「イージスシステム搭載艦導入で1兆円」「レーダー選定で、米国ミサイル防衛庁側から圧力の疑惑」を追及

2021年02月9日

穀田委員

 日本共産党の穀田恵二です。  今日私は、岸防衛大臣に、政府が配備を断念した陸上配備型迎撃ミサイルシステム、イージス・アショアの代替問題について質問いたします。  イージス・アショアの配備計画は、二〇一七年の安倍総理とトランプ大統領の首脳会談を受けて閣議決定されたものです。  しかし、配備候補地の秋田、山口両県の住民から強い反対の声が上がり、さらに、防衛省が配付した説明資料にデータの誤りが発覚した。  そうした下で、昨年六月、迎撃ミサイルの発射後に切り離されるブースター、推進装置を住宅地に落下しないように制御するためには、システム全体の大幅な改修、二千億円を超える追加コストと十二年余りの期間が必要だとして、配備断念に至った経過があります。こうした経過からすれば、その計画、そのもの自身をきっぱり断念すべきであります。  ところが、政府は、アメリカ側と契約した関連システムを解約せず、陸上が駄目なら洋上でと、装備品購入ありきという本末転倒の検討を始めました。その結果が、イージスシステム搭載艦二隻を導入する閣議決定です。  皆さんにお配りしている資料一枚目、その昨年十二月の閣議決定の抜粋です。付加する機能及び設計上の工夫等を含む詳細については、引き続き検討を実施するとしています。  そこで、岸大臣、この搭載艦二隻の総額は一体幾らになるのか、お答えいただきたい。

岸国務大臣

 イージスシステム搭載艦につきましては、今後、運用の構想の詳細、搭載機能、艦の設計等について検討を進めてまいりますが、その中でその総経費を精緻化していくため、現時点ではその総経費をお示しすることは困難であります。精緻化の際には、厳しい財政事情も踏まえて、しっかり精査をしてまいりたいと思います。  他方、今後、イージスシステム搭載艦の詳細を決めていくに当たっては、経費はもちろん重要な視点でございますが、搭載機能、艦の設計、要員確保など、様々な観点から検討することが必要でございます。  このため、経費が高ければ直ちに選択肢にならないということにはならず、我が国の防衛にとってしっかり貢献することとなるように総合的に検討していかなければならない、このように考えております。

穀田委員

 元々やめた経過がどうだったのかということを踏まえもしない発言だと私は思います。  要するに、総経費について、結局、運用構想や、さらには搭載機能、艦の設計を検討していくと岸大臣は答えているわけですよね。それはつまり、現時点では、搭載の機能や艦の設計はおろか、運用構想すら決まっていないということなんですよね。  総額も公表しないで閣議決定が行われたことは、イージスシステム搭載艦の運用を担う海上自衛隊からも批判の声が出ています。例えば、昨年十二月十九日付の東京新聞は、税金が幾ら使われるか国民に伝えないまま決めていいのかとの声が上がったと報じています。当然の指摘です。  イージスシステム搭載艦は、自衛隊史上、最も高額な洋上装備との指摘もあります。実際どれほどのコストがかかるか分かったものではありません。  そこで、配付資料の二枚目です。防衛省が昨年十一月に示した各プランの概要です。  資料には、代替プランの導入コストの見積りが書かれています。これに基づけば、イージス・アショアを二基整備した場合、およそ四千億円なのに対して、最新の「まや」型イージス艦をベースに二隻導入した場合、四千八百億円から五千億円以上かかることになります。イージス・アショアに比べても一千億円も上回っています。  しかも、看過できないのは、見積りの金額が以上となっていることであります。これは結局、総経費は青天井ということになるんじゃありませんか。お答えください。

岸国務大臣

 昨年十一月の中間報告等を踏まえてお示しをした「まや」型ベースの導入コストについては、二千四百から二千五百億円以上と公表しているところでございます。それは、その時点で、米側の、米国政府またロッキード・マーチン社や、あるいは国内の事業者から入手可能な情報を基に仮の要求性能を設定して検討した結果に基づく試算であって、あくまで経費の規模感を示したものでございます。  このコストは、イージスシステム搭載艦の導入コストの参考にはなりますが、同艦に係る運用構想の詳細、搭載機能、艦の設計等は引き続き検討していくために、必ずしもマルチミッションタイプである「まや」型をそのまま事業化することではないことから、「まや」型ベースの導入コストと同じになるわけではない、こういうふうに考えております。

