ウクライナ情勢/廃棄済みの「反戦デモ」敵視資料、陸自が保存・共有 「明らかな隠ぺい」

2022年04月20日

穀田委員

 日本共産党の穀田恵二です。  四月十三日に開催されたウクライナ避難民に関する各国大使等と外務委員会理事会メンバーの意見交換会は有意義なものだったと私も思いました。各国がロシアの侵略を非難し、難民支援の取組の姿勢、各々財政的困難を抱えながらも、民間や市民の協力の下でなし得ている現状等々を学ぶ機会となりました。  そこで、初めにウクライナ情勢について外務大臣に質問します。  ロシアのプーチン大統領は十二日、ウクライナ侵略後初めてとなる記者会見を行い、野蛮な侵略を正当化する立場を鮮明にしました。プーチン氏は、ロシア、ウクライナ、ベラルーシを三位一体の民族とし、ウクライナの極端な民族主義が分断を図っていると、大国主義、覇権主義の主張を展開しました。今回の侵略については、ウクライナの極端な民族主義から同国東部のロシア系住民を救うための特別軍事作戦と言い張り、親ロシア勢力支配地域の分離独立をロシアが承認した後はウクライナによる占領に等しいとすら述べている、とんでもない発言までしています。  外務大臣、このプーチン氏の発言は国連憲章が定めた国際秩序の原則と全く相入れないのは明らかだと私は考えます。御所見を伺いたいと思います。

林国務大臣

 国家の主権や領土一体性の尊重と武力の行使の禁止、こうした原則は、国際社会が長きにわたる懸命な努力と多くの犠牲の上に築き上げてきた国際秩序の根幹でございます。  ウクライナ国境で威嚇的な軍備増強を進める中で、ロシアが、「ドネツク人民共和国」及び「ルハンスク人民共和国」の「独立」、これはいずれも括弧つきでございますが、これを承認したことは、ウクライナの主権及び領土一体性を侵害し、国際法に違反するものであります。また、それに続くロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、国際社会の秩序を根底から揺るがす暴挙であり、国連憲章第二条四が禁じる違法な武力の行使でございます。断じて許容できず、厳しく非難をいたします。  国際秩序の根幹を守り抜くため、国際社会が結束して毅然と行動しなければならないと考えます。我が国として、このことを示すべく、引き続き、G7を始めとする国際社会と連携して、断固として行動をしてまいります。こうした暴挙には高い代償が伴うことを示してまいりたいと思います。

穀田委員

 国連憲章は、他国への侵略を禁じ、紛争の平和的解決を加盟国に義務づけています。他国の一部地域の、今大臣からありましたように、括弧つきの「独立」を一方的に承認し、その勢力を支援して派兵することには何の道理もないと私も思います。  プーチン氏は、戦争犯罪と糾弾されているロシア軍によるおびただしい民間人虐殺について、フェイクと決めつけました。しかし、事実を示した反論は全くできていません。ウクライナでの行動は、敵の抑止だけが目標で、軍事インフラを破壊する攻撃だと述べています。そうであるならば、跡形もなくなった町や、一千万人を超える国内外の難民は何なのか。プーチン氏こそ偽情報の宣伝をやめるべきだと私は考えます。  ジュネーブ条約は、交戦中であっても文民の保護を始め人道上のルールを定められている、このことは明らかです。国際刑事裁判所は既に捜査を始めています。国際人道法に反する犯罪行為は責任を厳しく追及されなければならない。先ほども、真相は明らかにされなきゃならないと法務政務官もおっしゃっていました。  ロシアは国際機関の調査を受け入れるべきだ、前回も私、主張しましたけれども、改めて大臣の所見を伺いたいと思います。

