TPP交渉から一日も早く撤退すべきだ

2015年04月24日

土屋委員長

次に、穀田恵二君。


穀田委員

日本共産党の穀田恵二です。
きょうは、TPP問題について外務大臣と議論したいと思います。
四月十九日、二十日の日米TPP閣僚交渉について、安倍総理は、九合目まで来たと評価しています。四月末に予定されている日米首脳会談を直前に控え、そして十二カ国会議へと進む、交渉妥結へ向けた重大な段階に来ています。
そこで、私は、米国の超党派議員が米国議会に提出したTPA、政府は貿易促進権限法案と呼んでいるようですけれども、これについて政府の基本的な認識を聞きたいと思います。
甘利担当大臣は、四月十日の記者会見で、TPPの妥結にとってTPA法案の成立は必須条件である、TPA法案はオバマ大統領が精力的に取り組んでいただいているし、説得工作もしているということは大いに歓迎したいと思っています、このように述べています。
聞きますが、TPA法案提出を日本政府がなぜ歓迎するのか、岸田外務大臣の認識についてお伺いしたいと思います。


岸田国務大臣

御指摘のTPA法案ですが、米国時間の四月十六日に米国議会に提出されました。既に上院の財政委員会を通過し、そして、日本時間で二十四日朝、つい先ほどの時間に、下院の歳入委員会も通過したという情報に接しております。
我が国としてこのTPA法案についてどう考えるかということですが、TPA法案が提出される、そして成立に向けて努力をする、こういったことは、TPP交渉の早期妥結に向けた米国内の前向きな動きを示すものであると認識をいたします。そういった意味から、我が国として歓迎をしたいと考えます。
引き続き、同法案の動向を注視していきたいと考えます。


穀田委員

先ほど私もニュースへ接しまして、二十三日に下院が、委員会において、本会議ではなくて、可決をしたということが報じられていることも承知しています。
我が党がなぜこの貿易促進権限法案を問題にするのかということなんです。日本がTPPに参加表明をした場合、アメリカ政府が米議会と調整、協議をした結果を踏まえて日本政府へ正式通知する、こういう関係にあるということに着目していました。
アメリカは、もともと通商権限が議会にあり、TPA法で政府に授権する経緯があるので、これが、TPP交渉における米議会の対日要求が強くなる仕組みとなること、これを、二〇一一年当時から、日本共産党の笠井亮議員が提起した、そういう関係がありまして、ずっと私どもはこの問題を重視してきました。
先ほど言いましたように、甘利大臣は、TPA法案の名称を貿易促進権限法案と呼んでいます。外務省にお聞きしますが、この法案の英語の名称を日本語へ直訳するとどうなるのか、まず聞いておきたいと思います。


佐藤政府参考人

先般、米国議会、上院、下院に提出されましたTPA法案の名称でございますが、二〇一五年超党派議会貿易優先事項及び説明責任法案であると承知しております。


穀田委員

超党派議会貿易優先項目・説明責任法、なかなか通商というのを言いたくないようですけれども、まあ、いろいろあるんでしょう。
私は、きょうは、そのために現物を、もう少しでかいですけれども、持ってまいりました。
これは、超党派議会通商優先項目の条文をいろいろ読み進めてみると、条約交渉権があるアメリカ議会が政府に交渉権を委ねても、超党派議会でTPP交渉に臨んでくる内容と仕掛けを私は危惧せざるを得ないと思うんですね。
そこで、この法案の条文の規定ぶりを聞いておきたいと思います。
法案四ページ十三行目から五ページ七行目まであるんですけれども、このセクション2の(b)主要な貿易交渉諸目的、(1)物品貿易、(A)と(B)の条文を紹介していただきますよう、お願いします。


佐藤政府参考人

TPA法案のセクション2は、通商交渉の目標を規定してございまして、そのうち、(b)は十八項目の主要な通商交渉目標を規定し、その(1)といたしまして物品貿易が規定されているものと承知してございます。
その中で、(A)としてですが、グローバルなバリューチェーンの活用も含め、米国の輸出品の競争的な市場機会を拡大し、より公平で開放的な交易条件を獲得するため、米国の輸出品に対する市場機会を減少させたり、米国の貿易をゆがめたりするような貿易に直接関係する外国政府の関税及び非関税障壁を削減または撤廃させるとの目標が規定されていると承知してございます。
また、(B)といたしまして、ウルグアイ・ラウンド協定法がカバーする関税カテゴリーに関するものも含め、関税及び非関税障壁の互恵的な撤廃に関する協定を締結するとの目標が規定されているものと承知してございます。


