JR山田線・大船渡線の復旧について国交省としてJR東に指導せよ!

2014年03月26日

穀田委員

私は一つ本を持ってきまして、「線路はつながった」ということで、「三陸鉄道 復興の始発駅」というのが発刊されています。著者は三陸鉄道旅客サービス部長で、これには、平成二十六年四月はくしくも開業から三十周年に当たる、南北リアス線ともに全面復旧し、第二の開業とも言える大きな一歩と語っています。そして、震災直後は混乱がひどかったが、諦めず、三年以内の全面復旧を目標に掲げたと回想し、鉄道は列車が走ってこそ鉄道、つながってこそ鉄道と述懐しています。

大臣、鉄路は住民の足であり、とりわけ復興に欠かせないインフラだと考えます。被災地と被災者の願いと思うんですが、その辺の見解をお聞きしたいと思います。


太田国務大臣

去年の四月に三陸鉄道南リアス線が通りましたときに、旗を振ったりというような、大変喜びの映像を見せていただき、また現地からもそういう話を聞きました。

鉄路というのは普通の交通機関とは違う喜びがあるんだなということを改めて感じましたけれども、道路もそうですが、鉄道は、当然、つながってこそ鉄道であるというふうに思い、また喜びも与えるものだというふうに思っています。


穀田委員

昨年の十一月十二日の当委員会でも大臣はそのようにおっしゃっています。そのときには、鉄路というのはまた違った意味で、復興を実感したり、あるいは一人一人の心を躍らせたりという要素があると思っている、こういうことですよね。今そのお考えを述べたわけです。

私は、三年前の東日本大震災の被災以来、南北リアス線の復旧へ、国としての抜本支援を提起しました。さらに、この間、何度もJR山田線、大船渡線の課題を取り上げてきました。

四月六日、南北リアス線の全線開通があります。それを受けて、いよいよJR東の鉄路の復旧が焦点であります。資料一にお示ししたのがその地図であります。

三鉄、三陸鉄道を略称して三鉄と現地でも言われていますが、三鉄は被災後直ちに復旧活動に全社挙げて従事し、五日後には一部運行し、ようやく全線復旧につなげました。宮古の市長は、三陸鉄道は震災五日後に一部区間で運行を再開し、まさに復興のシンボルとして走り続け、平成二十六年四月に全面復旧いたします、この南北リアス線をつなぐJR山田線宮古―釜石間の早期復旧が実現すれば、被災地に希望を与え、復旧を大きく前進させる力になると考えております、こういうふうに述べております。

先ほども大臣もお話がありました。つながってこそ鉄路は生きると。ところが、JR東日本は、震災から三年たっているのに、この地図でありますJR山田線、JR大船渡線の二つの路線について復旧を明言していません。これ以上の放置は地域復興の障害とも言うべき事態になっているんじゃないかと思うんですが、いかがですか。


土井大臣政務官

お答えをいたします。

被災した鉄道の復旧につきましては、当然、まちづくりと一体となって検討して進めていくことが大切でございます。

山田線につきましては、現在、山田町や大槌町の土地区画整理事業との整合性を図る必要があることから、復興調整会議等の場において、その具体的なあり方について調整をいたしているところでもございます。

また、大船渡線につきましても、まちづくりとの関係を考慮しながら、どのような鉄道の復旧とすることが地域にとって望ましいかという観点から、関係者との調整を進めているところでもございます。

被災地の復興につきましては、鉄道の復旧に当たり、まちづくりと一体となって調整をしていくことが必要であり、このような考え方のもと、復興調整会議等の場におきまして、引き続き、自治体とJRとしっかりと合意形成ができるように努めてまいりたいというふうに思っております。

また、鉄道復旧の明言がないということが地域の復興の障害になっている、こういう形で思われているということであれば大変残念なことでございまして、そのように思われないように、しっかりとリーダーシップをとりながら頑張ってまいりたいと思っております。


