普天間基地の「5年以内の運用停止」問題を追及

2015年04月22日

土屋委員長

次に、穀田恵二君。


穀田委員

日・モンゴル、WTO協定については、後ほど討論の中で触れたいと思います。
きょうは、沖縄県の米軍普天間基地の問題について質問します。
これまで政府は、普天間基地の五年以内の運用停止について、関係閣僚と知事らで構成する普天間飛行場負担軽減推進会議の初会合があった二〇一四年二月を起点に、二〇一九年二月までの実現を目指す方針であるとの考え方を明らかにしてきました。この方針に変わりはないのかどうか、まず最初にお尋ねします。


岸田国務大臣

普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む沖縄の負担軽減につきましては、相手があることではありますが、できることは全て行うとの政府の基本方針であり、こうした政府の姿勢は、翁長知事就任後も不変であります。
その上で、この普天間飛行場の五年以内の運用停止については、沖縄県から、平成二十六年二月から五年をめどとするとの考え方が示されております。政府としましては、このような同県の考え方に基づいて取り組んでいくこととしております。


穀田委員

二〇一九年二月までの運用停止は、政府の基本姿勢、今お話あったように、翁長知事就任後も不変とは言うんですが、地元の沖縄紙によりますと、今月二十七日にも行われる2プラス2の共同発表には普天間基地の五年以内の運用停止が盛り込まれない方向だと報じられていますけれども、これは事実ですか。


岸田国務大臣

近日予定されております日米2プラス2ですが、この2プラス2におきましては、日米間のさまざまな安全保障上の協力等についても確認されることになると承知をしておりますが、具体的な内容については、まだ調整中、最終調整の段階にあります。確定はしておりません。
沖縄の負担軽減の問題につきましては、さまざまなレベルを通じて、我が国の取り組み方、立場、さらには沖縄の皆様方の意向、こういったものにつきまして正確に米国側に伝えていかなければならないとは認識をしております。


穀田委員

正確に伝えていかなければならないということですと、この間、知事と首相との会談もありました。その中で知事が、オバマ大統領に沖縄県知事、県民が明確に反対していることを伝えてくれということを言っていたことを、私は、大事に思ってやってくれな困る。いつもおっしゃるのは、しっかり伝えていきたい、こう言うんですけれども、そこを伝えてくれな困るということなんです。
岸田大臣は、昨年十一月四日の参議院予算委員会で、普天間基地の五年以内の運用停止に関して、米側からも負担軽減のコミットメントが示されておりますと答弁されています。これが事実ならば、今、確かに、調整中とか、さまざまなレベルを通じてとありますが、一番大事な問題について、それが事実であればですよ、今回の2プラス2の共同発表に運用停止を盛り込むのは当然だと思うんですが、それはいかがお考えですか。


岸田国務大臣

2プラス2の中身につきましては、最終調整中であり、これは相手のある話ですので、私から確定的なことを申し上げるのは今の段階では控えなければならないと考えます。
ただ、先ほど申し上げましたように、我が国の立場、沖縄の負担軽減につきましては、普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む、沖縄の前仲井真知事からいただいた四項目の要望等については、相手のあることでありますが、できることは全て行う、この基本方針のもとに臨んでおり、これは全く変わっていないということ、こういったことについては、さまざまな機会、レベルを通じてしっかり伝えていかなければならない、これは当然のことだと認識をいたします。


穀田委員

大臣、同じ答弁を繰り返しているように、私はそうしか聞こえへんわけやね。
つまり、このときの答弁で、アメリカ側のコミットメントが示されていると強調しているわけですやんか。さらに、その後に、こうした日米でのやりとりは大変重たいものだとまで答弁されているんですね。にもかかわらず、今回の2プラス2の共同発表にその運用停止を盛り込むことがどうかという質問に対して明言できないというのは、極めて私はわからぬ、不可解だと思うんですね。
となると、実際は、普天間基地の五年以内の運用停止について、米側からコミットメントなど示されていないんじゃないかと疑わざるを得ないわけですが、その辺はいかがですか。


岸田国務大臣

2プラス2における具体的な中身については、調整中であるからして、今の段階で私から一方的に申し上げるのは控えると申し上げています。
ただ、沖縄の負担軽減に対する我が国の立場、これは再三にわたって米国側に伝え、米国側からコミットメントをいただいております。このことにつきましては、日米首脳会談においても、あるいは日米外相会談においても、ハイレベルの両国の意思疎通についてもしっかり確認をしているところであります。
今申し上げた我が国の立場をしっかり伝えるということ、そして米国側から負担軽減に対してコミットメントを受けているということ、こういったことは間違いないことであります。


