東洋ゴムの免震問題を追及

2015年04月15日

今村委員長

休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。穀田恵二君。


穀田委員

日本共産党の穀田恵二です。
きょうは、私も免震ゴム偽装問題について質問します。
国交省は、不正の対象となった五十五棟について、震度六強から七程度の地震に対して倒壊するおそれはないとし、さらに、追加で発覚した百九十五棟に関して、建物全体が倒壊することは恐らくない、倒壊まで至るようなことはまずないと言っています。
国交省は、不正のあった免震ゴム装置を使用した建築物の安全性を強調していますが、大したことはないという認識で対処されておられるんですか。まず、そこを聞きたいと思います。


太田国務大臣

重大な問題であるというふうに思っています。
それで、改ざんという、こうした不正ということも大変な問題ですが、日本の免震技術については大変すぐれているということは定評があって、しかも、東日本大震災の後、全国でしっかりした耐震性を確保しなくちゃならない、こういう状況ですから、私は本当に怒りにも似た気持ちでいることは事実です。


穀田委員

国交省は、対象建築物については、建築物全体の構造安全性が損なわれているというものではなくて、免震装置によって建築物の揺れを抑える機能が低下していると説明していて、もともと免震装置は揺れを少なくするもので、建物の構造上の安全性には影響がないんだと言わんばかりに聞こえるというのが私の率直な感想です。
重大性は極めてあるということなんですけれども、建物が倒壊に至らないまでも損傷する。例えば、改修しないと生活できないこともある。そもそも、震度六強から七程度で倒壊しないという基準は、生存できるというごく最低限のものにすぎません。
報道では、昨年三月に完成した高知県安芸総合庁舎は、問題の免震ゴムが使用されていた件で、建築課長は、南海トラフ巨大地震で死者四万二千人、全壊十五万三千棟と想定し、同庁舎は災害時に救命や救助の司令塔になるべきものなのにという怒りを述べておられます。また、国立病院舞鶴医療センターは、改ざんの疑いがあることがわかった後に同社が装置を納入したと指摘をし、新病棟は今年六月末に完成予定だった、物すごく無責任で不誠実だということで院長は批判をされています。病院はほかにもあって、三重県立志摩病院外来診療棟などがあります。
これは極めて住民の命にかかわる点で軽視できない。医療施設がこのような医療ができなくなるような事態が招来しかねないわけですから、これに対する対策も順を追ってやるというだけでなくて、この病院の問題については早くやらなければならないと指摘しておきたいと思うんです。
ですから、私は、抑える機能が低下している程度だというような話では済まぬ問題だと思っています。私どもは、十年前の姉歯の事件のときに、倒れないから壊れないとする耐震基準そのものを厳しくすべきだと当時問題提起しました。
では、今回の免震偽装不正は何が問題なのか。
建物の安全上必要な構造については、耐震偽装事件もあって、構造計算の適合性判定など厳しくチェックするようになりました。今回の免震装置は、建物の基礎に当たる部分の材料となるものであります。建物の安全性は、構造計算して安全であると確認するが、そのときには、基礎や柱などの材料の品質も当然基準に適合していることが前提になります。
今回は、不正、偽装のあった材料が使用され、それをもとに構造計算もされたとすると、構造計算そのものが正しいと言えないんじゃないでしょうか。その辺をお聞きしたいと思います。


橋本政府参考人

当初不正が発覚しました五十五棟につきましては、委員御指摘のとおり、構造計算を全てやり直して、三月二十六日には震度五強程度、三月三十一日には震度六強から七程度の地震に対する安全性を確認いたしました。
このやり方といたしましては、構造計算をやっているのは当初設計した事務所で、東洋ゴム本体ではございません。中立の第三者の構造計算事務所が、東洋ゴムから正しい免震材料の強度等をもらって、建物全体の計算を全部やり直した結果でございますので、この結果については、少なくとも六強から七では倒壊しないということは間違いないというふうに考えております。


太田国務大臣

そこが安全であればいいというのでは本当はありませんで、免震構造を取り入れたということは、今御指摘のあった病院にしろ、防災庁舎にしろ、特に免震ということが大事なんだ、手術をする、あるいは点滴をしている、いろいろなときでも、あるいはビーカーとかいろいろなものが落ちない、いろいろなことが仕事の上で大事なんだということの中でやったということからいきますと、これは人命にもかかわるし、免震ということをあえてやった人たちの心を完全に踏みにじったものであるというふうに私は思っています。