穀田委員

 結局、言うてるけれども、それ以上になるということははっきりしているわけですやんか。だって、ほかの機能も全部これからだというわけでしょう。  それで、イージス・アショアもそうだったんですよ。二〇一七年の閣議決定当時、一基八百億円だったんですね。ところが、その後、千三百四十億円と一・七倍に膨れ上がり、ついには二千億円、二基で四千億円以上と拡大していったじゃありませんか。  さっきから、すぐ規模感と言うんですけれども、概算でも、これは今お示ししましたよね、概算、ここに金額の上限が示せない、以上とするしかないと。どこまで膨らむか分からないということなんですよ。  そして、実際、配付した資料のコスト欄には、今大臣もるるお話あったところにありますが、「実射試験に要する経費や人材育成関連経費は含んでいない。」と書かれているんですよね、そうでしょう、書かれていますよね、そういうこと、知っておられるでしょう。だから、これらを加えれば、導入コストは二隻で五千億円以上を超えるのは確実です。  元防衛政務官はツイッターで、ライフサイクルコストは一兆円を超す可能性があると書いている。まさに、総コストが天文学的な数字になるのは明らかではありませんか。  そこで、大臣は、その総額ということについてまだ検討中だとかなんとか言うんだけれども、元々断念したときに、費用の高騰を一つの理由にしているわけですよね。今、総額は青天井、それから運用構想すらないと。本来であれば、きっぱり断念すべきものなんですよ。しかし、防衛省は、陸上配備が前提だったレーダーなどの構成品を今度は海に持ち出して転用すると言う。これ自身も、まさに日本独自の、前代未聞の計画に固執している。  なぜこういうことに固執しているのかということだと思うんですよね。なぜこういうことに固執しておられるんです。

岸国務大臣

 まず、我が国を取り巻く安全保障環境は非常に厳しいものがございます。北朝鮮は、我が国を標的にするミサイルも百発以上持っていて、核ミサイルの能力向上を果たしてきているというような状況でございます。  そういうミサイルの状況に対して、我が国は守りをしっかり固めていかなければいけないということで、そもそもイージス・アショアの配備を計画したわけでございますけれども、配備につきましては、先ほども穀田委員からもお話がございましたけれども、特にブースターを落とす場所の問題がある。  そういうことから、この代替案がどうしても我が国として必要である、我が国の平和と安全を守るために必要であるということから検討を重ねてきたものであります。

穀田委員

 言っている代替って、この元々あかんかったものをどうするかというときに、そのことを更に上回るような金を使うて、何が、何でこんなにこだわらんなんねという話なんですよ。  結局のところ、アメリカとの契約ありきというのが出発だということなんですよ。問題は、アメリカと契約したレーダーの選定に大きな疑義があるということなんです。  防衛省は、二〇一八年七月、イージス・アショアの搭載レーダーとして、アメリカのロッキード・マーチン社が製造するLMSSR、現在のSPY7を選定し、二〇一九年十月、同社の日本代理店である三菱商事と正式契約を結びました。  資料の三枚目、それは防衛省が示した構成品選定の概要です。  これを見ると、ロッキード社のレーダーのSPY7がレイセオン社のSPY6と比べて、基本性能、後方支援、経費の三項目でより高い評価を得たとされているだけなんですね。しかも、いずれもより高い評価を得たという結論だけで、何をもってロッキード社のレーダーが優れていたのか、その具体的根拠は全く示されていない。  なぜ根拠を明らかにしないのか。企業側への配慮でもあるんですか。お答えください。

