イージスレーダー選定疑惑。防衛副大臣、米ミサイル長官来日の際のロッキード社の同席否定せず

2021年03月10日

穀田委員

 日本共産党の穀田恵二です。  私は、政府が導入を断念した陸上配備型迎撃ミサイルシステム、イージス・アショアの代替策として打ち出したイージスシステム搭載艦のレーダー選定問題について質問します。  昨年十二月十八日に行われた国家安全保障会議及び閣議では、陸上イージスに代わる新たな装備品としてイージスシステム搭載艦二隻を整備し、これを海上自衛隊が保持することなどが決定されました。この陸上イージスの代替策については茂木大臣も、例えば昨年の九月の記者会見で、国家安全保障会議で多角的な議論を行ってきたと述べられています。しかし、イージスシステム搭載艦の導入をめぐって、国家安全保障局で顧問を務めた香田洋二元自衛艦隊司令官を始め、防衛省の元幹部や与党議員の中からも様々な疑問が投げかけられています。  このことからも、イージスシステム搭載艦の導入に関しては、政府の当然の責務として、透明性の確保はもとより国会や国民への十分な説明責任を果たすべきであると思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

茂木国務大臣

 昨年六月にイージス・アショアの配備プロセスの停止を表明して以来、政府は代替案の検討を進めてまいりました。  その際、政府として検討状況などを適時説明してきたところでありまして、プロセスの透明性の確保、そして国民の皆さんに対する十分な説明責任、極めて重要であると考えております。

穀田委員

 茂木大臣は、御承知のとおり、国家安全保障会議の中核を担う四大臣会合のメンバーで、イージスシステム搭載艦二隻の整備を決めたお一人であります。今お話あったように、透明性の確保はもとより国会や国民への説明責任を果たす義務がある、責務があるということを指摘しておきたいと思います。  その上で、本日は中山防衛副大臣にお越しいただいているので、具体的に以下質問していきたいと思います。  イージスシステム搭載艦のレーダーをめぐっては、防衛省は、二〇一八年七月、陸上イージス用の搭載レーダーとして米国のロッキード・マーチン社が製造するLMSSR、現在のSPY7を選定し、二〇一九年十月、同社の日本代理店の三菱商事と正式契約を締結しています。防衛省は、このSPY7を新たに建造するイージスシステム搭載艦に転用することを計画しています。しかし、レーダーの選定が行われた二〇一八年七月当時、ロッキード社のSPY7は、試作品さえ完成していない構想段階のものでありました。一方、レイセオン社が製造するSPY6は、米海軍が新型イージス艦への採用を正式決定し、生産段階にありました。こうした違いがある中でロッキード社のSPY7が選ばれたという経緯があります。  このSPY7の選定について、さきに触れました元自衛艦隊司令官の香田氏は、防衛省が非常に不透明な選定手続を行ったと批判するなど、自衛隊の元幹部から選定作業の厳正性を問う声が上がっています。  皆さんにお配りしている資料、一枚目。防衛省が公表したレーダー選定の経緯です。資料によれば、防衛省では、二〇一八年二月に選定手続を開始し、六月十二日に米国政府等から先ほどの二つのレーダーの提案を受領。その後、七月二日に課長級の検討チーム会議を開催。その上で、陸上幕僚長から選定案の上申を行い、十七日の構成品選定諮問会議を経て、防衛大臣に答申を行い、七月三十日に防衛大臣がSPY7を選定したとあります。これですよね。  そこで、中山副大臣、こうした一連の選定作業は本当に厳正に行われたのかということをお聞きします。

中山副大臣

 ありがとうございます。  イージスシステム搭載艦の検討に当たりましては、二〇一八年七月に選定したSPY7を含むイージス・アショアの構成品を利活用する方向で考えております。  その上で、二〇一八年のイージス・アショアのレーダー等の構成品の選定に際して、提案書の提出後の具体的な分析、評価につきましては、陸上幕僚監部の担当者のみならず、長年のイージスシステムの運用経験を有する海上自衛官や技術的知見を有する防衛装備庁の技官等が参加するプロジェクトチームを組んだ上で実施をいたしました。  このチームによる分析作業につきましては、隔離された作業所で実施をされ、省内の関係者は提案企業からの接触を厳しく制限するなど、公平性、公正性が担保されるよう十分に留意をし、実施が行われたものと承知いたしております。  同チームの作業の結果については、陸上幕僚長から大臣に上申された後、事務次官をヘッドとし、内局の担当局長、装備庁長官、各幕僚長なども参加する構成品選定諮問会議で審議し、妥当な結論であるとの答申を得ております。

