土砂災害防止法 災害防止へ国が人材と財源確保へ抜本的支援を要求

2014年10月31日

穀田委員

きょうは、土砂法について質問します。
まず、広島土砂災害を初め多くの災害がありました。お亡くなりになった方々に哀悼の意を表し、被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げたいと思います。
今回の土砂災害防止法の改正に当たって、なぜ今度の広島の土砂災害は防ぐことができなかったのか、そういう視点から接近する必要があると思います。なぜなら、この土砂災害防止法は、一九九九年に広島県で三十二名のとうとい命が失われた土砂災害をきっかけに制定されました。ところが、土砂災害が同じ地域で起こるという結果になってしまったわけであります。
九九年の災害から悲惨な災害を防ぐべく法を制定したけれども、何が教訓として生きて、何がいけなかったのか、まず基本認識をお伺いしたいと思います。


太田国務大臣

土砂災害防止法によりまして、それまでは砂防堰堤等の整備を行うハードが中心であった土砂災害防止対策について、避難体制の整備等を進めるソフト対策が新たに推進することになりました。
しかし、ことしの八月の広島市の土砂災害では、住民に土砂災害の危険性が十分伝わっていなかったこと、また避難勧告の発令が災害発生後になってしまったこと、避難場所や避難経路が危険な区域内に存在するなど土砂災害からの避難体制が不十分な場合があったことなどの課題が明らかになりました。
これらの課題を含めまして、今回の法案におきましては、基礎調査結果の公表の義務づけや土砂災害警戒情報の法律上への明記と市町村への通知の義務づけ、そして土砂災害に対する安全な避難場所の確保など避難体制の充実強化など、これら自治体や住民が的確な避難を判断できるような仕組みを構築するための措置を講じたというところでございます。


穀田委員

私は、この問題は、確かに避難対策の問題はあるんですけれども、その前段にある開発問題を含めてきちっと考えなくちゃならぬ。ですから、教訓という問題ではそういった点も深めないと、ちょいとね。ただ亡くなったというだけじゃなくて、その開発全体がどうだったのかということを含めて言っておきたいと思うんですね。
特に、きょう最初に言っておきたいのは、災害時要援護者関連施設対策について、これを少し述べたいと思うんですね。
これは重要な課題だと思います。なぜこういう施設が危険な場所に建っているかといいますと、地価の関係や市街地にこうした施設が建てにくいという状況から、郊外の土砂災害のおそれのある場所に建てられることが多いと言われています。これは、NHKでも報道で特集されたことがかつてありました。現在もその状況が続いているので、若干歴史をさかのぼってみたいと思うんですね。
一九九八年八月二十六日、福島県西郷村にある救護施設からまつ荘で五名が犠牲となった土砂災害が発生し、適切な土砂災害対策を推進するため、関連施設の立地条件などについて行った緊急点検の結果、これは皆さんにお配りした資料二に入っています。九千二百五十四施設が土砂災害の危険箇所内にあることが判明し、災害弱者関連施設、当時そう言っていたわけですけれども、保全対象に含む土砂災害危険箇所を重点的に整備し、自力避難が困難な方が二十四時間入居、入院している施設を一九九九年から二〇〇三年度で二百十四カ所対策しました。四年間は予算をつけて対策を打っています。
さらに、二〇〇九年七月二十一日、山口県防府市、特養ホームのライフケア高砂を土石流が直撃し、七名が犠牲となりました。
五年前の法改正の際に、これに関連して私、質問しました。
二〇一〇年六月に公表された災害時要援護者関連施設の調査の結果を見ますと、これは資料三です、土砂災害のおそれのある災害時要援護者施設一万三千七百三十の施設のうち、砂防関係施設が未整備で、かつ土砂災害警戒区域指定が未指定の施設が七千百二十施設も存在する。いつ何どき土砂災害に遭うかもしれない今日の状況にあって、放置できない問題と言わなければなりません。
ですから、こういう流れを考えますと、今、災害時要援護者関連施設がどのような状態にあるのか、全体像を明らかにし、仮に、今述べた二つ、二回対策を打っているわけですけれども、その後の掌握と対策の進展を御報告願いたいと思います。


