「新型コロナ感染症拡大と外務省の初動対応の遅れ」について追及

2020年03月6日

松本委員長

次に、穀田恵二君。


穀田委員

日本共産党の穀田恵二です。
きょうは、茂木大臣と質疑を交わしたいと思っています。
新型コロナウイルスによる感染症問題について質問します。
新型コロナをめぐっては、安倍政権の対応が後手に回り、国民の間に不安と混乱を広げています。その最大の要因は、新型コロナの有無を調べるPCR検査が十分に行われておらず、感染がどれほど拡大しているのか、その実態を政府が正確に把握し切れていないことにあると私は考えます。発熱やせきが続いても検査を受けられず、医療機関をたらい回しにされるといった事例も相次いでいます。感染者数をふやさないために検査を制限しているのではないかとの疑念も生じています。
こうした中で、政府は、昨晩、先日の小中高並びに特別支援学校への休校要請に続き、中国、韓国からの入国を制限する新たな措置を突如発表しました。
茂木大臣、なぜこのタイミングで突然入国制限措置を打ち出したのか、お聞きしたいと思います。


茂木国務大臣

突然ということでありますが、御案内のとおり、既に中国湖北省、浙江省については入国制限措置をとっております。さらには、韓国につきましても、大邱市、さらには清道郡についてはそういった措置はとってきているところであります。さらに、適時適切に感染症危険情報、この引上げも行ってきているところであります。
そういった中にあって、全体的に見ても、まだ感染者の数は中国が一番多い、そして、ここに来て韓国での感染者が急増している。こういう事態を受けながら、一方で、日本においても、これから一週間、二週間、これが新型コロナウイルス感染症の拡大を食いとめることができるかどうかの山場、こういった中で万全な水際対策をとる。こういった考えから、きょう、閣議了解をさせていただきましたが、新たな入国制限措置、そしてまたビザ等の発給したものに対してそれを無効にする、こういった措置をとらせていただいた次第であります。


穀田委員

この間の経過についてお話がありましたけれども、なぜこのタイミングかということを聞きたかったわけですよね。
といいますのは、けさの読売新聞によると、日本政府がこうした対応をとったのは、四月上旬に中国の習近平国家主席の国賓来日が控えていたことが大きく影響していたとして、日本政府関係者が、入国拒否の地域を拡大し、国賓来日に水を差すわけにはいかなかったと明かしたと報じています。これは読売新聞の報道です。
今回の入国制限措置が、昨日の習近平主席の来日延長と日を同じく、時を同じくして突如発表されたのはこうした理由があったのじゃないかと思うんですが、いかがですか。


茂木国務大臣

仮に、穀田先生のそういった仮説に立ちますと、日本として入国制限措置はずっととらずに来たはずでありますが、既にとっているわけです。湖北省であったりとか浙江省について入国制限措置をとり、また、感染症の危険情報の引上げ等々も行って、適時適切な注意喚起であったりとか水際対策もとってきたというわけであります。
そういった中で、習近平国家主席の国賓訪日につきましては、今、日本、中国ともに、コロナウイルス感染症の拡大防止、これが最優先の課題であること、これに最優先で当たる必要があること、同時に、十年に一度となります中国の国家主席の訪日、これが大きな成果を上げるようになるように十分な準備を行う必要があること、こういう観点から判断をしたものでありまして、昨日、そういった最終的な、先週来、私も、王毅国務委員との間で電話会談を行い、また、来日しましたヨウケツチ中国共産党政治局委員ともお話をさせていただきながら、さまざまな、習近平国家主席の訪日の意義であったりとか、どういうタイミングが適切であるかと議論をさせていただき、それを踏まえながら日中間でやりとりをしてきて、きのう決まった結果としての適切な時期を改めて調整する、こういう判断と、きのう決めさせていただいた水際措置、これは全く別のものであります。


穀田委員

私が仮説を出しているわけじゃないんですよね。私は読売新聞を引用して言っただけで、私が仮説を立てて大臣にお話をしてどないやと聞いたわけじゃないんですね。そこははっきりしておかへんと、何か、話をこっちに持っていこうとする意図がありありなので、ちょっとそれは違うんじゃないかと私は思うんですね。
今回の入国制限措置の発表は、習近平主席の来日延期が正式発表されてからわずか三時間後でありました。けさの日経新聞にはこう書いています。安倍総理が、何もしなければ批判ばかりされる、やり過ぎの方がましだと周囲に強い不満を漏らし、中国への水際対策の強化に傾いていった、そして、政権がたどり着いたのが、習近平主席の来日見送りと中国からの入国制限の強化をセットで打ち出すという解だったと報じています。これは日経新聞で、先ほどは読売、今度は日経ということですね。
ここからは私のあれですけれども、国内での感染が広がっている中、二周も三周も周回おくれの対応をしている、感染拡大防止の科学的見地から、今ごろ中国からの入国制限をして意味があるのかと私は問わざるを得ないんですが、いかがですか。