穀田委員

明言していないのは事実なんですよ。誰も明言したなんて言っていないんですよね。

それは、陸前高田市の戸羽太市長は、議会の答弁でこう言っています。これでもかというぐらいお願いはしているのですが、なかなか本社の方がいい返事というか、やらないというわけではないのです、要するに、我々は、いつやるよということを言ってほしいと。

今、土井さんは、そんなふうに思われたら残念だというんじゃなくて、事実、三年間、線路は磨いてもいないし、それから、周りのところを全部掃除したわけでもないし、放置しっ放しだ。そして、いつかやるよということを言ってほしいということを議会で言っているんですよ。市民の皆さんに安心させてほしいということをずっと言っていますが、それさえも言っていただけない。ただ、やらないわけではありませんというような状況が続いているわけですというふうに心情を吐露しているんですよね。これを聞いてどう思いますか。

先ほど紹介した本の中で、三鉄の社長は、被災直後の十三日に、線路現場を見回りながら、できるところからとにかく列車を走らせよう、一刻も早く列車を走らせるということで社員に厳命しているんですよ。そういって努力されてきたことと比べると、議会でこういう答弁をせざるを得ない事態にあるということが問題じゃないのかと私は言っているんですよ。

今、調整会議というお話がありました。JR山田線並びに大船渡線で、今の話がありましたけれども、どんな報告が新しく出たのか。この二月にJRは提案を行っています。そして、会議で、国交省も参加しているわけですから、どういう提案を行ったのか、それから国交省はどういう立場を表明したのか、おのおのの路線について簡潔に明らかにされたい。


滝口政府参考人

復興調整会議における提案等について御説明を申し上げます。

まず、JR山田線でございますが、直近のものは、一月三十一日に第七回の山田線復興調整会議が開催されておりまして、この場におきまして、JR東日本から、三陸鉄道において南北リアス線と山田線宮古―釜石間の一体運営を行うこと、そしてまた、赤字補填や設備改良などさまざまな支援を行うことなどが提案されております。

また、JR大船渡線でございますが、こちらは二月の十九日に第六回の大船渡線復興調整会議が開催されております。JR東日本から鉄道復旧の概算工事費の見込みが示されておりまして、原状復旧の場合は約百三十億円、その以前の、前回、第五回の復興調整会議で提示をいたしました安全やまちづくりなどを考慮した移設ルートの場合は、現状復旧の場合よりも約二百七十億円多い、トータル約四百億円の事業費となるといったような見込みが示されたところでございます。

私ども国土交通省といたしましては、この復興調整会議というのは、議論を促進し関係者の合意を図るということが目的でございますので、これらの提案につきまして、今後、合意形成に向けて、引き続き、私ども国あるいは県、沿線自治体、JR東日本など関係者間で十分御議論していただき、今後調整に向かって頑張っていこうということについて発言をいたしております。


穀田委員

調整で頑張っていこうと。しかし、土井さんが言っていたように、そういう復旧を明言していると思われていないのが残念だというふうな、こういう発言というのはどっちの方に今位置しているかというと、どちらかというと住民の方に位置していないんですよ。住民は、だって、やると言ってくれていない、我々は今後やるよと言ってほしいとまで言っていることに対してニュートラルな立場でないということは、はっきり言って私は残念だと思いますね。

それで、今局長がお話ししたことを資料にしたのが二番と三番ということになると思います。それで、新たな提案というのは、JRは不採算路線ということで切り捨てるつもりではないかという不安が地元で広がっています。

まず山田線です。新提案に、関係市町村、これは資料三ですね、岩手県、宮古市、釜石市、大槌町、山田町、三陸鉄道というのが、それぞれJR提案に対して意見を上げています。いずれも、これは見たらわかりますように、地上設備、用地はJR東日本が所有されたい、それから、赤字想定額については内容を示せ、その期間は持続的な鉄路の維持が可能となる期間にされたい、それから、運賃については、これにより生じる赤字額は補填されたい、三陸鉄道による運行に伴って新たな負担が生じる場合は負担されたい、こういうふうに言っておられる。だから、JRの提案に対して、地元の自治体と三鉄はこういう意見を述べている。

