空家問題の確かな解決の道は、雇用の確保、そして元気な地域づくりだ

2014年11月14日

穀田委員

私は、きょうは空き家問題について質問したいと思います。
老朽化による倒壊やごみの不法投棄、放火のおそれがある等、危険な空き家が今全国的に社会問題となっています。
私は、きょう聞きたいのは、大臣に、基本的認識の問題で、なぜそういう空き家が増加したのか、ふえているのか、そしてその実態はどうなっているのか、この問題にどのような問題意識で対応しようとしているのか、その辺の基本的考えをまずききたいと思います。


太田国務大臣

空き家がふえておりまして、五年に一度の住宅・土地統計調査によりますと、我が国の空き家の総数は、平成二十年の七百五十七万戸が平成二十五年は八百二十万戸、このように六十三万戸増加しています。
空き家につきましては都市部でも地方部でも増加しておりまして、特に都市部におきましては、この空き家が、持ち主がわからない、あるいは非常に危ない、防災上も危ない、悪影響を周辺にさまざまな形で及ぼしていて、除却できないものかという声が非常に出ているという状況にございます。また、地方におきましても、これは使えるというところは活用しなくては、都市部も含めてなんですけれども、さまざまな利活用、そしてまた除却、こうしたことが治安や環境という点でも大事になってくると思います。
これは、人口減少などの日本社会全体の構造的な問題、また日本の住宅の寿命が短いとされているような原因の問題、中古住宅市場整備の緊要性、マンションの劣化や耐震性というようなこと、さまざまな現在の社会全体の大きな結果として、そうした空き家が問題になっていると認識をしています。
住宅政策の方向性ということもあわせて考えていきながら、まず、現場にありますこの空き家対策ということについて力を注ぐということが大事だ、こう認識をしております。


穀田委員

原因その他について、後で、一番最後に、私、少し問題提起はしておこうと思うんですけれども、今お話ありましたように、現場にということで、実際起こっている問題を中心に少し議論をしておきたいと思っています。
今ありましたように、危険な空き家をそのまま放置することは、まず防犯、それから防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼすことになります。そういう意味では、地域住民の安全や住環境を守るためには緊急の対策が求められていると思います。
全国では、危険な空き家を何とかしようということで、二〇一四年四月時点で三百五十五の自治体が空き家対策条例を設けるなど、その意味で広がりを見せていますし、国政にとって重要な課題となっていることは共通の認識だと思うんですね。
そこで、少なくない自治体が条例を設けて対処せざるを得ない深刻な状況のもとで、政府としては、空き家対策、これから後で法案がまた議論されますけれども、危険空き家対策にどのように取り組んできたのか、そして、そこでの解決すべきかなめといいますか、そういう点はどうだと思っていらっしゃるのか、副大臣にできればお答えいただきたいと思います。


西村(明)副大臣

今、委員御指摘いただきましたように、全国で三百五十五の地方自治体が空き家条例を制定して、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしているという認識を示して、その解決を図っているところでございます。
空き家の適正な管理というものは、一義的にはその所有者の責務だというふうに考えられますけれども、住民に最も身近な行政主体でもあり、地域の状況に精通している市町村が、それぞれの地域の実情に応じて空き家対策の計画を策定する、そしてこれを推進していくということがまず重要であるというふうに考えております。
市町村が空き家対策を推進するに当たりましては、空き家の所有者の特定が困難な場合があること、そしてまた、空き家の除却や再利用に当たりましては、所有者の経済的な負担を軽減する必要があることなどが課題であると認識しております。
国土交通省といたしましても、関係機関としっかりと連携をし、こうした課題を踏まえて、市町村が空き家対策を円滑に推進することができるようにしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。