茂木国務大臣

先ほどの御質問について、穀田先生の仮説ではなく新聞報道等からのお話である、それについては了解をいたしました。
その上で、若干繰り返しになるわけでありますが、中国そして韓国等での発生状況であったりとかさまざまな情報を総合いたしまして必要な水際措置をとってきたわけでありますが、依然として中国で感染者が圧倒的に多いというのも事実でありますし、韓国におきましては、この伸びが物すごい、今グラフを私は持っているんですけれども、すごい伸びを示して、きのう現在で五千七百六十六人、中国が八万人でありますけれども、その次の三位のイタリアが三千人、イランが二千九百二十二人、こういう状況から見ても、隣接する韓国も含めた水際措置、これは、日本が今まさにコロナウイルス感染症を食いとめられるかどうか、この瀬戸際で必要な適切な判断であった、このように考えております。


穀田委員

韓国の問題は、韓国の大統領府も含めて、いろいろな反応をしている模様です。ですから、それをよく見ていただければと思います。
政府の感染防止対策が後手に回っている背景に中国との関係を指摘する報道は、読売だけではありません。ほかにもたくさんありますが、二月十九日の時事通信も、政府関係者の言葉を引用し、次のように報じています。習近平国家主席の国賓来日を控えて中国側から大ごとにしないでほしいと要請があったといい、これも対応が後手に回った要因だと見られる、このように報じています。政府の初動対応のおくれにこうしたことがあったのが事実なら、まさに重大問題だと思うんです。
そこで、大臣は、この間の取組の経過を踏まえて、こうやってきたんだということをおっしゃいましたので、その後の問題についてやりますが、よう見ていると、この報道というのは、単に日本の報道機関がやっているだけじゃない。国内にとどまらない。海外のメディアからも厳しい批判が出されています。
例えば、アメリカの有力紙ワシントン・ポストは、二月二十日付の記事で、日本政府が二月一日まで湖北省からの来訪者への入国禁止措置を行わなかったことなどを挙げ、安倍首相は、コロナウイルスの問題に正面から取り組むよりも、四月に予定される習近平国家主席の訪問を前に、中国を怒らせることを避けたがっている、このように報道しています。
だから、こういった点で、先ほどお話ししましたように、国内のメディアがさまざま報道しているというだけじゃなくて、海外も習近平国家主席の来日と絡んだ事態についての考え方をそれぞれ批判的に報道しているということがおわかりかと思うんですが、国内はもとより、海外からもこうした批判が出されていることに対してどう受けとめておられるか、お述べいただきたいと思います。


茂木国務大臣

まず、かなり事実誤認があるなと。正確に日本の取組というのを踏まえたような報道はしていただきたいと思っております。
例えば、中国に対して、日本は、湖北省、一月二十四日に、感染症の危険レベル、これをレベル3、渡航中止勧告、なかなか出さないものにもう引き上げております。そして、湖北省につきましては、三十一日に、上陸の拒否、こういった閣議了解も行っております。さらには、浙江省につきましても、二月の十二日の時点で、入国規制、こういったことも行っているわけでありまして、今御紹介いただきました記事、これよりも前の段階でそういった措置はとっているということはぜひ御理解をいただきたいと思います。
確かに、海外メディアを見ておりますと、批判的なもの、必ずしも正確でない情報のものも含め、さまざまな報道が見られるわけでありますが、これについても、反論投稿も含めて、政府としてしっかり対応してきているつもりであります。なかなかいい反論をしているんですよ。御紹介しましょうか。(穀田委員「それは後にして」と呼ぶ)とてもいいのがあるんですよ。見ていますか。いいでしょう。