今まで大槌町や山田町は、そういう意味での根本的負担がなかったわけですよね、三鉄ではなかったですから。そうしますと、自治体の負担や運賃はどのようになると試算をしていますか。


滝口政府参考人

今委員御指摘のものは、復興調整会議の後に、二月十一日に山田線については首長会議が開催されておりまして、そこでさらにJR東日本から詳細な提案があり、また、これに対して岩手県、沿線自治体などから御意見があった、こういったものでございますが、その中で、今委員御指摘のような地元負担の問題というのが出ております。

委員今お話がございましたが、JR山田線宮古―釜石間のうち、宮古市と釜石市はもう既に負担をしておりますので経験はあるわけでございますが、山田町と大槌町につきましては今回新たな負担になるということで、そういったような問題意識をお持ちだというふうに承知をいたしております。

委員御指摘の運賃については、ざっと申し上げますと、三陸鉄道の運賃水準というのは、JR山田線の運賃水準に比べまして約二倍強といったようなことになっているところでございます。(穀田委員「二倍」と呼ぶ)二倍強でございます。

一方で、これに対しまして、自治体の方から、仮に運営移管をした場合であっても、一定期間JR運賃と同額にしてほしいといったような意見、そういうような御趣旨であろうと思っております。

この地元負担がどうなるのか、あるいはJR東日本からどのような補填などがなされるのかということも、これは、今後の両者間の調整内容、合意形成に向けての一つの事項だろうというふうに考えておりまして、今後、こういったことも含めて関係者間の調整が図られるように、そういった方向で努力をしてまいりたいと思っております。


穀田委員

調整が図られるって、そんな負担はかなわぬと言っているんですよ。それは、どっちの立場に立つのか明言せな、調整といって間に入って、ニュートラルにやったってしゃあないんですよ。

要するに、大体二倍になるということでしょう、今の話で。岩手県議会では大体二倍以内と言われていましたけれども、いずれにしてもそういうことになると。宮古市長も、結局、最大の問題は沿線自治体の財政負担がどれほどになるかだと。今でも財政が大変なんですね、被災地で。そのときに、新たな負担は無理だということを言っていて、その負担を最小にできるかどうかだと。さらに、JR山田線の復旧について言うならば、第一義的にはJR東日本の仕事だ、こう言っているんですよ。

地元の声をもう少し紹介しますと、地元では、要するに、促進協議会もつくって、みんなで乗りましょうということまでやっているわけですやんか。その後が心配だとJRが言っているものだから、みんなやっているわけですね。

昨年の十一月九日には、シンポジウムを開催しています。大槌町の高校生は次のように述べています。JR山田線が走っていないことで進路希望を変更せざるを得ない中学生、高校生がいます、私たちにとって一番問題なのは進路選択の制限ですと。進学の夢まで奪っているんですよ。そしてさらに、復旧したなら積極的に活用し、自分たちの鉄道は自分たちで守っていくという意識を後輩に受け継いでいきたい、ここまで言って、高校生の大会を開いて、それでやろうねと言っているんですよ。

達増知事は、県は沿線首長の意向を踏まえて協議したい、三鉄が運営するとした場合には、鉄道施設をJR東日本が引き続き所有することを求めた、今後とも東日本に復旧後の運行を求める姿勢は維持しながら、自治体の負担増を回避する観点から対応したい、こう言っているんですよ。こういう立場に立ってやるのか、それともJRの方の立場に立ってやるのかということを聞いているんですよ。

