企業・団体献金全面禁止 政党助成金廃止 国民の声に応える道

2015年03月12日

大島委員長

これにて江田君の質疑は終了いたしました。
次に、穀田恵二君。


穀田委員

日本共産党の穀田恵二です。
きょうは、政治と金をめぐる問題について聞きます。
この間、国からの補助金を受けている企業からの献金が問題になっており、私も二月二十五日にこの予算委員会で質問しました。西川大臣は辞任し、総理を初め他の閣僚も補助金受給企業から献金を受けていたことが取り沙汰されているが、この間、総理は、違法性があるか違法性がないかということを問題にしています。
では、総理に聞きます。
政治資金規正法第二十二条の三で、補助金、負担金、利子補給金その他の給付金の交付決定を受けた会社その他の法人は、政治活動に関する寄附をしてはならないと規定しています。また、第二十二条の三の二項には、国からの資本金、基本金その他これらに準ずるものの全部または一部の出資または拠出を受けている会社その他の法人は、政治活動に関する寄附をしてはならないと書いています。
こうした規定が設けられたのは、いつなのか、どうしてなのか、お答えください。


高市国務大臣

この規定はどうしてなのかということなんですが、国からの補助金を受けていることにより、その法人は国と特別な関係に立っており、その特別な関係を維持、強固にすることを目的として不明朗な政治活動に関する寄附がなされるおそれがありますので、それを防止するという見地から設けられております。


穀田委員

一九七五年に設けられたものです。
一九六二年から、公職選挙法において、国から補助金等の財政的援助を受けている企業からの選挙に関する寄附、これを禁止していました。しかし、政界の腐敗が明らかになった黒い霧事件を機に、七五年改定で政治資金規正法に入れ込み、政治活動に関する寄附全般を禁止したものであります。公職選挙法第百九十九条には、公共事業受注企業からの選挙寄附の禁止が規定されています。
これらの規定は、国からの金が入っている企業は、今ありましたように、国と特別な関係にあって、その関係を維持、強固にすることを目的にして不明朗な献金がされるおそれがあるから、防止するために禁止している、こう言っているわけですね。政治をゆがめる危険があるから、そこはせめて禁止しようということであります。
したがって、李下に冠を正さず、疑いを持たれてはならないということで、総理、よろしゅうございますね。


安倍内閣総理大臣

政治資金規正法の基本理念は、政治資金規正法第二条は同法の運用に当たっての基本理念を示したものでありますが、この法律は、政治資金の収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民に委ね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように適切に運用されなければならないこと、そして、政治団体は、その責任を自覚し、その政治資金の収受に当たっては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行わなければならないことが定められていることでございます。


穀田委員

いやしくもとわざわざ書いていますように、そういうことやっちゃあかんでということになっているわけですよね。
総理は、これまで、たびたび、違法かどうかの構成要件を述べていますけれども、違法でなければよいという話では決してありません。国の金と税金、すなわち、これは国民の血税であって、補助金であろうと出資であろうと公共事業であろうと、税金が入っている企業から献金をもらうというのは、税金の還流と見られるのは当然であります。
だから、補助金の交付決定から一年と言っていますけれども、一年と一日たてば政治をゆがめる危険がないと言えるのか。同じように、国のお金を使って仕事をしている企業が、選挙に関しての寄附以外の献金なら問題はないと言えるのか。
だから、交付決定から一年かどうかとか、補助金か公共事業かということが問題なのではなくて、規定を設けた趣旨からすれば、ずっと禁止をしなければならないものじゃないか。そう思いませんか、総理。


高市国務大臣

そもそも、企業、団体による献金、寄附というものに関しましては、最高裁判所大法廷判決、八幡製鉄事件のときのものでございますが、憲法三章に定める国民の権利及び義務の各条項は、性質上可能な限り、内国の法人にも適用されるものであるから、会社は、公共の福祉に反しない限り、政治的行為の自由の一環として、政党に対する政治資金の寄附の自由を有するとされております。
この政治活動の献金のあり方は、長年の議論を経て、企業・団体献金は政党等に対するものに限定されるなどの種々の改革が行われてきました。個人であれ団体であれ、お金でもって行政をねじ曲げようという行為は断じて許してはなりませんけれども、企業、団体が政党等に献金すること自体が不適切なものとは考えておりませんし、政治資金規正法では、一年という期間を設けてきちっと規定をしているわけでございます。合法的な寄附であれば、これは企業の政治活動の権利を保障するものになるかと存じます。


