中東派遣護衛艦「たかなみ」、コロナ検査体制無しが判明

2020年04月3日

穀田委員

 日本共産党の穀田恵二です。  新型コロナウイルスの感染拡大と自衛隊の中東派遣について質問します。  海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が二月二日に日本を出航してから、二カ月が経過しました。こうした中、中東における新型コロナの感染者数は、昨日時点で、イランの四万七千五百九十三人を始め、UAEでは六百六十四名、オマーンでも二百十名となっています。  三月四日の本委員会で茂木大臣は、自衛隊の中東派遣について、情報収集態勢の強化のための自衛隊の艦艇及び航空機の活用に取り組んでいくと表明されましたが、今や中東でも多くの感染者が出ています。こうした海域で自衛隊部隊が活動していることについて大臣はどう受けとめておられるのか、率直にお聞きしたいと思います。

茂木国務大臣

 中東においても新型コロナウイルス感染が拡大をしております。イランにおいては五万人を超えると。ただ、オマーン、一番新しい数字ですと二百三十一人になると思います。それからジブチは三十四人という状況でありますが、その中東において日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集活動を行っている自衛隊の部隊、隊員の健康を守るために、さまざまな対策を講じているものと承知をいたしておりまして、現時点で感染者を出すことなく情報収集活動を継続しているものと理解をいたしております。  先日のダイヤモンド・プリンセス号、ここにおける自衛隊の支援活動においても感染者の方は出なかった。恐らく、さまざまな人と比べても、ふだんからそういった防疫上の訓練等も積まれているんだろうと思っておりまして、しっかりこれからも健康な状態で情報収集活動に当たっていただきたいと思っております。

穀田委員

 茂木大臣とは、二月十日にこの問題について、中東情勢について議論しました。  重要なことは、今私が言った数字が更に大きくなっているという数字を出されましたように、刻々と変化しているというのが現状であります。その意味で、新型コロナの感染が世界的規模で広がっていて、中東地域でも多くの感染者が出るという、事態が大きく変わっているということだと思うんです。  そうした中で、自衛隊の部隊が、今、健康を守るための対策という話はありましたけれども、そういったことを含めて、活動しているということについて直視する必要がある、しっかりそれを踏まえて私は見る必要があると思っています。  そこで、米国防総省の発表によれば、四月一日の午前の時点で、米軍で八百十四人の感染者が確認され、死亡者も出ています。そうしたもとで、太平洋に展開中の米海軍の原子力空母セオドア・ルーズベルトで新型コロナの感染が急速に拡大し、大きな問題になっています。  国防総省は当初、同空母の乗組員三人が感染したと発表していましたけれども、少し、更に日時を縮めて、四月二日現在でいいますと、百十四人が感染したと。米国のメディアは、感染者は更にふえる見通しだと伝えています。  クロージャー艦長は、米軍幹部に充てた四ページの文書で、軍艦の空間的制約や感染者の多さから、感染者を隔離するなどの措置ができず、乗組員は階級にかかわらず濃厚接触を余儀なくされていると指摘しています。感染拡大が進行し、加速していると訴えています。まさに制御不能の状態にあるということがうかがえます。  本日は防衛政務官にお越しいただいているので、具体的にきょうは尋ねていきたいと思います。  中東に派遣されている護衛艦「たかなみ」では、現在、新型コロナウイルス感染者は出ていないんでしょうか。お答えください。

渡辺大臣政務官

 護衛艦「たかなみ」は、乗組員に関しましては、今のところ感染者あるいは感染の疑いの方は出ておりません。  その中で、いわゆる「たかなみ」の乗務員につきましては、平素から手洗いやせきエチケットといった標準的な感染予防策を徹底するとともに、遠洋航海派遣時におきましては、事前に臨時の健康診断を行うことで、感染症に罹患した隊員あるいは感染症に罹患しやすい基礎的疾患がある隊員等につきましては、乗船することをまずスタートから防止をしております。この対策の効果もありまして、本当に、先ほど冒頭で申し上げましたように、今のところ感染者も疑い者も一人もおりません。  今後も、ぜひ、防衛省・自衛隊といたしましては、引き続き隊員の健康管理に努め、適切な感染予防を行うことで、艦船内における感染者の蔓延の防止に努めてまいります。

穀田委員

 事前の健康診断というのは、どこの国の軍や実力組織でもやっていることです。  そこで、米海軍の空母では、艦内で新型コロナの検査を実施していると言われています。「たかなみ」には二百人余りの乗組員がおられますけれども、艦内でPCR検査を受けられる体制は整備されていますか。