穀田委員

事の重大性はようやくはっきりしてきた、全く許せないことなわけですけれども。
問題は、免震装置は建築物の構造部の材料となるわけですから、その品質の基準適合は、耐震性など安全性を確認する前提でないといけないと思うんですね。その材料の偽装、不正というのは、これまでの建築行政として想定していなかったことなのか、あるいは見過ごししていたのか、私は極めて深刻な問題として捉まえる必要がある。だから、そういう認識と覚悟を持って対応すべきだということであります。
同時に、ここで実態の把握が必要です。
先ほど、議論の中で、調査段階とありました。問題は、五十五棟に加えて百九十五棟が新たに判明しているわけですが、その建物全てが特定できていないのはなぜなのか、簡潔にお願いします。


北川副大臣

当初、五十五棟以外で不正の疑いがある案件について、三月二十四日に東洋ゴム工業から不正の疑いがある旨の報告を受けたわけです。それで、同社に対しまして、調査を早急にやるように、こういうことで急がせました。
現在、東洋ゴムにおいては、当初の五十五棟以外に出荷された約三千八百基の免震製品について、不正があったかどうか調査を行っているということであります。
ただ、その中に、既にもう建物が取り壊されておるものがあったり、あるいはまた、約二十年以前の装置であって、ディスクのデータの読み出しが非常に困難であるというようなものも若干ありますから、そういうようなものの取捨選択ということで若干苦労しておる、こういうようなことであります。
五十五棟以外の安全性については、第三者委員会において、不正な五十五棟の免震材料と比べると性能値のばらつきが少なく、製品の不良度合いが小さいことから、個別一つ一つの確認は必要であるというものの、全体的な安全上の問題に発展することは考えにくいということで第三者委員会の方から御意見をいただいております。
いずれにせよ、五十五棟以外の構造安全性の検証については、第三者委員会の委員の意見を伺って進めてまいりたいというふうに思っております。


穀田委員

北川副大臣、私が聞いたのは、建物が特定できていないのはなぜなのかと聞いているんですよ。今お話あったのは、壊されたのもあるとか、二十年前のものがあるとか、そんなもの台帳がなかったということなんでしょう。そう言ってくれればいいんですよ。しかし、この売りは、六十年間もつというものなんでしょう。とすると、二十年間でなくなるようなことは困るという話なんですやんか。
問題は、先ほど来、この間、話をずっと聞いていると、要するに台帳がないわけでしょう、はっきりしているのは。台帳がないし、そういう納品先の資料が非常に不完全だと。ところが、私が気にしているのは、そういうことがわかってから国交省は何をしていたかということを聞いているんですよ、聞きたいんですよ。
つまり、事前に報告を聞きますと、東洋ゴムによると、自分のところがひどいことをやったみたいだというふうに、ゼネコンがこれをつくっているわけですから、ゼネコンが資料を出してくれと自分のところにないものだから頼むと、まず謝るのが先だろうとかなんとか言って出さなかったというわけでしょう。そこを言ってほしかったわけ。
問題は、そういうことで済むのか。ゼネコンはえらい態度が大きいやないかと。要するに、免震のものがおかしくなっているときに、それは何をさておいても、利用者と所有者、そういう方々に対して責任を果たさなならぬし、まず出しましょうというのが筋と違うのか、それを指導することがおたくの責任と違うのかと私は言いたかったわけですよ。おわかり。うんと言ってくれればいいです。


北川副大臣

現在継続しておる建物につきましては、これはデータは皆あるわけです。ただ、それまでにもう取り壊された建物もある。これについてはデータその他が非常にそろわない、あるいはまた、非常に古いもので、そのデータのシステムができていなかったというようなものがあって、それによってデータがそろわないということで、そのデータがそろわないために免震の虚偽というか不正というか、そういうものがあったかどうかということはなかなか把握できない、こういう意味でございまして、今現在ある建物については、これは明確にちゃんと規定どおり行われておるかということはとれるというふうに思います。