穀田委員

そのコミットメントが間違いないと言うんですが、私は、その問題の中身について少し言わないと、オバマ大統領は確かに負担軽減と述べたかもしれない、しかし、明確な項目として五年以内の運用停止について取り組みたいと述べたのかどうかという問題は、私は発言していないんじゃないかと思うんですね。
といいますのは、ことしの二月の沖縄の地元紙によりますと、米上院軍事委員会のジョン・マケイン委員長は、普天間基地の五年以内の運用停止について、それはあり得ない、我々は少なくとも二〇二三年ごろまで継続使用すると聞いている、だから普天間を維持する必要な予算を承認したと述べています。
また、国防総省当局も、代替施設の完成前に運用停止はあり得ない、我々が打診の段階で拒否した案件、二国間の正式な協議に発展するはずがないと否定しています。
さらに、国務省高官も、日米が合意した二二年度以降の返還が唯一の方策として、五年以内を検討するならば、日米合意を見直し、計画全体がおくれるという認識を示しているとも報道しているんですね。
このことからも、私は、米側からコミットメントなど、具体的なこの問題について、示されていないんじゃないか、それが真相じゃないかと思うんですが、いかがですか。


岸田国務大臣

米国の関係者、あるいはさまざまな関係者からいろいろなコメントが出ていることについて、一つ一つ何か申し上げることは控えます。
ただ、先ほど来申し上げておりますように、日米の間においては、日米首脳会談、オバマ大統領と我が安倍総理の会談において、我が国として普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む沖縄の負担軽減はしっかり取り上げさせていただいております。こうした両国の最も高いレベルの会談において、こうした普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む沖縄の負担軽減は取り上げられています。私自身も、日米の外相会談においてこうした問題を取り上げて議論をし、米国側からコミットメントを受けております。
こうしたやりとりがあるということは、もう一度しっかりと確認をしておきたいと存じます。両国においてこの問題に対する意思疎通についてはこのような状況にあるということを申し上げさせていただきます。


穀田委員

私は何度も言うんですが、今大臣も言っておられるように、五年以内の停止を含む、いつも必ず含むと言うんですけれども、この問題について、相手は、含むという話のコミットメントを出してはいないんですよね、よく見ていると。
大臣が一生懸命含む含むと言うんだけれども、アメリカのオバマさんの話は、負担軽減の話は一般論としては触れているけれども、その前に、括弧五年以内の停止を含む括弧閉じという話はしていないんですね。そのコミットメントは出していないということははっきりしていると思うんですね。
今、こう言うと、必ずいつも、一つ一つについて申し上げることはないとくるんですけれども、私は一つ一つじゃないと思うんですね。米政府内での勝手な意思疎通ではないんだというふうには、済まされない問題があると思うんです。
ですから、普天間基地のピーター・リー司令官も、昨年の十月のNHKインタビューに、日米両政府がそれほど早い時期の運用停止に合意しているわけではないと言っていますし、先週の十七日、米上院歳出委員会の公聴会でも、米太平洋軍司令部戦略計画・政策部長のマイケル・ダナ少将が、代替施設ができない限り普天間から移ることはないと述べ、普天間の返還は辺野古新基地の完成が条件との認識を改めて示しているんですね。
岸田大臣が言われるように本当にアメリカ側からコミットメントが示されているならば、こうした米側からの発言が相次ぐことなどあり得ないと思うんですね。議会でも言っている、それから、国防も国務も、軍事関係者、直接の担当者も言っている。こういう関係からしても、私は、そういうことからするとおかしいんじゃないか、これが普通の認識だということを言っておきたいと思います。
次に、もう一つ見過ごすことができない問題があります。
先ほど述べましたけれども、米上院軍事委員会のジョン・マケイン委員長が、普天間基地の五年以内の運用停止を否定する一方、少なくとも二三年ごろまで継続使用するために、維持に必要な予算を承認したと述べている点であります。
そこで、防衛省に聞きますが、二〇一二年四月に行われた2プラス2では、普天間基地に関して一体どんな合意が行われたのか、答弁願います。


中島政府参考人

お答え申し上げます。
二〇一二年四月二十七日、日米安全保障協議委員会における該当部分を読み上げます。
両政府は、普天間飛行場において、同飛行場の代替施設が完全に運用可能となるまでの安全な任務能力の保持、環境の保全等の目的のための必要な補修事業について、個々の案件に応じ、また、在日米軍駐留経費負担を含め、既存の二国間の取決めに従って、相互に貢献するとのコミットメントを表明した。
以上でございます。