穀田委員

 選定作業に関して、私は、先月の九日の予算委員会でも岸防衛大臣に質問しました。今は副大臣も、公平性、公正性を担保していると繰り返す。  そこで、角度を変えて聞きますけれども、今の話は大体これを説明しただけなんですね、簡単に言うとね。それは別に書いてんねんやから、それはいいんですよね。  そこで、資料の二枚目と三枚目。私の資料要求に対して、防衛省が提出した「陸上配備型イージス・システムの構成品選定案について」と題する二〇一八年七月付の陸上幕僚監部の文書です。文書全体は、これですが、十二ページあります。そのうちの二枚を今日皆さんにお出ししました。  この文書は、いつ、どこで、どのような目的で使われたものか、お答えいただきたい。

中山副大臣

 今委員から御指摘いただきました資料は、二〇一八年のイージス・アショアのレーダー等の構成品の選定におきまして、七月十七日、防衛省において実施されました陸上配備型イージス構成品選定諮問会議で使用された資料でございます。  具体的に申し上げましたら、同資料は、イージス・アショアのレーダー等の構成品の選定に係る提案書の提出後に実施された組織横断的なプロジェクトチームの分析、評価の結果を取りまとめたものであり、陸上幕僚長から大臣に上申された後、事務次官をヘッドとし、内局の担当局長、装備庁長官、各幕僚長なども参加する陸上配備型イージス・システム構成品選定諮問会議における審議の際に使用されたということでございます。

穀田委員

 中心は、結局、七月十七日の構成品選定諮問会議で陸上幕僚監部が提案したレーダーの選定案だということですよね。簡単なことなんですよ。  問題は、この防衛省から提出された陸幕の選定案を見ると、これを見ていただいたら、ここですよね、「これまでの経緯」と書かれた配付資料三枚目が全て黒塗りで隠されています。  中山副大臣、なぜ黒塗りで隠したんですか。

中山副大臣

 二〇一八年のイージス・アショアのレーダー等の構成品の選定における陸上配備型イージス・システム構成品選定諮問会議で使用された御指摘の資料の記載内容につきましては、情報公開法の規定にのっとり、国の機関の内部における審議、検討又は協議に関わる情報であり、これを公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるとともに、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがあること、自衛隊の装備品等の機能、性能等に関する情報であり、これを公にすることにより、装備品等の質的能力が推察され、自衛隊の任務の効果的な遂行に支障を及ぼして、ひいては我が国の安全を害するおそれがあることから、開示することを差し控えさせていただいたということでございます。

穀田委員

 私が聞いているのは、この「これまでの経緯」と書かれた箇所をなぜ黒塗りで隠す必要があるのかということなんですね。  レーダー選定の経緯というのは、先ほど示したように、配付資料の一枚目にあるように、公表しているわけですよね。公表しているんですよ。これ、見たら分かるように、全部あるんですよね。それなのになぜ、選定案にある「これまでの経緯」と書かれた箇所を全て黒塗りにする必要があるのか、おかしいんちゃうかと言っております。

中山副大臣

 先生御指摘の資料の二枚目、「一、これまでの経緯」につきましては、情報公開法の規定にのっとり、国の内部における審議、検討又は協議に関わる情報であり、これを公にすることにより、率直な意見交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるとともに、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがあること、そういった意味から開示することを差し控えさせていただいたということでございます。  また、繰り返しになりますが、「これまでの経緯」につきましては、情報公開法の規定にのっとり、今こういった形でしっかりと、国民の間に混乱を生じさせない、また、若しくは手のうちを明かさないということも含めて、我が国の安全保障に資する防衛の観点からこういった形になっているということに御理解を賜りたい、かように思います。

穀田委員

 いや、やはり理解できないですね。  繰り返しますけれども、レーダー選定の経緯については、あるように、公表しているわけですよね。今お話があった内容を聞きますと、混乱を生ずる、それから、手のうちを見せる、不安を生じさせる。こういうことになぜなるんですか。一枚目のところについては既に公表しているわけですやんか。これと同じことがなぜ書かれへんで隠すのかということが問題なんでしょう。

中山副大臣

 ありがとうございます。  先ほど来申し上げておりますように、国の機関の内部における審議そして検討又は協議に関わる情報であり、これを公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるとともに、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがあることから、開示することを差し控えさせていただいてもらっております。  そういった意味で、御指摘は当たらないというのが我が省の見解でございます。

