外務省の文書改ざんがいっそう明らかに

2020年03月18日

穀田委員

 日本共産党の穀田恵二です。  始めに、前回の三月六日の本委員会に続き、中国での新型コロナウイルスの感染拡大に関し、外務省が作成した対応文書について聞きます。  私は、前回の質疑で外務省に、領事局政策課名の二〇二〇年一月二十四日付新型コロナウイルスによる感染症、外務省の対応と題する文書、これの提出を要求し、その文書が一月二十四日の昼に外務省が自民党の一部議員に示したものと同じであることを指摘しました。  ところが、領事局政策課から三月四日に提出された文書は、日付や表題こそ同じだけれども、外務省が自民党議員に示したものと全く異なる文書でありました。  そこで、なぜ外務省が要求したものと違う文書を提出したのかということを、前回、茂木大臣に質問しました。大臣はその文書について御存じないということでありました。  そこで、本日は、外務省の領事局長に改めて聞きたいと思います。  前回の質疑後の三月十一日、領事局の大隅参事官らが私の事務所を訪れ、新たな文書を提出しました。それが配付資料、皆さんにお配りしている一枚目がその文書であります。日付は西暦で二〇二〇年一月二十四日と書かれ、作成した部署も領事局政策課となっています。表題も「新型コロナウイルスによる感染症 外務省の対応」とあることから、私が当初要求した文書と符合します。  ちなみに、新たに出された文書も自民党の一部議員に示したものとは異なる部分がある、そこはあらかじめ指摘しておきたいと思います。  いずれにせよ、前回も指摘したように、私は、領事局政策課が三月四日に提出したものは配付資料の二枚目、今皆さんにお配りしています、のものであって、日付の表記も令和二年一月二十四日と年号で書かれ、作成した部署も単に外務省となっているものでありました。しかも問題は、この二つの文書を見るとわかるように、表題こそ同じだけれども内容が全く違うということであります。  そこで、領事局長に伺いたい。  私の求めに応じて、なぜ最初から配付資料の一枚目の文書を提出せずに配付資料の二枚目の文書を提出するような対応をしたのか、明確にお答えいただきたいと思います。

水嶋政府参考人

 お答え申し上げます。  今委員御指摘の二つの文書でございます。一方は委員が今おっしゃったように、二〇二〇年一月二十四日付領事局政策課名の「新型コロナウイルスによる感染症 外務省の対応」という文書であります。もう一方については、令和二年一月二十四日付で外務省名で件名が同じ文書でございます。  委員から三月三日に領事局政策課名の文書の提出が求められていたわけではございますが、もう一方の同じ件名である外務省名の方の文書を提出してしまったということでございます。事務的なミスにより御迷惑をおかけしたことをおわび申し上げたいと思います。  なお、一月二十四日夕刻の記者会見におきまして、茂木外務大臣から、中国湖北省全域に対します感染症危険情報レベル3、渡航はやめてくださいを発出する旨、発表いたしました。領事局政策課名の文書はこの会見の前につくったもの、外務省名の文書は会見後に作成されたものでありまして、日付は一緒でございますが、それぞれ、その時点で得られた情報を掲載したということでございます。

穀田委員

 私はその内容についてまだ言っているわけじゃないんですよね。後半の方を聞いているわけじゃないんですよ。前の、何でそんな対応したんやと聞いているんですよね。  それで、私は資料要求した際にきちんと書面で、領事局政策課名の二〇二〇年一月二十四日付の文書と指定して要求しました。ところが、それを、日付や作成部署の表記も違う、内容も全く違う文書を提出するなど全くあり得ないと私は思うんですね。間違いのないようなことなんです。したがって、本来提出すべき文書を隠し、意図して別の文書を作成、提出したと考えるのは、ある意味当然だと思うんですね。そう違いますか。

水嶋政府参考人

 繰り返しになって恐縮でございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、委員から提出要求がございましたもの、それと違うものを事務的なミスによりお渡しをしたということでございます。