岸国務大臣

 イージスシステム搭載艦の検討に当たっては、SPY7を含む現在契約をしているイージス・アショアの構成品が、二〇一八年に実施をした選定プロセスの中で、他の候補となっていた構成品と比較しても、今申し上げました基本性能、後方支援、経費、それぞれの面でより高い評価を得た最新鋭の装備であるということ、それから、代替品については、我が国の弾道ミサイル防衛能力を向上させることが重要かつ基本的な要素であること、昨年十一月の中間報告を通じてイージス・アショアの構成品の洋上プラットホームへの搭載に係る技術的実現性を確認した際に、米国政府から、各構成品を洋上仕様に変更すればイージス・アショアで達成しようとしていたBMDの基本性能も同様に発揮できるとの所見を得たところであります。  可能な限り速やかに代替装備の運用を開始する必要性も踏まえて、SPY7を含むイージス・アショアの構成品について、これを利活用していく、こういう方向で考えております。

穀田委員

 今お示ししたように、より高い評価を得たと、これは書いているだけなんですよ。これで議論しているわけでしょう。アメリカは全部、いろいろな事実を示していますよ。だけれども、こういう内容でやっているというのは、明らかに、これは何か遠慮しているのかと言わざるを得ない。  防衛省が先日私に文書で回答した内容も、実は、具体的根拠に関する資料を提出しない、具体的な根拠を提出しない理由に、企業側の今後の営業活動への影響を挙げているんですよ。そういう文書を私はいただいています。  レーダーの選定が行われた二〇一八年七月当時、ロッキード社のSPY7は、構想段階で、試作品さえ完成していないんですよ。いわばカタログしかないようなものだったわけです。一方、レイセオン社のSPY6は、米海軍が新型イージス艦への搭載を正式決定し、既に生産段階にあったわけです。こうした違いがある中でロッキード社が選ばれたという経緯があるわけです。  この選定結果には、自衛艦隊司令官を務めた香田洋二さんなどは、自衛隊の元幹部としても、防衛省のレーダー選定はずさんだ、国民の血税をつぎ込む以上選定根拠を公表すべきだ、こう言っているわけですよ。  そこで、配付資料の四枚目です。これですね。防衛省が示したレーダー選定の経緯です。  資料には、二〇一八年六月十二日に米国政府等から二つの提案を、具体的には、SPY7については米国ミサイル防衛庁とロッキード・マーチン社から、SPY6についてはミサイル防衛庁から受領したと。その後、七月二日に課長級の検討チーム会議を開き、続く十七日に構成品選定諮問会議を開催し、七月三十日に防衛大臣がロッキード社を選定したとある。問題は、こうした選定が厳正に行われたのかということなんですね。  米国の議会調査局が二〇一八年十二月に公表した、海軍イージス弾道ミサイル防衛計画と題する報告書、こんな分厚いものなんですね。報告書には、日本が二〇一八年七月、ロッキード社のレーダーを選定した経過などが書かれていて、二〇一八年七月三日、現地では二日ですね、報道されたロイター通信の記事を取り上げています。その現地で報じられた記事には、日本の防衛省関係者が匿名を条件に取材に応じ、ロッキード・マーチン社の新型レーダーを選定したと明かしているんですね。この報道が事実なら、重大なことだと思います。  防衛省はロッキード社を七月三十日に選定したとしているけれども、実際には、その一か月近く前の七月三日の時点で既にロッキード社の選定を決めていたことになる。事実関係はどうですか。

岸国務大臣

 委員の先ほどの御指摘でございます、SPY7を選定した具体的な根拠の部分なんですけれども……(穀田委員「それはいいです、もう。今、話は違うことを言っているんだから。時間を取るだけです」と呼ぶ)しかしながら、要求性能を細かくお示しすることは我が国の防衛に差し支える、こういうことがございますので、外には公表を差し控えさせていただいているものでございます。  それから、ただいま、二〇一八年七月の時点の話でございますが、当時、小野寺当時の防衛大臣が記者会見で問われた際にも、イージス・アショアに搭載するレーダーについては、現在、防衛省において公平性、公正性を担保しつつ選定作業を行っているところであり、現時点において搭載するレーダーについては何ら決まっていないという旨をお答えをしているところでございます。  防衛省としては、当時の小野寺大臣がお答えしたとおり、イージス・アショアのレーダー等の構成品の選定の手続については、公平性、公正性を担保するよう十分に留意して実施したところでございます。  その上で、防衛省として、SPY6とSPY7の比較を行った際、より広いエリア、より高い高度において探知可能で、同時に多くの目標を追尾できるといった基本性能に加えて、後方支援、経費についてもSPY7の方が高い評価を得ており、総合的に評価した結果、SPY7を選定したものでございます。  なお、これは洋上に出しても同じような性能を維持できる、こういうこともいただいております。

