那覇空港の自衛隊機重大トラブル。「今こそ民間専用化を」と追及。

2015年06月9日

今村委員長

次に、穀田恵二君。


穀田委員

きょうは、六月三日の那覇空港で起きたトラブルについて質問します。
那覇空港で、航空自衛隊機が前方を横切り、離陸を中止した民間航空機と着陸してきた民間航空機が衝突しかねない重大なトラブルでした。一歩間違えば、人命、財産にかかわる大惨事になりかねないトラブルです。
このトラブルの概要と、那覇空港を管轄する国交省としての事故の重大性の認識、責任について見解を伺いたいと思います。


太田国務大臣

六月三日の一時二十四分ごろに、那覇空港において、全日空一六九四便が離陸滑走中に、管制官の指示を受けていない航空自衛隊ヘリコプターが前方を横切ったために、全日空機が離陸を中止しました。その際、離陸を中止した全日空機が滑走路から離脱する前に、後続の日本トランスオーシャン航空六一〇便が滑走路に着陸したものです。
現在、運輸安全委員会が調査を行っているところですので、詳細についてお答えすることは控えますが、公共交通機関にとって安全の確保は大前提であり、本件をよく検証し、必要な対策を講ずることが重要だと考えております。
今後、運輸安全委員会の調査の進展に応じて必要な対応を図っていきたい、このように考えています。


穀田委員

私は重大性と責任ということを言ったんですけれども、もちろん、運輸安全委員会における調査、これはこれとして必要だと私は思うんです。
問題は、重大事故にならなかったのは奇跡としか言いようがありません。下手をすれば二重の大事故にもなりかねない深刻なトラブルだったということを明確にする必要があると私は思うんですね。だから、管制と操縦者とのやりとりなどだとか、これは報告を待たなければならないでしょう。しかし、基本的な問題点は明確なはずであります。
トラブルの概要というのは今報告があったわけですけれども、このトラブルの原因は一体何だったのか、どういうふうに把握していますか、国交省は。


太田国務大臣

自衛隊機が全日空機への離陸許可を自分に対するものと誤認したことが要因の一つである、このように考えていますが、現在、運輸安全委員会で全容について調査を行っているところであり、その結果を待ちたい、このように思います。


穀田委員

大臣は、要因の一つとおっしゃいました。
では、防衛省の方に、政務官に聞きたいと思うんですね。
私は、調査中というのは、何回も、いわば管制のやりとりだとか、実際に聞いたとか聞かないとかいうことを含めた、それは聞く必要があるだろうと思うんです。しかし、事実は明瞭なんです。自衛隊のヘリコプターが離陸しようとしていた全日空機の飛行機の前を横切ったわけだから、トラブルの引き金と原因は自衛隊機にあることは明白であります。
中谷防衛大臣は、航空自衛隊のCH47ヘリコプターが滑走路上で離陸待機中の民間航空機に対する管制官からの離陸許可を自機への離陸許可と誤認識して離陸してしまったとして、自衛隊側の非を認めています。
だから、事の重大性をどのように認識し、責任についての見解を伺いたいと思います。


原田大臣政務官

お答えをさせていただきます。
先生御指摘のように、第一義的には、CH47、航空自衛隊のヘリコプターが離陸許可を自分に与えられたものと勘違いをして、復唱はしたわけでありますけれども、離陸の動作に移ったということにあると思います。
今、太田大臣の方からも御答弁がありましたように、詳細につきましては事故調査委員会の方で調査をしていただいておりますので、私の方から原因が全て自衛隊機にあったと言うことは差し控えさせていただかなければならないと思いますけれども、いずれにしても、第一義的に原因は自衛隊のヘリコプターにあったということは、中谷大臣もはっきりおっしゃっておりますので、そのとおりだと思います。