池内政府参考人

委員御指摘のように、一九九八年の西郷村で発生した土砂災害を踏まえて全国の調査をいたしまして、そして、今御指摘の九千三百施設の箇所の立地を把握しております。これを受けまして、通知を発出し、施設が立地している危険箇所について砂防事業を進めてまいりました。
また、あわせまして、二〇一〇年、山口県防府市の災害のときも災害時要援護者施設が非常に大きな被害を受けたわけでございますが、このときも調査いたしました。そして、そのときの調査では、今御指摘のように、三千六百施設で、全体の三割未満であることが確認されております。
この結果を踏まえまして、避難が困難な高齢者や乳幼児等の被害防止の観点から、災害時要援護者施設を保全する砂防堰堤の整備を重点的に実施しております。
また、平成二十四年度を初年度といたします社会資本整備重点計画におきまして、主要な災害時要援護者関連施設の保全に関する指標を単独で設定いたしまして、重点的、計画的な整備を促進しているところでございます。


穀田委員

私が指摘をしたのは、一九九八年のときにそういう対策を打った、二〇一〇年にも、ちょっと違う角度だけれども打ち始めたと。それは、全体として、やはり要援護者施設というのはふえているわけですよね。だから、全体像はつかんでいるのか、また、目標を持って砂防対策でやっていって、それをいつまでに完了するのか、そういう計画なんかがきちっとあるのかということを聞きたかったわけです。どうです、もう一度。


池内政府参考人

全体像は、先ほど申し上げましたように、社会資本整備重点計画で把握をしておりまして、そのときに指標を設定して、進捗を進めております。


穀田委員

大臣、聞いてわかるとおり、決めているんですと言うんだけれども、全体像が、幾らあるのかとか、それから、今どの辺まで進捗しているのかということはさっぱりないわけですよね。
私は、やみくもにけしからぬと言うつもりは全くないんです。問題は、施策を打っている側の論理ではなくて、実際にそのように放置されている施設があるということが問題であって、幾ら残っているのかをたなごころに乗せ、うまずたゆまず目標を定めて、予算を抜本的に強化して取り組む必要があるんじゃないかということを提起しているわけですよね。
何も、けしからぬ、けしからぬという話をしているんじゃないんですよ。一旦打っている施策がある、このときもやったと。だけれども、全体像がもうちょっと、先ほど社会資本整備計画でやっていますというんだけれども、それやったら、何ぼが分母で、どのぐらい進んでいて、どういう段取りで、何年たったらこれは完了するねという話が余りないと違うかということを言っているわけです。ないよね。一言言ってくれたらええねん。


池内政府参考人

平成二十二年六月に調査した結果では、土砂災害のおそれのある災害時要援護者関連施設の状況について行っております。全国で一万三千七百三十施設が立地しているということを把握しております。


穀田委員

それは、平成二十二年というから、二〇一〇年と私は言ったじゃないですか。それはそこで、私はちゃんとそこの数字を出しているわけやから、同じ数字を言ったかてあかんねんて。その後ふえてへんのやったらええよ。ふえてんねやから。
だから、そのことが、もういいって、池内さん、大丈夫、もうあなたにそこは質問せえへんし。言っているのは、皆さん聞いてほしいのやけれども、ふえているわけですよ。それが今何ぼ完了していて、どういう計画があってというのを、数字を言うんじゃなくて、施設の側からの考え方を見ないとだめとちゃうかということを言っているわけであります。
今、歴史をさかのぼって言いましたけれども、では、現にある問題について一つ聞きましょう。
東京都では、特養など三十九施設のほか、小中高校二十二校、大学など二校、資料四を見ていただきたいんですけれども、京都府では市や町、村の本庁舎が、また広島県でも市営住宅のほか保育園などが、警戒区域や特別警戒区域内にいまだに立地していることが判明しています。
これらの調査はわかっているんですが、この結果をどう扱われているのか。現時点での立地状況を早急に把握し、必要な対策を講ずべきではないのかという点についてはいかがですか。


池内政府参考人

委員御指摘のように、警戒区域内には、建築物、特に公共施設等が立地しております。これにつきましては、警戒区域を記載いたしましたハザードマップ上に公共施設を記載しておりまして、こういったことは自治体も認識しておりまして、住民にも周知をしているところでございます。


穀田委員

周知していますって、周知していたら、それでええのかと。
これは、私は京都の例を出したわけですけれども、京都の市町村別の避難施設の土砂災害防止法の指定状況。避難施設なんですよ。ここへ避難せいと言っているところで、実は、建物を見ますと、警戒区域のみでも百五十六ある、警戒区域と特別警戒区域の関係でいうと六十九ある。しかも、その中に書きましたように、笠置町の役場、和束町の役場等々、庁舎がそういう区域になっているところもある。
そうしますと、避難所になっているわけですよね。それから、災害発生の場合は司令塔の役割を果たすべき場所のはずなんですね。だから、こういったところは、まずきちんと手を打って対策をとるべきとちゃうのかということを言っているわけですね。