穀田委員

合衆国の貿易をゆがめたりということで、関税、非関税障壁、諸政策というのを削減ないし撤廃ということが書かれてあるということですよね。
それで、これは今報告があったように、アメリカが何を考えているかといいますと、米国が貿易を歪曲する、ゆがめるという認定をすれば、日本を含む相手国に対して、貿易開放の諸条件、つまり、関税、非関税措置の撤廃を要求しよう、かち取ろうというものだと言ってよいと思うんですね。
既に日本は、日米安全保障条約の経済条項によって、米国の政治的、経済的要求を従順に受け入れてきて、今日に至っています。仮に、略して通商法案とでも言いましょうか、この法案が成立するならば、TPP交渉で、非関税措置完全撤廃など、米国のストレートな政治的、経済的要求がますます日本に押しつけられてくるんじゃないかと私は思うんですね。だから、歓迎するどころか、とんでもないものだと言わざるを得ないと思っています。
そこで、米国の農産物貿易の獲得目標を規定する条文、セクション2の(b)(3)農産物貿易、法案七ページ十九行目から二十五行目、(B)と(1)の条文を紹介してほしいと思います。


佐藤政府参考人

二〇一五年TPA法案のセクション2(b)(3)は、主要な交渉目標の一つといたしまして、農業貿易について規定してございます。具体的には、外国産品が米国市場で与えられている競争機会と実質的に同等の競争機会を外国市場において米国産農産品が獲得することを目標として規定してございます。
その中で、御指摘のセクション2(b)の(3)の(B)が、これは米国産農産品の輸出機会を減じている関税等の削減または撤廃に関し、主要な生産国による著しく高水準の関税や補助金が適用されている農産品を優先することや、米国にとってセンシティブな農産品について関税削減交渉を開始する前に議会と密接に協議し、適正な調整期間を設けることを規定していると承知しております。


穀田委員

今わかったように、農産物の話も含めてそこで出て、主要な生産諸国においてということで議論を彼らはしている、しかも、補助金体制の問題も言っているということなんですね。
この法案は、続けて八ページの(C)で、交渉相手国の関税を合衆国の当該産品と同じか、それより低い水準まで削減すると明記しています。したがって、この法案が成立すれば、今委員会ですけれども、我が国の米を含む重要品目の関税等が米国の要求でますます狙い撃ちされる可能性がある内容と私は思うんですね。大臣はそういう見解に立ちませんか。
〔委員長退席、三ッ矢委員長代理着席〕


岸田国務大臣

御指摘のTPA法案の中身については、他国の法案でありますので、政府として評価することは控えなければなりませんが、その上で申し上げるとすれば、二〇一五年TPA法案は、主要な通商交渉目標の一つとして、農業貿易について、外国市場の関税を米国と同等以下に削減することを初め、農産品についてより公正で、そして開放的な貿易条件を獲得すること、こうしたことを規定している法案であると承知をしております。


穀田委員

ですから、今言ったように、アメリカ側の要求ですよね。開放的にしろとか言っているわけでして、今大臣は、他国の法案だから、こう言っていますけれども、TPPにかかわる極めて重要な農産物の問題を初めとして彼らは明確に言っている、そういうことについて狙い撃ちされることになるじゃないか、それをどう思うか、こう聞いているわけですやんか。だから、何も、条文の話の解釈はお互いにわかっているわけで、それについて、他国の法だからというわけにはいかぬのと違いますか。


岸田国務大臣

米国における政府と議会の関係を規定する法案について何か申し上げることは控えたいとは存じます。
いずれにしましても、こうしたTPA法案が成立するということであるならば、TPP交渉の早期妥結に向けた米国内の前向きな動きを示すものであると受けとめています。
TPP交渉につきましては、しっかりと我が国として国益を守りながら、高いレベルの経済連携の成立に努力をしていきたいと考えています。