渡辺大臣政務官

 護衛艦「たかなみ」の艦内には、新型コロナウイルス感染症の診断を実施するためのPCR検査に必要な装備等は搭載されておらず、PCR検査を実施できる体制にはございません。

穀田委員

 体制がないということを明言されたと。  先ほど、今のところと言いましたよね、出ていないというふうに政務官はおっしゃいました。  先ほど触れたセオドア・ルーズベルトでは、艦内にPCR検査の体制を整備していたことで乗組員の感染が判明しています。米海軍の場合、検査体制を整えているのはこの空母だけではありません。米海軍の場合、水陸両用強襲艦、さらには第七艦隊のブルーリッジなど、検査体制もあると聞いています。だから、「たかなみ」にはそういう検査体制がないというのは重大ではないかと思っています。  そこで、先ほど政務官からお話があった、今のところ出ていない、大丈夫だ、健康だと言っていますけれども、「たかなみ」にPCR検査を受ける体制がないにもかかわらず、なぜ感染者がいないと言えるのか、お聞きしたいと思います。

渡辺大臣政務官

 現在、そのような症状を訴える方もいませんし、実際、スタートの時点からそういう対策をとっておりますので、今のところ、ゼロという報告に私は信頼を持っていいのかなと思っております。  また、洋上での業務の際にも、例えば物資の補給等々も、寄港し、当然、外部の方と接する、少しの部分ですけれども、あろうかと思います。しかし、物資の補給の際に関しましても、いわゆる自衛隊・防衛省が認めた方、そして限定した方というふうに、しっかりと他国とも話合いをしておりますし、当然、感染予防の対応をして物資の補給にも当たっているということで、私としては、今の現段階では感染する危険性は少ないのではないかというふうに思います。

穀田委員

 感染する危険性は少ないんじゃないかって、少ないんじゃないかと私聞いているんじゃないんですよ。問題は、検査ができないのに、なぜ感染者がいないと言えるのかということを聞いているんですよね。それは極めて科学的でないと思うんですね。つまり、検査もせずに全部健康だというふうな話は、科学的根拠はないと私は思うんです。  なぜこんなことを言っているかといいますと、統合幕僚監部は、三月に海上自衛隊の幹部が新型コロナに感染したことを発表しました。報道発表資料によれば、フランスから帰国後、無症状であったものの、羽田空港から医療機関まで自衛隊車両により搬送し、PCR検査を実施した結果、陽性反応が確認されたということであります。つまり、無症状でも感染している可能性があるということなわけですよね。だから、PCR検査が大事なんです。  一部報道によると、防衛省関係者が、軍隊の艦船というのは、極論すれば全てがダイヤモンド・プリンセス号のようなものだ、艦内にたった一人感染者が出ただけで、艦船全体が修羅場となると発言しています。まさに、米空母の状況が示しているように、艦内で感染症が起きるということは惨状を引き起こすということになります。  しかし、「たかなみ」では、感染の疑いがある隊員が仮に出たとしても、艦内では調べようがない。そういうことは重大なことだと言わなければならない。それはやはり、私たちはこの問題を考える際に、隊員の命を、安全をどう考えているのかということに帰着すると思うんですね。  では、実際に艦内で感染が疑われる者が出た場合、どうするのか。  河野大臣は、三月十七日の会見で、万が一感染が疑われる者を隔離するためのスペースが設けられており、そこへ隔離することになると述べています。  防衛省が私に提出した資料によれば、感染者発生時の対応として医務室などに隔離するとなっていますが、「たかなみ」の隔離スペースというのは医務室のことですか。

渡辺大臣政務官

 隔離室とは医務室のことでございます。

穀田委員

 海上自衛隊のホームページを見ると、これなんですけれども、「たかなみ」の医務室の写真が掲載されています。診療台が、診察台というんですかね、これ、わずか一つしかないように、非常に狭い空間です。  巨大な米空母のルーズベルトでさえ、構造上の問題もあり、隔離措置をとることができない状態になっていると言っています。しかし、「たかなみ」ではこのような狭小の空間で乗組員の隔離措置に対応できると考えているのなら、私は驚くべきことだと思います。  河野大臣は、十七日の会見で、艦内で一時隔離した後、必要な場合には陸上の病院にヘリ等で輸送することになると説明しております。さらに、三月十日の会見では、ジブチのフランス軍の病院等とも連携がとれるように打合せをしていると述べられています。  その後、フランス軍の病院などとの調整はどうなっているのか、御報告ください。

