こくたが駆く

新テロ特措法改定案審議入りについて

 メディアから、補正予算案質疑をめぐって、見解を求められた。私は、「自民・公明の与党と民主党が国政上の争点を明確にするにふさわしい十分な時間をとっての質疑を行なわず、予算委員会をたった3日間で終了し、補正予算を通過させたことは許せない」と述べました。

 さらに新テロ特措法改定案審議入りに対する民主党の態度について、野党国会対策委員長会談で説明があったが「党略的な態度でまったくケシカラン」と厳しく批判しました。
 民主党は、同法案の早期採択をすべしという立場で、本会議での質疑を省略し、特別委員会に付託し、委員会での質疑も一日程度で良いと表明しました。

 私は、記者会見で、次のように見解を明らかにしました。
 ①新テロ特措法案改定案(いわゆる「給油継続法案」)は、廃案にすべきであり、審議入りすべきではないと考えます。
 ②しかし、与党が審議入りするという以上、国政上の大争点として、本会議を含めて徹底した審議を行ない、国民の前で堂々と議論し、廃案に追い詰めていくのが私どもの立場です。
 ③民主党が自らの立場の変更の理由を「新しい争点はない。事態は変わっておらず単なる延長だけだ」という説明を行っている点についても、「事態の変化を見ないものであり、国民に何の問題提起をしていくのかという政党の役割を失いかねないものです。ここには、党略的態度があからさまだと考えます」とと意見表明を行いました。
 アフガンのハリリ副大統領が反政府勢力の指導者に対して、和解の交渉を求めていること、国連事務総長アフガン特別代表が軍事的対応ではテロに勝利できないと報告しています。
 「戦争でテロはなくならないことがはっきりした」「7年間の戦争の結果アフガンがどうなったのか、平和の日本国憲法を持つがどのような貢献をすべきなのかを真剣に議論する必要がある」と答えました。

 BSテレビでは、この不可解な民主党の態度に「異常な歩み寄り」のフリップを出し解説を行うキャスターもいたほどです。

 だいたい、昨年安倍内閣は、テロ特措法の国会通過に自信がなく政権を投げ出したです。
 福田内閣は、国民の「反対」という世論が高まりる中で、国会会期を二回も延長してようやく通過させた代物ではありませんか。
 その間、法の期限切れで、海上自衛隊はインド洋から撤収せざるをえず、民主党自身が「画期的」と称したものです。
 国民の「法案反対」「給油はすべきでない」との世論が底流にあり、福田首相の政権投げ出しのゆきづまりの根本はこの問題と不可分なのです。
 それほど、重要な法案であり、国民の声に従って廃案にすべきものです。
  
 それを、態度を変えるというのは、党略的態度との批判を免れないのは当然ではないでしょうか。
 
 続きを読むに、私どもの「補正予算案への反対討論」(笠井亮議員)を掲載しています。

 二〇〇八年度補正予算・本会議反対討論(十月八日)        日本共産党  笠井 亮

 私は、日本共産党を代表して、二〇〇八年度補正予算三案に反対の討論を行います。
福田内閣が政権を投げ出し、その結果誕生した麻生政権に対して、ただすべき国政の基本問題は山積しております。にもかかわらず、予算委員会をわずか三日間で終わらせ、補正予算案を採決することにつよく抗議するものです。

 いま日本社会は、貧困と格差が拡大し、労働者、高齢者、障害者、農民、中小業者など国民のあらゆる層の暮らしと営業が、深刻な不安と危機にみまわれています。
 自公政権がすすめてきた「構造改革」路線のもとで、「働く貧困層」はいまや一千万人をこえました。社会保障費二千二百億円削減を継続する政策によって、必要な医療や介護が受けられない事態が各地で生まれています。原油・原材料・物価などの異常な高騰に多くの国民があえいでいます。国民の苦しみはかつてなくひろがり、内需が冷え切っているのであります。
 ところが政府には、こうした事態をまねいたことへの反省がまったくありません。
 しかも、世界の金融と経済は、きわめて危機的な事態にあります。
 だからこそ、いま、いっそう必要なことは、一部の輸出大企業の儲けの応援だけを追求し、国民には痛みだけをおしつける政治を根本からただし、内需主導・家計に軸足をおく経済にきりかえることであります。
 本補正予算案は、あくまで従来の経済政策にしがみつき、多少の取り繕いをするものにすぎず、賛成できません。

 いま緊急にもとめられている対策は、第一に、後期高齢者医療制度をただちに廃止し、社会保障の充実をはかることであります。七十五歳以上に年齢を重ねただけで別枠の制度に囲い込む、などという差別医療制度は、世界のどこにもありません。国民の怒りは、まさにこの制度の根本にむけられているのであります。制度の説明や小手先の手直しで納得がえられるものではありません。廃止しかありません。
 第二に、労働者派遣法を一九九九年の原則自由化前に戻し、雇用の安定をはかる対策をとることであります。あいつぐ労働法制の規制緩和によって、多くの労働者が安定した雇用を奪われ、若者は生きる希望を奪われているのであります。偽装請負を告発した労働者が職を奪われるという、理不尽きわまる事態もおこっています。麻生総理は「事実であればきわめて不当」と答弁した以上、ただちに是正すべきであります。その根本にある労働者派遣法の抜本改正はいよいよ急務であります。
 さらに、原油・原材料・物価などの異常な高騰に対して、投機マネーの規制にふみだすべきであります。直撃を受けている中小業者の経営をまもる緊急対策が必要です。また、食の安全を確保し、「安全な食料は日本の大地から」の立場から、農業・漁業の再生にとりくむことを強く求めるものであります。

 道路特定財源の地方「減収」分について言えば、そもそも本年度の総予算審議の際、政府与党が、「暫定税率の廃止」と「道路特定財源の一般財源化」をもとめる広範な世論をふみにじったことによるものであります。しかも、政府はその後、五月に「一般財源化」を閣議決定しております。地方に補てんするとしても、使途を限定しない一般財源として交付すべきであり、道路特定財源に固執することは認められません。

 以上で私の反対討論を終わります。

 

| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2008/10/09

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