穀田委員

私は、そういう、両方あるというのは知っていますよ、反論しているというのも知っていますよ。だけれども、大事な問題は、単にそういう報道が日本国内にとどまらず、そういった中身が随分あるという問題についてどう受けとめるか。それは、誤認があるというんだったら誤認があるでそれはいいんだけれども、私はそうじゃないと思うんですね。
つまり、こうした海外メディアの反応に、あれこれ、こうやこうやと言って抗弁されるよりも、それはそれで率直に受けとめて、それは、そういうことについて後手に回っているということについては、多くの国民全体が、全体としては後手に回っているということは認識しているわけだから、その場当たり的なやり方が国民の不信を増幅させているということは誰の目にも明らかだと思うので、そのときに、理屈をあれやこれや述べてやるんじゃなくて、批判に対して謙虚にやるということが私は必要だ、行政機関にあるもののその長としては、きちんとそういう立場が必要だということを私はあえて述べておきたいと思うんです。
そこで、茂木さんは、今外務省の初動の対応について少しお述べになりましたから、そこを少し、では、具体的に質問したいと思うんです。
中国各地で広がる新型コロナウイルスについて、外務省は、現在、感染症危険情報として、中国全土にレベル2、不要不急の渡航自粛勧告を、また、お話ありましたように、湖北省と浙江省の温州市にレベル3、渡航中止勧告を発出しています。このうち、湖北省をレベル3としたのはいつで、その理由は何か、改めてお伺いしたいと思います。


茂木国務大臣

誰もいないようですから、私が答弁をさせていただきます。
一月二十四日までに、武漢市に加えまして近隣の六市につきまして、空港の閉鎖に加えまして、各市当局が交通機関の停止、及び鉄道の駅及び市を離れる道の封鎖を発表する等、移動制限措置が強化をされたところであります。また、武漢市を始めこれらの各市におきまして、患者数がますます増加していたことに加えまして、感染の地理的拡大が懸念される状況にありました。
さらに、WHOは、中国において患者の家族や医療機関関係者で限定的なヒト・ヒト感染が認められたと示されておりまして、これらを総合的に勘案した上で、一月二十四日に中国湖北省に対しまして感染症危険情報レベル3、渡航はやめてください、これを発出したところでありまして、こういった感染の拡大がどうなっているか、また、交通規制であったりとかそういったものがどうであるか、現地の医療体制がどうであるか、そういったものを総合的に判断して、危険情報につきましては発出、注意喚起を促しているところであります。
その上で、先ほど先生の方から海外メディアのお話がありましたが、率直に、御意見というのは謙虚に受けとめなければいけない、このように私も考えておりますが、一方で、事実関係として間違っているものについてはきちんと訂正していく、これも必要な措置である、そのように思っておりまして、何か海外メディアで言っていることが全て正しいということだったら、中国とか韓国は今、アメリカのメディアからぼこぼこですよ、本当に。大変な状況でありまして、そこは一つ一つ、正しい情報かどうかというのは精査する必要があると思っております。


穀田委員

外務省が発出する感染危険情報、これは配付資料一枚にもあります。渡航、滞在に当たり特に注意が必要と考えられる国、地域に発出される危険情報の四段階のカテゴリーを使用し、WHOなどの国際機関の対応や、発生国、地域の流行状況、主要国の対応などを総合的に勘案して発出されているものであります。
茂木大臣は、湖北省をレベル3にしたことを、一月二十四日の夕方十六時四十三分から行った記者会見で発表されました。しかし、同じ日の朝九時二十五分から開かれた関係閣僚会議の議事概要を見ますと、茂木大臣は、武漢市について前日の一月二十三日にレベル2にしただけと報告して、湖北省をレベル3とする考え方は示されていませんでした。
つまり、一月二十四日の午前中までは武漢市のみをレベル2とすることでよしとしていたものを、その夕方になって、今度は湖北省をレベル3にすると判断を改めたわけですけれども、その理由を簡単にお話しください。


茂木国務大臣

感染症の拡大、日々、時々刻々、状況というのは変わってまいります。外務省としても、現地での数字もそうでありますし、状況等々を取り寄せておりまして、そういったものを総合的に判断しながら、その時々で判断をしていくという話でありまして、じゃ、二十四日午前中の段階を維持したから、午後になって変えるということが、じゃ、二十四日の午前中の会議で言わなかったので、あと二日待とうか、その方が私は適切でないと思います。


穀田委員

私、そんなこと言っていません。
茂木さんが今お話しになりましたけれども、外務省が一月二十四日の昼に自民党の一部議員のみに配付した領事局政策課名の文書の写しを、私、持ってまいりました、これなんですけれどもね。
それを見ると、領事局政策課は、一月二十二日と二十三日に行われたWHOの緊急委員会で、中国において人から人への感染が認められるとされたが、緊急事態宣言は時期尚早として見送られたこと、また、武漢市及び近隣六市が公共交通機関の停止及び駅、空港の閉鎖等を発表したことなど現状を踏まえ、武漢市をレベル2、不要不急の渡航自粛勧告ですね、に引き上げたなどと書かれています。つまり、領事局政策課では、一月二十四日の昼の時点でも、武漢市のみをレベル2にした前日二十三日の対応を踏襲していたということになるわけであります。
茂木大臣は、今、レベル3とした理由について、一月二十四日の夕方の記者会見では、武漢市及び近隣六市が公共交通機関の停止などを発表したことなどを挙げていますけれども、これは、領事局政策課が一月二十四日の昼の時点で、同じ理由で武漢市のみをレベル2とすることとして、よしとしていたわけですね。同じ理屈と、相違して、一方では違う資料で行われているということについて、違うんですか。