穀田委員

突然副大臣に言いましたので少し失礼かと思いましたけれども、問題意識と、それから方向性について、大枠はそのとおりだと思うんですけれども、ただ、それらの対策では対処し切れない事態に直面しているんじゃないかということで、今度、議員立法も含めたいろいろな形の動きがずっとあったんだろうと思うんですね。その点で、副大臣は御努力なすったんだと思うんですけれども。
私は、ふえ続ける空き家問題に対してどういう対策をとっていくのかということで、大きく言って二つあると思っていまして、一つは、危険な空き家、いわゆる特定空き家に対する対策と、二つ目は、特定空き家まではいかない空き家の活用をどうするのか。先ほど、大臣も一番最初に、使用できるものはということでお話がありましたけれども、この二つの問題でさらに具体的な対策を考える必要があるんじゃないかと私は考えているところです。
そこで、危険な空き家についてまず聞きます。
秋田県湯沢市は、空き家の中で、その腐朽、破損率が全国一高いとされています。豪雪による積雪や台風によって空き家が倒壊したり、家屋の建築資材が隣家に飛んだり剥げ落ちたりして、人や建物に被害を与えるおそれがあり、放置できない、解決を急ぐ課題だとしています。
私どもも、現地にスタッフを派遣して、地元の我が党の議員と協力して調査を行いました。空き家の隣に住むAさんは、強風のときにはバタバタと音がして夜も眠れない、犯罪や火事も心配で頭が痛くなると被害を訴えています。
この隣家は、六年前に所有者が亡くなったため空き家となって放置された。相続人が解体撤去に同意しなかったため、市当局が解体撤去処分を決めましたけれども、実際には解体費用をどうするかという問題があって、それが実行されず放置されているという事例です。
危ないけれども、所有者によって撤去されないまま放置され、かつ、行政が手を出せない。この場合、隣に住むAさんはいつまでも危険な状態に置かれることになる。こういう場合を含めて、空き家周辺の住民が命を守るためにこんな状況を何とかしなくちゃならぬのではないかというのが率直な思いだと思うんですね。その辺が出発点だと思うんですが、この辺に対する対応をお聞きしたいと思います。


橋本政府参考人

お答え申し上げます。
空き家の撤去等は、一義的にはその所有者の責任において行う必要があり、まずは空き家の撤去等を所有者に働きかけることが必要でございますが、その際に、空き家の所有者が撤去等の費用を負担することが困難ということも考えられると思います。この点につきましては、交付金等によりましてその費用を支援することで、従来から撤去を促してきたところでございます。
しかしながら、そのような措置を講じてもなお所有者が空き家の撤去等を行わない場合で、かつ、その空き家をそのまま放置すれば周辺に危害を及ぼすことが明白である場合には、建築基準法あるいはその他の法令、それから地方公共団体の条例に基づいて、まずは、空き家の所有者に対して、周辺に害悪を及ぼす空き家の撤去等の命令をする。さらに、その命令に従わない場合においては、地方公共団体において、行政代執行法の規定に基づき、命令措置を所有者にかわって執行するといった措置を講ずることが可能であるというふうに考えております。


穀田委員

流れはそういうことだと思うんですけれども、私は、最終的には行政代執行をしないといけない場合があることを否定するものではありません。しかし、それは厳格で抑制的でなければならないと考えます。
したがって、特定空き家と判断するとき、今お話があったように、ずっと経過の問題がありましたけれども、その判断基準が重要だと思うんですね。原則は当事者が撤去費用を出すべきなのに、空き家という個人財産に公的資金を投入することに対し、所有者のモラルハザードを招くのではないかという意見があると同時に、本当にお金がなくて撤去ができない人もいるのも実情なんですね。
だから、この後提出されようとしている空家等対策の推進に関する特別措置法には、先ほど来ずっと述べていますように、特定空き家等という危険な空き家の定義が書かれています。その定義では、そのまま放置すれば倒壊などの危険のある空き家以外にも、衛生上有害な状態の空き家、不適切管理によって景観を損なっている空き家、周辺環境の保全に不適切である空き家を特定空き家等にするとしています。
ですから、今、橋本局長からお話があったように、建築基準法上の著しく危険だとする空き家だけではなくて、特定空き家等として判断されれば行政代執行の対象になるということになりますわな。だとすれば、特定空き家等とするには慎重な判断が一方ではやはり必要だと私は考えます。
法案では最終的に市町村が判断するとしているけれども、例えば、協議会や懇談会などを設置し、所有者の意見はもちろん、周辺住民や有識者などの客観的意見を聞く場を設けることが私は必要だと思うんですね。その辺の点について、いかがでしょうか。