林国務大臣

 ウクライナ政府の発表や各種報道により、ウクライナ各地において無辜の民間人が多数殺害されるなど、残虐な行為が繰り広げられていたことが明らかになったわけでございます。  我が国として、ロシア軍の行為によりウクライナにおいて多くの市民が犠牲になっていることを極めて深刻に受け止め、強い衝撃を受けております。多数の無辜の民間人の殺害は、今御指摘がありましたようなジュネーブ諸条約を含む重大な国際人道法違反でありまして、戦争犯罪であります。断じて許されず、厳しく非難をいたします。  ロシア側は、ロシア軍による民間人殺害を否定し、ウクライナと西側によるフェイクと主張しておりますが、こうしたロシア側のプロパガンダ、これは全く受け入れられないと考えます。  ロシア軍による残虐な行為の真相は徹底的に明らかにされなければならず、ロシアは戦争犯罪の責任を厳しく問われなければならないと考えます。集団殺害犯罪、ジェノサイドを含む重大な犯罪を犯した者を訴追、処罰する国際刑事裁判所の検察官は、ウクライナ側と協力しつつ、既に捜査を始めております。  我が国としては、ロシアはICC検察官による捜査を全面的に受け入れるべきと考えており、捜査の進展を期待しておるところでございます。

穀田委員

 受け入れるべきだ、そう思います。  プーチン氏は記者会見で、当初の目標を達成するまで軍事作戦を続けると、更なる攻撃を公言しています。これ以上、残虐非道な侵略戦争を続けさせるわけにはいかない。侵略を止めるためには、国連憲章と国際法に基づいて国際社会が結束し、侵略の停止と即時無条件完全撤退をロシアに迫ることが何よりも重要です。そのことを改めて主張しておきたいと思います。  次に、陸上幕僚監部が、「陸上自衛隊の今後の取組み」と題する資料で、「予想される新たな戦いの様相」として、反戦デモや報道をテロやサイバー攻撃などと同列視し、グレーゾーンの事態に明示していた問題について質問します。  私は前回十三日の質問で、二〇二〇年一月二十日に当時の湯浅陸幕長が部外講演で使用した資料の提出を求めました。今朝の理事会でようやく防衛省から提出されました。この二つがそれです。二つが理事会に提出されました。  それで、一つ目は、当日の講演で湯浅陸幕長がスライド投影した資料のつづり、こっちの方ですね。二つ目は、スライド投影をした資料を湯浅氏が説明した際の原稿のつづりということで、こんなふうに原稿のつづりがなっています。それぞれ三十二ページずつあります。資料を見ると、問題になった二〇二〇年二月四日に記者勉強会で使用された資料と同じく、グレーゾーンの事態に反戦デモや報道が明示されています。  そこで、鬼木防衛副大臣、二〇二〇年二月四日の記者勉強会で配付された反戦デモと記した修正前の資料は、今回新たに提出された、二〇二〇年一月の湯浅陸幕長の講演資料を参考に陸幕防衛班が作成したもので間違いありませんね。

鬼木副大臣

 お答えします。  令和二年二月四日の記者勉強会で用いられた修正前の資料が誤廃棄された件に関して、令和四年一月七日に防衛省から内閣府に対して実施した最終報告には、事案発覚の経緯として、令和二年二月四日の記者勉強会で配付された資料は、ここからかぎ括弧でございますが、「陸幕広報室が陸幕防衛班に資料作成及び説明を依頼したもので、陸幕防衛班は、令和二年一月に陸上幕僚長が部外講演をした際の資料を参考に作成」した旨を記載いたしております。

穀田委員

 えらい長い話でしたけれども、簡単に言うと、陸幕防衛班が、当時、令和二年一月の陸上幕僚長が部外講演した際の資料を参考に作成したとあるということですね。  つまり、湯浅氏の講演資料が記者勉強会資料の大本になったことは明らかであります。  今回新たに提出された資料、これは、湯浅陸幕長が二〇二〇年一月二十日のホテルグランドヒル市ケ谷で開かれた新春防衛講演で使ったものです。関係団体のホームページによれば、この講演は、自衛隊東京地方協力本部ほか十団体が共催したもので、講演当日は二百名を超える参加者が湯浅氏の講演を聞いたとされています。  鬼木副大臣、湯浅氏はこの資料を使って、「予想される新たな戦いの様相」についてどのように説明していたのか、資料に書かれてある説明箇所を読み上げてほしいと思います。