茂木国務大臣

ちょっと手元にその資料がありませんが、今お聞きしますと、それは一月二十四日の昼時点の話でありまして、この危険情報、引上げを行わせていただいたのは夕刻であります。その前に、さまざまな情報を総合して、レベルの引上げを行った次第であります。


穀田委員

さまざまな、時々刻々と、しかし、理由は同じ理由を言っているんですよね。今お話ししましたように、外務省の対応が出ているんですけれども、その中身は、先ほど言いましたように、武漢市及び近隣六市が公共交通機関の停止などを発表したことを挙げて、同じ理屈で、片っ方をレベル2、片っ方をレベル3にしているということだけは明らかだ。
私は、外務省に対して、領事局政策課が自民党の一部議員のみに配付したものと同じ文書、正確には、新型コロナウイルスによる感染症、外務省の対応という文書を提出を要求しました。
ところが、領事局政策課から三月四日に提出された文書には、これですけれども、日付や表題は同じなんですけれども、こういう内容なんですね、同じなんですけれども、結局、領事局政策課から三月四日に提出された文書には、日付、表題こそ同じだけれども、自民党の一部議員に配付したものと全く異なる文書が提出された。
私は、中身を指定して、これを出せと言ったんだけれども、こういう内容が違うものが出てくるということ自体がおかしいんと違うか。なぜ違う文書を私に、じゃ、提出したんですか。わかりませんか。


茂木国務大臣

突然のことでありますから、その文書、私、今見ておりません、正直申し上げて。その部分はわからないんですが、その引上げを行った理由、これは先ほど申し上げた理由でありまして、こういった問題につきましては、やはり判断が必要なんです。ある程度いろいろな考えはあると思います。危険情報を引き上げるかどうかにつきましては、さまざまな判断はあると思いますけれども、万全をとる、こういう観点から私が判断を行わせていただきました。


穀田委員

万全をとるというなら、もう少し早くできたというのが私の考えです。先ほど言ったとおりです。
それで、私は、自民党の一部議員に配付したものと内容の指定をして、同じものを要求したにもかかわらず、そのものを提出せずに、内容も、二十四日、状況を踏まえ、武漢市を含む湖北省の感染症危険情報をレベル3に更に引上げという文言をつけ加えているんですよね。だから、茂木大臣の夕方の記者会見を受けて、今お話ししたように、政府の対応と、自民党の一部議員にのみ配付されたその時点での問題との、同じ文書を要求したにもかかわらず、別な文書に変わっているという点は、極めて私は遺憾だと思うんですね。
だから、この間、文書というのはずっと問題になっていて、どういう形で出されて、政策形成過程や決定過程、どういうふうになっていくのかという問題の一つとして私は重視して提出を依頼したわけですよね。もちろん、今、大臣、見ていないからとおっしゃいますけれども、いずれにしても、それは後で見せてもええけれども、違うことだけは確かだと思うんです。
したがって、要するに、結局後から、大臣は、時々刻々変わるからその時点で判断を変えたんだと。それはそうかもしれません。だとしたら、その前の文書については、こういう経過でこうでしたと出せばいいわけで、私が要求しているものについて。別に、大臣の発言が変わったなら変わったでいいですよ。しかし、変わったことさえも明らかにしない文書を出すとなれば、それは改ざんと言わなければならないと思います。
しかも、茂木大臣が湖北省をレベル3に引き上げた理由というのが、先ほどもお話ししましたように、この自民党の一部議員のみに配付した文書の写しを見ても、領事局政策課が一月二十四日の時点で踏襲していた、前日二十三日に武漢市のみをレベル2にした判断と何ら変わらないんです。判断が変わったというんなら、文書の中身も変わっていいと私は思うんですね。
だから、そうすると、大臣は、時々刻々、万全の、私が変えた、こう言っているわけです。そうすると、武漢市のみをレベル2とした一月二十三日の判断が甘かったと。武漢市だけでなくて湖北省全体をレベル3にすべきだったという対応のおくれ、つまり、これを夕方の記者会見で修正したということでいいわけですね。