私は、こういうやり方は、JRというのは本当に手前勝手だ。それは、努力して、一生懸命直して、これをやっていますと言うんだったらわかるけれども、三年間放置しておいて、それで、展望も見せない、希望も見せないでやっているというやり方に対してみんな怒っているんですよ。

だから、私は手前勝手だと思うんだけれども、どう思いますか、大臣。


太田国務大臣

手前勝手というよりも、調整会議という舞台だけでなくて、JR東が動いていることも事実でありまして、できるだけ早く、当初は、三月十一日までに何とかまとめてやりたいなということを、具体的に中身は申し上げませんけれども、そういう意思を持って動いていたということは本当に事実のことでございまして、調整が早く進んで、まとまって、鉄路が開かれるということを私は強く望んでいるところでございます。


穀田委員

三月十一日、つまり三年目をめどに三鉄は全面復旧しようということでやったわけですやん。誰かて三年間ぐらいでやろうねと思っていたわけですよ。だから、大臣も三・一一までに何とかしたいという思いはあったんだと思うんですね。

だから、きのう、それぞれ、報道でもされているわけですけれども、岩手県議会は全会一致で決議を上げて、今言った山田線についても、早期に復旧をするよう指導助言を行うことを強く要望するということで、内閣、その他、国土交通大臣にも意見書を採択しています。そして、鉄路は鉄路としてつながってこそ大きな意味があるというふうに言っています。

今ありましたように、できるだけ早くという話は、それは誰でもそう思っていますし、大臣もそういう意見だと。では、JRは本当にそうかと。JRの大船渡線について言うならば、新しい提案があります。それは大船渡線のルートの変更なんです。これは昨年の九月に調整会議の調整の際に出されていた、いわば山側に線路を引くという新しい提案がなされている。それに対して地元紙は、選択肢の一つということを書いていたし、JRもそう言っていました。ところが、ことしの二月には、それしかないということを言い出すと。つまり、芽出ししておいて、今度はそれ以外に考えられないという態度。

ですから、大臣がおっしゃるように、できるだけ早く、三月十一日までにはなどというときに、そういう新たな提案をして、今まで言ったこともない話を突然持ち出してやっている。これはまさに、三年目をめどにして何とかいろいろなことをまとめ上げようとする多くの方々の思いとは裏腹に、無理難題を押しつけて延ばそうということにならないか。ですから、なぜルート変更するのかについて国交省はどのように把握していますか。


滝口政府参考人

委員御指摘のように、大船渡線の復興調整会議におきまして、昨年の九月の段階で、いわゆる現状復旧をする場合、それから、まちづくりを考慮いたしまして高台に集落などが移転をいたしますので、そういったことを考慮した移設ルート、山側のルートといったような考え方について提示をしたところでございます。

そこで、二月の第六回の大船渡線の復興調整会議で、それぞれのルートについての事業費について先ほど申し上げたような数字を御説明したということでございますが、これにつきましてJR東日本からは、現状復旧のルートとした場合には、小友、脇ノ沢といったような駅がございます。両方とも非常に大きな甚大な津波被害を受けたところでございますが、こういった地域を通っているということ、このために、地元自治体におきましては、集落を内陸部の方に移転させるといったような動きがあること、それから、かなり大規模な防潮堤計画というものが実はこの地区で計画されておりますが、この計画との整合性などからすると支障が生じるおそれがあるといったようなことから、早期に鉄道を復旧するためには内陸の方へのルート移設を図る必要がある、このような説明があったというふうに承知をいたしております。


穀田委員

そういう説明があったということはわかるんだけれども、説明はそのとおりなんですよ。しかし、その説明は、今までどんな議論してきたのかということを全くほごにするものだと私は思う。

きのう行った岩手県議会の全会一致の決議は、大震災から三年が経過しようとし、復興計画によるまちづくりが進められている中で、突然総事業費が四百億円に及ぶルート変更でなければ復旧が難しいとの考えを示すなど、大震災からの早期の復旧復興を目指す沿線自治体及び住民の意向とはかけ離れた提案が行われている、こういう決議を、意見書を採択しているんですよ。全会一致ですよ。