穀田委員

 どういう対応をしたかと聞いているのに、結局、その当時の事実を述べただけじゃないですか。  公平性、公正性を担保していたと言うけれども、選定結果は、ロイター通信の指摘どおり、報道どおり、ロッキード社が選ばれているじゃありませんか。だからこそ、米議会調査局の報告書でも、この報道を、選定経緯のことを取り上げているわけですよね。  防衛省がロッキード社のレーダーを選定したという七月三十日の一か月近く前の七月三日に、既に防衛省はロッキード社の選定を決めていたのではないかという問題なんです。そのことを言わずして、あれこれ性能の話だとか記者会見の話をしたって駄目ですよ、そんなこと。  問題は、こういうことについて、防衛省関係者が匿名を条件にして明らかにしたという報道の問題なんですよ。そのことについて、やはり事実関係を調べようともしていないということは、全く私はけしからぬ話だと思うんです。  そこで、先ほど配りました配付資料の四枚目に行きたいと思うんですね。  二〇一八年二月から始まった選定手続について、防衛省では、提案企業からの接触を厳しく制限する、上から五行目ぐらいに書いていますよね、しています。果たして本当か。  私は、昨年十二月三日、イージス・アショアの構成品選定に関わった防衛省職員がOBを含む企業側の関係者とどのような接触を行ったのかを記した報告書の一切を提出するように求めました。再三待たされた結果、二か月たった今月の五日、ようやく出された。これが、これも結構大部なものなんですが、出されたんですね。  提出された文書は、構成品の選定に従事した職員の一覧表と業界関係者との接触を記した報告書の一覧表で、合わせて五十三枚あります。まさか五十三枚全部をコピーするわけにいかぬから、今回は二枚ばかり、黒塗りだということが分かるようなものをちょっと持ってきて、資料に、お渡ししたところであります。  岸大臣に確認しますが、この提出された報告書は、防衛省で定める業界関係者等との接触に関する対応要領、いわゆる事務次官の通達に基づき作成されたものですね。

岸国務大臣

 今お問合せの件ですけれども、正確には、防衛省の内部規則であります「調達等関係業務に従事している職員が防衛省の退職者を含む業界関係者等と接触する場合における対応要領について」という通達に基づいて製作をしたものでございます。  穀田委員から要求があった、二か月を要してしまったということについては、期間が長引きました。

穀田委員

 この資料を出すために二か月もかかったと。黒塗りするのにどこを塗らなあかんかということだったんだと思うんですけれども。  この提出された接触報告によれば、レーダーの選定手続を始めた二〇一八年二月からロッキード社を選定したという七月末までの間に業界関係者等と計三十四回接触している。これは間違いありませんね。

岸国務大臣

 イージス・アショアの構成品の選定について、内部部局、統合幕僚監部、海上、陸上、航空の各幕僚監部、情報本部及び防衛装備庁が関わっております。これらの機関全体では総数で五百二十九回の接触があったことを確認をしておりますが、防衛装備庁においては総計で、我々は三十三回の接触、こういうふうに確認をしておるところでございます。

穀田委員

 私に持ってきたのは今言った装備庁のもので、三十三回、三十四回、若干の違いはあったとしても、それを上回る、全体は五百何回もやっているということがはっきりした。これは驚くべき数字であって、これを出してくれと言うているのになかなか出さへんというのも大体問題だと思うんですよね。これは出してもらわなあかんと思います。  それで、三十三回の接触が行われていると。ところが、これを見たら分かるように、提出された接触報告では、その接触した相手方の会社名や役職、氏名、接触理由、全て黒塗りで隠されています。なぜ隠す必要があるのか。何か都合が悪いことでもあるんですか。

岸国務大臣

 機種選定に当たり、防衛省のどのような職員がどのような相手方とどのような時期にどのような理由により接触したかということを公表することは、今後の機種選定業務を適切に行う上で支障となるおそれがございます。また、国の安全を害することになるおそれがあることなどから、お答えを差し控えさせていただきたいというふうに思います。