穀田委員

第一義的には自衛隊機にある。復唱したと言っていますけれども、それも含めて、大臣がおっしゃっているように、これも検証の対象なんですよね。だから、余りそれは言わぬ方がええのちゃうか、こういうときだけ、復唱した、復唱しない、それ自身が問題になっとんねんから、いかがかと思います。ちょっと口が滑ったんだろうとは思いますけれども、第一義的には自衛隊機の責任である、これは確認した。
那覇空港は、自衛隊と民間飛行機と共同使用なわけですが、那覇空港の滑走路の利用状況は、二〇一四年度でいえば十五万四千六百回だそうです。国内では、羽田、成田、福岡に次いで第四位の過密状態です。
国交省としては、沖縄振興計画を立てて、観光の促進、物流の促進、県内ネットワークの促進、国際交流の促進を掲げていまして、今後とも民間航空機がさらにふえるのは目に見えています。
管制官ホームページを見ますと、自衛隊の基地が併設されていること、飛来する航空機の種類が多いことと述べて、民間航空機を初め、航空自衛隊、海上自衛隊、陸上自衛隊、海上保安庁などの航空機が常駐しており、戦闘機、ジェット機、プロペラ機、ヘリコプターが飛び交うと言って、魅力もあるとは言いつつも、極めて難しさを指摘しています。
しかもその自衛隊機も、F15なんですけれども、十五機配備から三十機へ、E2Cも配備するなど、部隊も戦闘機もふえて、ますます危険な空港になっていく、そういう状況じゃないかと思うんですね。
だから、今回のトラブルというのは、軍民共用空港がゆえの、起こるべくして起きたトラブルじゃないかと私は考えます。だから、安全第一であるはずの空港が危険にさらされることになると、観光どころの話ではなくなるということを指摘しておきたいと思うんです。
パイロットの話を聞きますと、自衛隊や米軍と共用する空港では、軍用機の緊急的な離着陸が入るたびに民間機が待たされ、全体の流れが悪くなる、こう指摘しています。
そこで聞きますが、この那覇空港で事故につながるような自衛隊が関係するトラブルはこれまで何回も起きています。例えば、一九八五年に、自衛隊機と着陸した全日空機が接触し、全日空機のエンジンが一部破損する事故がありました。一九九六年、旅客機と空自のF4戦闘機二機がニアミス。こうした自衛隊機がかかわった、とりわけ滑走路を閉鎖するような事象はどのくらいあって、どんな特徴を持ったトラブルだったのか、御報告いただきたいと思います。


田村政府参考人

国交省で把握をしております過去十年の那覇空港での事故それから重大インシデント、これは本件を含めまして四件ございますけれども、そのうち滑走路閉鎖があった事例というのは、平成十九年八月に発生した中華航空機による航空事故の一件だけでございます。という意味で、自衛隊機が関与しているものは、過去十年間にはございません。
なお、国交省として、自衛隊機単独での事故やトラブル等について網羅的には把握しておりませんけれども、平成二十五年一月以降の那覇空港における滑走路閉鎖件数を調査したところ、百二十件ございますけれども、そのうち自衛隊機がかかわるものは一件で、これはパンクによるものというふうにわかっております。


穀田委員

報告を聞いているとえらい少ないような話を聞いて、よく聞いてみると、自衛隊機独自のものは自分のところは掌握していないということなんですね。皆さん、これが大事なんですよね。
私が調べただけでも、今言った二つの事故があって、二〇〇一年には空自の救難捜索機が旅客機と七百四十メートルに接近、二〇〇五年には空自のF4戦闘機がパンク、二〇〇八年には同じくF4戦闘機がパンク、いずれも民間機が四十便や九便おくれる、二〇一〇年にはF15戦闘機がパンクし滑走路が閉鎖される、二〇一一年には空自のF15戦闘機が滑走路を逸脱し閉鎖する、二〇一二年、空自のF15戦闘機が滑走路灯を破損し滑走路閉鎖、二〇一三年、空自のF15戦闘機がパンクし、民間機八便のおくれ。百二十件あるとかなんとか言っているけれども、そのうちほんのちょっとだなんという話じゃないということがこれだけでもわかるんですね。
だから、私は、国交省は民間航空機のトラブルはつかんでおるけれども自衛隊の独自のものはつかんでいないなんというのは、そんないいかげんな話はだめですよ。だって、自衛隊の飛行機がそういうパンクを起こしたり何かしたりしたら、安全とかかわる重大な問題なんでしょう。それはどうでもいいんだったら、そういう話にはならぬでしょう。
空の安全だけじゃなくて空港自身の安全をつかさどるのが航空局の役割でしょう。それを、一部分つかんでいないみたいな話は、それで俺のところは関係ないねんみたいな話をしていたのでは、もしそんなことが事実だとしたら、沖縄県民や飛行機を使っている人たちはどないなりますねん。あれは自衛隊の勝手な事故や、パンクしてはってん、それで閉鎖したんや、そんなの俺らに関係あるかいな、そんな話が通用しますかいな。どこの世界でそんな話が通用するかと思うんですね。
田村さんは本当にそんな感じで思ってはるの。どうぞ、一言あれば。