穀田委員

二〇一二年四月の2プラス2では、普天間基地での補修事業について合意が行われています。その日米合意に基づいて、日本政府として今日までどんな補修事業に幾ら負担しているのか、事業の種類、年度ごとの合計を報告ください。


中島政府参考人

お答え申し上げます。
普天間飛行場の補修事業でございますけれども、設置から五十年以上経過しております普天間飛行場におきましては、老朽化が著しい施設もございますことから、航空機の運航の安全性、また環境への保全といった配慮が必要となっておりまして、先ほど読み上げさせていただきました2プラス2の共同発表におきましてもその旨を確認しているところでございます。
日本側におきましては、平成二十五年度に、今から申し上げます五つの事案を一括採択して、逐次実施してきておるところでございます。
この五つの事案を今から申し上げますが、まず第一に、管制塔及び消防署用の非常用発電施設の改修、二つ目といたしまして、給電設備の改修、第三に、雨水排水施設の改修、第四に、汚水排水施設の改修、第五に、隊舎の改修、こんなふうになっております。
これら五つの事案の平成二十五年度から平成二十七年度までの歳出ベースと契約ベースの合計額について申し上げます。
平成二十五年度が、歳出ベース、契約ベースともに約一億三千四百万円、平成二十六年度が、歳出ベースで約八億一千七百万円、契約ベースで約二十五億四千六百万円、平成二十七年度が、歳出ベースで十三億一千二百万円、契約ベースで約九億三千六百万円となっております。
ただいま申し上げました平成二十五年度から平成二十七年度までの予算額を合計いたしますと、契約ベースが約三十六億一千七百万円、歳出ベースが約二十二億六千三百万円となっているところでございます。


穀田委員

契約が三十六億、それから歳出が二十二億ということになると、まだ事業を続けるということに普通はなりますわな。
防衛副大臣に聞きたいんですけれども、五つの補修事業に、今述べたように、契約ベースで三十六億円余りを思いやり予算から計上している。普天間基地を五年以内、二〇一九年二月までに運用停止すると言いながら、基地の継続使用を前提としたアメリカ側の補修事業を負担してやるというのは一体どういうことか、これは全く矛盾する行為じゃないかと思うんですが、見解をお聞きしたい。


左藤副大臣

お答え申し上げます。
先ほど政府参考人からの答弁があったとおり、普天間の飛行場補修事業については、平成二十四年四月二十七日の日米2プラス2共同発表においてその実施を確認し、現在、日本側において、管制塔及び消防署用の非常用発電施設の改修や隊舎の改修など、五つの事案を実施しておるところでございます。
現在実施しているこれらの五つの事案については、平成二十八年度に完了した後、別に特に、さらに補修事案については、現在予定をしておらないところでございます。
そして、先ほどお話がありましたように、平成二十六年二月十八日の普天間飛行場負担軽減推進会議の開催から五年をめどとする考え方が示されておりますので、このような県の考え方を踏まえて取り組んでおります。
また、設置から五十年、先ほどお話がありましたけれども、五十年以上経過した普天間飛行場においては、老朽化が著しい施設もあることから、航空機の運用に際し、安全面や環境面の配慮が必要と思っております。


穀田委員

二〇一二年四月の2プラス2の合意は、普天間飛行場の代替施設が完全に運用可能となるまでの間、補修事業を行うこと、つまり、辺野古の新基地が運用できるまでは普天間基地の補修事業を継続するということになるわけですよね。
二〇一三年四月の日米合意の統合計画によりますと、辺野古の新基地の建設に伴う返還というのは、二〇二二年度またはその後とされています。それでいけば、少なくとも七年間は普天間基地で補修事業が行われるということになる。基地機能の強化、固定化以外の何物でもないんじゃないですか、副大臣。


左藤副大臣

先ほど、五つの事案なんですが、ちょっと説明をさせていただきます。
一つは、汚水排水施設の改修については平成二十六年度から三年度にわたって、また、二について、二つ目ですね、雨水排水施設の改修と隊舎の改修については平成二十七年度から二カ年度にわたって国庫債務負担行為が行われることを念頭に置いております。
具体的には今後の予算編成の過程において財政当局との調整をすることになりますので、平成二十八年度以降について歳出が行われることも想定されております。
いずれにしても、先ほど申し上げたように、現在実施しているこれらの五つの事案が平成二十八年度に完了した後のさらなる補修事案については、現時点は予定をしているものではありません。
いずれにしても、普天間飛行場の危険性の除去を少しでも早く実現する観点から、普天間飛行場の五年以内の運用停止についても、仲井真前知事から強い要望を受けて、政府として全力で取り組んでいるところでございます。