穀田委員

 日付もクレジットもちゃんと要求しているわけですやんか。それを事務的に間違えると。それは、他の省庁と比べるつもりは私はありませんけれども、外務省は資料要求に対してとりわけ厳格にする役所だと、別に褒めているわけじゃないんですよ、そういうことが今まであったと。それが、ところが、それを、日付の表記も違う、作成部署の明記もない文書を事務的なミスで出してしまったということなど考えられない、本来そういうことは通用しないことだということを明確にしておかなければならないと思うんです。  こういう問題がなぜ起きるのかということについて、ちょっと話をよく聞いてほしいんですよね、領事局長。  配付資料の一枚目の文書を見ると、領事局政策課では、一月二十四日の時点で武漢市及び近隣六市の公共交通機関が停止し、駅、空港の閉鎖が発表されていたにもかかわらず、そこでレベルの話が出てくるんですよ、先回りしていろいろ言ってはるけれども、武漢市のみを感染症危険情報のレベル2、不要不急の渡航自粛勧告ということですよね、にすることでよしとしていたことがわかるわけです、この文書というのはね。  しかし、前日の二十三日の現地の状況というのは、中国当局が武漢市を封鎖した時点で既に五百万人もの市民が武漢市を離れて各地に移動していたわけであります。こうした状況を踏まえれば、一月二十三日の時点で感染症危険情報を武漢市だけでなく湖北省全体をレベル3、渡航中止勧告とすべきだったことは余りにも明白だと私は思います。  そうした初動対応のおくれ、判断の甘さが配付資料の一枚目の文書を提出するとわかってしまう、露呈してしまう、それで配付資料の二枚目の文書を故意に提出してごまかしたというのが本当のところとちゃうのかというふうに思うんですけれども。

茂木国務大臣

 まず、穀田委員の方から要求のありました資料につきまして、本来だったら、要求どおりの、二〇二〇年一月二十四日、領事局政策課、このクレジットの文書を提出すべきであったと思っておりまして、その点についてはおわび申し上げたい。若しくは、この二十四日の領事局政策課の文書と、二十四日、外務省、これは夕方の時点の文書でありますが、これを両方お渡ししておけばより親切だったのではないかな、こんなふうに考えております。  先日、穀田委員の方から御質問いただいて、ちょっと文書が確認できなかったので、省に戻って、すぐに私なりに、二つ文書があるようだけれどもということで確認をさせていただきました。  見比べまして、これは見方にもよると思うんですが、どう考えても、一月二十四日、夕方私が記者会見をやった後につくりました資料の方が詳しく書いてあります。そして、より先に進んだといいますか、武漢市を含みます湖北省の感染症危険情報をレベル3に上げた。こちらの、もう一つの文書の方はレベル2になっているわけであります。  それから、邦人の安否につきましても、武漢市に邦人が七百十名、近隣六市に二名の在留邦人の滞在を把握となっておりますけれども、もう一つの領事局政策課の文書の方は、武漢市及び近隣六市の在留邦人の安否確認継続中ということでありまして、明らかに、新しいというか、新しい情報を含んだものをお渡しした。御指定のものとは違ったということではおわびを申し上げたいと思いますが、決して、隠すというよりも、より前向きに、新しい情報を提出をさせていただいた。  ただ、今後はきちんと、要求いただいた内容に沿う、若しくは、更にそれにつけ加える情報があったらつけ加える、こういった形での情報提供に努めてまいりたいと考えております。

穀田委員

 私は、もう一度言いますけれども、間違えようのないことだということを言っているわけです、まず。そこははっきりせなあかんと。つまり、ばくっとした話で要求してんのやったら、それはいろいろな文書があるでしょう。しかし、内容を指定し、日付も指定し、やっているということなわけですよね。  しかも、先ほど言ったように、一部自民党議員にはそういうことについて配られている。そういうことも私は、ユーチューブその他も含めて見ております。そういう内容とも違うということも、これは明らかであります。  ですから、今何か、大臣は、詳しくなったんだという話をしていますけれども、それは、時を経れば、後からつくるものは何ぼでもできるので、そんなの、何ぼでも言えるわけですやんか。  それほど言うのやったら、私、三月四日に提出した配付資料の二枚目の文書というのは、一体、いつ、誰がつくったものなのか、私からの資料要求を受けて、その後につくったものじゃないのかという疑問が生じるわけですよね。普通、人間、そういう問題、別に悪意で言っているわけじゃなくて、それが変わっているわけやから。そういうものを私、両方ずっと見ている関係もありまして、そう思うのは当然だと思うんですね。  したがって、どうしてもそういうふうに言うんだったら、文書を作成した記録、ログを確認すればわかるわけですね、いつつくったのかということがわかるはずです。  そうすると、領事局長は、この問題について、このログを提出するということは可能ですよね。

