、前文で、言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から、国家の領土保全や政治的独立を定め、領土をめぐる軍事的威嚇や武力行使を禁じている。今回のロシアの侵略は、この国連憲章を踏みにじる暴挙であり、二度の世界大戦を経て築かれた平和秩序を根底から脅かすものだと言わなければならないと思います。  プーチン大統領は、ヨーロッパやアメリカの批判や経済制裁の動きへの対抗措置として、核戦力を念頭に抑止力を特別警戒態勢に移行させるように命じました。核兵器の先制使用も辞さないと述べたことに続く、危険極まりない行為だと言わなければなりません。  各国がロシアに対する経済制裁を決めたのは、国連憲章と国際法を踏みにじったウクライナ侵略への対抗措置であります。これに対して、核戦力の態勢を引き上げ、先制使用で脅かすなど、断じて許されない無法な行為と考えますが、大臣の所見はいかがでしょうか。

林国務大臣

 今回のロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際秩序の根幹を揺るがす行為であります。明白な国際法違反であり、断じて許容できず、厳しく非難をいたします。  その中で、今委員からお話がありましたように、ロシアが核抑止力部隊の態勢を引き上げたことについては、情勢の更なる不安定化につながりかねない危険な行動であるというふうに認識をしております。  我々は唯一の戦争被爆国であり、核兵器による威嚇も、ましてや使用も決してあってはならないということを強く訴えてまいりたいと思います。

穀田委員

 核兵器の使用や威嚇は、核兵器禁止条約で禁じられた違法な行為であります。  国連の中満泉軍縮担当上級代表は、大惨事につながる誤算のリスクを更に増大させる、核兵器による勝者はない、皆が犠牲者となると警告しましたが、プーチン大統領が核態勢の強化を命じたことは、米国を始め他の核保有国との間で緊張を強める危険なものだと思うんですね。  プーチン大統領は、ロシアが核保有大国であることを誇示し、攻撃が行われれば核兵器で応えると公言していますが、ここで言う攻撃とは通常兵器による攻撃のことであって、全く許されない暴言だと言わなければなりません。  プーチン大統領は二〇二〇年六月、核兵器をどのような場合に使用するかを定めた「核抑止力の国家政策指針」と題する大統領令に署名しています。そして、その内容を公表しました。そこには、核兵器使用への移行条件として、ロシアや同盟国に対する核兵器や大量破壊兵器による攻撃に加えて、通常兵器による攻撃があった場合も核兵器を使用すると定めています。  先ほど大臣からありましたように、唯一の戦争被爆国である日本政府として、ロシアが二〇二〇年に核兵器の先制使用を公然と国家の指針に掲げたことに対して厳しく批判したことはありますか。

林国務大臣

 二〇二〇年六月二日でございますが、プーチン大統領は核兵器使用の可能性を規定する条件として、ロシアやその同盟国に対する弾道ミサイル発射に関する確実な情報を入手した場合などを列挙した核抑止分野における国家政策の原則に署名し、公表したと承知をしております。  我が国としては、これに対して声明等を発出してはおりませんけれども、地域の安全保障に与える影響等も踏まえつつ、米ロ間の動き等を緊密にフォローしてきており、引き続き関心を持って注視をしてまいります。

穀田委員

 つまり、このときに声明やそれに対応するような立場は表明していないということですよね。注視している、それは前から注視しているんですよ。しかも、これは御承知かと思うんですけれども、単に二〇二〇年だけじゃなくて、二〇一四年にも軍事ドクトリンとしてこのことを出している。だから、一貫したロシアの立場であって、その一つ一つに対して明確な立場を表明し、唯一の被爆国としての責任と世界に対する発信ということが私は大事だと思います。  大統領令では、核兵器の使用の可能性を決する条件として、ロシアや同盟国に対する、一つ、弾道ミサイル発射の確実な情報、二つ、核兵器やその他の大量破壊兵器の使用、三つ、核戦力の応戦を阻害する国家ないし軍事施設への攻撃、四つ、通常兵器による攻撃、この四つを挙げているんですね。これらの核兵器の使用に関する決定というのは、プーチン大統領が判断するとしているわけですよね。  このように、ロシアは核兵器の先制使用を公然と国家の指針にしているわけで、唯一の戦争被爆国である日本政府として、この考え方の撤回を求めるべきではありませんか。