池内政府参考人

委員御指摘のとおり、こういう防災拠点とかあるいは避難場所、こういったものが警戒区域内にあるのは存じてございます。
そこで、今回の法改正におきましては、これまで、どっちかというと、いろいろな目的を持つ避難場所が混同しておりましたけれども、きっちりと、土砂災害の観点から、安全な避難場所、避難経路、そういったものを示すようにしておりまして、きちっと地域防災計画の中で、土砂災害の観点からの避難場所、避難経路、そういったものを指し示すようにしております。


穀田委員

大臣、指し示したかて、私も、この間京都でありましたけれども、鴨川から水が出た、避難場所になっている小学校がある、そこに水がだあっと流れている。そこへ行くなと言うわけにはいかぬじゃないですか。そういう事態になっているでと。それから、前の台風のときに、五年前でしたか、京都の場合は、舞鶴でバスの上で、問題になったときがありましたけれども、あのときなんかは町役場がつかったわけですやんか。
そういう問題なんだから、避難経路を示したとかあれだとかじゃなくて、それ自身の防災対策は優先してやる必要があるんだということを言っているわけですよ。避難経路を幾ら示したって、そこへ避難するときに、それこそ命がなくなったんじゃどうしようもないわけで、それを言っているんですよ。そんな話をしていたらあかんでということを言っているわけですよ。
もうそれはいいですわ。そういうことなんだということを大臣が認識してくれれば、わかるはずですから。そんな、避難経路を示したからといって、それで対応よしなんて、防災計画に書いたからといって、ハザードマップに書いたからといって、そのとおり行ったら死んでたんじゃどうしようもないわけで、それを言っているわけですよ。
そこで次に、基礎調査のおくれの問題、それから区域指定のおくれの原因は何かという問題について、少し提起したいと思うんですね。私は、人材とそれから財源の確保のために、国の支援を抜本的に強化することを求めたいと思うんですね。
まず、基礎調査についてですけれども、全国のそういう基礎調査が進んでいないこと、これは、区域指定も含めて七割前後だということは既に明らかになっています。土砂災害防止法制定から十年以上経過して、現在においても完了している地域は十三県、それから指定が完了しているところについて言うならば三県。なぜ、これほどまでにおくれているのかということなんですね。広島県は、人的にも財源的にも限界にあると、率直に進まない現状を吐露しています。
今回の法改正で、先ほど局長からありましたように、都道府県に対して基礎調査の実施の促進と結果の公表を義務づけるとしていますけれども、義務づけすれば進むのかという問題があるわけです。
この間の調査のおくれの原因として、今述べたように、都道府県の側は、人手が足りない、財源がない。現在の国の補助金は、交付金で三分の一ですよね。ですから、国による人材と財源の確保へさらなる支援が必要じゃないかと思うんですが、その大きな観点から、ちょっと大臣からお答えいただければと思います。


太田国務大臣

人材と、そして予算、これが調査あるいは警戒区域の指定等において大事だというふうに思います。
福岡県などは、専従で調査に置いて、一名から四名プラスして五名というのをやって、これが完了ということになった。あるいは山梨県等は、住民合意を得るための単位をいろいろ工夫することによって、それが進捗するようにした。そしてまた鹿児島などは、鹿児島は完了というわけではないんですけれども、OBの人を採用するということの中で人員というものを拡充するということにしたというような例があって、物すごく膨大な数の専従というわけではないんですが、行革の中でなかなか人員が確保できないというのは一方ではあるということは事実です。
そうした先進事例というものを今回は示すことによって、全部が、プラス二名とかプラス三名が、全員が技術職でなくてはならないということではないという認識をしておりまして、その辺の事例を出すということの中で人材面については援助したいというふうに思っています。
それから、あわせて、地形のデータということを提供するということを我々は言っているわけですが、航空レーザー測量データというものをやることによりまして、数値データを地方自治体に提示する。そうしたことの、これで二千五百分の一の地図ということができるというような、基礎データというものを形にして、地方自治体の労力が少なくなるようにというようなこともやらせていただく。
財政面では防災・安全交付金の支援ということがあるわけですが、そうした国が所有する地形データの提供なども含めて人員と予算面での負担軽減を図るというような、いろいろなことを組み合わせてというふうに思っているところです。