穀田委員

私は遅いんじゃないかと言っているわけですよ。わかっているんですよ、そんなことは。
まず、東洋ゴムがずさんな管理をしている、これは事実だと。そのずさんな管理でその責任をとやかくするのも大事だけれども、納品しているわけだから、納品されている側があるんですよ。それはゼネコンがやっているんですよ。ゼネコンに全部呼んで聞いたら、そうしたら、おまえのところが謝らなかったらそんなもの言えるかいというような話をしているということをつかんでいるわけでしょう。だから、そういうことをつかんだ瞬間に、あほなことを言うな、まず安全だろう、そのためには力をかしてくれと言って、頭を下げてでも何をしてでも、つかむのが人と違うかと言っているわけですよ。そうでしょう。
その上で聞くけれども、問題は、今回の免震偽装というのはいつからやられていたのか、これは十年前からだと言われている。十年前といえば、先ほど述べましたけれども、姉歯元建築士の耐震偽装事件があり、建築偽装が大問題になっていたころなんですよ。そして、建築物の偽装事件が世間を騒がした時期に、みずからを戒めるのではなくて、偽装や不正を始めたかもしれない。それが一つ。
もう一つ重大なことは、東洋ゴム工業自身が、二〇〇七年十一月、耐火偽装発覚の最中だったということなんですね。断熱パネルを偽装して大臣認定の取り消しが行われ、再発防止策を国交省に報告していた。同じ会社の中で、性能評価の大臣認定を受けるべき建築材料で偽装が発覚して、会社自身が再発防止策を模索している、一方でですよ。もう一方で同じ会社の中で免震偽装をやっていたことになるわけですね、同じ時期に。そういう驚くべきことなんですよ。
国交省は、答弁によりますと、品質監査室による全出荷製品の品質検査の徹底、全従業員を対象としたコンプライアンス研修の実施、それから部門間人事異動の徹底ということを平成二十年、二〇〇八年の一月に発表しております、これらのいずれかが確実に実施されていたら、今回の不正事案は生じ得なかったというふうに考えております、こう言っているわけですね。
だとすると、この事実は、この再発防止策が実施されなかった、あるいは効果がなかったということになるんです。なぜ実施されなかったと考えているんですか。


橋本政府参考人

再発防止策がいかに機能したかにつきましては、午前中もお話をいたしましたけれども、現在、法律事務所において、組織体制上の問題点についてチェックがされておるところでございます。
この結果を見ながら、我々としても、今後、第三者委員会の意見も聞きつつ判断をしたいと思います。


穀田委員

しかし、このときの再発防止策についての発表は国交省がやっているんですよ、こういう報告を受けましたと。今の話だと、現在、法律事務所がどうのこうのチェックしていますと。私が聞いているのは、なぜ実施されなかったかという問題。
それでは聞きますけれども、国交省は、その再発防止策の実効についてどのようにフォローアップしていたんですか。


橋本政府参考人

平成十九年に、東洋ゴムそれからもう一社で耐火の試験に関する不正が行われました。
これを受けまして、各社再発防止策をつくって報告をいただきましたけれども、国土交通省としては、その後、偽装が行われた耐火材料につきましては、毎年、無作為に抽出をして、第三者機関で全部サンプリング調査をするということをずっと続けております。
この結果、不適合が見つかって認定を取り消されたものが相当数出ておるという状況でございまして、物の方のチェックを厳しくやっていたということでございます。


穀田委員

今回の免震ゴム装置というのは、高減衰ゴム系積層ゴム支承、簡単に言うと高減衰積層ゴムということらしいんだけれども、それが一定、高性能材料の方がある、不正な製品は、幾つかある製品のうちでも高い性能を有していると彼らは宣伝している。
その性能を出せる技術力が東洋ゴムにあったのかということを私も思うんですね。疑問に思っている方もいらっしゃる。大臣もおっしゃっているように、最初の開発はできたかもしれないけれども、一応クリアしてんねやから、だけれども量産はできなかったのかという意見もある。
私は、そういう意味でいうと、このときの国土交通省が発表したニチアス及び東洋ゴム工業による性能評価試験における不正受験の原因究明云々かんぬんの報告について、こういう文書の中にあるんですけれども、その中で東洋ゴムのことを書いているんだけれども、その中に、「原因についての報告概要」、「事業化検討の不足」、「自社の人的・技術的対応力を含めた検討が不十分なまま、当該断熱パネルの製造事業を開始した。」と書いてあるように、彼らは、この問題でも、いわば自社の人的、技術的対応力を含めた検討が不十分だったということを言っているわけですね。
だから、私は、この問題について、単に、何か言うと皆さんは性善説とか性悪説とかと言うているけれども、行った事象との関係で、こっちはどうやということを調べるのが当たり前だと思うんですね。
しかも、社内で性能検査に携わる人が一人だったなどと報道されています。東洋ゴムは、子会社である東洋ゴム化工品の担当者が十年間一人で免震ゴムの試験データを管理していて、ほかにわかる人がいなかったとも言っていると。それは先ほどもいろいろありました。
本当に一人だけに任せていたのか。仮にそうだとしても、上司にも誰にも相談せず長年不正を続けていたのか、不正とも思わず当たり前のこととしてやっていたのかどうか、はっきりわからない。東洋ゴムが今回の不正を一人の社員に押しつけようとして、全容を明らかにしていない、隠しているのではとの疑念も湧きます。
ですから、二つの点で、そういう技術力、立入検査した問題で、その一人はという問題について、国交省としては、立入検査をしているんですから、どうつかんでいるんですか。簡単に。