穀田委員

 今まで三回答えて、最後が違うのは、御指摘は当たらないというだけが違うだけですよね。そんな答弁はないと思うんです。だって、見たら分かるように「これまでの経緯」、経緯とこれは書いてんのやからね。これは何で黒塗りなのか。とすると、国民に不安を生じさせかねないと、逆に不安を生じさせているじゃないですか、あ、前と違うのかいなと。あれっと思うやんか、そうですわね、誰かて。同じことを話しているのに、違うことが真っ黒になっている、片っ方。  ということは、結局、陸幕の選定案にある「これまでの経緯」と書かれた箇所には、国会や国民に公表している以外の経緯に関する内容が記載されているということですか。

中山副大臣

 今委員から御指摘ございましたけれども、先ほど来、先生が御指摘いただいて、今日、参考資料として配付されているもの、これは、先生御指摘のとおり、私も説明申し上げた、各経緯についてお話を申し上げております。経緯の部分は、既に先生もお手元の資料にお持ちのように、披瀝をされている、公開されている情報であるということでございます。  黒塗りの部分に関しては、先ほど来の理由によって公開ができない情報ということで、区分けをしているということであります。

穀田委員

 なるほど。そうすると、公開できない中身があると。だから、これとは別の話があるんだということを今お認めになったということですわね。これは極めて重大ですよね。  つまり、普通は、公表している以外の経緯に関する内容が記載されているんだったら、そこだけ黒くすればいいんですよ。ところが、実は、今あったように、「これまでの経緯」とあるものについて言えば公表できるものと公表できないものがあるということだとすると、極めてこれは重大と言わなければならない。だから、公表されていないことがあるんだということなんですね、これを認めた。これは重大だ、一つ。  その上で、レーダーの選定作業は、先ほども何回もおっしゃっているように、公平性、公正性を十分に担保して実施したと言うけれども、選定の経緯さえまともに明らかにせず隠している。これでは、幾ら公平性、公正性を担保したと言われても、それを検証することができないじゃありませんか。  やはり、公平性、公正性を担保したと言うなら、そのことを客観的に検証できるよう、配付資料三枚目の黒塗りの箇所を再考し、提出し直すべきではありませんか。

中山副大臣

 先ほど委員が御指摘なさったこと、そしてまた私が答弁申し上げたことをそのまま、ある意味、私、先ほど御説明をさせていただいたということでございますので、委員が今御指摘になられましたような部分に関しては、私どもとしては同じか違うかも含めまして公表できないということを先ほど来申し上げているということでございます。

穀田委員

 委員長、事は、これは二隻で五千億円以上、もしかしたら、ライフサイクルコストでいけば一兆円を超す可能性があると指摘されているイージスシステム搭載艦の選定作業の透明性に関わる問題なんですね。  だから、本委員会に、配付資料の黒塗りの箇所を外し、再提出されるように私は求めたい。理事会で協議していただきたいと思います。

あべ委員長

 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。

穀田委員

 岸大臣は、先月九日の、先ほど述べた予算委員会で、私の質問に対して、ロッキード・マーチン社のSPY7を提案した米国政府、つまり米国ミサイル防衛庁のグリーブス長官が、レーダーの選定結果を公表する直前の二〇一八年七月二十三日に来日し、西田整備計画局長らと面会したということをお認めになりました。  さらに、続く翌日の、十日の予算委員会では、立憲民主党の本多議員の質問に対し、この面会が事務的なもので公表していないものだったことを明らかにしました。問題は、このときの面会の目的が一体何だったのかということなんです。  中山副大臣、防衛省はなぜグリーブス長官とレーダーの選定の結果を公表する直前に面会したのか、その目的は何だったのか、お答えいただきたいと思います。