水嶋政府参考人

 改めて、先ほどの二つの資料についてちょっと御説明をさせていただければと思いますけれども、一月二十三日に武漢市に対して感染症危険情報レベル2を出しました。これは、武漢市が二十三日の十時から武漢市全域の交通等を制限するという発表をしたこと、また、二十二日にWHOが緊急事態宣言について検討をするということを発表したことを踏まえて、レベル2を出したわけでございます。  その後、一月二十四日、大臣がレベル3を夕刻に発表いたしましたけれども、これは、その後、二十四日の未明に、武漢市に加えて近隣六市について、それぞれ各市当局が、公共交通機関の停止や、鉄道の駅や道の封鎖を発表するということで、移動制限措置が強化をされた、また、武漢市を始めこれらの各市について感染者数がますます増加をした、感染の地理的拡大が懸念される状況にあった、さらに、WHOもヒト・ヒト感染が認められるということも示したということを踏まえてレベル3に上げたわけでございます。  ですから、この二つ目の資料を、一月二十四日午前中にこれはつくったわけでございますが、その時点では、今委員御指摘の、武漢市に加えて近隣六市が交通制限をしたということは事実関係として承知しておりましたけれども、その後、それも踏まえて、今申し上げたようなことで、総合的に検討した結果、夕刻に危険情報をレベル3に上げたということで、それを踏まえた資料をもう一つの方に記載いたした、そういうふうな経緯でございます。

穀田委員

 経過の問題について言うならば、自民党一部議員に配付された資料の中には、一月二十四日の昼間に会議をやっていて、そこについては、今お話があった武漢市の話は全部出ているんですよ。そのときも含めてレベル2なんですよ。それで問題になっているわけですよ。  私は、それを言っているんじゃないんです。それをあれこれ言うのやったら、きちんと出したらええやんか、だから、ログを確認すればできる、それは出せますねと言っているんですよ。

茂木国務大臣

 穀田委員、ごらんいただきましたら、外務省として作成した文書、二つ、二十四日のがあったわけでありますが、それをそのまま出させていただいて、明らかにこの外務省という文書の方が新しい。これは私が夕方に記者会見しましたから覚えていますよ。そういう文書を出しているわけでありまして、この二つの間で時間差はあって、レベルの引上げ等々を行ったタイムラグというのはありますけれども、何かを後で隠蔽するとか、そういうのは全くないわけです。  何らか問題がある、どうしても何かを、本来書いてあったものがなくなっているとか、そういうことだったら、御指摘をいただきましたら、それについて調査をいたしますけれども、少なくとも、領事局政策課の文書より新しいもの、これをつくって、二十四日の夕刻以降に作成をしたということでありまして、何らかそういう、この文書に問題があるということでしたら、具体的にお示しをいただきましたら、調査をさせていただきます。

穀田委員

 極めて簡単でして、私が言っているのは、私の方に、私が要求した資料ですから、ログを出していただければ、私はそれで自分で判断するということですよね。それはそちらも判断してよろしいと。共通の基盤、そういう内容で議論をできるわけですから、きちんと出してほしいということです。それを要求します。

松本委員長

 委員会への要求ということですか。

穀田委員

 はい。

松本委員長

 それでは、後刻、理事会で協議をさせていただきます。

穀田委員

 こういう問題を私は何で聞いているかということなんですよね。やはり、在留邦人を含めて、どういう形でメッセージを発出するのかという根本にかかわるから聞いているわけです。  では、角度を変えて聞きたいと思うんです。  私は前回の質疑で、外務省が三月四日の本委員会の理事懇談会で配付した外務省の対応、この文書には、一月二十三日に武漢市のみを、先ほどありましたように、レベル2としていたことが一行も書かれていないことを指摘しました。このことについて茂木大臣は、武漢市をレベル2にしていたことはオープンになっていることで、隠す必要はない、こうおっしゃっていました。さらに、こうも言いました。一枚の紙に入るように重要な点をピックアップして書いているという趣旨の答弁をされました。  そこで、領事局長に確認するけれども、理事懇談会の配付資料で、武漢市のみをレベル2とした一月二十三日の対応を一行も書かずに省略した理由は何ですか。

水嶋政府参考人

 お答えします。  委員御指摘のとおり、三月四日付の資料、理事会でお配りした資料には、武漢市に対するレベル2という記述はございません。  これは、この資料、一枚紙で、「新型コロナウイルス感染症への対応」ということで、各国の感染状況、それから日本の対応ということで書かせていただいておるわけですが、その中で全ての動きを書くというのが非常に細かくなって難しかったものですから、必要だと我々が考えることについて書かせていただいていたということでございます。  前回、茂木大臣からも御答弁申し上げましたけれども、感染症危険情報を発する際には、必ずそのたびに発表し、かつホームページに載せ、それから在留邦人、渡航者に対してもメールで通知をしております。ですから、対外的に公表してきておりまして、隠しておるものでは全くございませんので、特に何か他意があって記述が落ちたということではないということを申し上げたいと思います。