穀田委員

私が聞いているのは、違うんですよ。そういう趣旨に反しないかと。一年と一日過ぎたら違法でない、選挙にかかわったら違法だけれども、違ったらええ、そういう話と違うやろうと言っているんですよ。だから、総理大臣に聞いたんです。あなた、いいです。
それで、何かというと八幡製鉄、古い話をして、ようそんなもの出してくるなと思うんですけれども、八幡製鉄の判決というのは、会社のそういう政党への寄附は、国民個々の選挙権その他の参政権の行使そのものに直接影響を及ぼすものではないとしていながらも、企業献金をそうして容認したと見られているけれども、我々はこの立場を異にしていますよ。でも、判決は、企業は、国民の選挙権、参政権の行使に直接影響を及ぼすことをやってはならないということをわざわざやっているんですよ。それは後でやりますから、その前に話を持っていきたい、戻したいと思うんですね。
総理大臣、では、私はこの予算委員会で総理と何度もやりとりしてきたわけですけれども、やはりここでも二十年前のいわゆる政治改革について振り返っておかなければなりません。
リクルート事件に端を発し、ゼネコン汚職、金丸疑惑に至る自民党の金権腐敗政治に対して、国民の厳しい批判が寄せられました。そして、非自民連立政権の細川総理は、就任直後の所信表明で、「政治腐敗事件が起きるたびに問題となる企業・団体献金については、腐敗のおそれのない中立的な公費による助成を導入することなどにより廃止の方向に踏み切る」と述べるに至ったわけであります。
政治腐敗の根源が企業・団体献金であり、これを禁止して政治腐敗を根絶しなければ、国民の信頼回復はない、この流れが国会の中でできたのであります。
ところが、二つの抜け道をつくって、企業・団体献金を温存したのが二十年前の政治改革です。
この当時一緒にいた者として総理大臣に聞きたいんですけれども、二つの抜け道がある、それが、繰り返し政治と金をめぐる問題の根源となっていると思いませんか。


安倍内閣総理大臣

確かに、二十年前に政治改革が実行されたわけでございますが、当時は、選挙制度を変えていくということが一点、そしてもう一つは、いわば政治資金規正法を変えていくということだった、このように思います。
政治改革の議論の中で、政党助成、これは共産党は受け取っておられませんが、政党助成制度ができました。政策本位、政党本位の政治を目指す理念のもと、企業・団体献金を政党等に限定することにあわせて提案されたものだというふうに承知をしておりますが、その際、政党等に対する企業・団体献金のあり方についても見直し規定が置かれたわけでございますが、各党間で合意に至らないまま現在に至っているわけであります。
でありますから、企業・団体献金を全て禁止することが合意されていたということではもちろんないわけでありますし、企業・団体の献金も認められてしかるべきだというのが自民党の考え方であったわけでございます。
いずれにせよ、企業・団体献金のあり方は、民主主義の費用をどのように国民が負担していくかという観点ではないか、そういう観点から各党各会派において御議論をいただくべきものと考えております。


穀田委員

総理、各党が合意していないというのは、それは五年後にはやると約束して合意しているんですよ。それをやっていないだけの話であって、それはちょっと事実が違うということだけは言っておきたいと思うんですね。
もう一度、二つの抜け道というのは何かということを言いたいと思うんです。
抜け道の一つは、やはり政党支部への献金は認めるというものなんですよね。政治家個人に対する企業・団体献金は禁止しましたけれども、政党と党の財布である政治資金団体が金を集め、受け取るのは禁止しなかったんです。
当時、政府は、企業・団体献金について、政党以外は直ちに全て禁止した、今までと違う大幅な改革だと答弁していました。それに対して我が党の東中光雄議員は、政党支部が抜け穴になっている、そして、政治家個人への献金は禁止と言いながら、政党支部の代表者になっていることによってトンネルになると批判をしたわけであります。ですから、まさにそのとおりになっているわけであります。
そこで、端的に、数字だけで結構ですから、政界全体への企業・団体献金の総額は幾らになっているのか、総務大臣届け出分と都道府県選管届け出分の合計額の数字を示してください。


高市国務大臣

総務大臣届け出分及び都道府県選管届け出分の政治団体を合算した平成二十五年分政治資金収支報告における法人その他の団体からの寄附の合計額は、八十七億六千三百万円であります。


穀田委員

八十七億六千三百万円、本当にこれは巨額なんですね。企業・団体献金の禁止を打ち出したはずなのに、八十八億もの献金が政党支部、本部を通じて流れる。
もう一つの抜け道が、政治資金パーティーです。
一九九二年の緊急改革で、政治資金パーティーについて、収支報告の義務化やパーティー券購入の上限を示し、パーティー適正化を行いました。施行された九三年にパーティーを開催したのは三百二十五団体、六十億九千九百万円の収入でした。翌年の九四年には百四十億円を超える収入となっており、九五年の政治改革のもとでも温存されました。
政治資金パーティーの収入総額は幾らになっているのか。もう額だけでいいです。