中山副大臣

 米国ミサイル防衛庁、MDAとは、平素から様々な意見交換等を行い、緊密に連携をしており、その一環として、二〇一八年七月二十三日に、当時のグリーブス米国ミサイル防衛庁長官が来日をされ、当時の整備局長らと面会をしたということでございます。  この面会におきましては、日米の弾道ミサイル防衛に係る意見交換を実施をいたしましたが、これ以上の詳細については、相手方との関係もあり、お答えすることは差し控えたいと存じます。  同時に、先ほど委員から御指摘のあった二〇一八年のイージス・アショアのレーダー等の構成品の選定に係る提案書の提出後の具体的な分析、評価につきましては、陸上幕僚監部の担当者のみならず、長年のイージスシステムの運用経験を有する海上自衛官や技術的知見を有する防衛装備庁の技官等が参加するプロジェクトチームを組んだ上で実施をいたしました。このチームにおきまして、アメリカ側からの提案について、独自の数理的分析により裏づけを取ったほか、また、問題点については米国政府に直接確認をするなどの作業も行ってまいりました。  こうした分析作業について、隔離された作業所で実施され、省内の関係者は提案企業からの接触を厳しく制限するなど、公平性、公正性が担保されるよう十分に留意して実施をしてきております。  また、事務次官をヘッドとし、内局の担当局長、装備庁長官、各幕僚長等も参加する構成品選定諮問会議で審議をし、妥当な結論を得ている、そういった答申であるということをつけ加えて補足をさせていただきます。

穀田委員

 先ほど言ってはりませんか、そのことについては。それをもう少し詳しく言うただけやないの、そんなもの。こんなもの聞いてへんじゃないですか。だから、平素から行ったということと面会しているということを言っているだけでしょう。その後に、公平性はこういうふうに担保したということで、秘匿しているだの接触してへんだのと言うとるだけですよ。さっき言いはりましたやんか。  そこで、じゃ、聞きますけれども、グリーブス長官との面会というのは、岸大臣も答えたように、レーダーの選定結果を公表する直前なんですよ。長官が、先ほど中山さんが述べているように、弾道ミサイルですか、そういうものの防衛一般について意見交換するためにレーダー選定の直前に来日したわけではないはずだ。この面会では、当然、ミサイル防衛庁自ら提案したロッキード社のSPY7に関して話をしたんじゃないんですか。そこだけ。

中山副大臣

 アメリカのミサイル防衛庁とは、平素から様々な意見交換等を行い、緊密に連携をしておりまして、二〇一八年のグリーブス当時長官の来日もその一環であります。  また、先日の二月十七日、整備計画局長から現在の米国ミサイル防衛庁長官であるヒル長官にも確認をいたしましたが、米国ミサイル防衛庁は誠実な仲介者としての役割を担っており、SPY7を推すなど、いろいろな疑念が今湧き起こっておるようでございますけれども、そういったことは一切なく、公平公正に業務を遂行したということを我々確認をいたしております。

穀田委員

 これも繰り返しの答弁になるんですよね。  グリーブス長官は、当時、SPY7を提案したミサイル防衛庁の当事者なんですよね。片や西田局長は、レーダー選定を行う事務方のいわば責任者ですよ。この両者がレーダー選定の直前に面会した、その目的が、平素から行っている一環だ、そんな話が通用しますか。やはり、目的がロッキード社のSPY7に関する話合いであったことは明らかではないか。こうした内容だったからこそ、面会した事実を質問されるまで公表しなかったんじゃないんですか。

中山副大臣

 二〇一八年七月二十三日、当時のグリーブス米国ミサイル防衛庁長官が来日をし、当時の整備計画局長ら事務方と面会し、日米の弾道ミサイル防衛に係る意見交換を実施をした。この訪日の際、大臣、副大臣、政務官含めて面会もしておりません。そしてまた同時に、整備局長らとの面会については事務的なものであったため、当時公表はしておりませんでした。  なぜ公表しなかったのかということも含めますと、米国ミサイル防衛庁とは、先ほど来申し上げているように、平素から様々な意見交換を行っているということでございます。また、緊密な連携もやっています。事務的なやり取りについては常に公表しているわけではありませんし、そういったことで私どもの方は確認をいたしておるということでございます。

穀田委員

 グリーブス長官がミサイル防衛一般について意見交換を行うためだけにレーダー選定の直前に来日する、およそ信じ難い話ですよね。  そこで、そもそも発注者である防衛省と受注者であるアメリカ側がレーダー選定の直前に、今もあったように常に公表しているものではないと言うんだけれども、それはあらかじめ隠しているわけじゃないですか、我々に対しては。質問しなきゃ答えなかったということでいいますと、つまり、発注者と受注者がレーダー選定の直前にひそかに会っているということ自体が異常だ、だから、ここに選定の厳正性を疑われる行為と言わなければならない。普通、誰かてそう思いまっせ。どうですか。