穀田委員

 それで、私、外務省が配付した他の文書を調べてみたんです。これは全部あるんですけれども。一月三十日に本委員会の理事懇談会で配付した資料、政府の第一回目と第二回目の新型コロナ感染症対策本部で配付した文書、二月十四日と十九日に与党の会合で配付した文書の五つ、その五つの文書を見ますと、いずれも武漢市のみをレベル2としていたことだけが省略されている。  文書を見ましても、随分あいているんだよね。先ほど一枚の紙に入るようなと言うけれども、一枚の紙に何ぼでも入るねんね、そんなことを言うけれども。全部の紙を私、見てみたけれども、全部、それは十分入るやんね、レベル2にしましたなんていうのは。  しかも、そうすると、レベル2にしたことは大したことなかったというふうに皆さんおっしゃるのか。そんなことないんですよ。それは極めて重要な話であって、だから、ここだけが省略されているというところに問題がある。したがって、外務省が一月二十三日に武漢市のみをレベル2としたことを故意に明記しなかったということは疑いないと思うんです。  配付資料の一枚目の文書を最初から提出しなかったのも、単なる事務的なミスではありません。この文書を提出すれば、本来、五百万人もの市民が武漢市を離れたという一月二十三日の時点で、湖北省全体をレベル3とすべきところをしなかった、そうした対応のおくれ、判断の甘さが露呈してしまうことにほかならないからであります。  外務省の発出する感染危険情報は、在留邦人の命と安全確保にかかわる重要な情報であります。その初動対応に判断の甘さやおくれがあったことは重大であり、しかも、そのことを取り繕うために文書を改ざんしたり隠蔽したり、保身を図るなどは絶対にやってはならないと私は考えます。そういう点で、領事局長には猛省を求めたいと思います。  次に、新型コロナをめぐる、WHOがパンデミックを表明する中で、世界各地で日本に入国制限や行動制限を課す国や地域が日を追うごとに広がっています。  そこで、その問題について少し質問したいと思うんですけれども、日本に入国制限や行動制限を課す国、地域が広がる中、日本人が海外で差別的被害を受ける事例が問題になっています。  例えば、ドイツでは、サッカーの試合を観戦していた日本人観光客の団体が、ウイルスの疑いがある人は入場できないと会場を追い出されることがありました。フランスでは、パリ郊外の日本料理店の店先にコロナ消えうせろなどと落書きされる事件がありました。また、パレスチナでは、日本人女性が路上でコロナ、コロナと誹謗中傷を受け、髪をつかまれるといった暴行事件がありました。  そこで聞きますが、外務省には、新型コロナに関して、在外邦人へのトラブルは現在どのくらい報告されていますか。

水嶋政府参考人

 今委員御指摘の、在外で日本人が、差別的な扱いをしているという件でございます。これは、実際に、今委員が御指摘になったように、一部の国におきまして日本人に対して差別的な扱いが生じたケースがあるということは、外務省といたしましても承知をしております。まことに遺憾であるというふうに考えております。  政府としては、邦人が差別的な扱いを受けるなどの具体的事案を認知した場合には、現地当局に対して再発防止の申入れを行うなど、邦人保護の観点から適切に対応を行っておりますし、今後もやっていきたいと思います。  何件という御質問でしたけれども、件名としては今手元にございませんが、幾つかの事例はもちろん承知をしておりますし、先ほど委員御指摘のありましたドイツのサッカーの試合のケースを申し上げますと、クラブそれから政府に対して、その後、再発防止を強く求め、そのクラブチームの方からも謝罪があったというふうに、再発防止に努めるという回答があったというふうに承知をしております。  そのような形で、こういう案件を認知したら、在外公館からしっかりと働きかけをして、再発しないように努めてまいりたいと思います。

穀田委員

 私、何件ぐらいあんねんという、どのぐらい報告されているのかと聞いているわけですやんか。  そうすると、報告を件名としてつかんでいないということですね。簡単に言ってくれたらいいし。

水嶋政府参考人

 そのような事案があれば、必ず本省の方に報告が参ります。  今手元にちょっと集計をしたものは持っておりませんので、お答えは差し控えさせていただきます。

穀田委員

 手元にないというのは、私、悪いねんけれども、それは言うたわけですやん、これを聞きますよと。だから、そういうものに対して、邦人がどんなふうな事態を受けていて、何ぼあんねんと聞いた話を、手元にないと二回も言うというのは、私は不届き千万だと思いますよね。この間、一生懸命そういうことを言ってんねやからね。私は論外だと思うね、そういうことについて。手元にないって、言うてんのやから、質問は。  大臣、海外でそういう差別的な被害を受けている問題について、時事通信は、社団法人海外邦人安全協会の事務局長が、中国が自国の対応を強調することで日本や韓国への偏見が強くなっていると指摘したと報じています。マスクをめぐる文化の違いもそれは注意が必要で、感染予防のマスク着用は世界じゅうに浸透しつつあるものの、欧米ではマスクイコール病人というイメージが今も強いわけです。そのため、海外邦人安全協会では、文化の違いを念頭に置き、マスクをする際には周囲の状況をよく見て判断してほしいと訴えています。  新型コロナの感染拡大に伴って、日本人が海外で差別的被害を受けている現状をどのように受けとめて、どのように対応していくのか、その大きな考え方をお示しいただきたいと思います。