橋本政府参考人

お答えをいたします。
議員御指摘のとおり、市町村が空き家対策を行うに当たりましては、どのような管理状態の空き家に対してどのような対策を講じるか、一件一件、個別の事情をよく判断する必要があろうと思います。そのために、この判断の一助とするための指針、ガイドラインをあらかじめ示すということは、市町村にとっても大変有効なことではないかというふうに考えております。
国土交通省としては、従来から、先進的な地方公共団体の取り組みについて、さまざまな事例収集等も行っております。
具体的には、建築基準法の規定に基づき地方公共団体が除却、改修等の必要な措置を命令した事例はどのようなものがあったか、あるいは、既に地方公共団体において制定されている空き家の適正管理に関する条例の措置の事例等を今までいろいろ収集してまいりましたし、また、あわせて地方公共団体の意見も伺ってまいりました。
その上で、今後、空き家対策に対する指針というものを策定することが有効であろうというふうに考えておりまして、具体的には、空き家の管理状態が不適切であるか否かを判断する際に参考となる基準、例えば、今御指摘になりました、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態というのは、例えば基礎の不等沈下や柱の破損などにより建物が著しく傾斜をしている、あるいは衛生上有害となるというものは、例えば土台にシロアリが発生をしている、それから著しく景観を損なっているということでは、外壁や看板が大きく傷んだり汚れている、それから、その他、空き家の敷地内の樹木が道路等にはみ出して歩行者の通行を妨げているなどの事例を、現実にさまざまな市町村が条例で規定をされております。また、そういう事例もございます。こういうところをガイドラインに入れることが可能ではないかと思っております。
それから、手続に関しましては、やはり所有者からの報告徴収のあり方、また第三者機関からの意見聴取の機会を設ける等の手続についても、参考となる指針を定めることが必要ではないかと考えております。


穀田委員

私は、ガイドラインは当然必要だと思うんです。同時に、今、最後の方で橋本局長からお話があったように、第三者といいますか、そういうのを含めてきちっとやっておかないと、何分にも問題が、個人の財産にかかわる問題でもあるし、代執行という最終的手段を実行する場合のやはり抑制的という意味からいっても、私は大事じゃないかと思っているんですね。
そこで、今あった、行政代執行を行わなければならないという段階に行く前に所有者が空き家を何とかすることが本来望ましいわけですよね。当然、これはそうなんですよ。問題は、所有者本人が対処すべきものなのに、なぜ進まないのかということなんですよね。
そうすると、なぜ進まないかというあたりについての基本的な問題といいますか、中心問題を、どのように把握しておられますか。


橋本政府参考人

空き家が適正に管理をされない、あるいは活用されないということについては、一つはやはり、売れない、あるいは貸せない空き家というのが相当数がふえているということになろうと思います。
まず、売れない、貸せないというものでも住宅用途以外に転用することは可能でございますので、今まで交付金等を使って活用に関して支援をしてまいりました。それから、先ほども申し上げました、除却をしようと思っても、費用がないということで、ためらわれる方あるいは断念される方がいらっしゃいますので、除却に関する補助もしてまいりました。
加えて、実は、今は空き家でも何でも住宅とみなせるものが建っていたら固定資産税の減免措置があるということで、このあたりがネックになってという御指摘もあるというふうに承知をしておるところでございます。


穀田委員

要するに、空き家の撤去が進まない要因という大きな点は、今答弁ありましたように、解体そして撤去の費用がかかるということだ、そしてもう一つは、先ほど来も議論になっていますけれども、撤去した後に固定資産税が六倍になるという税負担が重いこと、この二つが中心的な問題なんですよね。
先ほど私が皆さんに紹介した湯沢市の市役所では、現に、積雪による被害は切実で、防災、防犯、生活環境上からも行政として見過ごせない課題であるが、市の対応にも限界がある、空き家を撤去し、更地にすると固定資産税が六倍になるなど税制の問題がネックとなっている、こういうふうにやはり言っていました。
相続などをした所有者が特定空き家を撤去しようと思ったとき、更地にすれば税金の負担がふえるとなると、所有者みずからが進んで撤去することにならない。ただ、一方、放置しておけば六分の一で済む。そうすると除却が進まないことになる。だから、それら全体を踏まえて、特定空き家などをなくしていく場合、税制上のインセンティブを国としてどのように考えておられますか。


橋本政府参考人

御指摘の適正な管理が行われていない空き家の税制上の問題でございますけれども、地方税法におけるいわゆる固定資産税の住宅用地特例ということで、二百平米以下の小規模宅地については、住宅とみなせるものが建っていれば六分の一に減額されているという問題があるということでございます。
このため、平成二十七年税制改正要望におきましては、空き家の除却、適正管理を促進するため、土地に係る固定資産税について必要な措置を講ずるということで要望しております。ただ、この内容につきましてはさまざまな御議論がございましたので、具体的な内容についてはまだ総務省と詰めるまでには至っておりません。
それから、今御指摘の点は、特定空き家と呼ばれるような程度の悪い空き家を除却した場合に、例えば一定期間、固定資産税が六倍になるのを少し猶予するとかいうことを御指摘になったのではないかと思いますが、同時に、むしろもっと早目に、明らかに適正に管理されていないとみなされる空き家については六倍の原則に早く戻すべきだという、逆の、いわゆるむちのような御議論もございます。市町村長さんの御意見は、どちらかというと、むちを早く入れるべきだという御意見の方が非常に強うございます。
そういうことも含めまして、今後、また議員立法等の御議論もあろうと思いますので、その経過を見ながら、私どもとしては必要な措置を具体的に検討してまいりたいと考えております。