穀田委員

私は、あなた方の資料に基づいて、返還条件が満たされ、返還のための必要な手続の完了後、二〇二二年度に返還可能だ、七年間続くことになるじゃないか、こういう数字の話をしているわけですやんか。別に、極めて単純で、計算をすればそうなるやんかという話をしているわけで、それが左藤副大臣は二年間で終わるとかなんとか言っているんだけれども、そう続けばなるでという話をしているわけですやんか。
それで、必要最小限のものとか、基地を固定化させるものでない、果たして本当か。こっちを聞いてください、後ろの話はええから。
ここに私は持ってきたんですけれども、地方協力局提供施設課、「普天間飛行場における補修事業について」という文書です。これは取扱注意とされているんですけれども、これを見ると、二〇一二年の四月の2プラス2の経緯として、補修事業をめぐり、日米合同委員会のもとにある施設整備移設部会を通じて調整を行ってきたこと、課長級の日米協議や現地視察を実施し、米側から出された要望事案を一件ずつ確認、精査したことなどが書かれています。
そして、「米側は補修事業として全事案四十一事案(約百十四億円)を計画。このうち八事案(約三十一億円)を日本側で採択予定」と明記されているわけですね。
この防衛省の資料にあるように、アメリカ側は、普天間基地の補修事業として、日本政府に四十一事案、約百十四億円の費用負担を求めていたことになるわけですが、それは間違いありませんか。


左藤副大臣

御指摘の普天間飛行場の補修事業については、日米間でさまざまな協議を行っておりますが、その具体的内容については、米国との関係がございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
いずれにしても、普天間飛行場の補修事業については、平成二十四年四月二十七日の2プラス2共同発表を受け、日米間で協議を進めた結果、日本側として、先ほど申し上げた管制塔及び消防署用の非常用発電施設の改修、そういうものをしっかりやっていくとしているところでございます。


穀田委員

私は、差し控えたいという話では済まぬと。
これは「普天間飛行場における補修事業について」ということなんですよね。そこの中に、「我が方の対処方針(基本的な考え方)」としまして、「事案の精査に当たっては、普天間飛行場の固定化につながるものではない旨対外説明が可能となるよう以下の事項を勘案」とあって、いわゆるオスプレイ配備に直接関係しないものなど四項目が列記されているんです。
さらに、「米側は複数年にわたる補修事業リストを提示してきたが、固定化ととられないよう、日本側で行うことが可能な補修事業については、原則として、平成二十五年度で全て採択」とあります。
つまり、ここまで来ているわけなんですよね。
同時に、「仮に、普天間飛行場移設事業の進捗等が遅れた場合は、米側と再度協議。」とまで書いているわけです。
だから、辺野古の新基地建設がおくれた場合、その都度米側と協議し、日本側が補修事業の費用負担を行っていくという方針が明記されているわけですね。ここが大事なんですよ。
必要最小限だとか、基地を固定化させるものではないと言うけれども、辺野古の新基地の進捗状況によっては米側が日本に負担増を求められる仕組みになっているんじゃないかということを聞きたいんですが、いかがですか。


中島政府参考人

お答え申し上げます。
今先生がお示しされました資料の確認がちょっとできないことと、それから、アメリカとの関係の協議の具体的内容についてはちょっとお答えを控える部分がございますけれども、これらの補修事業につきましては、航空運航の安全性の確保、環境の保全などに資するもの、飛行場を当面運用する上で必要最小限かつ緊急性の高いもの、それから、原則として、平成二十五年度に全て採択し、補修工事を短期間で完了できるものという事項に留意いたしまして、事案を一件ずつ確認、精査したものでございます。
その結果、今般必要な補修事業を実施することとしたものでございまして、飛行場を固定化させないということで、あくまでもそういう点に留意して採択したものでございます。


穀田委員

何かこういう文書を出すと、確認できないからと言うねんけれども、確認できないじゃ済まないと言っているんですよ。
事は重大なんですよ。その後もずっと続けるつもりだ、補修をやる。七年間はやるわ、それから、もし進捗状況があかんなんだらまたやりまっさときている。
もしそういう内容だったら、左藤副大臣、それはあかんで、そんなことは約束してへんでと言ってもらわな困るわけです。そんな重大なことがあるのか、初めて知ったわ、文句言うわというようなことを言ってくれへんなんだらあかんのちゃうかと思うんやけれども、いかが。