穀田委員

こういう質問をしますと、相手国のある話だ、それから、あと言うのは、国益を守る立場で、大体このフレーズなんですよ。
それでは、先ほどありましたように、わざわざ大臣は、議会とそれから政府との関係を規定したものであるということを言っているわけですから、その仕掛けが、どちらかといえば、私どもが二〇一一年から問題にしていますように、この関係というのはよく見ておかないと、ただ加速していればいいとか、それから、一層の進展が見られるからいいというような話にはならぬということを我々は言っているわけですよね。
そこで聞きますけれども、さきの日米閣僚交渉の記者会見で、日本の米の扱いについて甘利大臣が言及しています。米の輸入量、関税率の取り扱いについて、国民に対してきちんと説明をすべきではないんでしょうか。その辺はどう考えますか。


西村(康)副大臣

お答えを申し上げます。
日米協議、先般、夜を徹して行われまして、一定の前進があったわけですけれども、全体として、パッケージでいろいろ議論をしておりますので、まだ何かが決着したということではございませんので、これは米の問題を含めて、あるいは自動車も含めて、依然、課題が残っているということでございます。
いずれにしましても、私ども、農産品に関する国会の決議も踏まえながら、粘り強く交渉していきたいと思いますし、今後、最終的には国会で御承認いただかねばいけませんので、できる限りの情報開示はしていきたいというふうに考えております。


穀田委員

大体、西村副大臣の答弁というのは、そのパターンで来ているんですよね。どこへ行っても、パッケージだということと国会決議だということ、それから、できる限り情報開示をというので、大臣でもありますように、国益、大体、四つか五つくらいのキーワードを使ってしゃべっているだけで、結局何も国民には知らされないという現実ですよね。私は、こんな重大な内容が言えないというのは、これはまずいと思うんですね。
甘利大臣は、一月九日の記者会見では、TPPの日米事務レベル交渉について、日本側としては相当譲歩してきたという思いはあります、妥協点、我々はできることはほぼ全てやり尽くしたと私個人は思っておりますというふうに発言しています。
秘密保持を持ち出すけれども、もともと、日本のTPP参加表明自体が、日本側の相当譲歩が前提だったことがはっきりするから言えないんじゃないかと思うんですね。私は、その意味でも、TPP交渉をやめたらええやないか、それから、真剣に考えるべきときだということを求めたいと思うんです。
そこで、さらに進んで、先ほどの法案との関係で少し言っておきたいんですが、下院歳入委員会と上院財政委員会が作成した法案の内容を一覧できるオーバービューによりますと、提出法案の新しい点として、協定がTPA、つまり貿易促進権限の要求を満たしていないと下院または上院が判断した場合、貿易協定のための迅速手続を拒否するための新たなメカニズムを設けていると書いてあります。
聞きますが、この超党派議会通商法案のどこにこの新たなメカニズムを設けているのか、お答えいただきたいと思います。
〔三ッ矢委員長代理退席、委員長着席〕


佐藤政府参考人

御指摘のとおり、二〇一五年提出のTPA法案では、セクションの6(b)の(3)及び(4)におきまして、上院財政委員会または下院歳入委員会のいずれかが迅速な審議手続を実施法案の審議に適用しない旨の決議をし、同決議がなされた院の本会議において採択された場合、その院における審議に迅速な審議の手続が適用されないこととなる旨の規定が新設されたと承知してございます。


穀田委員

だから、今の大事な点は、わかりやすく言いますと、米国の法案は、下院あるいは上院がTPPの合意内容に不満の場合は、米国政府に一任した権限を撤回、剥奪することが盛り込まれている。今お話のあった迅速手続というのは、議会が協定を一括して承認か否認かだけを判断する手続のことなんですね。
それが除去されますと、議会が協定の修正や再交渉を求めることができることになる。だから、よりストレートな要求をすることになって、それは、今、米国政府によってやられている約束が守られる保証はなくなるということになると思うんですね。だから、この条文の意味は、米国議会が政府に対してTPP協定条文の修正、再交渉を要求する、いわゆるちゃぶ台返しの根拠にもなり得るものだと思うんですね。
したがって、私は、簡単に言うと、現在の日本の対米約束がほごになる可能性もはらむ条文だと。したがって、甘利大臣が言うような歓迎などというのはとんでもないことだと言わざるを得ません。
さらに指摘すれば、この法案は、例えば十九ページの(7)規制の実施において、合衆国の交渉獲得目標を、(D)で諸基準のグローバル性の追求、(F)で管理価格、参照価格制度の撤廃を掲げています。米国のスタンダードを非関税措置の隅々まで及ぼし、医薬品をターゲットとして自由価格制度を徹底させる、こういう意図だということが見てとれます。
私は、大臣に聞きたいんです。日本の国民生活の安全、安心、安定を支える、必要な非関税措置まで交渉のターゲットになり得るもので、この点を危惧するわけですね。大臣はそういうふうに思わはりませんか。