田村政府参考人

繰り返しになりますけれども、平成二十五年一月以降の那覇空港における滑走路閉鎖件数、これは百二十件のうち百十九件は民間航空機にかかわるものでありまして、例えばバードストライクでございますとかオイルリークでございますとか、そういうもので、かなり、短時間ではございますけれども滑走路が閉鎖になっているというものはございます。その中で、自衛隊機の一件がパンクによるものであったということでございます。


穀田委員

二〇一〇年、一一年、一二年度、滑走路は閉鎖しているんですよ。その事実ももしお認めにならないとしたら、それは県民のところに行って白黒つけようやないかということになるじゃないですか、閉鎖されとんのやから。この十年間だけでも三回以上閉鎖されているんですよ。そういう問題を平気で県民に対して、事実は閉鎖されている、飛行機は飛ばなかったということに対して、そんないいかげんな話はあきませんよ。
なぜこれだけ事故、トラブルが多いのか。これは、先ほど述べたように、軍民共用空港だからであります。国交大臣がこれを設置、管理しているんでしょう、この空港は。だから、沖縄の復帰の時点から約半年後に、陸海空三自衛隊が共用する、そういう軍民共用空港になったわけで、今日に至るまで、他の軍民共用空港に比べても事故が多発しているわけですよ。
こう言うと、国交省は、今回のように自衛隊ヘリが滑走路上空を横切るように移動するのも通常の運用で、空港の運用効率を上げるには最短距離で移動することが必要だ、こんなことまで言っているんですから、何をか言わんやだと思うんですね。
局長は平気でそういうことを言っていますけれども、今回のトラブルはやはり軍民共用空港がゆえのトラブルで、那覇市議会ではこの間何回この問題について決議を上げているか、これは十二回も那覇空港の民間専用化を求める意見書を上げています。これが全部それですけれども、十二回上げているんですよね。
だから、少なくともこれにかかわる、つまり、民間空港専用にすべきだと意見は上がっているというのは、ここに事故が起こっている、空港を使っていろいろなことが起きて、結果としてはこういう問題について意見を上げているというところにその深さがあるわけですね。きょうも那覇の市議会ではそのことが議論されて、十五日にもそういう内容について全会一致で決議が上げられる模様であります。
直近のあれを見てみますと、こう言っているんですね。「自衛隊機の事故がたびたび発生しており、今回の事故は軍民共用空港の危険性と限界を示すもので、市民・県民・観光客をはじめ、経済界にも大きな不安を与えている。」ということで、「本市議会は機会あるたびに、沖縄の空の安全確保と同空港の民間専用化を訴え、これまで十一回も決議してきたところである。」というふうに二〇一一年十二月二十一日に出しているんですね。これが十二回目ですから、今度十三回目を出すわけですよ。
だから、それぐらい事故がたくさんあって、閉鎖だとか閉鎖でないとかというような話で、一件だとかなんという話をしているんじゃなくて、本当に大変なことが起きている、その人命の尊重と危険性について、それに心をいたさないようではだめだということを私は言っておきたいと思うんですね。
したがって、今述べました民間専用化を求める声、大臣、これに応えるべきじゃないんだろうかと思うんですが、いかがですか。


太田国務大臣

安全保障上の観点から、現段階では那覇空港を民間機専用の空港とすることは困難であるというのが現状でございます。
いずれにしましても、安全ということが一番大事なことでありますが、那覇空港の安全の確保及び適切な運用が図られるということ、そのために防衛省ともよく連携を図っていきたい、このように思っています。


穀田委員

私は、それではちょっと答えにならないと思うんですね。
一九八七年四月二十一日に提出された、喜屋武真栄議員が提出した質問主意書の政府答弁では、「現在のところ那覇空港の共用をやめる考えはないが、一般論としては、自衛隊の使用する飛行場と民間の使用する飛行場は分離されていることが望ましいと考えており、その意味で、那覇空港についても、この問題を長期的には検討することはあり得ると考えている。」
この政府答弁というのは確かですね。


