3日、外務委質問。中東派遣護衛艦「たかなみ」、コロナ検査体制無しが判明

2020年04月4日

 

3日、外務委員会が開かれ、「新型コロナの感染拡大と自衛隊の中東派遣について」質問しました。

中東地域でも新型コロナウイルス感染者が増えていることから、中東に派遣されている海自の護衛艦「たかなみ」において、感染者は出ていないのか、新型コロナウイルス感染診断に必要なPCR検査の体制が整備されているのかと追及。

たかなみ」には、新型コロナウイルス検査体制はなく、狭い医務室のみしかなく、隔離するためのスペースもないことが初めて明らかになりました。

 

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私の質問に対し、政府の渡辺孝一政務官は「検査に必要な装備等は搭載されておらず、実施できる体制はないと答弁したことで、コロナ検査体制整備がされていないことが、重大問題として発覚しました。

 

全体

 

さらに私は、この間、米軍に新型コロナウイルス感染者が100人を超えている報道を紹介。

その艦船である米空母「セオドア・ルーズベルト」、水陸両用強襲艦や第七艦隊旗艦「ブルー・リッジ」などは、艦内にPCR検査体制がある」と述べ、「検査体制がない、感染対策もないまま中東地域に送り出した政府の責任は重大だ」と批判。

防衛省が、新型コロナウイルスの感染者が出た場合の対応策として、私に提出した「コンティンジェンシープラン」は、概要しか公開されていないことを指摘。

 

こくたさん2

 

渡辺政務官は「相手国との関係があるため答弁は差し控える」と繰り返したうえに、「報告は受けていないが、コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにしっかりしたプランになっているという報告は受けている」と答弁。

この珍答弁には、会議室で失笑があちこちで洩れる始末でした。

 

渡辺政務官

 

私は、海上自衛隊で自衛艦隊司令官を務めた香田洋二氏が日経ビジネスのインタビューで「1981年の冬、護衛艦「ゆうだち」が母港である京都・舞鶴で次の航海に出る準備をしていたときに、たった2週間で乗艦していた250人の8割がインフルエンザに感染するという事態が起きた。最初の感染者が現れたと思ったら、あれよあれよという間に10人、20人と増えていった」「護衛艦勤務において最も留意すべきことは、感染症と食中毒だ」と答えていることを紹介し、この教訓はどういかされているのかと追及。

 

こくたさん1

 

最後に、「ゆうだち」や「セオドア・ルーズベルト」で起きた手段感染の事例からも明らかなように、狭い空間に人が集まっている船舶では、新型コロナウイルスが急速に拡散する恐れがある。他の乗員との接触機会が多い自衛隊の艦艇では、ひとたび感染が発生すれば、艦船全体が修羅場になる。にもかかわらず、まともな対策がされないまま自衛隊部隊を中東に送り出した政府の責任は重大であり、到底、許されない」と強く指摘しました。

外務委員会終了後、安保委員会で、本多平直衆院議員が、私の質問を取り上げ、河野太郎外務大臣に質問。

中東に派遣されている自衛隊艦船は新型コロナウイルス感染者対策のためのPCR検査体制もない、直ちに撤退すべきと追及しました。

 

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私は、外務委員会での質問の最初に、海上自衛隊の護衛艦「たかなみ」が2月2日に日本を就航してから2カ月が経過し、中東における新型コロナウイルス感染者が増えていることから、3月4日の外務委員会で茂木俊充外務大臣が、自衛隊の中東派遣について「情報収集体制の強化のための自衛隊の艦艇及び航空機の活用に取り組んでいく」と表明していることに対し、大臣の認識を質しました。

 

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茂木大臣は「日本の船舶にかかわる安全確保に必要な情報収集活動を担ってもらっている」と述べたうえで、「ダイヤモンド・プリセス号における支援活動においても自衛隊からの感染者が出なかった。普段から防疫上の訓練をされているからだと思う。これからも健康な状態で情報収集活動にあたっていただきたいと思う」と答弁しました。

 

茂木大臣

 

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質疑の模様は、衆議院のライブラリーからご覧ください。