今お話にありましたけれども、そんな提案、九月にしたときには一つの選択肢としてと言っていて、だから、地元紙も、東海新聞中心ですけれども、今言った地域について選択肢の一つとして提案された、突如と提案されてわけわからぬ、こう言っているんですよ。

では、肝心の市長はどう言っているかということを見ますと、二月二十四日の記者会見で、変更ルートについては非常に大ざっぱに説明を受けたのですが、非現実的だと思います、どこまで調査をし、どれくらいの根拠をもって積算されたのか疑問です、戸惑っているというか、どこまで本気なのか、国がお金を出せば本当にやるのかというところまで疑ってしまいますと。知事も、これまで現行ルートを前提に検討を重ね、課題もおおむね解決した中で今回の提案が出されたと。しかも、前回、九月は、一つの選択肢だと。今回は、これしかないと。こういう言い方があるかといって、みんな怒っているわけですよ。

では聞きますけれども、大臣、変更は、財源からして新たに二百七十億円の負担を押しつけるものとして提起されています。それは先ほどありましたし、私の資料として四枚目に出しておきました。こういう形で、まちづくりを考慮するんだったら四百億円。まちづくりの話を今までしてきて、この路線通ろうね、駅をここにつくろうね、市役所をここにつくろうねといった話をしてきた内容を突然ちゃぶ台返しして、こっちのルートだといって、四百億円かかる、残り二百七十億円は何とかしておくれやすと。そんなあほなことがあるかと。普通は誰かてそう思うんだけれども。

では聞きますけれども、二百七十億円というのは、仮に、安全、まちづくりを考慮した場合でも国は出せますか。


土井大臣政務官

JR東から提案がございましたルート移設については、関係者間の合意に至っていないと理解をいたしております。委員のお話のとおりだというふうに思います。

今後、安全を確保しながら、まちづくりとの整合性を図ったルートはどのようなものなのかという点も踏まえ、引き続き関係者間の調整を図って合意を得ていく必要があると思っております。

したがって、現時点におきまして、かかり増しに対する国の財政支援について申し上げる段階ではございません。


穀田委員

今まで大臣は、復興の関係だったら出せるということで、いわゆる山田線について言うならば、七十億円という問題が案にあって、簡単に言えば、それを含めて出せるような努力をしようということをしてきた。ところが、そういう話の中に、こんな話が当時ありましたか。一度もなかったんですよ。去年の九月に一度出て、額が出たのはことしの二月ですよ。これほどいいかげんな話があるか。

今、土井さんは合意に至ってないと。当たり前ですよ。合意もくそも、この間提起して、しかも一つの選択肢と言っていたのが、いつの間にかこれでなきゃできぬという、そんな無理無体があるかということなんですよ。ルートも踏まえって、もともとルートについてはこういうルートでいこうなという話をしていたものをひっくり返しているというところに問題があると言っているんですよ。そういう話、ちゃんと聞いてくれなあきまへんで。

しかも、局長がおっしゃったけれども、津波と安全だ、L1対応で不十分だというわけですよ。

ところが、今、大臣、この地図を見ますと、この上に実は八戸線というのがあるんですよね。八戸線はもう復旧しているんですよ。これは海沿いに全部走っていて、それで、これは事実上L1対応でやっているんですよ。

だから、安全問題と言うけれども、いわゆるダブルスタンダードじゃないかということについて県当局も言っているんですね。県当局は、我々としても今回の大船渡線のルート変更の話、かつ変更後のルートでなければ復旧できないというJRの説明はいわゆるダブルスタンダードだということまで県議会で答弁してやっているんですね。県もそういうことを言わざるを得ない。