田村政府参考人

今お尋ねになりました、一九八七年三月二十五日に喜屋武議員から那覇空港の民間空港専用化に関する政府の考え方について質問主意書が出されて、それに対しての回答というのは、今まさに穀田先生がおっしゃったとおりのことであります。
繰り返しになりますけれども、現在のところ那覇空港の共用をやめる考えはない、一般論としては、自衛隊の使用する飛行場と民間の使用する飛行場は分離されていることが望ましい、その意味で、那覇空港についてもこの問題を長期的には検討することはあり得る、こういう政府の考え方をお示ししたものでございます。


穀田委員

まあ、あり得ると言っているわけですけれども、一九九六年の事故を受けて、これらの問題がまたさらに大きな問題になっているわけですね。そのときの事故というのは、民間航空機が離陸直後に航空自衛隊の戦闘機二機とニアミスする事故です。
この事故を受けて、当時の運輸省安全監察官が発表した調査結果には、原因は、管制官の情報提供や自衛隊機の管制指示の受け方が不適切だったとした上で、民間機と自衛隊機が発着する軍民共用空港の那覇空港の問題点についても言及しているんですね。さらに、運輸省と防衛庁への勧告まで出しています。
だから、検討することはあり得ると言っていて、事故が多発するさまざまな問題について、時期はずれていますけれども、勧告まで受けているということで、どんな検討をされましたか。


田村政府参考人

先ほど申し上げましたように、那覇空港の共用というのは安全保障の観点から現時点でやめることはできない、こういう前提で先ほどのような一般的な考え方をお示ししたものであります。そういう意味で、現時点においても、引き続き、民間機専用の空港とすることは困難であるというふうに考えております。


穀田委員

その文書には、そういう話は一般論としても当時は書いてないんですね。その観点から書いたなんて、その答弁書には観点なんか何も一言も書いてないですよ。それだけ言っておきます。
それで、この飛行場というのはどうなっているかというと、もともと政府は、復帰の際に、民間専用空港として返還すると約束をしていたんじゃありませんか。政務官、どうですか。


原田大臣政務官

今のお尋ねは、私は承知をいたしておりません。


穀田委員

承知していないというのは、知らへんということなのか、そういうことがあるのかどうかについては残念ながらつまびらかでないということですか。


原田大臣政務官

昔の話ですので、民間の専用ということじゃなかったのかというお尋ねかと思うんですが、私はその辺のところは、今の時点で、突然のお尋ねだったものですから、存じませんということでお答えをさせていただきました。


穀田委員

突然の質問だということで、つまびらかでないと。それはやむを得ぬですわな。
ただ、この空港の成り立ちが、ほかの軍民共用の多くの、多くといってもそんなに大したことはないですけれども、飛行場とはわけが違うんですね、設立の趣旨だとか。そういうのをちょっと知ってほしかったわけで、そのことを責めているつもりはないんです。
ただ私は、県民や利用者の安全は実際はこれだと二の次になっているんじゃないか、那覇市議会や豊見城の市議会も決議を何回も上げているんですよね。そういう住民の意見書、決議は知らぬ存ぜぬではならぬと私は思うんですね。
しかも、もう一つ、今安全保障とおっしゃったから一言言っておきますと、この間、私は外務委員会で質問しました。防衛省統合幕僚監部防衛計画部の二〇一二年七月付の資料を示しました。そこだと原田政務官も御承知かと思いますが、その中に、「対中防衛の考え方」には「抑止(平時)」から「対処(有事)」に至る日米の事態への対処が具体的に記されているということも明らかにしました。
防衛省では、対中防衛として、平時から有事までの事態を想定し、南シナ海やインド洋を視野に、既に、日米で共同作戦を展開する、そういう検討を行ってきているわけですよね。こうした日米の共同作戦を展開するために、こんなことをやっていたら、さらに、皆さんが言っているような安全保障というのは一層軍事作戦の強化になるということだけ言っておきたいと思うんですね。
最後に、では、予定されている第二滑走路がどう使われるのかについて一言伺いたいと思うんですね、外務省に。
先日再改定された日米防衛協力の指針の中で、新ガイドラインでは、切れ目のないシームレスな形での日米協力を実現するため、四段階掲げています。その最後のところに位置づけられているのは、日本以外の国に対する武力攻撃として、日本に対する武力攻撃がない事態でも、他国で行われるアメリカの武力攻撃を支援するために協力するとしています。
この協力の中に、後方支援として、「日米両政府は、支援を行うため、中央政府及び地方公共団体の機関が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用する。」と書かれてあります。これには民間空港及び港湾を含む施設の使用も含まれるのかどうか、お聞きしたいと思います。