林国務大臣

 我が国は唯一の戦争被爆国でありまして、様々な機会を捉えて、核兵器による威嚇も、ましてや使用もあってはならないということを強く訴えてきておりまして、引き続き、こうした考え方にのっとって適切に対応してまいりたいと考えております。

穀田委員

 いや、一般論で訴えてきたというんじゃなくて、こういう事態の下で、きちんとこれらについては態度を明らかにし、撤回を求めるべきとちゃうかということを言っているわけですよ。やはり、常々そういうことを言っているということで済まされないわけですよ。こういう対応を彼らがしているということに対して、通常兵器でやってきてもやってやるんだというようなことまで言っているわけですやんか。そんなの許されへんということについて、撤回せんかいなというぐらい言うのが筋ちゃうかと言っているわけですよ。  ですから、私は、国家の指針として核兵器の先制使用を公然と掲げていることに対して、それ自身に対してすぱんと批判することが必要だと。そういう意味では反省を求めたいと思います。  そこで、次は原子力協定の問題について触れたいと思います。  岸田総理は、ロシアとの関係をこれまでどおりにしていくことはもはやできないと述べています。  日本政府は、ロシアとの間で原発輸出を可能とする原子力協定を締結しています。他国を核兵器で威嚇するような国に対して核物質や関連資機材、それから技術を輸出するような枠組みをこのまま維持し続けることなど、到底許されないと思います。  ロシアとの関係をこれまでどおりにしていくことはもはやできないというのであれば、ロシアとの原子力協定こそ見直すべきではありませんか。

林国務大臣

 我が国が他国と締結する原子力協定でございますが、移転される原子力関連資機材等の平和的利用、不拡散、こうしたことを法的に確保するための枠組みでございまして、特定のビジネスやプロジェクトについて取り決めるものではないものでございます。  日ロ原子力協定もこうした枠組みでございまして、今回のロシアによるウクライナ侵略を受けて、現時点でこうした協定の見直しが必要だとは考えておらないところでございます。

穀田委員

 それはちょっと私はおかしいと思いますよ。  ロシアとの原子力協定は、二〇〇九年五月に行われた、当時のプーチン首相、当時首相でしたからね、それから麻生総理との首脳会談に合わせて署名が行われたものです。  当時から、原子力施設に対するIAEAの査察など保障措置の適用が限定的だったことが懸念されていたわけですよね。それは大臣も御承知かと思うんです。  国会審議に当たって衆議院外務調査室が作成した資料でも、我が国が、非軍事目的として、それらを軍事利用していないという確証を得ることは極めて困難であると書いてある。そのような協定だということなんです。  今、資機材、平和的利用、不拡散、こう言いましたわね。その当時から、その確証を得ることは極めて困難だということを書いている協定なんですよね。  しかも、今回の事態でロシア軍は、ウクライナ侵攻後、チェルノブイリ原発を制圧し、首都キエフにある放射性廃棄物の処理施設にもミサイルを撃ち込んだと報じられています。  これに対してIAEAは、三日の臨時理事会で、ウクライナに侵攻したロシアに対する非難決議をついに採択しました。  決議では、原子力施設や民間人に直接的な脅威を与え続けていると指摘し、原発事故のリスクを著しく高め、ウクライナ国民や近隣諸国、国際社会を危険にさらしていると批判しているわけであります。また、IAEAが原子力施設を監視、検証する保障措置の活動をロシアが妨げているということに重大な懸念を表明しています。  さらに、先ほどの報道によりますと、ロシア軍は四日、ウクライナ南部にある同国最大のザポロジエ原発を砲撃したと載っています。原発で火災が起きた。ウクライナのクレバ外相は、同原発が爆発すれば、チェルノブイリ原発の十倍の破壊になると警告し、攻撃の即時停止を呼びかけています。  こうした事態を見れば、まさにロシアが原子力の平和的利用を遵守しているとか、そういう保障措置を、活動をきちんとやっているなんということはあれへんわけやね。そういう事態を見て、さっきの話で、これを変えるつもりはないというようなことを言えるわけ。