鬼木副大臣

 御指摘の新春防衛講演の資料の予想される新しい戦いの様相というスライドの中で、発言の参考と思われる部分を引用いたします。  「予想される新たな戦いの様相について説明します。 グレーゾーンの事態においては、武力攻撃に至らない様々な手段、報道、テロ、反戦デモ、サイバー攻撃、不法行動、特殊部隊等による破壊活動等により、自らの主張を受け入れ相手に強要し、我が国の主権、領土、国民に対する現状変更を試みると予測されます。 また、宇宙、電子戦、サイバー攻撃等、新たな領域や、ミサイル攻撃、航空攻撃、着上陸侵攻等、従来の領域を用いて、奇襲攻撃により侵略」、以上記載されております。

穀田委員

 つまり、湯浅陸幕長は、当日の講演で、今お話あったように、報道、テロ、反戦デモというように、テロと反戦デモ、報道を同列視して、自らの主張を受け入れ相手に強要し、我が国の主権、領土、国民に対する現状変更を試みるものだ、こう説明していると。極めて重大と言わなければなりません。  湯浅氏が反戦デモや報道を我が国の主権、領土、国民に対する現状変更を試みるものだと説明したことについて、防衛省としては是とするのかどうか、鬼木副大臣、お答えいただきたいと思います。

鬼木副大臣

 これまでも再三申し上げておりますが、陸上自衛隊として、これまで、合法的に行われる反戦デモをグレーゾーンの事態の一つとして位置づけたことはございません。  反戦デモについて、合法的に行われている場合も含めて、一様にグレーゾーンの事態の例として記述したことは、誤解を招く表現であり、その意味において不適切であったと考えております。  防衛省としては、対外説明に際して、このような誤解を招く表現を使用せず、正確で分かりやすい情報提供に努めてまいります。

穀田委員

 是としないということははっきりした。それで、今言ったように、こういう表現は不適切であり、使用せずとあった。  そこで、二〇二〇年二月四日の記者勉強会で使われた資料の場合、参加者から反戦デモの記述が不適切だとの指摘を受け、翌五日に暴徒化したデモに修正していました。しかし、この湯浅陸幕長の講演資料では、反戦デモの記述が修正されていないのはなぜですか。

鬼木副大臣

 御指摘を受けまして修正したのが二月五日、そのときの講演資料について修正をさせていただいた、そして、御指摘の湯浅陸幕長の講演は、その二月五日よりも前に、一月にされた講演である、そういうことだと思います。

穀田委員

 今、時系列で、一月二十日に使われた、二月四日に使われたものは二月五日に修正したと。ということは、修正したのが二月五日ですよね。ということになると、一月二十日に使われた資料はその後に修正したということですか。

鬼木副大臣

 一月二十日に使用した資料につきましては、そのときに使用した資料ということでそのまま保存をしているということでございますので、一月二十日の資料をその後修正したということはございません。

穀田委員

 もう一度、よく聞いてくださいよ。一月二十日に使った資料、これを基にして作られたのが二月四日の資料なんです。それはあかんと言われて、不適切だという質問を受けて、不適切だといって五日に修正をした。そうしたらば、その後、ずっと私は前回お話ししましたように、その後もこの資料は使われている、一月二十日に使われた陸幕長の資料は使われているという話をしましたよね。覚えてはりますわな。ということは、その後使っているときには、それは修正していたということですか。

鬼木副大臣

 一月二十日に使われた資料については、そのときに確かに使ったものとして修正はいたしておりません。そして、二月四日に使った資料について、不適切ではないかということを受けて修正をしたのは二月の五日ということであります。

穀田委員

 何回も言うてんのやけど、聞いてはらへんのと違う。その後も使うてはるわけですやんか、この資料って。一月二十日に使うた資料をほかの講演その他でも使うてはるわけじゃないですか。間に二月四日と五日がありますのやろ。直したと言うのやったら、その後使ったやつには直してなあかんわね。理屈でしょう。直してはるかと聞いているんです。簡単でいいです、一言。

鬼木副大臣

 二月五日に修正をしたわけであり、それは内容といいますか表現が適切でなかったということで修正をし、そして、本来それを、記載修正した旨をくまなく周知すべきであったんですが、それが、周知が十分にされていなくて、同じような引用がやはり起こった事例があるというふうに承知しております。