渡辺大臣政務官

 先ほどの質問で個室の話をしておりませんでしたけれども、当然、まずは医務室に収容するかと思いますけれども、その際、船医による指導のもと、医務室に個室を、医務室内等にしっかり隔離することで……(穀田委員「医務室内の」と呼ぶ)医務室等に隔離することによりまして他の隊員に対しての感染拡大を防止するということは、しっかりと検討材料にも入っております。  今、各国との、いろいろ、連携と質問ございましたけれども、これは他国とのいわゆる連携調整というのが非常に大事でございますけれども、相手国側との関係もありまして、今の段階ではお答えを差し控えさせていただきたいと思いますが、フランス軍とは日ごろより適切な協議をさせていただいております。

穀田委員

 だから、私は言ったわけですやん。巨大なルーズベルトでさえ、構造上の問題もあって、なかなか隔離措置をとることができない。  香田さんは、例の、そういう日本の船、つまり自衛隊の船の中でやるという問題について言えば、この間のクルーズ船なんかは個室があった、そういう個室というところでも大変なのに、自衛隊の場合はそういうふうになっていないと、わざわざそういう指摘をしているわけで。  そういう問題も、日本の方もそういう指摘をし、米国のルーズベルト、でかいんですよ、あれは、すさまじく、あそこだって隔離措置ができないと言っているのに、そんな楽観的なことを言っていたらだめですよ。  それで、今質問した件については、他国との連携は知らされないと。それはおかしいんじゃないですかね。大体、二月二日に「たかなみ」が出航してから、もう二カ月もたっているわけですね。そして、出航した時期というのは、一月三十日の、WHOが緊急事態宣言を発表した直後なんですね。そもそも、出航の段階でウイルス感染などへの対応の手だての調整が済んでいない。  つまり、大臣は何回も会見をしていますけれども、話合い中だという話をずっとしているわけですよね。完結したとかは言っていないんですよ。それは御承知かと思う。何回も記者会見してそれは問われているんですけれども、調整中です、話合い中ですと言っている。今はどないなっていますねんと言ったら、今、他国との関係でできない。  そんなことを言ったら、国民の皆さんは、どういう形で自衛隊の方が、仮にそういう感染をされた場合にどのようになるのかということについて、全く知らずに平気でいるというわけにはいかないと思うんですね。国民が、それはどうなっているんだということになって、私は、そういう意味での対応の手だての調整が明らかにできない、ないしは済んでいないということも推察される。もうとんでもない話だと私は思います。  そこで、全国防衛協会連合会のホームページを見ますと、海賊対処行動支援隊で衛生業務を担当する一等空尉が手記を掲載しています。それによると、自衛隊員がジブチにあるフランス軍の病院やアメリカ軍の医務室で治療を受けるときというのは、自衛隊拠点内の医務室で十分な治療が行えない場合と書いています。  護衛艦「たかなみ」から移送された自衛隊、仮にそういう方がおられた場合で、自衛隊の感染者がジブチのフランス軍の病院に搬送されるというのは、自衛隊では十分な治療が行えない場合を想定しているということにほかなりませんけれども、それでいいんですね。

渡辺大臣政務官

 先生の言われるとおりでよろしいかと思います。今ほど先生の言われたとおりでよろしいかと思います。

穀田委員

 私、これだと問題だと思うんですよ。  要するに、この手記が事実だったとすれば、結局考えてはらへんように思うねんけれども、結局、「たかなみ」の部隊は艦内でPCR検査を受けられない。ないわけだから。そして、搬送先のジブチでも、自衛隊みずからの施設では十分な治療を受けられる保証がないということになるわけですね、これは、結論としては。  角度を変えて聞きますけれども、河野大臣は、二月二十八日の会見で、新型コロナの感染者が出た場合の対応策として、コンティンジェンシープランをつくれという指示を出しています、そういうふうに述べています。「たかなみ」におけるコンティンジェンシープランとは一体何なんですか。お答えいただけますか。

