予算委会分科会その2 住民の命にかかわる大問題「建設残土について」質問

2022年03月14日

 

カンニン。アップするのをコロッと失念。遅くなりましたが報告です。17日に行った予算委員会分科会の質疑の第2弾です。

私は、静岡県熱海市の土石流事故の大惨事を振り返り、住民が「建設残土による『山津波』と表現したことで「これは住民の命にかかわる大問題だ」と指摘。
そして「この問題は熱海市だけの問題ではないとして、私の地元北区の北山杉の産地として有名な杉阪道風町周辺で、山林が切り開かれ、大量の建設残土等が投棄され、不法な「盛土」がされていることへの規制を求めました。

私は、住民の方々の声をストレートに届けること。特に盛り土に対する不安、開発者の無責任さと不法性、約束を守らないのに事実上野放しの京都市行政の弱腰、自治体任せにせず国として隙間のない対策を行う必要性を訴えたつもりです。

 

 

京都市北区杉阪道風町周辺でも、北山杉の産地として有名な山林が切り開かれ、大量の建設残土等が投棄され、不法な「盛土」がされており、住民から大きな不安が寄せられている。

一ヵ所目は、資料3の航空写真にある、京都市北区鷹峯笹ケ尾2・3番地の5,600㎡の林地開発であるが、京都市への申請によると盛土面積は2,950㎡とされており、京都市の土砂条例の許可要件3,000㎡をわずかに下回っている。

しかし、地元住民の話によると、実際の面積はタテ200m、ヨコ45mで、約9,000㎡にもなり、ここへの取り付け道路が約2,400㎡もある。
これは市土砂条例の許可要件3,000㎡をはるかに超えているが、市当局は元々の申請が3,000㎡以下であることや土砂条例制定以前の残土が含まれていることをもって、土砂条例の規制の対象外であるとの態度に立っている。
この現場は急傾斜地に建設残土を盛土したもので、熱海市と同様の土石流災害の危険がある。また、昨年7月上旬の大雨の際には、直下にある杉坂川が突然白く濁る事態となり、この水を飲料水、農業用水として使っている地域住民は、これまでなかった事態に、有害物質による汚染水、健康被害への強い不安を訴えておられる。

もう一カ所は、資料4の航空写真にあるように北区杉坂東谷7・8番地の山林で、合計8ヘクタールにも及ぶ大規模な林地開発である。7番地の8割方はすでに森林伐採が完了し、事業者が跡地に杉2,000本の植林をすることを約束しながら、期日内にこれを実行せず、資料5のように大規模な盛土が行われ、「資材置き場、メガソーラー」用地として1億8,000万円で売り出されている。

このような不当なやり方を告発しても市行政は手を打とうとしないのだからあきれ果てる。

地域住民は、熱海市のような土石流災害が起こらないか心配で、何度も京都市に足を運び協議しているが、排水施設や土留めのための擁壁など具体的対策が取られないばかりか、「京都市は『適切に対応する』と言うだけで、違法に毅然と対処する立場に立っていない。口先だけだ」と怒っておられる。

これの事態は、京都市の対応がまったく「弱腰」であることが大問題ではあるが、その上で、現状の森林法や土砂条例の規制だけでは現実問題に対応しきれないということを示している。従って、災害から人命と安全を守るためには、不法で危険な盛土自体を規制する、隙間のない新たな法規制が必要ではないか。

この質問に対して、泉田裕彦・国土交通政務官は、「知事会などからの要望も受け、全国一律の安全基準を作成」し、「盛土行為を許可制とすること等について検討している」と答弁しました。

 

 

私ははさらに、新たに「建設残土規制法」、あるいは「建設残土処理適正化法」を作ることで、不適切な残土処理を根絶するよう要求。その上で、「より根本的には大量の建設残土の総量規制、残土が逆有償の場合、建設がれきや建設汚泥と同様に廃棄物処理法の対象とすべきだ」と提起しました。

 

 

務台俊介・環境副大臣は「建設発生土は廃棄物処理法で規制するものではない。国交省で検討するもの」と責任逃れの答弁。

私は、こうした環境省の姿勢では、「盛土崩落による大規模災害、不適切な残土処理による環境破壊から住民の命を守れるとは言えない」と厳しく批判しました。何のための環境省でしょうか!

 

 

私は最後に、880万㎥もの建設残土を排出する北陸新幹線「延伸」計画は直ちに中止するよう求めました。

ご意見をお寄せいただき、現地調査にもご一緒いただいた住民のみなさんありがとうございます。法に実らせるのはこれからです。ともに頑張りましょう。

 

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分科会質問で使用した「建設残土」に関わる資料です。