林国務大臣

 今お話がありましたけれども、この協定につきましては、まさに平和的利用、不拡散等を法的に確保しよう、こういう枠組みでございまして、特定のビジネスやプロジェクト、これをやるための取決めではない、こういうことでございます。  こうした枠組みでございますので、現時点では、協定の見直しが必要だとは考えておらないところでございます。

穀田委員

 大臣は、平和的利用だとまず言いますわな。言っていますよね。その次に、ビジネスという話をしている。私、ビジネスの話は一言もしていないんですよ。当時の原子力協定に対して、私たちがこういう問題を指摘したことはありますよ。それで多分、事務方はそういうことを文章で書いてんのやろうと思うけれども、私はそんな話は一言もしていないんですよ。その当時から問題になった、保障措置が大丈夫か、平和的利用というけれども、そうかと。そうじゃないじゃないか、今の事態は。  しかも、おっしゃっているのは、現時点ではというようなことを言っているということは、これは、現時点でも、こういう平和的利用であり、保障措置の活動を妨げ得ないというふうに判断しているということですか。

林国務大臣

 この枠組み自体は、先ほど申し上げたような、平和的利用、不拡散等を法的に確保するための枠組みでございますので、これが特定のビジネスやプロジェクトについて取り決めているものではないということでございます。  また、同協定での協力事例はごく少数にとどまっておるというふうに承知をしておりますが、そういった意味で、現時点での協定の見直しが必要とは考えておらないところでございます。

穀田委員

 大臣、文章を読まぬと、お互いにちょっと、話をきちっとしましょうな。ビジネスの話を言っているんじゃないんですよ。平和的利用という建前からしても違うじゃないかと。IAEAも、当時、この協定が問題になっているときに、この国会の審議自身の中で、検証する保障措置の点は危ういという議論になっていた、二つ目。三つ目、今、IAEAが、検証する保障措置の活動をロシアが妨げているということを言っている。三つ言っているんです、私は。そうなると、原子力協定に反する行為をやっているんじゃないのかと。  じゃ、逆に聞きますよ、大臣。原子力協定に、少なくとも、当時議論になった様々な議論と不安、危惧、それに反していないというふうにお答えですか。

林国務大臣

 今委員がおっしゃったような御指摘があるという今御質問でございますけれども、この協定自体は、平和的利用や不拡散等を確保するための枠組みでございます。  したがって、個別のビジネスやプロジェクトをこれに従ってやる場合には、これがそういうことを法的に確保するという枠組みではございますが、これがあるから何か新しいことをやるということではないわけでございますので、そういった意味で、現時点で協定の見直しが必要とは考えていないということを先ほど申し上げたところでございます。

穀田委員

 まず、協定自身が議論になったときから、その保障措置というのがきちんとやられるかということで、実は、この協定を結ぶときに何年もかかった理由は御存じですか。それは、保障措置がないということについてずっと議論して、総理大臣、当時の麻生さんの時代も含めて、これでは相手がそういうことになるからできへんという話でずっと長引いていったわけじゃないですか。  それが、協定が結ばれたときも、国会の審議の中で、ビジネスの話以前に、そういう保障自身がきちんと措置が取られるかということについて議論になった。その問題がずっと議論になっているわけです。協定をやる際にはこれが肝腎だということが議論になったわけです。  三つ目に、今IAEA自身が非難決議を上げて、これは大変なことだと言っている。しかも、爆撃したり攻撃したり、そのことが行われている、原発に対する様々なことが行われている、こういうときにのほほんとしていてええのかという話をしているんですよ。分かりますか。

林国務大臣

 穀田先生の御指摘、御意見は分からないというわけではございませんけれども、先ほどの繰り返しになって恐縮でございますが、これは平和的利用、不拡散等を法的に確保しよう、こういう枠組みでございます。したがって、経緯等も先ほどおっしゃっていただいたような経緯があったということであろう、こういうふうに思いますけれども、現時点で、今、協定の見直しが必要ということではないということでございます。