穀田委員

例を示すことによって全体を励まし、促していく、それはあると思うんですね。ただ、私は、補助率の三分の一というのは政令で決まっているわけですから、補助率を上げるという意思さえあれば実行できるものだと思うんですね。
今、地形のデータという話がありましたけれども、地形や条件も違うし、努力なさっている自治体は当然あるわけです。
私は、提案なんですけれども、どういう判断に、バランス論とかいろいろ考え方はありますよ。ここが進んでいないのは何かあるんだろうとか、あるんですね。だけれども、大臣もおっしゃったように、行革の中でなかなか確保できないという現実はあるわけですね、これはあるわけです。したがって、どのような判断に立つとしても、都道府県の側の、これはやる方ですから、意向をつかむ努力をしてはどうか。
調査や指定を抜本的に進めるためには何が必要かと考える、何を必要と考えているかを率直に意見を聞くということも大事かと思うんですが、その辺、いかがですか。


太田国務大臣

そこは極めて重要だと思っています。
聞き取り調査をしますと、二十年ぐらいはかかってしまうというふうなところがあったりします。北海道とか被災県というのがそこに当たるわけですが、それぞれ実情が違うというふうに思います。
何をすれば早くできて、あるいは指定が早くできるかということについては、十分、各都道府県、個別によく調査をして、できる援助をして、我々がおおむね五年程度をめどにということを言っているわけですが、そうしたことが実現できるように、現場が何を援助してもらいたいかということについては調査をしっかりさせていただきたいと思っています。


穀田委員

それをぜひやっていただくということで、確認しておきたいと思います。
今大臣から、おおむね五年とありましたけれども、計画を進めるために必要な財源規模はどのぐらいと考えていますか、局長。


池内政府参考人

非常に大ざっぱな推計になりますが、これまでの実績、それから今後残っているものを見まして、具体的には、今後の指定すべき警戒区域の推計と、それからこれまでの実績をもとに計算しますと、大体、オーダー的には一千億円程度の費用が必要だというふうに考えております。


穀田委員

そこで、では、今までどの程度土砂災害危険箇所への整備のための予算を使ってきたのかという問題なんですね。このお金を使うということについては誰も否定しないわけですよね。
広島県では、今、五年をめどにと言っていましたけれども、これは何を、調査の点はわかるんですけれども、我が党の県会議員の質問に対して、広島県の砂防対策費は二〇一二年は約八十五億円、土砂災害対策の整備完了まで三百三十三年かかる、こう言っているんですよね。
だから、それは結構、調査の金の話は大体一千億円という話があるんだけれども、実際整備するとなると、とてつもない金がかかるし、時期もかかるということで悩んでいるわけですよね。
そうしますと、先ほど大臣は交付金で支援をすると言っていましたけれども、国としての砂防関係予算は、資料一に出しましたけれども、補助を、二〇一〇年以降、社会資本整備に係る交付金としてまいりました。だから、余り姿が見えぬわけですよね。
そこで聞きたいんですけれども、二〇一〇年以降の土砂災害対策予算の経年推移をどのように把握していますか。


池内政府参考人

基礎調査に係る予算の状況でございますが、平成二十二年度は約百三十三億円、二十三年度は百二十九億円、二十四年度は百十七億円、二十五年度は百二十九億円、平成二十六年度は百四十七億円、これは聞き取り調査結果でございますが、基礎調査の費用はこういった状況でございます。


穀田委員

それは基礎調査の資料でしょう。私が言っているのは、砂防関係の予算と、わざわざ資料一と言ったじゃないですか。資料一でいいますと、二〇一〇年度から補助は見えなくなっているわけじゃないですか。下に書いていますように、二兆二千億円使っているということになっているじゃないですか。それは、国費としては、交付金としてはこうやっているんだが、前の補助という欄に置きかえるとしたら何ぼ使ってはりますかということを聞いてますねやわ。


池内政府参考人

砂防事業予算につきましては、直轄事業につきましては予算額が出ておりますので、おおむね一千億程度でございますけれども、補助事業につきましては、今御指摘のように、防災・安全交付金の中で一括計上されておりますので、その具体的な内訳は現状把握しておりません。