穀田委員

 今初めて、訂正、修正されなければならないものを周知すべきであったと。これは今までなかったことですね。周知されなければならなかった、それをしていなかったと。  つまり、それは、勉強会の資料と違い、ある意味、湯浅陸幕長の講演資料は、どこからも不適切だとの指摘を受けなかった、だからそのまましばらく実際は放置していたということがうかがえるということになりますわな。  だって、二月五日に直したというのやったら、この資料がどこどこにあるかというのは分かっているわけですから、その分かっているところに、少なくとも陸幕監部のところで、これを直せということを指示したかということです。どうですか。

鬼木副大臣

 過去の講演資料については、そのときのことですのでそのままにしておいて、遡って修正するという指示はいたしておりません。

穀田委員

 そういうことを言っていないでしょう。五日に不適切だと直したというのやったら、今後使うときにはこれはすぐに直しなさいよという指示をしたのかと聞いているんです。

城内委員長

 速記を止めてください。     〔速記中止〕

城内委員長

 速記を起こしてください。  鬼木防衛副大臣。

鬼木副大臣

 そうした不適切な表現について、今後起こらないように、陸幕監部から部隊に対して、反戦デモという記載のあるスライドと同様のものを使用することのないよう、改めて周知をいたしているところでございます。

穀田委員

 幾らこれをやっていても分かってはらへんから、どうしようもない。そんな、いつ指示したなんて、今まで言ったことないじゃないですか。二月四日に不適切な文書が出た、五日に修正したと。じゃ、いつその指示をしたんですか。  そこで、もうやっていても分かってへんからあれなんだけれども、勉強会の資料と違って、そういうことで言うと、結局、さっき言ったとおりなんですよ。どこからも指摘を受けなかったから、実際に直すんだったら、二月五日に、全体にですよ、陸幕監部にも、それから各部隊にもこれは送達されたと聞いているから、一斉にそれは直すべきだという指示があってしかるべきですよね。その指示の文書があるのやったら出していただければ、はっきりするんじゃないですか。  そこで、さらに、二〇〇九年四月施行の、大臣官房長による「部外に対する意見発表の際の手続の実施について」と題する通知があることはこの間も言いました。陸幕長が講演を行う場合、事前に大臣官房長に届出を行い、配付資料や原稿の提出が求められている。したがって、湯浅氏は、今回提出された資料一式を届け出ているはずであります。  湯浅氏の講演内容を、先ほど鬼木副大臣は是としないとおっしゃいましたけれども、不適切だと。だとしたら、なぜ事前の届出の段階で是正を求めなかったんですか。

城内委員長

 速記を止めてください。     〔速記中止〕

城内委員長

 速記を起こしてください。  鬼木防衛副大臣。

鬼木副大臣

 一月の講演についてということでよろしいですかね。一月の講演でなぜそういう表現のまま出たかということですね。  一月の講演に、事前に届けを出すことになっております。外部に講演するものについて事前に届出を行うというプロセスを行っておりまして、これによって、隊員が部外に意見を発表する際に、自覚を促す機会を与える、そして、意見が立場にふさわしいものになっているかを改めて自ら確認する機会とするという、そうしたプロセスを通しております。  お尋ねの講演資料については、本手続の目的を踏まえ、陸上幕僚長の職務として行う講演のため、陸上幕僚監部において作成されたものと承知しております。  その上で、事前に関係部局と調整を行った上で、大臣官房長に通報がなされ、大臣官房長がこれを確認したと承知をいたしております。

穀田委員

 確認しているということは、見ているということじゃないですか。見ていて、何で是正しなかったんやって聞いているのを、事実経過を述べたって、質問していることが分かってへんのちゃう、ひょっとして。それはあきませんで。  要するに、防衛省は、陸幕長の講演内容を事前に知っていたのに、結局、是正を求めなかった。そればかりか、とがめもせずにお墨つきを与えていた。しかも、反戦デモの記述がどこからも不適切だと指摘を受けなかったことをいいことに、修正もしなかったと。  更に言えば、そこで、事前に届出を受けた当時の大臣官房長は誰か。現在の島田防衛事務次官であります。反戦デモを受けた当時の大臣官房長が事務次官。結局、反戦デモを敵視するということは、まさに、二重三重の意味で、防衛省の認識であることが示されているということですよね、これは。  そこでです。今回提出された湯浅陸幕長の講演資料だが、電子データとして陸上自衛隊内の共有システムにアップロードされ、システムの利用者が閲覧、ダウンロードできる状態にあったんじゃないんですか。端的に言ってください。

