こくたが駆く

公共事業を維持・補修など小規模工事重視に転換を-衆議院予算委員会(資料掲載)

090224予算委員会5   <一昨日の続き

  24日の衆議院予算委員会で私は、公共事業のあり方をめぐって質問を行いました。

  まずはじめに、全国で”橋梁”の老朽化の状況がどうなっているか、金子一義・国土交通大臣に質問をしたところ、 金子大臣は「長さが15メートル以上ある橋梁13万ヵ所のうち、過去5年以内に定期点検が実施されているものが4割にとどまっています。 特に、市町村が管理する橋りょうにおきましては、その点検の実施が2割に過ぎない」 「計画的な補修をしていくということが重要と認識しております」と回答し、 インフラ老朽化の点検すら行われていない実態があきらかになりました。

090227グラフ  さらに、橋梁や道路を新設したり延伸したりするということは、 将来の維持補修の対象が増えるということであり『維持補修の費用は増えていくのはある意味で当たり前」と指摘したうえで、 道路の維持補修・修繕費がこの10年間、どのように推移したかを質問、道路局長が答弁に立ち 「国道については9割に縮減しています。地方公共団体が管理する道路については60%台70% 台に減少しているところもかなり見られます」と回答がありました。(27日追記:詳細は左のグラフ)

090224予算委員会4   つまり『現状の点検が出来てない』『老朽化の対策も不十分』 『本来増えなくちゃいけない費用が減っている』というひずみがあり、特に市区町村などにしわ寄せがきているということです。

   つづいて、この原因を鳩山邦夫総務大臣に「なぜ、地方自治体が点検をしないのか、 そこに回す予算を削らざるを得ないのか?」と問いただしたところ、鳩山大臣は「市町村道の維持補修が単独事業とされたことが大きい。 三位一体改革で地方交付税の減額があまりに急激だったために、市町村という弱い方に一番しわ寄せがいっている」と答えました。

090227表2   最後に 「インフラの維持補修だとか長寿命化というものは中小企業が得意の分野だ」「公共事業を規模別で見たとき、 事業評価額100万円あたりの労働者数はどうなっているのか」と質問したところ。政府参考人から「総工事費評価額規模別に見ると、 規模が上がるにつれて、いわゆる労働者の数は減るという相関関係がございます」と回答がありました。 (27日追記: 詳細は左の表を参照)
  少しわかりにくい言い方ですが、ようするに50億円の事業を1ヵ所でやるよりも、 500万円の事業を1000ヵ所でやった方が、同じ金額でも雇用に結びつく人数が大きいということを認めたわけです。090224予算委員会6

  今回の質問を通じて、今後の公共事業のあり方として、維持補修など小規模な公共事業に転換することは、『住民の命・ 安全・暮らしをまもる点でも、地域の中小企業の仕事おこしや、雇用対策という点でも役に立つ』ということを明らかにしました。
  これからも、小規模公共事業への思い切った転換を要求していきたいと思います。

 

| コメント (2) | トラックバック (0) | Update: 2009/02/27

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コメント

こんばんは。
議員活動お疲れ様です。

先日のブログと共に読み直してみましたが、
同じ公共投資をするにしても、やり方でこんなにも成果や影響が違うんだなぁ、と感じました。

個人的な話ですが、
地元にとある幹線道路の陸橋があります。
数年前やっと完成して通れるようになり、今通勤で使っているのですが、完成までだいぶかかりました。
連結する橋梁の完成と合わせると、ざっと20年はかかってます。
なのに近くを通るあまり交通量のない有料道路がその間(20年間)に短期間に完成。

なんか公共投資のしかたがオカシイ様な気がします。
公共投資のあり方も替えないといけないですね。

(若造が生意気言ってスイマセン。m(_ _)m)

 遠藤さんいつもメールありがとうございます。
 私どもは、公共事業全般を否定しているわけでは決してありません。社会資本=インフラの整備は国家・地方行政の重要な仕事なのです。
 ところが、従来の公共事業は往々にしてムダな側面や、ハコモノ行政、地方への負担、土木・建設業界の大儲けの手段、癒着の構図があり、それを批判してきたわけです。
 この間明らかにしたのは、インフラが遅れている、とくに維持・補修に力を入れなければ国民の安全・安心に重大な悪影響を及ぼすことです。
 またそこにこそ公共事業の重点を移す、生活密着型にシフトすることが仕事起こしになるし、中小企業への官公需が増えるし、雇用にも役立つと、一石三鳥になるとの考えです。
 さらには、住民参加も大切になるでしょう。優先順位をみんなで議論し決定していくことに踏み出していく必要がありますね。
 

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