岸田国務大臣

ちょっと、御指摘の点につきまして、詳細な法案の中身を把握しておりませんが、いずれにしましても、こうした米国の政府と議会の関係を律する法律につきましては、直接コメントすることは控えたいと思います。
我が国にとりまして何よりも大切なのは、米国政府との間において、TPP交渉、そして日米並行交渉、こうした交渉においていかなる結果を導き出すか、成果を上げるかということであります。その際に、国会の決議等を踏まえながら、国益を守るべく最大限努力をしていかなければならないと考えます。しっかりした結果を出した上で、あとは、米国内での議会と政府との間におきましても、しっかりとした調整を期待いたします。


穀田委員

私が言っているのは、政府の交渉をやっているときに、そういう議会の一定の権限、もともとあるわけですやんか。そういう議会が新しいメカニズムをつくって、文句を言えば修正やそういうこともできるという話をしてきているという関係を言っているわけですやんか。
だから、そういうときに、米国政府との間でといったって、米国政府に一定のいちゃもんつけて、ちゃぶ台返しできるような、そういう体制ができているという問題が客観的に起きていることにどうですかと聞いているわけですやんか。
だから、自民党は聖域なき関税撤廃というのは断固反対だと言っていたわけで、そういうことになりかねないのじゃないかということを私は聞いているわけですよ、結果として。力関係については今後見守るとしても、そういう法案を通してきている、新しいメカニズムをつくってきている、こういうもとで大丈夫かということを提起しているんですよ。
だから、詳細な事態は知らないけれどもという、それはお互い全部知っているわけでないわけで、だけれども、そういうことを決めてきている、その内容の中心はこういうことじゃないかと言ったら、大体そうやと言っているわけで、だから、そこを聞いているわけですよ。
では、最後に、TPPの条文テキストの練り上げ状況について聞きたいと思います。
甘利大臣は、二〇一三年七月二十五日の会見によると、二十一分野の交渉官が交渉テキストの精査をしていると述べました。それ以降、テキストの交渉の状況について、質問以外で政府から説明がありません。
ことし四月二日付、マレーシアの通産省はそういうものを発表しているわけですけれども、この資料によりますと、条文二十九章のうち、これですね、計十章が完成、他十章がおおむね完成、他は要作業中との区分を示していますが、これは事実ですか。


西村(康)副大臣

当初、二十一とか言われておりましたけれども、細部、幾つか分かれたりしているものですから、今二十九章になっておりまして、現在のところ、その二十九章のうち、そのテキストの交渉が実質的に終了しているものは十章というふうに認識をいたしております。
私ども、それぞれの項目について、会合の都度、ブリーフィングもしておりますし、あるいは記者との質疑のやりとり等、細かくホームページに全て掲載しておりますので、見ていただければ、それぞれがどういうふうな進捗状況にあるかということは見ていただけるというふうに思います。


穀田委員

それはないんじゃないですかね。そんなふうに、国民は、では、そのホームページを見て、今どんな交渉があって、どういう内容がまとまって、どこが問題点だなんて知っていると思いますか。今、そんな話をしてはったけれども。
西村さんは、何か、そういうホームページに出しているさかいにええというようなことを言っているけれども、今の現実、相手もこう言ってきている、さっき言いましたように、事態がいろいろ変化がある、そのことを含めて、きのうは農水委員会で澁谷審議官が、今の米の問題を含めていろいろなことについて、若干、少し言い出し始めているようだけれども。
では、西村副大臣にお聞きしますけれども、あなた方が当時言っていた、国民に対して理解を求める必要がある、そういう情報公開をする必要があるという現実に、今あなた方がやっている情報公開はそれに資していると思いますか。


