6日、外務委で追及。コロナウイルス対応でも初動の遅れを取り繕うため文書を改ざん・隠ぺい

2020年03月7日

 

6日、外務委員会で「新型コロナ感染症拡大と外務省の初動対応」について質問。茂木敏充外務大臣をただしました。

 

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はじめに、新型コロナをめぐり、安倍政権の対応が後手に回り、国民の間に不安と混乱が広がっているとして、その最大の要因は、政府が実態を正確に把握していないことにあり、安倍首相による突然な小中学校・高校・特別支援学校の全国一斉休校要請に加え、中国・韓国からの入国税源措置を突如として発表したことにあると指摘。茂木大臣はそのことをどう受け止めているのかと質問。

 

全体

 

茂木外務相は、「湖北省、浙江省についてはすでに入国制限措置を取っている。適時、適切に感染症危険情報により引き上げも行ってきた。新たな入国制限措置は、ビザ等の発給したものに対して無効にするという措置もとっている」と答弁。この間の経過を説明するのみで、なぜ、このタイミングで発表したのかについては答えませんでした。

 

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さらに、私は今回の入国制限措置について、習近平国家主席の来日延長と時期を同じくして、突如として発表したことと国内だけでなく海外メディアも政府の対応を批判していることを追及。

 

茂木大臣

 

茂木氏は、来日延長については「国家主席の訪日が大きな成果をあげられるように十分な準備が必要であり、日中間で話し合いをした結果、訪日の意義なども議論して、適切な時期を改めて調整するという判断に至った」と政府の従来の答弁を繰り返すのみでした。メディアの報道については「様々な情報が報道されており、批判的なものもあり、正確でないものもある。反論も含めて政府としてしっかり対応してきている」と述べました。

 

こくたさん1

 

私は、海外メディアの反応にあれこれ抗弁される前に、指摘されている現状を真正面から受け止める必要がある、場当たり的なやり方が国民の不信を増幅させていることは明らかで、理屈を述べて、批判に対して謙虚になれないというのは行政執行に関わる大臣としてあまりにも情けないと批判しました。

 

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(写真下は、質問で使用した資料。外務省の「感染症危険情報 発出の目安」

 

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続いて、中国の「感染症危険情報」のレベル引き上げに関する外務省作成の同じ題名の記述内容が異なる2つの文書を示し(写真下)、「国民の命と安全に関わる重要情報に関する文書を改ざん・隠ぺいするなど言語道断だ」と追及。

 

こくたさん2

 

茂木大臣は「その文書は見ていない」と、結局答えませんでした。
問題のポイントは、感染症危険情報のレベル引き上げの判断が遅れたことを取り繕うために文書を改ざん・隠ぺいしたということです。

外務省は1月23日に感染症危険情報として、中国・武漢市を「レベル2」(不要不急の渡航自粛勧告)としていました。その理由として「武漢市及び近隣6市」が「公共交通機関の停止及び駅・空港の閉鎖等を発表」したことなどの現状を踏まえたものとしていました。

24日の昼に同省領事局政策課が自民党の一部議員に配布した同日付の「新型コロナウイルスによる感染症:外務省の対応」の文書では、武漢市について「レベル2」とした23日の判断を踏襲していました。

ところが、茂木外相は24日夕方の記者会見で、「レベル2」とした同じ理由(公共交通機関の停止など)で武漢市を含む湖北省を「レベル3」(渡航中止勧告)に引き上げました。

本来なら、1月23日に「レベル3」とすべきところを武漢市だけ「レベル2」とした外務省の初動対応の遅れを取り繕うために文書を改ざん・隠ぺいしたのです。

 

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「領事局政策か名の2020年1月24日付『新型コロナウイルスによる感染症:外務省の対応』と題する文書」の原本の提出を強く求めました。

私は最後に、「国内はもとより、海外のメディアからも、政府の初動対応の遅れの要因が、中国との関係にあると指摘していることを紹介した。領事局政策課による文書の改ざん・隠ぺいが、こうしたことが背景にあるとすれば重大問題だということを重ねて指摘」し、質問を締めくくりました。

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