中山副大臣

 そういうロジックもあるのかもしれませんけれども、私どもはそのようには考えておりませんし、事実は全然違うということです。

穀田委員

 そういうロジックがあるということはお認めになった。  大体、桁違いのそういう問題について、選定と同時に、今、システムの議論をしているときに、その問題の受注者と発注者が会うて、ひそかに会っているなんということ自体に全然違和感を覚えへんというのは難儀な話やなと私は思います。そういうところがそっちの常識なんやなということを改めて私はびっくりしたところです。  じゃ、もう一つ伺います。  今お話あったのは、政務三役だとか、そういういろいろな人とは一緒にいてへんということでありましたけれども、もう一度聞きます。じゃ、グリーブス長官と行った面会には、ミサイル防衛庁とともにSPY7を提案したロッキード・マーチン社の関係者も同席したのではないんですか。そこはどうですか。

中山副大臣

 まず前提としまして、SPY7それからSPY6、これはどちらの提案にも米国のミサイル防衛庁が関わっているところでありまして、MDAがどちらか一方のみを有利にする必然性というのはないというふうに思います。  その上で、特にロッキード・マーチン社それからMDAが癒着していたのではないかというような御指摘に関しては、整備計画局長から現在の米国ミサイル防衛庁長官であるヒル長官にも確認をいたしておりますが、米国ミサイル防衛庁は誠実な仲介者としての役割を担っており、SPY7を推すようなことは一切なく、公平公正に業務を遂行したという回答を得ております。

穀田委員

 いやいや、その回答は回答であったんか知らぬけれども、それやったらその回答を後で出してくれたらいいけれども、そこまで言うのやったら。  ただ、私が聞いたのは、同席していたんじゃないかと。今言ったのは、ロッキード・マーチン社の関係者も同席していたんじゃないかと聞いているわけですよ。それはお答えになっていないやんか。

中山副大臣

 その件については、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。

穀田委員

 一番大事なところで、今こう言わはりましたやんか、7も6も、どっちもあれしてへんのや、こう言わはりましたやんか。それで、7を推進する側のマーチン社が同行していたのかと聞いたら、それは差し控えると。どないしてそういうことが信用できますねんな。そんな、会話したかとか分かりませんやんか。7も6も、どっちもMDAは両方やっているねんからしてへんと。それやったら、7のところを推奨しているロッキード・マーチン社は一緒に来てへんのかと。それは差し控えると言ったら、何のことはない、何でそれで公平性が担保できますねんな。  そんな、そこまで言うのやったら、私、その面会当日のやり取りについては当然記録を作成しているはずです。その面会記録の提出がない限り、今お話ししたように当然の話さえ明らかにできない、それでは疑問を払拭することはできない。  客観的に検証できるように、面会記録の提出を求めたいと思います。約束してください。

中山副大臣

 いただいた御指摘を一旦省に持ち帰って検討させていただきます。

穀田委員

 検討させていただくと。面会記録は行政文書です。したがって、これは直ちに提出するよう私は求めたいと思います。  同じ予算委員会で、私の質問に岸大臣は、レーダーの選定手続を開始した二〇一八年二月からロッキード社のSPY7を選定した七月までの間に、防衛省職員と業界関係者等との接触が五百二十九回行われたと明らかにした。これですよね。膨大な記録です。五百二十九回。  配付資料の四枚目は、今月三日に行われた野党合同ヒアリングで、防衛省が、五百二十九回行われたという接触回数の内訳を機関ごとに明らかにした内容です、月別にして提出したものです。これを見ると、陸上自衛隊との接触が全体の五割近くを占めており、次に多いのは内部部局であります。合わせると全体の八割に及んでいます。  そこで確認ですけれども、この業界関係者等との接触で、防衛省職員がロッキード・マーチンやその日本代理店である三菱商事の関係者などから接待を受けたということはなかったんですね。

中山副大臣

 接触報告にある接触相手方、これは、米国ミサイル防衛庁、それからロッキード・マーチン社、代理人たる三菱商事、そういったものではないかということでございますけれども、機種選定に当たりまして防衛省のどのような職員がどのような相手方とどのような時期にどのような理由により接触したかを公表することは、今後の機種選定業務を適正に行う上で支障となるおそれがあり、また国の安全を害することになるおそれがあることなどから、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。接触報告の開示によりまして、例えば今後の機種選定を行う上で不当な働きかけが行われた場合に、選定プロセスがゆがめられ、また国の安全に関わる情報が流出するおそれがあるといったことが懸念されるからであります。  したがいまして、そういったことはないというふうに思います。(穀田委員「出せないということでしょう。接待はないということですか」と呼ぶ)そういったことはないということだと思います。