渡辺大臣政務官

 コンティンジェンシープランというのは、先生も御承知のとおり、災害や事故など、想定外の事態が起きたときのために事前に定めておく対応策や行動手順であると承知しております。  護衛艦「たかなみ」の艦内におきまして新型コロナウイルス感染症患者が発生した際には、医務室等に隔離することで、他の隊員へ感染することのないように対応することとしております。  隔離の際は、患者に接触する隊員を最小限にし、防護服を使用する、接触感染の原因となりそうな場所の消毒を行う、標準的な感染予防策を徹底するといった対応を行う予定でございます。  さらに、必要に応じて外務省や周辺各国政府と必要な協議を行い、感染した隊員の帰国を含めた検討を行うことも想定しております。

穀田委員

 そこで、配付資料をごらんいただきたいと思います。  私が三月二十五日に、海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」のコンティンジェンシープランの全文を資料要求しました。翌二十六日に出てきたものです。わずかA4判一枚きりで、これ以外には成文化したものはなく、これが全文だと説明を受けました。  しかし、河野大臣は三月三十一日の会見で、「たかなみ」のコンティンジェンシープランは一般公開できるのかという記者の質問があった際に、相手国からの了解を得ていないために公開していないと答えています。  私に対してはこれが全文だとしてきていますが、一方、公開していないと答える。これでは、この文書というのは一体何なんですか。おかしくありませんか。

渡辺大臣政務官

 先ほども申し上げましたように、相手国との関係もございますので、今の段階では差し控えているということでございます。  当然、具体的な内容につきましては、先ほどの質問の答弁に答えましたように、いろいろと、感染予防対策も含め、さらには感染拡大の対策も含めて、しっかりとした手順等々については、先ほど述べたように、このプランに書かれていないという御指摘でありますけれども、しっかりとした指示系統はできているというふうに思います。

穀田委員

 今お話ししたように、私に対してはこれが全文だと答えているわけですよ。たった数行の、これがコンティンジェンシープランの全文であるということを言ったわけですね。私は、概要を提出することを求めたんじゃなくて、先ほど言いましたように、全文を求めたわけです。その際に、これ以外のことについては、今お話があったように、他国との関係があってと。他国との関係を言っているんじゃないんですよ。  そういう意味でいいますと、ここにありますように、医務室の問題や隔離の問題とかを含めて、これが感染者発生時の対応という全文かということが問題になるわけですよね。私は、突き詰めれば、もしこれだけのものだとするとなりますと、そもそも、コンティンジェンシープランなるものは本当に作成されているのかという問題になってきます。  先ほど政務官がお話しになった内容は、それに基づく通知というのが出ていまして、それは一般論をずっと書いているのは私は見ていますよ。それは、感染症対策に関するさまざまな取扱いについて、それぞれの文書を発出しています。そういう内容について、簡単に言うと、少しつまんでしゃべって、この内容を少しお話ししているだけなんですよね。  だから、そうすると、ほんまにこれは作成されているのかということなんですけれども、それはどうなんですか。

渡辺大臣政務官

 先ほどから申し上げているとおり、このプランにつきましては、あくまでも、コロナウイルスの感染を防ぐ、あるいは拡大を防ぐという視点の中で計画が立てられております。ですから、事細かくの計画は私も報告は受けておりませんけれども、先ほどの答弁で申したように、しっかりとその感染拡大あるいは感染予防のためのプランになっているというふうに報告を受けております。

穀田委員

 今の話を聞いてわかる人って余りいないと思いますよ。報告は聞いていないけれども、そういう確かなものだと報告を受けていると。そんなね、今、茂木大臣も笑っていますけれども、いやいや、お互いに、誰かて笑ってしまいますやんか。  いや、私、何でこんなことを言っているかというと、いわば防衛省のトップスリーの方でしょう。その方が、報告を受けていないけれども、大丈夫だと報告を受けている、どういう内容だと知らぬけれども、大丈夫だと。そんなことを信じてもしやっているとしたら、自衛隊員はかわいそうだと思いませんか。そうか、我々のトップスリーというのは、そんなふうな話しか聞いてんと我々を送っているのかということになるじゃないですか。  ですから、事は、私は、中東に派遣されている自衛隊部隊の命にかかわる問題だと思うんですね。だから、乗組員の家族だって心配しているわけです。したがって、一月十日に河野大臣が発出した自衛隊の中東派遣に関する一般命令を見ますと、派遣部隊の健康管理及び現地における医療態勢に万全を期すとしています。まさにそのための対応計画として本来具体化したものがコンティンジェンシープランであるはずなのに、そういう答弁をしたのでは、それは許されないと思うんです。  私は、もう一度はっきりしていただいて、もう一度答弁をいただいて、はっきりせえへんのやったら、委員長に事実関係の報告を委員会として求めていただくようにしたいと思います。