穀田委員

 話は分かったけれどもというような話なんだろうけれども、これは経緯のある話なんですよ。しかも、断固としてと、いろんなことをやるんだと言っているんでしょう。まさに平和的利用に反しているじゃないか、こういうことが起こっているじゃないか、IAEAもこう言っているじゃないかといって、どんと言うのが日本政府に必要なことじゃないですか。  岸田総理は、外務大臣だった二〇一四年三月十三日の参議院外交防衛委員会で次のように答弁しています。読み上げたいと思います。「ある国と原子力協定の枠組みを整備するかどうか、その際には、当然のことながら、核不拡散の観点ですとか、あるいは相手国の原子力政策ですとか、それから相手国の日本への信頼とか期待、さらには二国間関係の状況を総合的に勘案し、個別具体的に決定をする、検討をしていく、こういったことですが、その際に、当該国の政治情勢あるいは治安情勢、こういったものについて勘案しているのかという御質問ですが、これにつきましても、従来から、当該国の政治情勢、治安情勢についても勘案をしております。こういったものを総合的に勘案した上で、原子力協定の枠組みを整備するかどうか、検討をしていくというのが我が国の基本的な考え方です。」このように答弁しているんですよね。まさに、当該国の政治情勢、治安情勢について勘案すると。  今、皆さん、これほど世界が侵略を批判し、IAEAがこの問題について批判をし、日本が唯一の被爆国として、その問題に対して様々な点が問われている。こういうときにロシアとの原子力協定を維持し続けることは、この答弁に照らしても、今日の現状、状況に照らしてみても、もはや成り立たないのではないですか。

林国務大臣

 現時点での我々の考え方については、先ほど申し上げたとおりでございます。  今後の対応ということが、まだ、この状況の推移等、大変不透明でございますので、今申し上げることは大変難しいとは思いますけれども、当然に、岸田当時の外務大臣が答弁されたことというものは、政府としてその方針で臨まなければならないというふうに思っております。

穀田委員

 当時の外務大臣の方針を踏まえてというわけでしょう。だったら、余り詰めてわあわあ言うつもりはないけれども、要するに、当該国の政治情勢、治安情勢について勘案するというわけでしょう。今日の政治情勢って何なんですか。国連が百四十一か国の賛成を得て、侵略だとこれを断じたんでしょう。そして、そういう中で、IAEAもこれは大変だということを決議している。これほど緊迫した政治情勢ってほかにありますか。そして、治安情勢について、今爆撃されたりしているという治安情勢を今私は述べました。これは大したことないと言うんですか。  だから、当該国の政治情勢、治安情勢、これをどう認識しているかということを問われるということなんですよね。だから言っているんですよ。  私は何も、林外務大臣の政治論について、その考え方、立場についてあれこれ言っているんじゃないんですよ。今我々が、少なくとも原子力協定をめぐる問題で、これにどういうふうな立場で臨むかということについて、礎石を据えた話を基にして、これからいってもおかしいじゃないかという話をしているわけですよ。もっと私は事態は緊迫していると思うんですね。そのときにどういう態度を取るのかということが問われていると思いませんか。もう一度、最後に言ってください。

林国務大臣

 温かいお言葉をかけていただきまして、ありがとうございます。  先ほどの岸田当時の外務大臣の答弁は、委員が御引用なさったように、締結時についてというお答えであった、こういうふうに思いますが、先ほど申し上げましたように、この事態に対応して、G7等普遍的価値を共有する各国と今連携して対応に当たっておるところでございますので、過去の政府答弁や、各国と、普遍的価値を共有する国と連携して対応していくという考え方でしっかり対応してまいりたいと思っております。

穀田委員

 この質疑は、原子力協定は二〇一一年なんですよ。つまり、その後十年たった時点で、もう一度どうするかということを問われたときにやっているということを御承知おきいただきたいんですね。二〇〇九年、二〇一一年、二〇一四年と経過がある話なんですよ。それを踏まえてもらわな、やはり大臣が今、臨むに当たって、今日の現状の治安情勢、そしてまさしく政治情勢、いわば国連が断罪したという下での我々の対処が求められている、そういうことについて改めて提起して、私の質問を終わります。