鈴木(秀)政府参考人

お答え申し上げます。
日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動に際しては、日米両政府による対応が中心となるわけでございますけれども、御指摘いただきました記述については、地方公共団体や民間の協力が得られる場合には、これらの協力を適切に得つつ対応していくべき、そういう場面があり得るという考えを述べたものでございます。新ガイドラインのもとで、具体的な取り組み、これについては今後検討していくということでございます。
また、いずれにせよ、新ガイドラインにおいても明記しておりますとおり、日米両国の全ての行動及び活動はおのおのの国内法令に従って行われることは当然であり、新ガイドラインにおける御指摘の記述についても同様でございます。


穀田委員

協力が得られればやるということがはっきりした。
結局、新三要件を満たせば、日本への武力攻撃もなくアメリカが他国で行う武力攻撃に対して、日本の民間空港及び港湾を含む施設が基地として使用されるということなわけですね。
そこで、日米のそれぞれの法律に基づいてと言っていましたけれども、では、これを聞くわけですけれども、どんな法律に基づいて活用されるとしているんですか。


鈴木(敦)政府参考人

お答え申し上げます。
ただいま御指摘ございましたものにつきましては、このガイドラインにおきまして、いわゆる存立危機事態における日米の協力について記述したものということになります。
そして、その記述にございます「地方公共団体の機関が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用する。」とは、今外務省の方からお話があったように、地方公共団体や民間の協力が得られる場合に、これらの協力を適切に得つつ対応していく場面があり得るという考え方を述べたものです。
その場面におきまして、この事態、存立危機事態でございますけれども、御指摘のように、仮に我が国の港湾、空港等を利用することになる場合につきましては、これはあくまでも航空法や港湾法といった既存の法令に従って実施されるということになります。


穀田委員

前半の話は、外務省と一緒に同じ話を繰り返しているだけなんだけれども。
もう一遍聞きますけれども、私は、法律上は航空法ということになると言っているんだけれども、それでは聞きますけれども、実際上、こういう問題の場合、地位協定第五条による一時使用というのもあると思うんですけれども、あり得るというわけなんだけれども、そのほか、地位協定第二条四項(b)、いわゆる二4(b)ですね、一定の期間を限った使用というのがあるんですけれども、この場合も想定されているんですか。


鈴木(秀)政府参考人

お答え申し上げます。
新ガイドラインにおいては、「日本の平和及び安全に対して発生する脅威への対処」において、我が国政府は、「日米安全保障条約及びその関連取極に従い、必要に応じて、民間の空港及び港湾を含む施設を一時的な使用に供する。」としているところでございます。
日米地位協定は、第五条において、米国の船舶や航空機による、我が国の港または飛行場に出入りすることが認められていることから、米軍が我が国の民間の空港や港湾に出入りする場合には、この第五条に基づいて行えることになると考えられております。
ただし、実際に民間の空港や港湾への出入りを行う場合には、民間機や民間船舶等による使用への影響の観点から、米軍と関係当局との間で必要な調整を行う、そういうことにしており、これは当然のことでございます。
また、我が国の平和及び安全に対して発生する脅威への対処に際して、空港や港湾への出入りにとどまらず、一定の期間を限って米軍の使用を認めることが個別の状況に応じて適当と判断される場合には、日米地位協定第二条4(b)に基づき、その空港や港湾等を日米が共同で使用する施設・区域とするための必要な手続をとることになるものと考えられます。
地位協定第五条または第二条4(b)に基づく使用に当たっては、使用の態様、地元や施設の関係者に与える影響等について十分考慮する必要があると思います。
このような考慮に基づき、地元等との間でいかなる調整を図るかという点を含め、我が国の平和及び安全に対して発生する脅威への対処に際しての日米協力のあり方の詳細については、今後検討していくということになるかと思います。


穀田委員

今の話を聞いていて、ずらっと読んでいるものやから、聞いている人はなかなかわからへんねんけれども、要するに、今何を言っているかというと、一時使用はある、それは地位協定五条によって行われると。だけれども、一定期間を限った形での地位協定二4(b)によることもあるということを今言ったわけですよね。
そうなってくると、次にまたやりますけれども、これは極めて重大だと言わなければなりません。つまり、一定の期間、民間空港や港湾は事実上米軍の管理下に置かれるということなわけですよね。だから、これは極めて重大だ。だから、その問題の具体的な動きが何かということについては、ではもう一遍次にやるということで、きょうは終わります。