「区割り改定法案」の反対討論に立つ

2017年05月31日

竹本委員長

これより討論に入ります。
討論の申し出がありますので、これを許します。穀田恵二君。


穀田委員

私は、日本共産党を代表して、区割り改定法案に反対の討論を行います。
昨年成立した衆議院選挙制度関連法は、小選挙区制の維持を前提に定数十削減を行いました。定数削減によって切り捨てられるのは主権者国民の声であり、国会の政府監視機能が低下するという弊害を法案提案者も認めていたにもかかわらず、根拠も示さず、我が国の男子普通選挙制度始まって以来、最少の定数に削減したことを、改めて厳しく批判します。
本案は、この関連法に基づいて削減する六県の小選挙区と比例の四ブロックを確定し、政府の衆議院議員選挙区画定審議会勧告に沿って小選挙区の区割りを改定するものです。
今回の区割り改定は、これまで最大数の十九都道府県九十七選挙区に及び、区割りで分割した市区町は百五に上っています。
このような区割り改定に、対象となる都道府県から批判の声が上がっています。選挙事務を担う選挙管理委員会連合会などの、有権者に混乱を招く、選挙の事務の管理執行上、事務が複雑化、負担が増大するといった懸念の声が審議の中で明らかになりました。
次回、二〇年の国勢調査の後、定数配分にアダムズ方式の導入も控えており、五年後にもさらなる大幅な区割り変更が見込まれております。数年間、少なくない有権者が、市町村の行政単位や地域社会を分断する異常な線引きを押しつけられ、選挙のたびに不自然な選挙区変更を強いられることになります。
これほど大きな区割り変更を行っても、格差の問題は続きます。これは、小選挙区制がもともと、投票権の平等という憲法の原則とは矛盾する制度であるということを示すものであります。
憲法が求める投票価値の平等は、選挙区間の人口格差是正にとどまりません。
そもそも、選挙制度は民主主義の根幹であり、その根本は、国民の多様な民意を正確に議席に反映することです。ところが、現行制度は民意の反映が著しくゆがめられています。現行制度の最大の問題は、第一党が四割の得票で七割から八割の議席を獲得し、半数に上るいわゆる死に票を生み出すことです。
我が党は、現行制度の提案当初から、小選挙区制が民意の公正な議席への反映をゆがめ、比較第一党が虚構の多数を得ることで強権政治を推し進めようとするものだと批判してきました。
民意と議席に著しい乖離を生み出す小選挙区制は廃止し、民意を反映する選挙制度へ抜本的に改正、改革すべきです。
このことを改めて強く主張し、反対討論を終わります。(拍手)


竹本委員長

これにて討論は終局いたしました。