高市国務大臣

同じく平成二十五年分で百七十六億四千三百万円でございます。


穀田委員

百七十六億ですよ。まさに巨額、さらに巨額と言わなければならない。
パーティー券は誰が購入しているのか。ほとんどが企業、団体が購入しているということで、総理、よろしゅうございますね。


高市国務大臣

済みません。ちょっと、内訳についてという通告がなかったので、今数字を持っておりません。申しわけございません。


穀田委員

個別の数字はないんですよ、それは。ただ、百七十六億円全てが企業、団体が購入しているとは言わないけれども、その大半が、企業、団体が購入しているのは常識ですよ、こんなこと。政治資金パーティー収入は、要するに形を変えた企業・団体献金にほかならない、ここがポイントなんですよ。
大体、これだけの巨額の金が流れている、今、後ろからもありましたけれども、どうして、誰が購入しているのか明らかにならないのか。それは、献金の場合は、年五万円以上すると企業名が収支報告書に記載されるけれども、パーティー券購入であれば、二十万円以上でなければ記載されないからであります。これでは、企業が小口に分けて購入していても、国民の前には明らかにされない。
総理は、口を開くたびに、こういう問題があると、政治資金で大切なことは透明化を図っていくことだと答弁しているけれども、百七十六億円もの巨額の金が動いている政治資金パーティーの透明化は図られていないんですね。
さきの二十五日の質疑でも確認しましたけれども、政府は、二〇〇一年、国務大臣、副大臣及び政務官規範の閣議決定を行い、組閣が行われるたびに確認しています。この大臣規範には、(5)として「パーティーの開催自粛」とあるけれども、どういう内容で、なぜこのような規範を決めたのですか。お答えください。


安倍内閣総理大臣

大臣規範は、公職にある者としての清廉さを保持し、政治と行政への国民の信頼を確保する観点から定められたものであり、その中で、「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する。」旨規定をしております。
政府としては、基準はないものの、国民の疑惑を招くようなものについては各人の良識の判断で控えるよう定めているところでございます。


穀田委員

ここでも国民の疑惑を招かないようにという意味が書かれているわけですね。これが大事なんです。
政治資金パーティーの中でも、収入が一千万円以上のものを特定パーティーと政治資金規正法は規定しています。前回の質疑で、私は、主要大臣の政治資金パーティー収入の金額を明らかにしましたが、きょうは、現職の全閣僚のパーティー収入がどうなっているのかを調べました。
一三年中に、十九人の閣僚の中で、十六人が国会議員関係政治団体で収入が一千万円以上の特定パーティーを行っています。ほとんど全員なんですね。その中でも、一三年中に五回も特定パーティーを開いているのが、安倍総理、林農林水産大臣、塩崎厚生労働大臣であります。
総理の資金管理団体である晋和会は、五回のパーティーを開いて、七千五百九十五万円もの収入を得ています。費用は七百五万となっていますから、六千八百九十万円もの金が晋和会に入ったということであります。国民に疑惑を持たれることのないようにというみずからの規範さえ守れない、こういう実態をどのように国民に説明されますか。


安倍内閣総理大臣

私としては、ルールにのっとり、そうしたパーティーを行っているところでございまして、そういうパーティーの趣旨に従って浄財を集めることができたわけでございまして、適切に使用していきたい、このように考えております。