橋本政府参考人

まず、生産能力については御指摘のとおりでございまして、特にごく初期に出荷したもの以外は全て不適合になっているということを考えると、生産能力を疑わざるを得ないと思います。
それから、一人がずっと不正をし続けていたということについては、例えば製品の検査を開発部門とは別の部門でデータをとって持って帰ってくるけれども、当該担当者がそれを受け取って不正な補正をする、それを品質保証部門に渡して、品質保証部門がそれをチェックもせずに検査成績書に、証明書に書くとか、そういうことをやっていたと会社は説明をしていますが、これについては当然法律事務所でチェックをされていると思いますし、その結果を見て、国土交通省としても第三者委員会で原因究明をしっかりしたいと思います。


穀田委員

先ほどから聞いていると、どうも国交省が、この報告書に基づいて一つ一つ、その問題以外について、それはそういうことがあった、だけれども、フォローアップの段階で、自社製品の開発能力、それから先ほど三つの点があればと言っていましたけれども、三つのことをどうしていたのかということが常日ごろからフォローアップされていれば、起きなかったかもしれないんですよ。
問題は、どうしたら防げたか。防げなかったのかということが問われているんですよ。私は常にそういう立場で物を言っている。だから、フォローアップの話は、先ほどの耐火の方はやっているかしれぬけれども、会社全体がそういうことをやっているんじゃないかということの問題なんですよね。
彼らは、こう言っているわけですね。耐火偽装再発防止策の「原因についての報告概要」というところを見ますと、一はさっき述べました。二のところに「経営判断の甘さと監査機能の不足」と。「製品開発の遅れが市場参入への障壁となるとの判断が、不正をしてでも事業を継続しようとする動機となった。」とあるわけですね。市場競争の中でもうける、利益を上げるためには不正に手を染める体質があったと認めているわけですよ。
そうすると、会社自身がそういう可能性、体質があるということをみずから反省しているというにもかかわらず、こっちの耐火はやったかしらぬけれども、そのこと全体として、会社に対するフォローアップがされていたのかということなんですよね。
というのは、なぜかというと、このしゃべっている話は、今回の東洋ゴムの企業体質というのは、免震ゴムの不正問題でも同じことが、多分これは同じ資料が出てきても見間違うような話をしているじゃないですか。だから私は言っているわけですね。
だから、聞いてみると、東洋ゴムの製品にしても、他製品と比べて品質評価は低いんですよね。ところがコストパフォーマンスは高い。つまり、悪かろう安かろうという見方もあるようなんですね。こうした背景、企業体質まできちっと監査をしていくべきではないかと思うんですが、いかがですか。


橋本政府参考人

大臣認定に係る建築材料等の生産について今後どのようにチェックしていくかということは、単に物だけの、物の基準への適用だけではなくて、品質管理体制、それを会社の中でいかにそのフォローアップをするか、品質管理をちゃんと行っていくかということも含めて、今後我々は審査をしなければいけないと思っております。
今後、第三者委員会の意見も聞きながら、再発防止策の中で、そのようなちゃんとしたチェック機能が働くような仕組みを考えていきたいと思います。


穀田委員

それはそれで大事なんだけれども、反省が必要なんですよ。
国交省は何も、こっちは善人であっちが性悪の人だったというわけじゃないんですよ。その問題の会社全体の企業体質の問題に着目をする必要があると、私はJR北海道のときもそう言ったわけですやんか。そういうものをやっているときは必ず二度、三度やるというのは、お互い知っているわけですやんか。だから、フォローアップというとすぐ今後と言うんだけれども、今まで何をしていたんだと僕は聞いているわけですやんか。
だから、私はその意味で、東洋ゴムに、再発防止策というのは、単なる耐火の問題と違って、全体としての会社としての対応だったという点での国交省の監視、監督責任を自覚すべきじゃないかと指摘しておきたいと思うんですね。
私は、なぜ見抜けなかった、この点が極めて問われている、その反省がないとだめだと思うんですね。
大臣は、悪意を持ちデータ改ざんをした場合、見抜くのは難しい、性能評価を受ける際、試験データが正しいという前提と述べておられます。こういう仕組み自身が問題だと私は言いたい。
確認したいんですけれども、大臣認定は、指定性能評価機関が審査するが、実際は企業が自主検査し、書類を審査機関に提出するだけなのか、元データ、試験データが正しいかどうか実証試験はしないんですか。