穀田委員

大臣、これは極めて大事なことで、結局、大臣は交付金で支援していると。一般論はそうなんですよ、それはわかっているんですよ。問題は、今、では、砂防関係予算の具体的使われ方はどないですかと聞くと、ここに今お出しした資料の一にあるように、二〇一〇年度からは見えなくなっているわけですよ、砂防関係には何ぼ使っているかというやつは。だから、それで何ぼやと聞いたら、つかめていないと。それでどうして進むのかということになるわけですよ。
だから、これは決算ベースでつかめるはずなんですね。ないしは、都道府県含めてですから、聞けば、何ぼ使っているのやと言ったらつかめばいいわけでね。問題は、それらが今、前に比べても、補助がうまく生きていないのか、使われていないのか、額をつけないのか、そういったことを含めて、やはり基礎データ自身をつかんでいないんだったら、どないして進むのかと私は言わざるを得ないということを言っているんですよ。
税源だけじゃないんですよ。人的体制も安全や安心を支えるものになっているかということなんですね。都道府県段階での土砂対策の人的体制はどうなっているのか。ここの抜本的強化が必要ではないかと。
私が住んでいる京都府では、先ほど行政改革という問題を大臣が言うてはりましたけれども、この間も言いましたけれども、土木事務所の職員数は、二〇〇三年から二〇一三年度までに六百十八名から九十六名、六分の一減っているんですよね。また、広島県では、砂防課、先ほど他のところで三名ふやすとか四名ふやしたとかいう話がありましたけれども、担当者は十四名で、専任はおらず、全員が兼務となっているんですね。
だから、実際は、予算の金という問題もうまく掌握し切れていない。それから、もしかしたら、そういう体制がどないなっているかということも掌握していないんじゃないかと思うんですよ。そこはちょっと言い過ぎなんですけれども。
全国で特徴的なそういう傾向といいますか、そういうのをどういうふうに人的な問題について把握しているのか、お答えいただきたいと思います。


池内政府参考人

全国には、砂防関係については、大体、課の名前はいろいろございますけれども、砂防課とかあるいは砂防河川課とかがございます。そういった中で専任職員を置いておりまして、そういった数の把握は、おおむねでございますが、今手元に数字はございませんが、できておると思います。


穀田委員

どのような状況かというのは、それは砂防課があることは確かなんですよ。問題は、それが、今言いましたように、減っているという状況を私は指摘している、専任でないという事態があると指摘している、これにどう応えるかということが問われているので、質問をよく理解していただかないと、数字は、私、全部出せなんて言っているんじゃないんですよ。その特徴的な傾向として、税源がうまく、財源がうまく機能しているかということが把握できていない。
それから、人的な問題についても、そういう事実について、数字はわかるけれども、私が言っているような、この十年間でも相当減っているじゃないか、専任体制も随分崩れているじゃないか、こういう傾向がありやしないかという問題提起をしているわけで、そこについて、どないなっている、大丈夫だというんだったら大丈夫だと言ってくれたらいいわけで、そこが、どうもあやふやな数字で適当な話をしてごまかしちゃあかんでと言っているんですよ、僕は。わかりましたやろ、大臣。はい。わかっていただくと。
きょうは時間もありませんから、時間もあと二分ほどしかないので、最後に一言言っておきたいと思うんですけれども、宅建業者の問題なんですよ。
皆さん、そもそも土砂災害の危険のある場所に住宅を立地させないことが、広島市の災害の重要な教訓の一つだと思うんですね。その意味では、住宅など販売業者である宅建業者が、土砂災害など災害の危険をつまびらかに説明することが必要だと思うんですね。
私、現行の宅地建物取引業法に基づいて、重要事項の説明として、土砂災害の危険について知らさなければならないと法三十五条に書いてあることは知っています。
問題は、危険箇所とされている地域についても、土砂災害の危険があって住宅等への被害が想定されている地域だからこそ、現地には急傾斜地崩壊危険箇所や土石流危険渓流などの表示をしてやっているはずなんですね。
だから、危険箇所として認識されている地域についても説明すること。それから、警戒区域は避難対策を準備するために指定するのであるから、避難計画の有無、概要なども重要事項として説明するようにすることを検討すべきじゃないでしょうか。


毛利政府参考人

重要事項説明の事項として危険な状況についても説明すべきということでございますが、現行の重要事項説明制度から申しますと、これは、法律に基づいて指定される区域か、あるいはその行為の制限ということが説明事項となっております。したがって、重要事項説明に入れることはなかなか難しいと思います。
一方で、先般来答弁させていただいておりますが、土砂災害の危険性に関する情報を不動産の購入者に一般的に提供していくことはやはり重要だと思っております。したがいまして、今後は、公表された基礎調査のまず結果から、これが取引判断に重要な影響を及ぼす事項として不動産購入者に情報提供することが望ましい旨を宅建業者に通知して、指導していこうと思います。
さらには、御指摘ありましたような一般的な危険の情報につきましても、都道府県等の公表データをまず活用させていただいて、宅建業者が不動産購入者からの相談に応じて情報提供できるような仕組みの構築について検討してまいりたいと考えております。


穀田委員

終わります。