穀田委員

 本当に、公平性だ、それから、きちんとした公平性だ、公正性だなんという話は表向きしているけれども、結局のところ、隠しているだけ。  それじゃ聞きますけれども、レーダーを提案したのは、先ほどの配付資料、その三枚目にあったように、結局、米国ミサイル防衛庁とロッキード・マーチン社だということははっきりしているわけですよね。これはいいんですよね。

岸国務大臣

 SPY7については、今お話のあったとおり、ミサイル庁とそれからロッキード・マーチンでございます。

穀田委員

 SPY6もそれはミサイル防衛庁がやっているんです。だから、いずれにしても、その二つについてというのは、これは書いてあるのやから、ミサイル防衛庁とロッキード・マーチン社がやっているということなんですよね。先ほど述べたように、結局のところ、支障があるとか言っていますけれども、レーダーを提案したのは米国ミサイル防衛庁とロッキード・マーチン社ということは確かなんですよね。  したがって、そこからなんですよ、接触報告の対象となるのもこれらの関係者であって、黒塗りの箇所にもそれらの関係者との接触が書かれているのは明らかではないか。誰が考えたかて、その問題を議論しておるのやから、相手はアメリカの防衛庁とそれからロッキード社と言うとるのやから、その人たちと話し合っているのやろうというふうに類推するのは誰が考えたかて当たり前なんですよね。  これをあえて黒塗りで隠すというのは、結局、米国ミサイル防衛庁やロッキード・マーチン社の関係者と頻繁に接触した事実が露呈してしまうから隠しているんじゃないのかというふうに考えるのは当たり前じゃないですか。  そこで、レーダー選定の事情を知る防衛省の元幹部は、私どものしんぶん赤旗の取材に対して、巻き返しを図るロッキード社が米国ミサイル防衛庁を通じて猛烈な圧力をかけていた、レーダー選定の直前に、ミサイル防衛庁長官が来日して防衛省を訪れ、ロッキード社を選ぶように圧力をかけた、しかも、ここからがまた大事でして、そのことは当時の防衛副大臣も認めていると証言しています。  岸大臣、これは事実ですか。

岸国務大臣

 一般論で申し上げますと、機種選定等において提案した外国企業、外国政府や企業と接触することはあり得ることであります。論理的にあり得るというふうに思っております。  その上で、機種選定に当たり、防衛省のどのような職員が、どのような相手に、どのような時期に、どのような理由により接触したかを公表することは、まさに今後の機種選定業務を適正に行う上で支障となるおそれがある、また国の安全を害するおそれがあることなどから、お答えを差し控えているところでございます。  また、ミサイル防衛庁から、どの企業をというような推薦については、全くなかったというふうに承知をしております。

穀田委員

 よう聞いてくださいよ。あり得る、接触はあり得ると言った、相手は二つしかないのやから、SPY6か7か。しかも、両方とも米国のミサイル防衛庁が絡んでいるわけですやんか。片っ方、ロッキード・マーチン社が来ていると。この二つしかおたくのところは接触していないわけですやんか。何で隠す必要があるねと言っているわけですよね、まず。  それで、質問をよく聞いてほしいんですよ。  レーダー選定の事情を知る防衛省の元幹部が、私どものしんぶん赤旗の取材に対して、レーダー選定の直前に、ミサイル防衛庁長官が来日して防衛省を訪れ、ロッキード社を選ぶように圧力をかけた、しかも、そのことは当時の防衛副大臣も認めていると証言していると。それは事実なのかと聞いているわけですよ。

岸国務大臣

 レーダー等の構成品の選定の結果を公表する直前に、七月の二十三日ですけれども、グリーブス米ミサイル防衛庁長官が来日をし、西田整備計画局長らと面会したことは事実であります。同長官が、SPY7、当時はLMSSRと言っていましたけれども、このSPY7を採用するよう働きかけたという事実はございません。  いずれにせよ、防衛省としては、二〇一八年に実施をいたしましたイージス・アショアのレーダー等の構成品の選定において、SPY6とSPY7の比較を行った際、より広いエリア、高い角度、高い高度において探知可能であった、同時により多くの目標を追尾できるといった基本性能に加えまして、後方支援や経費においてもSPY7の方が高い評価を得ているということから、総合的に評価をした結果、SPY7を選定したものであります。