あべ委員長

 委員長の指名をもって発言してください。

穀田委員

 はい。  接待はないとおっしゃいました。  じゃ、私、今国会で問題になっているから言っているんじゃないんですよ。私が問題にしているのは、レーダー選定の作業が行われた同じ期間を対象に実施された防衛監察結果、二十九年度それから三十年度、これがあります。見ますと、例えば、業界関係者等との単独接触が許容される場合でないのに業界関係者等と単独で接触していたとか、業界関係者等から働きかけを受けた場合の措置について認識していない職員が存在した、さらに、働きかけを受けた場合の対応措置をあらかじめ業者に周知させる必要があることを知らない職員が散見した、こんなことを書いているんですよ。だから、接待を受けたか受けないかということも含めて、どないして分かりますねんな。  だから、こうしたことがレーダー選定に従事した職員になかったのかどうか。つまり、今言ったように、監察結果報告の中でそういう事例が紹介されているわけですよね、今聞いていただいたよね、そういう事例があるわけですやんか。そうしたことがレーダー選定に従事した職員にはなかったのか、調べたんですか。

中山副大臣

 実際にイージス・アショアの構成品の選定に係る五百二十九件の接触の中に、特定の者と頻繁に接触しているなど不自然な兆候は見られなかったことから、本件選定事務が公平かつ公正に行われたものと考えております。  また、特にいわゆる供応接待という言葉が先ほど委員からも御指摘ございましたけれども、そういったものに関して該当するものはないということであります。

穀田委員

 私は、こういう防衛監察の結果がある、指摘があるんだけれども、これは重要な指摘なんですよね。  それが、防衛監察としてこういうことが起こっているという指摘をしているにもかかわらず、そちらは今、そういうことはなかったと。要するにレーダーの選定に従事した職員にはなかったと言っているんだけれども、もう一遍言います。調べたんですね。

中山副大臣

 防衛省といたしましては、特定の企業を優遇したり、それから排除したりするということは一切していないということ。  それから、一般的に、機種選定に際し、提案者それから関係企業から必要な情報の収集を行う場合など、職務上必要と認められる接触に該当する場合は可能ですが、その際においても、公正性それから透明性を担保するために、機種選定などに当たり利害関係者を含む業界関係者と会う際には、原則として二名以上で会うこと、それから都度接触報告を作成するなど厳格なルールを定めているということでございますし。  委員からの資料要求も含めて、私ども真摯に受け止めて、調べさせていただいた結果、先生の方に資料をお渡しをしているということと認識しております。

穀田委員

 調査して出していただいた五百二十九件というのは、そういう事態が起こる前の話なんですよ。  今おっしゃったけれども、そういう事態はない、単独で会うとかそういうことはないと言うけれども、そういう例があるということを平成二十九年、三十年の報告書で書いているわけですやんか。  だから、もう一度聞きますけれども、ほんまにこの指定されている監察報告に見られる内容について調べたんやね。そして、調べたんやったらその内容について明日にでも提出できるはずです、これは、調べた結果一件もなかったと。  しかし、この間、そういうことを、副大臣が調べたかどうかは別として、いわば事務方の皆さんの中で、そういうことだったと言ったけれども、後で訂正して、二回も三回も訂正する例があるじゃないですか。  しかも、防衛監察のところで、こういうことが起こっている、今副大臣が言った三つばかりの件がひっくり返っている事態があるということを防衛監察は指摘しているわけですやんか。その内容に基づいて調べたのかと言っているんですよ。

あべ委員長

 申合せの時間が経過しておりますので、御協力いただきます。答弁は簡潔に願います。

中山副大臣

 ありがとうございます。  御指摘の点についてお調べをさせていただいた上で、今答弁をさせていただいているという認識でございますので、御理解をよろしくお願いいたします。

穀田委員

 最後に。私は、そうはどうも思えないわけですよ。  こういう内容に基づいて、レーダー選定に関わる職員にはなかったのかと言ったら、前に調べた話をしているだけで、その内容が二十九年、三十年に指摘されているわけですやんか。  なぜ、レーダー選定に関わる部署だけがそういうことはなかったと言えるのかというのはおかしな話なんですね。  私は、最低限、今度のSPY7を提案した米国政府とロッキード・マーチン社関係者との……

あべ委員長

 既に持ち時間が経過しておりますので、質疑を終了してください。

穀田委員

 はい。  月別の接触回数を機関ごとにせめて出せと。そして、改めて私は、今言った内容についての真偽をはっきりさせて、資料を求めたいと思います。  終わります。