穀田委員

これはいろいろ議論はあるところでして、いずれにしても、問題は、多数の意見、市町村なんかでいいますと税収の問題もありますし、それに対して金をかける場合にどういう見返りがあるかということで、結果としてはなかなか逡巡しているわけですけれども。
ただ、問題の中心は、税負担をそんなにかけずになおかつ除却できる、そういうことのために知恵を絞るという必要があると思うんですね。もちろん、それで不公平感という問題があったりしてはなりませんし、そういう問題もきちっと考えなあかんわけだけれども、やはり最終的には除却できる、それが一番進むという上で、負担なく誘導するという観点が必要だと私は考えています。
もう一つ、空き家撤去の進まない要因の一つは、解体撤去費用の問題についてなわけですけれども、それはちょっと、きょう時間がもうありませんので省いて、それを聞こうと思ったんですけれども、空き家の活用についてだけ最後に聞いておきたいと思うんですね。
私、質問の初めに、全国の空き家が増加したのは、ある意味では地方の人口流出ということなんかも、大臣も答弁ありましたけれども、なぜ地方から人口が流出するのか、ここをきちんと見ておく必要があると思うんですね。
東京一極集中で地方に仕事がなくなり、若い方々が大都市に流出していく、これまでのそういう地域政策が原因で家を相続する若い方が今いなくなったりして空き家となる。こうした空き家が生まれている原因の根本をきちんと見る必要があると私は思うし、今後、空き家が生まれないための対策が必要だと思っています。
空き家を生まないためには、IターンやUターンなど、地方に若者や永住者に戻ってきてもらって継承していくことが必要です。そのためには、今ある空き家を活用すべきだというふうに思うんですが、その点はいかがでしょうか。


橋本政府参考人

お答え申し上げます。
御指摘のとおり、使える空き家を利活用していくことは、何よりも有効な空き家対策だと思っております。
従来から、居住環境の整備改善を図る観点ということで、空き家を改修して体験宿泊施設など地域活性化の拠点として活用する地方公共団体の取り組みに対しましては、空き家再生等推進事業ということで補助をしてまいっております。
この際、所有者が空き家を改修して活用するために、例えば、国三分の一、地方公共団体三分の一、所有者御自身の負担が三分の一という負担割合を限度で支援を行っておるところでございます。
また、空き家が発生している住宅団地において、民間事業者等が空き家をリフォームして売買あるいは賃貸化するというモデル的な取り組みにも支援を行っております。
さらに、住みかえ支援制度として、高齢者等の所有する戸建て住宅などを広い住宅を必要とする子育て世帯へ賃貸するという取り組みも、従来から支援をしてまいっております。
一方、総務省におかれましては、過疎地域の定住を促進する観点から、居住のために必要な空き家の改修に係る地方公共団体の取り組みに対して、過疎地域等自立活性化推進交付金の定住促進空き家活用事業あるいは過疎対策事業債により支援をされておるところでございます。
私どもといたしましては、引き続き、総務省とも連携をとりながらこうした取り組みに対して支援をするとともに、地方公共団体が地域の実情に応じた支援制度を選択できるよう周知をしてまいりたいと考えております。


穀田委員

全国では、NPO法人を中心に、地方の空き家を利用して、高齢者の共同生活の場などがふえています。
私、八月に調査で行ったんですけれども、高知県の檮原町では、しあわせ田舎移住計画ゆすはら暮らふと、こういうプロジェクトを立ち上げて、檮原町移住定住促進住宅としまして、空き家を借り上げてリフォームし、十年間という期限つきで一万円から一万五千円で賃貸し、田舎暮らしの魅力を知ってもらって定住を促進しているということをやっていました。
お聞きしますと、空き家所有者にとっても、固定資産税の免除をするということをやり、それからリフォームを四百五十万円、そして耐震を百二十万円を上限に改修するということができるというメリットもある。それだけでなくて、役場に定住専門窓口をつくって、空き家活用とあわせて、若者から高齢者まで働ける場を紹介しているというのが特徴でした。
だから、家があって、それから仕事があって、それで暮らせるわけでして、どっちかないとだめなわけですから、その意味では、その土地で暮らしていけるようサポートを、自治体が努力し、行っていました。しかも、いろいろな協議会をつくりまして、窓口相談を地元の住民が一緒に行うということまでやるような取り組みをやっていまして、私は、なかなかだなと思ったんですね。
こうした自治体の努力は、檮原町だけではなくて全国で多くの自治体が、方策はいろいろですが、空き家を生まない、ないしは危険空き家に落ち込ませないという努力を開始しているんだと思うんですね。こうした自治体の努力に対して国としてどう支援するのか、お聞きします。