大体、二百七十億円、どこから捻出しろと言っているのか。国は今検討する段階ではないと言い出したらどこが出すのか。地方自治体なんか出せるはずがないじゃないですか。

そこで、今私読み上げましたように、復旧復興を目指す沿線自治体及び住民の意向とはかけ離れた提案だ、これが県議会の意見なわけですよ。そして、地元の方々もとんでもないと言っておられる。だから、これまでの経過からしても、唐突で無理難題の押しつけと思わぬかということを聞いているんですよ。


滝口政府参考人

まず、このルートの話が唐突に出たという御指摘がございましたが、大船渡線の復興調整会議、本年二月の前は昨年の九月、そしてまたその前は二十四年十一月でございますけれども、その段階で特に問題となっておりましたのは、今委員御指摘のL1対応が安全という問題と、それからまちづくりがどのようになるのかという問題、これが特に大きな問題の二つだろうと思いますが、いわゆる安全を確保したまちづくり、そしてまた利用がどのようになされるのかということでございます。

そういったような問題につきましては、二十四年十一月の復興調整会議で既にJR東日本からは問題提起がなされておりました。それを受けまして、昨年の九月でそういったようなルートについても提案がなされたという経緯でございまして、最初から現状のルートで決まっていたものをひっくり返したというような経緯はないというふうに考えております。こういった中で……


穀田委員

もういい。それはJRの言い分なんですよ。九月について言うならば選択肢の一つとして提案をしているんです。今度はこれしかないと提案しているんです。これが突然だと言っているんです、私は。しかも、L1対応の問題について言うなら、昨年十一月に議論している、それは事実です。だけれども、その路線の変更について出したのは昨年の九月です。しかも選択肢の一つなんです。今や一つじゃなくて、これしかないと言っているんですよ。これを私は言っているんです。だから、県議会はこういう唐突なやり方はあかんと言っているんです。

だから、今の話を聞いてもわかるように、要は、簡単に言うと、住民の側に立つのか、それともJRの言い分に立つのかということがはっきりした。私は、県と議会と住民の側に立って物を言っている。あなたはJRの言い分をそのまま言っているということなんですよ。ここの事実をはっきりさせなあかん。

この三年間どんな努力していたか、みんな。血のにじむ努力をして三鉄は復旧した。JRは、その線路について、これを掃除してみんなでやろうか、せめてそうしたらやってくれるんじゃないか、そうやってみんなで呼びかけて地域の自治会が掃除しようといったら、その前の日にばんと掃除してけちをつけると。

この間聞いたら、線路のところ、鉄橋についてはぶら下がっているのを撤去した、その程度。そんなこと当たり前ですやんか。鉄路を鉄路として生かす努力なんて全くしていないじゃないですか。そういったものに対して、希望とか復旧とかいう話をしようとしているときに、そういう態度でいいのかということを言っているんです、私は。

これほど何回言っても、これを三年間放置してきて、新たな問題を今提起できるようなことかと。これから三年間またやるつもりかと。大臣だって、三・一一、三年目、何とかしたいと。誰だってそうですやんか。南北リアス線、三鉄は三年目で復旧したんですよ。そんな努力をしたんだということ、それを言っているんですよ、私は。そういう点に立たなきゃだめじゃないかということを言っているんです。

最後に、ちょっと一言何かあれば、大臣。


太田国務大臣

調整会議でできるだけ推進するようにいたします。


穀田委員

調整会議ではそういうことになりません。先ほど話があったように、調整会議の報告について言うならば、JRの話について得々と滝口さんが述べているだけじゃないですか。調整じゃないんです、これは。

本当に県民の立場に立って、県議会も決議をしている内容に基づいて、私は本気になってJRに明言させろと。大体、JRの社長は、今、清野さんて会長でしょう。あの人、被災した四月に何て言いましたか。七路線を絶対復旧すると明言したじゃないですか、責任持って。あれから何年たっているんですか。何が責任を持っているかと。何が責任を持って復旧するかということについて私は責任を問いたい。そのことを述べて、終わります。