鬼木副大臣

 御指摘の新春防衛講演の資料については、陸上自衛隊において広く共有された可能性があるものと承知をいたしております。

穀田委員

 結局、一つところじゃなくて、広く共有されていた可能性があるということですやんか。  前回の質問でも指摘しましたけれども、二〇二〇年二月の記者勉強会以降も、反戦デモと記した資料が陸上自衛隊の幹部による様々な講演で使用されている実態があるということはこれで明らかになった。湯浅氏の講演資料の電子データが広く共有されていたということになるではありませんか。  防衛省は、反戦デモの資料が湯浅氏の講演資料として修正されずに保存されていることを知っていた。にもかかわらず、私が最初にこの問題を取り上げた三月三十日の質問から今日に至るまで、鬼木副大臣は、修正前の反戦デモの資料は廃棄済みで存在しないと述べて、提出しなかった。これは明らかな隠蔽ではありませんか。

鬼木副大臣

 いろいろな出来事が起こっていますので、どの時点のことを聞かれているかということでちょっとそごが生じているだけでありまして、二月四日提出のものを修正した後、これを誤廃棄した後の反戦デモと書いたものは残っていないということでありまして、今日の質疑でも明らかなとおり、一月二十日のものはそのままの状態で残っております。虚偽、隠蔽の意図は全くないということで御理解ください。

穀田委員

 それはないでしょう。みんな、多分分かりにくいと思っておられても、そんな、誰も知っていますって。  一月二十日に大本はあるんですよ。それをずっと、資料として今も残っているんですよ。二月四日に記者勉強会をやって、そこであかんのちゃうかと言われて、直した、修正した、それは廃棄したと言っているだけなんですよ。だから、ここの部分だけなくなって、一月二十日から出されている資料はずっと残っているんですよ、そちらに。あるんでしょう、今だって。  そういうことでいいますと、新たに提出された今回の湯浅陸幕長の講演資料を作成したのは、どこの部署ですか。簡単に、一言でいいです。

鬼木副大臣

 一月の新春防衛講演で使用された資料につきましては、陸上幕僚監部防衛課において作成をいたしました。

穀田委員

 最後、もう終わりますから。  要するに、記者勉強会の資料を作成していたのも、湯浅陸幕長の講演資料を作成していたのも、全く同じ部署、陸幕防衛課なんですよ。同じ部署で扱っていながら、湯浅氏の講演資料の存在を知らないはずがないわけですよ。だったら、四月四日の、五日も含めて、資料がないとかああとか言っているときに、いや、原本はありますねんと答えたらよろしいがな。そういうことを含めて、隠蔽しているということは明らかだということなんですよ。  しかも、先ほど鬼木副大臣は、それを直すべく周知をしたと言いましたよね。いつ周知をして、どういう文書なのか。それを出していただく、よろしいね。

城内委員長

 鬼木防衛副大臣、答弁は簡潔に願います。

鬼木副大臣

 二〇二二年四月六日に、陸上幕僚監部から陸上総隊、各方面隊、教育訓練研究本部及び補給統制本部に周知するとともに、それぞれの隷下部隊に徹底するように依頼しております。

穀田委員

 最後にします。  出してください。  これまで防衛省は、記者勉強会で配付した修正前の資料を、廃棄済みで存在しないと私に言ってきたわけですよ。しかし、全く同じ資料が湯浅陸幕長の講演資料として保存されていた。これは極めて重大と言わなければなりません。  つまり、防衛省は、この事実を知っていたにもかかわらず、私の調査要求を拒んで、資料の存在を別の方にある話として隠していた。まさに陸上自衛隊の日報問題と構図は全く同じと言わなければなりません。  私は、改めて、この間の議論を通じまして、今回新たに判明した湯浅陸幕長の講演資料は、防衛省・自衛隊が憲法で保障された市民の権利行使を敵対視するというゆがんだ認識を保持していることを示していると言わなければなりませんし、断じて許すことはできない。そのことを改めて厳しく指摘し、質問を終わります。