橋本政府参考人

お答え申し上げます。
地方公共団体が空き家を借り上げてリフォームした上で、公的な賃貸住宅として、例えば高齢者の方、子育て世帯の方等に賃貸をするという取り組みに関しましては、国は、リフォームに必要な費用の一部について、地域優良賃貸住宅制度により支援を行ってきておるところでございます。
従来は、共同施設整備費、それから加齢対応構造等整備費、いわゆるバリアフリー化の費用について補助をしておりましたが、加えて、二十七年度概算要求におきましては、住戸専用部分における子供の事故防止対策等のためのリフォーム、いわゆる子育て世帯のためのリフォーム費用についても支援対象とすることを要求しておるところでございます。
檮原町の取り組みは、先進的な事例として、私ども大変注目をしております。今後、こういう先進的な事例をよく研究させていただき、また、地方公共団体の要望を踏まえまして制度の充実を図ってまいりたいと考えております。


穀田委員

この機会に副大臣に、せっかく御努力いただいたので、聞いておきたいと思うんです。
私が言っている話は、国としてどう支援するかという問題でいうと、先ほど橋本局長から総務省の話もありました。でも、よく聞いていると、国交省の中でもいろいろな部局でこういう問題を支援しているわけですね。総務省とありましたけれども、農水省もいろいろやっているわけですね。
全体として、間口をもう少し広げて、なおかつ総合的に、そういうものが全体として管理できるようなシステムを含めてやっておく必要まで、西村さんがせっかく御努力なすったんですから、その間口を広げ、なおかつ、広くすると同時にわかりやすくという点の努力が必要じゃないかということを提起しているんですけれども、どうですか。


西村(明)副大臣

空き家の問題は全国の自治体が抱えている大きな問題でございまして、いろいろな話を自治体からヒアリングした中で、今、穀田先生御指摘いただいたように、国交省にかかわる問題、総務省にかかわる問題、そして農水省にかかわる問題、さまざまございまして、そうしたものが法体系としてきっちりとサポートできないというところが、この法案、議員立法を作成する上での一番根っこのところにございました。
今回、国土交通省のみならず総務省と共管の形で、そしてまた、恐らくこれから出てくるであろう議員立法に関しましては農水省も含めたような形で、空き家対策を支援していきたいというふうに考えているところでございまして、まさしく、御指摘のとおり、国を挙げてしっかりと連携を組みながら各自治体をサポートする、これが非常に重要なことであるというふうに認識しております。


穀田委員

副大臣に今答弁いただきましたので、ぜひ御努力願いたいと思うんですね。
自治体にとってみれば、それぞれの省がやっている、それから省がやっている一つ一つというのは、全部、もちろんわかっているんだけれども、実際に空き家問題を抱えている人たちとその自治体にとっては、総合的になおかつ窓口を広げてということは改めて、再度言っておきたいと思うんです。
私は、最後に、一番最初に大臣が言っていたことについてだけ、一言私どもの考え方を言っておきますと、人口減少と高齢化が進む、そういう意味では、当面は住民生活に悪影響を与える空き家問題の対策を講じることが必要だ、それは当然なんです。現象としてあらわれている空き家問題の背景には、地方都市の過疎化、人口減少、急速な高齢化があります。大臣も、大都市の問題を触れ、地方都市の問題も触れられましたけれども、何でこういう形が、疲弊や東京一極集中が進んだのかという問題の根本も掘り下げる必要があると思っています。
私は、この間の自民党政権が行ってきた東京一極集中、雇用と社会保障の改悪、それから大合併などによる地域破壊がつくられたということは言っておきたいと思うんですね。これを根本から是正することが求められていて、地域経済の振興を基本に、先ほど述べたように、雇用の確保、そして元気な地域づくりを進めるということが今後の空き家問題の確かな解決の道だ……


今村委員長

時間が来ております。


穀田委員

ということを述べて、終わります。