茂木国務大臣

 この新型コロナ感染症に関連して、またそれ以外でも、日本人に対して差別的な扱いが生じるようなことがあってはならない。邦人保護の観点からも極めて重要な問題だと思っております。  そして、例えばインドネシアにおきましても、そういった発言等があって、大使館にすぐに相談窓口を設けまして情報を収集して、インドネシア外務省に対して申入れ、再発防止の要請なども行ってきているところでありまして、そういった事案が発生しましたら、まずはきちんとその邦人に対していろいろな必要な支援を行う。  同時に、相手国政府であったりとか、さまざまな、例えばサッカーのチームであったらサッカーのチーム、それぞれに対して、必要な再発防止の要請であったりとか、日本としての立場の申入れ、こういったものは行っておりますし、これからもしっかり行っていきたいと思っております。

穀田委員

 今言いましたように、邦人に対して支援をと言っています。それは当然、最大の前提は、情報を発信してきちんと伝えることだと思うんですね。  ところが、やはり今大事なのは、例えば中国において、在留届を出していない方が結構おられるということを、外務省も言っています。そういう方々に対して本当に情報を伝えることができるのかといったことも含めて、前提になっているところが非常に危うい問題があるわけですよね。そこはしっかり見ておかなければ、私はえらいことになるんじゃないかと思っています。  最後に、フィリピンの問題について、本法案の、在外公館法案の審議とのかかわりで言っておきますと、調査室提供の冊子によりますと、フィリピンは援護件数の二番目に多い在外公館だと書かれています。  そこで、日本でも、フィリピンからの帰国者の中に複数の感染者が確認されています。私の住んでいます京都でも、フィリピン旅行した男性が感染し、さらに、同居していた母親も感染していたことが確認されました。  こうした中、外務省のホームページを見ると、昨日十七日、マニラの日本大使館を、当分の間、臨時休館にすると発表しましたが、同じ十七日、今度はそれを取り消すなど、いろいろ、右へ左へ、上を下へというか、混乱しているように見えます。  また、昨日の時点ではフィリピンに感染症危険情報が発出されていないけれども、在留邦人への対応は適切に行われているのでしょうか。外務省にお聞きします。

遠藤政府参考人

 お答え申し上げます。  フィリピンにおきましては、三月十七日から、強化されたコミュニティー隔離が実施されておりまして、そちらの方につきましても、まさに、きのうから本日にかけて変更されている部分等ございまして、日々いろいろな変化があるという状況にはございます。  フィリピンの在留邦人への対応につきましては、ホームページ、あるいは領事メール等々、さまざまな手段を通じまして、在留邦人あるいは渡航者の方々に対して、フィリピンにおける新型コロナウイルスの発生状況等に関する適時適切な情報提供、それから注意喚起に努めてきておる次第でございます。

穀田委員

 一般論はそうなんですよ。そんなことはわかっているんですよ。  だけれども、今お話ししたように、当分の間臨時休館にする、取り消すとか、そういった事態について、いや、これはすんまへんでしたというようなことがないと、いや、わしらはちゃんとやってまっせみたいな話で聞こえますやんか。それを指摘しているわけでしょう、私。  だって、右へ行ったり左へ行ったりして、だって休館するとか、それから、いや、取り消すなどってなるわけでしょう。そういうこと自体が、安全に対する在留邦人の、どうしたらええのやということがあるじゃないですか。そういった問題を指摘しているのに、一般論で答えると。それが、私言ったように、適切に行われているのかと言ったら、適宜適切に行いたいと思います、そんなこと言ったって、どないすんねんな、ほんまに。  だからそれは、申しわけないの一言が要るんじゃないの。そういうことについて、やっぱりうちも混乱しますわ、大変ですのやというような話やったらわかるけれども、それが、あなた方の問題じゃないんですよ、在留邦人に、安全にかかわる問題だから、私はあると。  したがって、情報の発出は、対象とすべき邦人全てに行き渡らなければならないということと、適切に迅速に行う必要がある。発出がおくれてはならない。そのことを指摘して、終わります。