穀田委員

いつも法的に問題ない、適切に、適法に処理していると。自分たちが決めた規範というのは一体何なんだ。国民に疑惑を持たれないようにと、わざわざ全てのところでいろいろな問題を必ず言っているんですよ。
規範を決めるときにも、清廉さ、そして疑惑を持たれないように、こう言っている。そして、このパーティーを決めたときも、その問題について、余りに企業に多額のそういう負担をさせて、頼むというようなことはないようにとまで、政治資金規正法で書いているわけですよね。お互いに知っていたはずじゃないですか。ですから、私はちょっといかにもひどいんじゃないかと。ルールにのっとるというんじゃなくて、みずから決めた規範には背いているということを言っておきたいと思うんです。
ですから、四十年前も二十年前も今も同じことが繰り返されている。政治と金の問題が浮上するたびに、政治と金、国民に疑惑を持たれてはならない、先ほど言いましたけれども。さらに、多くの党も言い始めていますけれども、金権腐敗の大もとである企業・団体献金を禁止しなければならない。そういう議論が起こります。
私は、今度こそ抜け穴を塞いだ全面的な禁止を実行するしかないということを申し上げておきたいと思います。
もう一つ聞きたいのは政党助成金の問題です。
政党助成制度は、一九九五年、政治改革の名のもとに、小選挙区比例代表並立制とともに、先ほど総理もありましたように、施行されました。この制度は、国民に一人当たり二百五十円を負担させ、毎年三百二十億円もの税金を各党に配分する仕組みで、この二十年間の政党助成金の総額は、何と六千三百十一億円にも上ります。
この制度は、もともと、企業・団体献金を禁止するからという口実で導入されました。ところが、今はどうか。片っ方で企業・団体献金はもらうわ、片っ方で政党助成金はもらうわ、その意味で二重取り以外の何物でもありません。
そして、政党助成金を受け取っている各党の本部収入に占める割合は、自民党が六四・六%、民主党が八二・五%です。今や、政党助成金を受け取っている多くの党が、運営資金の大半を税金に依存しているのが実態であります。
また、五人以上の国会議員を集めれば政党助成金をもらえることから、理念も政策も抜きに、政党助成金目当てに、おびただしい数の新党の設立と解散が繰り返されてきました。
政党助成金が税金頼みの政党を生み出している制度だとの認識は、総理、ございませんか。


安倍内閣総理大臣

約二十年前の政治改革においてはさまざまな議論があったわけでありますが、まさに、政治のコストをどのように分担をしていこうかという議論であったと思います。
その中で、今委員が御紹介になったような形で、税金という形で国民の皆様に御負担も一部いただこうということと同時に、個人の献金あるいはまた企業・団体献金については、政党支部についてはその道は残しておく。さまざまな形におけるいわば政治のコストの分担をお願いしていこうということになったというふうに承知をしております。


穀田委員

この間の二月二十五日の予算委員会で、政党助成金をふやしていくということがあってもいいという発言がありました。その際に石破大臣は、「政党を運営するのが政党助成金に余りに過度に依存をするようになりますと、やはり政党というのは権力に対してある種インディペンデントでなければならない」、「政党の運営が余りに助成金に偏るというのは、私は決して好ましいことだとは思っておりません。」と述べられました。
石破大臣、余りに過度に依存するとはどの程度のことを言うんでしょうか。半分以上も税金に依存しているという状態は、過度に依存しているということではないんでしょうか。どうですか。


石破国務大臣

それは何を過度と言うかというお話ですが、やはり、政治改革の議論をしておったときに、今からもう三十年近く前のことです、それぐらい前の話ですよ、リクルート事件に端を発しておりますので。
あのときに、まず民主主義のコストって何なんだろうかという議論をいたしました。大切なものはただではないので、大切なものがただであるかのごとく言うのは、それは私は間違いだと思います。コストは一体何なんだと。遊興費とかそういうものではなくて、有権者のニーズをいかに正確に把握をするか、こちらの政策をいかにきちんと伝えるか、そういうものは私は民主主義のコストだと思っております。
そして、それを誰が負担するかというときに、そこはやはり、公費と自己負担と企業・団体献金、それが三分の一、三分の一、三分の一ぐらいになるのが、それは望ましいだろうね。ただ、物理の実験をやっているわけじゃありませんので、三分の一がそれで正しいんだ、一円でも超えたらだめなんだとか、そういう議論ではないと思うんです。やはり、そういうふうにバランスのとれたものをやらねばならないし、過度に依存をするということは政党の独自性を損なうものだ、私はそのように思っています。


穀田委員

今、石破さんも言われたように、三分の一、三分の一、三分の一という議論があったことは、お互いに承知しているんだと思うんですね。
だから、もっと原理的で、政党に税金を入れていいのかという問題もありました。そして、依存してはよくないという議論が行われ、当時の政治改革の細川総理と河野自民党総裁の合意では、各政党に対する政党助成の上限は前年収支実績の四割とされたわけですよね。これが合意だったんです。そうなんですね。
ところが、成立した法案には、三分の二を上限とする。三分の一、三分の一、三分の一じゃないんですよ、もはや三分の二まで上限とすると後退し、そして制度導入一年目にその条項さえも削除し、今や、二十年間、上限なく各政党に配分し続けている。このやり方は、国民を愚弄するものであります。
先ほど総理大臣がおっしゃったように、日本共産党は一貫して受け取っていない。もうこのような制度をやめるべきだと思います。
総理に何度質問しても、廃止はおろか減額すら言ったことがない。これで国民の理解が得られるとお思いですか。