左藤副大臣

お答え申し上げます。
今いろいろお話ありましたけれども、日米で進めている普天間飛行場の補修事業は、設置から五十年以上たっております、老朽化が著しい施設でもある同飛行場において、現在の海兵隊の運用に必要な航空機の安全な任務能力を確保し、環境を保全するために必要最低限のものであり、同飛行場の固定化につながるものではございません。


穀田委員

さっきと同じ答弁を繰り返しているだけなんですよ。だから、私は、必要最小限とか固定化とかいうことを必ず言わはるけれども、そうなっていないじゃないかと。
その文書自身が、そういうことにとられないようにとか、そういうことを言っちゃまずいからということまで言って、書いているんですよ。だから、それほど彼らも気にしてやっているということは確かなんですよ。
そういう事実について明らかにしているわけで、それは余りひどいなとか、そういう同じ紙を持ってきて、必要最小限とか固定化とか、その二つのフレーズだけ言っていればええというわけじゃないんですよ。
事は、沖縄県民のかかわる問題だし、普天間基地の今後にかかわる問題だ。五年とか言っているけれどもどうなんだという話をしているときに、五十年の、老朽化したからとか、それから、こういう約束だからというような話をしていたんじゃあかんということを言っているんですよ。
最後に、では、大臣に聞きますよ。
アメリカ側は、辺野古の新基地が完成するまで普天間基地を継続使用するために、大規模な補修事業を計画している。このような計画に日本側が費用負担することは、政府が言う、今言いましたけれども、危険性の除去、固定化の回避に逆行するばかりか、岸田大臣が一番最初に言いましたように、不変だと強調される二〇一九年までの運用停止が口約束にすぎないということを自己暴露するものと違うかと思うんですが、お答えいただきたい。


岸田国務大臣

まず、二〇一二年の2プラス2において日米間で合意した点について御指摘がありました。そして、その後、沖縄県、仲井真前知事の方から、普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む要望が出されました。そして、先ほど来、今、現実、政府として、補修等に関して支出を予定している予算について説明がありました。
今、現実において支出を予定している予算につきましては、今申し上げました、二〇一二年の2プラス2、そして、その後の沖縄の負担軽減の要望、その範囲内におさまっているというふうに認識をいたします。
その上で、今御指摘の資料について御質問がありましたが、この資料の中身については、私自身も、十分把握しておりませんし、承知しておりませんので、コメントは控えたいと存じます。
いずれにしましても、先ほど申し上げましたように、政府としましては、普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む沖縄の負担軽減につきましては、できることは全て行う、その方針で、全力で取り組んでいきたいと考えております。


穀田委員

私、さらに大規模な補修計画があるのかもしれぬというぐらい不安に思っているんですね。補修するということは、世界一危険な基地であることについては何ら変わらないだけじゃなくて、さらに強化し、米軍にとっては使いやすいことになることにほかならない、まさに固定化につながるということを言っておきたいと思うんです。
私は、基地機能の強化、固定化する補修事業への費用負担の中止と、改めて、普天間基地の即時閉鎖、無条件撤去を強く求めて、質問を終わります。


土屋委員長

これにて各件に対する質疑は終局いたしました。
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ただいま議題となっております各件中、まず、経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び世界貿易機関を設立するマラケシュ協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の両件について議事を進めます。
これより討論に入ります。
討論の申し出がありますので、これを許します。穀田恵二君。


穀田委員

私は、日本共産党を代表して、日・モンゴル経済連携協定及びWTO協定改正議定書に対する反対討論を行います。
日・モンゴル経済連携協定は、日本企業によるモンゴルへの経済進出を促進するためのものであります。
特に、鉱物資源、エネルギー分野での投資環境を整備することにより、現在、日本向けの輸出の主力である石炭やレアアースの開発投資にとどまらず、ウランの資源開発を後押しするもので、安倍政権が成長戦略の柱に位置づけて推進する海外での原子力ビジネスの拡大につながるものであることから容認できません。
また、WTO協定改正議定書は、ドーハ・ラウンドから十年間議論してきた貿易の円滑化等について合意したものであります。
貿易手続の透明性の向上、迅速化、税関当局の協力は、我が国が結んだFTA、EPA等の二国間協定で盛り込まれたものであり、我が国においては既に整備済みであり、我が国が実施するものに変更はありません。今回の改定は、これらの措置をWTO全体に広げるものであります。
我が党は、一九九五年のWTO協定の締結の国会承認の際、この協定は、主権制限を無差別に全ての国に押しつけ、多国籍企業、大企業の利益を図る一方、発展途上国をいつまでも不利益な状態に置き続けるものとの立場で反対しましたが、今回の改定でその本質が変わるものではありません。
以上が、二つの協定に対する反対の理由であります。