穀田委員

 いや、私が聞いているのは、いつも大臣は、比較してこうやっているということと、ええこったという話をするわけですやんか。何がええのやという話はさっぱりないんですよ、これは。まず、それが前提だと。その上で、圧力があったん違うか、それは副大臣も認めているでと。それを知っているかと聞いているんですよ。  知っているか知っていないのかもはっきりせんと、何か、新しい事実がはっきりしたのは、やはり米国の長官は来てはったということだけは明らかになったということですわな。そこから始まって、前から来て圧力をかけたんと違うかということについては知らぬということですか。

岸国務大臣

 先ほど僕からも申し上げましたけれども、ミサイル防衛庁の長官が来日されたことは事実でありますが、ミサイル防衛庁の長官から、例えばSPY6を推奨するとか、そういうことが、SPY7とか、そういうことはなかったわけでございます。  それから、副大臣についてのお話がございましたけれども、これについては全く承知をしていないことでございます。

穀田委員

 これは、話をそらしてはあきませんね。知らないでは済まぬ。  つまり、結局、私が言っているように、米国のミサイル防衛庁長官が圧力かけたんと違うかということがある。新しい事実は、来ていたということだけははっきりした。ただ、その日がいつかという問題は、これまた検索せなならぬ、調べなならぬということになりますわな。しかも、何も推奨はなかったと言うけれども、そういう証言があると。山本副大臣の件については知らぬと。  そうなると、私は、やはりこの問題についてきちんと調べるべきと違うかと。当然そうでしょう。私は、そういう圧力があったんと違うかと。証言がある、そのことを知っている副大臣もいると。おたくのところは、岸さんは、いや、来はったことは事実や、こう来る。そうしますと、その事実関係がどうだったのかということで、調べる必要があるのと違いますか。

岸国務大臣

 先ほどから申し上げましたとおり、私としては、そうした経緯、要は、防衛庁の長官が来日した、また、その際も接触もあったわけですけれども、そうした中で、結局、何というんですか、ミサイル防衛庁の方から何も、推奨するとか、そういう話はなかったということでございます。  先ほどSPY7の選定した根拠のところですけれども、具体的には、やはり能力を秘匿する必要があったということと、防衛に支障を及ぼすおそれがあるということが一番大きな理由でございますけれども、提案理由をいただいた企業等に、今後の営業活動に悪影響を与えることを避ける必要があること、提案書が対外非公表の前提に受領したものであることということがございます。そうしたことから、公表は差し控えさせていただいているものでございます。

穀田委員

 るるしゃべりますけれども、当時、いわばカタログの話でやっているんですよ。そういうことも含めて踏まえなくてはならぬと思うんですね。  最後、元防衛省の幹部は、赤旗の取材に対して、SPY7の選定過程は極めて不透明で、第二のロッキード事件になりかねないと警告しているんですね。まさにそうした性格の問題です。防衛省では、ロッキード社のレーダーありきで事を進めていたのかどうか、真相の徹底解明が求められる必要があると私は思います。  今ありましたように、金田委員長、今回提出された接触報告は、防衛装備庁で保有するものだけであります。先ほど聞くと、私が三十四回と言ったら五百回と言っているんだから、そういう意味でいうと、他の部署でも対応要領に基づいて接触報告を作成しているわけでしょう。全部出してもらう必要があると思います。  最後に一言だけ。私はそこを要求しておきますけれども、イージス・アショアの配備計画については、これまで政府は、弾道ミサイル攻撃から国民の命と財産を守るために必要だと強調してきました。しかし、実際は、国民の命と財産を守るためでも何でもない、アメリカ言いなりの軍事利権ということに今なってきているんじゃないかと私は指摘せざるを得ません。  国民の命と暮らしを守ると言うんだったらば、アメリカを潤すだけのイージスシステム搭載艦の導入計画などは直ちに中止し、その予算を国民生活とコロナ対策に回すべきだ。私は一貫してこの問題を追及してきました。いかにでたらめかということをずっとやってきましたけれども……

金田委員長

 時間が参りました。

 

穀田委員

 今度もやはり、でたらめぶりをきっちりただして、やめさせるために頑張るということをお誓いして、終わります。