渡辺大臣政務官

 このプランにつきましては、「たかなみ」に限定したもので作成したものではございません。あくまでも、防衛省内でコロナ対策、感染予防、感染対策についてつくったプランであることを御理解いただきたいというふうに思います。

穀田委員

 それは違うでしょう。質問を受けて防衛大臣は述べているわけですよ。三月の十七日とか三十一日とか、ずっとやっていますよ。それで、コンティンジェンシープランは各基地、駐屯地でつくってもらっています、だけれども、その前についてはこれをやってもらっていますということで、質問を受けて、公開できない、こう言ったわけですよ。これは、派遣されている問題との関係を、質問を受けてこうやっているんですよ。  だから、今、政務官すら報告を受けていない内容がある、しかし、政務官は大丈夫だと聞いている、こうなんでしょう。そうおっしゃったよね。ということは、報告を受けていないけれども、あると、それは。それは確かだと事務方が言っている、だから信用している。こういう仕掛けですよね、政務官の発言は。  だとすると、その事実がどういうものであるかということについては、事実関係としてはっきりさせることが必要だというので、そこは事実関係についての報告を求めたいと思います。

松本委員長

 後刻、理事会で協議させていただきます。

穀田委員

 海上自衛隊の艦艇では、かつて感染症が拡大するという深刻な事態を経験しています。二月の日経ビジネスのインタビューで、海上自衛隊の自衛隊司令官を務めた方、香田さんも発言をされています。  一九八一年の冬、護衛艦「ゆうだち」が母港である京都舞鶴で次の航海に出る準備をしていたときに、たった二週間で、乗船していた二百五十人の八割がインフルエンザに感染するという事態が起きた。最初の感染者があらわれたと思ったら、あれよあれよという間に十人、二十人とふえていった。さらに、香田氏は、護衛艦勤務において最も留意すべきことは感染症と食中毒だとしています。  この点のことをよく御存じかと思うんですが、そういう点を政務官は御存じかと思いますが、そういうことを踏まえて、どういう教訓を学んでいるか。事実関係、御存じかということと、どういう教訓を今生かしておるか、お聞きしたい。

渡辺大臣政務官

 今御指摘のあった過去の前例というのは、過去にあった前例というのをしっかりと踏襲しているということは理解はしております。  今回のこのプランにつきましては、先ほど私が答弁したところでちょっと間違ったのかもしれませんけれども、これは部隊運用の全般にかかわることでございますので、全文の公開はしていないということでございます。  それは御理解をいただきたいと思いますが、あくまでもこのコロナに対してのしっかりとした対応はなされているということを、改めて繰り返し言わせていただきます。

穀田委員

 まあ、わかるんですよ。  私らは京都に住んでいるさかい、ほんまにこれは、当時、そういううわさがずっと流れたわけですよ、ひそかにね。それぐらい重大問題だったんですよ。  今おっしゃったように、自分も報告を受けていないのに、大丈夫だという報告を受けて安心だなんて言える人がいたとしたら、それは、隊員の皆さんに言ってごらんなさい、そんなこと、笑われまっせ。わしらの命、どない考えてんねんと言われますよ。私はそう思います。  しかも、香田さんが言っているのは、やはり、当時の「ゆうだち」、海上自衛隊の船ですよね、その「ゆうだち」で起きたケースと比較しても、深刻度が異なると述べているんですね。ですから、舞鶴での護衛艦「ゆうだち」や米空母セオドア・ルーズベルトで起きた集団感染の事例からも明らかなように、狭い空間に人が集まっている船舶では、新型コロナが急速に拡散するおそれがある。とりわけ、個人当たりの専有スペースが少なく、他の乗員との接触機会が多い自衛隊の艦船では、ひとたび感染が発生すれば、艦船全体が修羅場になると言わざるを得ません。  しかも、そういう意味でいいますと、それにもかかわらず、今まともな新型コロナ対策が、はっきり言って、大体、政務官自身が、そういう対応策についての具体的な内容については個別につくったものじゃないといったようなことを言いながら、だから全文はと、こう言うわけだけれども、全文も報告を聞いていないし、報告を聞いているのは、安全だと聞いているから安全だ、こういう程度の話では、本当にこの自衛隊部隊を中東に送り出した政府の責任は極めて重大だし、許されないということを指摘して、質問を終わります。