松本委員長

答弁の前に穀田君に申し上げますが、委員会に資料、物品等を御提示いただく場合は、事前に委員長の許可を得ることになっておりますので、御注意願いたいと思います。


茂木国務大臣

危険情報の発出に当たりましては、先生お手持ちの資料だけではなくて、さまざまな情報、それは紙になっているものもありますし、そうでないものもあります、そういったものも総合的に判断して、その時々において一番適切な判断をいたしております。
二十三日の時点で判断したこと、二十四日の時点で判断したこと、それは当然変わってまいります。そして、一枚の紙、自民党にお示ししたものであろうが、穀田先生にお示ししたものであろうが、その紙だけをもって判断しているということでは全くございません。


穀田委員

判断したというふうに私は言っていないんです。そういう二つがあるわけだから、それやったらきっちり出したらええやろうと。政策決定過程、判断が万全、そしてどうのこうのと言うんだったら、少なくとも外務省としてはそういう経過があるわけだから、それはきちんと出したらよろしいやんかと言っているだけなんです。
そこで、配付資料の二枚目ですけれども、これは出していますので。三月四日の本委員会の理事懇談会に外務省が説明に使った「新型コロナウイルス感染症への対応」と題する文書であります。
この中の「我が国の対応」とある箇所を見ますと、湖北省について、外務省が一月二十三日の時点で武漢市のみをレベル2にしていたことが、これまた一行も書かれていないんですね。なぜ、じゃ、その部分を削った文書を理事懇談会で事務方に説明させたのかということになりますよね。そういった問題も別にええのやということですか。


茂木国務大臣

これをごらんいただきますと、この「新型コロナウイルス感染症への対応」として、相当、一枚の紙に入れるのには無理くりなぐらいの情報を入れてあるわけであります。そして、一月二十四日にレベル3に上げたという前のことについて、全部を書けているわけではないんです。ここの中には、韓国のことも書けば、イランのことも書けば、ほかの国のことも書いてあります。本来もっと書きたいことが書き切れていないのがあれでありまして、重要な点をピックアップして書いている。
決して、この一月二十三日がどうだったかというのを隠しているとかいうことではなくて、それは明らかなことですから、オープンになっていることですから、まとめた中で、重要なことをこれに入れたというだけの話であります。


穀田委員

そういう言い方もなかなかあるのやなと思いましたわ。そうやったら二ページにしたらいいわけで、別にそんなこと。
私は、実は、新型コロナ感染症への対応をきちんと出してほしいと言ったわけですね、理事会を通じて。それで皆さんに出していただいたという経過があるわけですね。これでええかと来たらいいわけで、まず。私は、やはり事実問題として、レベル2、レベル3、まあ、レベル二、レベル三でもいいですけれども、そういうものをきちんとしたものを載せるのは、それは筋だと思うんです、これだけ大事な問題だと書いてんのやから。こういうふうに、レベル1、レベル2、レベル3、レベル4があるのやということを書いているわけだから、私は、全て漏らさずに書くのが当然だ。そうしたら、二ページになるのが困るのやったら、最初から、少し大部になりますけれども二ページでもよろしいかと言えばいいので、そんなことを一々、皆さん、一ページでなければ困るなんて言っていないわけですから。
私は、最後に、今、感染症危険情報というのは、邦人の命と安全確保にかかわる重要な情報です。その発出に当たっては、まさに緊張感を持って取り組まなければならないものであります。
したがって、いや、それは前からわかっていることだなんという話で、全部わかっていることだったら、それはわかっていることなんです、これだって。そうじゃなくて、やはりその判断が私は、はっきり言って、レベル3にするときの判断が甘かったんじゃないのかということを指摘したわけですね。だから、その意味では、対応にかかわる文書を変えたりするということは言語道断だと思います。
したがって、松本委員長に、では、もう一遍言いましょう。では、本委員会に領事局政策課名の二〇二〇年一月二十四日付新型コロナウイルスによる感染症、外務省の対応とする文書の原本を提出することを求めたいと思います。


松本委員長

後刻、理事会で協議させていただきます。


穀田委員

私は、質問の冒頭、国内はもとより、海外のメディアからも政府の初動対応のおくれの原因が中国との関係にあると指摘していることを紹介しました。
領事局政策課による文書の改ざんというんですかね、隠しているというんですか、こうしたことがその背景にあるとすれば重大問題だということを改めて指摘しておいて、終わります。