安倍内閣総理大臣

まさに、これは国民の皆様に政治のコストをどのように理解していただくかという中において議論を積み重ねてきた結果、政党助成金の導入が決定をしたわけでございますが、その中のあんばいについていろいろな議論がありました。
石破大臣は三分の一程度だろうという御意見であるわけでございますが、そのとき、私は当時、余り、当初は税金を入れるということに私はどちらかというと反対であったわけでございました。しかし、議論を重ねていくうちに、これは、その中で、ある程度は税金という形でお願いするということも妥当かもしれない、個人と税金とそして企業・団体、このいわばある意味ベストミックスを構成していくということが重要ではないか、こんなように思うに至っているところでございます。


穀田委員

ベストミックスと言いますけれども、これほど最悪のミックスはないんですよ。企業・団体献金はもらうわ、パーティー券はもらうわ、政党助成金はもらうわと、そんなものはベストミックスなどであろうはずはないと言わなければならないんです。
だって、民主主義にコストがかかると言うけれども、確かに選挙活動だとかポスターの掲示板だとか、それはかかるでしょう。だけれども、そんな話じゃないんですよ。
政党というのは何なのか。やはり、政党は思想、信条に基づく自発的な結社であります。政党は何よりも、国民の中で活動し、国民の支持を得て、その活動資金をつくるということが基本であります。当時も、個人献金をふやすということまでみんなで確認をしたわけであります。
政党が国民、有権者から浄財を集める努力をしないで税金頼みになっているから、金への感覚が麻痺し、腐敗政治をつくり出す一つの根源になっていると言わざるを得ません。改めて、政治資金とはどうあるべきか、考えなければなりません。
総理、政治資金規正法の、先ほど少し述べられましたけれども、理念の第二条の方には、第一項には何と書いてありますか。


高市国務大臣

政治資金規正法第二条、政治資金の収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民に委ねて、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用されなければならないという基本理念を第二条に示しております。


穀田委員

また総務大臣は抜かしている。肝心なところを抜かしたらあきまへんで。そんなもの、一番大事なことを抜かしたらあきませんよ。健全な政治の発達を希求して拠出される国民の浄財であると言っているんですよ。国民の浄財というところを抜かして、どうしてそのことが成り立つんですか。
ここに、あなた方が本当に国民の浄財なんかどうでもいいというようなことを言わんばかりの話になっているということを示しているじゃありませんか。いいですよ、あなたはもう。いや、今の話で言っているんですよ。私は前から法に規定してあると言っているんですから。
つまり、総理は、個人にせよ、法人にせよ、団体にせよ、いわばお金を献金することによって自分の利益を得るということがあってはならない、そんなことは当たり前ですよ。問題は、個人と企業は決定的に違う問題があるということなんですよ。
国民は、主権者であり、選挙権を持っています。個人献金は、主権者国民の政治参加の一つであり、権利であります。企業は、営利事業を行うことを目的とし、利益を求める存在で、主権者ではありません、選挙権を持っていません。その企業が政党や政治家に金を出して政治に影響を与え、自分の利益を図れば、主権者国民の基本的人権を侵害することになる、ここのところが大事だと私は思います。
ちょっと最後に総理に聞きますけれども、国民の浄財という、その文章の中に、その国民という中に企業や団体は含まれますか、総理。


高市国務大臣

企業や団体も含まれます。内国民と同じ扱いを受けます。


穀田委員

そういう理解をしているからだめなんですよ。企業・団体献金と腐敗はなくならないということを申しておきたいと思います。
憲法の中にはきちんと書いていまして、それは、十五条で参政権を国民固有の権利と言っています。これは自然人を指しており、会社は含まれていないというのは最高裁も認めているところであります。参政権は国民の基本的権利をなすもので、これを侵してはならないんです。ですから、そういう立場からいうと、私は本当にいかがなものかと思います。
私どもは、政党本部、支部への献金、政治資金パーティー、両方を禁止する企業・団体献金の全面禁止の法案を提出します。日本共産党は既に、政党助成金は、この制度は思想、信条の自由や政党支持の自由という国民の権利を侵すもので、憲法違反の制度であると指摘し、その創設に反対するとともに、一貫して政党助成金の受け取りを拒否してきています。そして、今国会の冒頭には政党助成法の廃止法案を出しました。
政治腐敗の根源である企業・団体献金の全面禁止と、そして政治と政党を堕落、劣化させる政党助成金の廃止、この二つを実現してこそ国民の金権腐敗をなくせという声に応えることができる、このことを改めて主張して、私の質問を終わります。


大島委員長

これにて穀田君の質疑は終了いたしました。