西村(康)副大臣

御案内のとおり、秘密保持とそれから情報開示、そのバランスに各国は苦労しながら対応してきているところでありまして、私どもとしても、今申し上げたように、ホームページで全て、記者とのやりとりも含めて公開すると同時に、いろいろな形、いろいろな場で説明会等も開いておりますし、こうした委員会の場でもできる限りの説明をしているところでございます。


穀田委員

だから、それは、同じことを言うてはるにすぎないじゃないですか。国民はそれでわかったと思うかと聞いているんですよ。


西村(康)副大臣

多くの国民が関心を持っていることも承知をしておりますし、いろいろな機会で、私どもも質問を受けたり説明会をしておりますので、できる限り私どもは情報開示に努めているところでありますけれども、最終的には、御案内のとおり国会で御承認をいただかねばいけませんので、しっかりと、さらに、もちろん、全ての合意の後は開示をして、国民の皆さんにも理解を得ながら、国会で承認いただくべく努力をしていきたいというふうに思います。


穀田委員

私は、二つの点で違っていると思いますね。
かつて、自民党は、そういう交渉をするに当たって、開示をして、国民の理解を得ながらやっていくんだということを、必要だということを野党の時代に言っていたんですよ。これをやっていないということと、現実は、少なくともそういう理解は国民はしていないということを言わなければならないと思います。
そこで、何かと言うと、秘密保持とそれからバランス、こうきますよね。だけれども、この間ずっと議論しているように、アメリカは、さっき言いましたように、議会が本来の権限を持っていますから、そういうことで明らかにしているというのは、それはあるでしょう。
だけれども、TPAについて、やはりアメリカなどでは、全議員とスタッフに交渉の文書を開示しているわけですよね。それから、アメリカ側は、単に日本とTPPの問題について議論しているだけじゃないんです。EUとの関係でいいますと、環大西洋貿易投資連携協定、TTIPということなんですけれども、それを交渉していて、欧州委員会は、EU側の提示文書は全て公開しているわけですよ。だから、それに比べても、およそひどい。
先ほど述べましたように、ことしのマレーシアの話を言ったら、ようやく今ごろになって言うという程度ですやんか。ですから、およそ、他国が公表したことも隠しているという現実は、全くナンセンスと言わなければなりません。
だから、きのう、新聞報道も言及していますけれども、やはり論争の中心点、それから論点、交渉内容、これらについて洗いざらい明らかにすべきだ。それは国民の理解を得て進むということが大事だと私は思うんですよね。この点は、自民も民主も、政権をとっているときは別だけれども、野党に入っているときは大体同じことを言っているんですよね。だから、その意味からいっても、本当に情けないと言わざるを得ないと私は思います。
今回取り上げたアメリカのそういう法案は、米国の民主、共和党の与野党超党派議員が、アメリカの産業界や議員選出地域の要求をTPP交渉へ反映させて貫徹するということを、政府やオバマ大統領に対して、再交渉や修正も辞さずということを求める法案とも言えるわけですね。
したがって、先ほど西村副大臣はTPPの秘密保持の契約の存在を言っていましたけれども、それは、政府が私どもの参議院議員の紙智子議員の質問主意書に対して初めて認めたわけですけれども、そういうふうになっていると仮にしても、我が党の他の委員会での質問で明らかになったことは、結局のところ、TPP交渉全体を知る方は安倍総理と甘利担当大臣らの一握りであるということだと思うんですね。
政府は、交渉の具体的内容の説明を、一方では、秘密とバランスとかなんとかいって拒否し、他方では、間合いが詰まってきた、霧が晴れた、相当譲歩した等々抽象的な言葉を並べ、もう九合目だというふうな話をしているんですね。
こういうやり方は、先ほど私が言いましたように、先ほど西村副大臣も国民が関心を持っていると言っていましたよね、そうなんですよ、では、その関心に応えたかというと、相変わらず言を左右にして、応えないわけですけれども、やはり国民はわからないという方が多数なんです。こういうことで何で国益が守られるのかということについて、根拠がないと私は言わざるを得ません。
したがって、私は、改めて、TPP交渉から一日も早い撤退を求めて、きょうは質問を終わります。