橋本政府参考人

建築材料の大臣認定におきましては、自社データを認めております。ただし、その自社データをはかる機器等が正確なものであるか、あるいは測定方法が正しいかということについては評価機関がチェックをしております。


穀田委員

さっき、これを出しましたよね。これの中に、耐火パネル偽装の際に、日本建築総合試験所による「再発防止策についての報告概要」というのが次のように指摘しているんですね。
性能評価試験の不正受験防止策ということで、試験は、指定性能評価機関職員の立ち会い、試験体の仕様と認定申請の仕様が同一であることを確かめる、無作為に抽出し、予備の試験体も分析する。
二、認定後の監視というのもあって、認定を受けたものでも、市販されている材料等を対象とした性能確認試験等を実施し、認定仕様と同一のものであることを確認するとともに、仮に同一でない場合には認定を取り消す等の方策が必要だ、こう言っているんですね。
これは確かに耐火パネルの問題ですよ。でも、そういう問題提起をしているということは、やはり何らかの形でこれに応えて前向きにやる必要があったと私は思うんですね。
だから、企業の自主検査をした元データをチェックもせずに認定するというやり方、企業任せをこの際やめる必要があると私は考えます。
大臣認定を取得するときの偽装に関しては、元データまでのチェック、国交省または第三者機関による検査など、体制を考えるべきだと思います。認定基準不足の製品の納入に関しては、設計者など、製品納入、購入事業者などが検査結果等を確認するような仕組みを考える必要がある。
その意味で、大臣認定制度の見直しは急務だと考えますが、この点は、大臣、いかがお考えでしょうか。


太田国務大臣

大臣認定制度というか、例えば、免震の今回の不正という事案については、大臣認定をするということの中で、評価機関が直接現場に行くとか現場の器具を見るとか、そうした現場感覚というものも加えてやるとか、さまざまチェック体制というものを重ねていくという必要があると思います。
建築の場合は、大臣認定というのは五千ぐらいあるんですね。ですから、その五千ぐらい、こういうところの全部が大臣認定になって、それを全部国で、現場というわけにもいかないんですが、非常に人命にかかわって重大なものとか、先進的な技術のものとか、対象というものの重さということとか、あるいは評価機関が現場に行くとか、そういうような、幾つか大臣認定にかかわって今回のことで変えていかなくてはならないことがある、このように認識しています。


穀田委員

私も、全部やれと言っているんじゃないんですよ。だけれども、人の命にかかわる大事な部分というのはお互いわかっているわけですから、これはこうだよね、これはこうしようねという話を今後しないと、やはり企業任せにしているとだめだと。
これは二つ問題があると私は思うんですよね。
といいますのは、国交省の調査の際に、営業部からのプレッシャーがあったのではないかということを安全調査室長は聞いているわけですよね。だから、もうけが、シェア獲得のためのコスト競争に走って、企業自身の安全軽視、利益優先型経営を推し進める、これが一つやはりある。
もう一つは、私は、二〇〇六年の四月に、耐震偽装事件の再発防止対策の提案を行いました。そのときに、問題の核心は、規制緩和によって建築確認検査を民間任せにし、チェック体制も整えないままコスト優先の経済設計を可能にした、当時、経済設計というのが問題になりましたよね、ということを私は指摘し、建築行政を安全よりも効率優先に変質させたことにあると指摘をしたわけですね。
だから、この二つがやはり今後とも大事だと私は思っています。
ですから、事業者の自主規制に委ね、国による監視ということを弱めた結果、こうなってくる。だから、チェック体制も、やったときは必ずチェック体制と言うんだけれども、大体、事前チェックから事後チェックに変えて、何でも企業任せにするということを改める必要があると考えます。
最後に一言だけ言いますと、きょうの質疑を通じても、解明しなくてはならぬ問題点は多々あります。東洋ゴム社長や関係者を参考人として当委員会に招致し、東洋ゴム偽装問題の集中審議を要求したいと思います。


今村委員長

理事会で協議いたします。


穀田委員

終わります。