こくたが駆く

「道路特定財源は一般財源化を」 本会議で総理に質問

Yos_6613  21日の本会議で、道路財源特例法改正案の趣旨説明が行われた。 私は、 日本共産党を代表して総理に質問した。

「道路特定財源は、一般財源化して、道路にも環境にも福祉にも使えるようにすればいい。なぜ道路だけを特別扱いするのか」とただした。

 

今後の道路整備計画も問題だ。中心は高速道路のネットワークづくりだ、 小泉総理が「白紙」といった計画もいつの間にか復活させ、「紀伊淡路連絡道路」「東京湾口道路」など6本の長大橋まで作ろうとしている。 「いったいどこまで高速道路をつくり続けるつもりか、 その財源を保障するために、 道路特定財源が必要であり、暫定税率の維持が必要だということではないか、無謀な高速道路・ 大型道路の建設がやめられないのは、まさに道路特定財源があるからだ」と追及した。

 

一方で、切実な生活道路の整備は取り残されている。

「生活道路整備費の大半は、地方自治体の一般財源でまかなわれている。地方自治体にとっては、 道路特定財源を一般財源化してこそ、 自治体自らの判断で、住民のために、切実な生活道路の整備にも使うことができる。特定財源のもとで自動的に高速道路ができていく仕組みを根本的にあらため、 その全額を道路にも福祉や医療にもつかえる一般財源化に、いまこそ踏み出すべき」と主張した。

「道路財源特例法改正案」本会議質問

日本共産党 穀田恵二

 

私は、日本共産党を代表して「道路財源特例法改正案」 について質問します。

 

福田総理は、 今回の法案について「一般財源にできることを私の内閣で初めて法律化した」ものだとのべました。総理は何をもって「一般財源化」 と言うのでしょうか。

法案第三条、ガソリン税は、 「道路財源に充てなければならない」という本則はいっさい変わっていません。その年の道路整備の事業費を上回る分があれば、 一般財源に充ててもよい、と言うにすぎません。これは、来年度予算でいえばわずか六%です。しかも、その使途は、 道路に関係する経費に限られているのであります。そのうえ、一般財源に充てた分は、翌年の道路整備費に戻さなければならないのであります。

これのどこが一般財源化ですか。 まったくのごまかしではありませんか。「一般財源化」を偽装する法案といわざるを得ません。総理の答弁を求めます。

 

道路特定財源は、 一般財源化して、道路にも環境にも福祉にも使えるようにすればいい。なぜ道路だけを特別扱いするのか。 特定財源として自動的に道路ができていくという仕組みをなぜ変えないのか― ―多くの国民の率直な疑問です。

ところが、総理は、 「道路の受益者である自動車ユーザーの理解が必要」だと繰り返しています。「理解」を得なければならない「自動車ユーザー」とは、 いったい誰のことですか。

わずか一年ちょっと前、 安倍内閣のとき、いまや八割の世帯が自動車を保有しており、ガソリン税の「納税者」は国民の全体だとして、「一般財源化すること」 を政府の基本方針と決定しています。総理はなぜ「自動車ユーザーの理解」を未だに強調するのですか。 ガソリン税の納税者が国民全体におよぶと認めないのですか、答弁を求めます。

 

もともと本特例法は、 一九五三年に 「道路財源臨時措置法」として制定され、以来、三年、 五年の臨時、暫定措置をずるずる積み重ね今日に至ったものであります。このことをまったく反省せず、今回の法案は、こともあろうに、 今後一〇年間にわたって、道路財源の絶対量を確保しようとするものであります。人口減少や資源の枯渇、地球温暖化など経済・ 社会情勢がいかに変化しようとも、道路財源だけは、聖域として確保する、これは、経済政策としても全く道理がありません。答弁を求めます。

 

次に、総額五九兆円の 「中期計画」をはじめとする道路の整備計画についてお聞きします。

この計画の中心は、 高速道路のネットワークづくりであります。

第一の問題は、バブル経済の真っただ中に、「右肩上がり」を前提に策定された高規格幹線道路一万四千キロの計画が、 いつの間にか復活していることです。二年前、小泉総理は、整備区間の九三四二キロを超える部分については「白紙」だと明言したのに、 なぜ復活したのですか。総理は、 一万四千キロをすべてつくるという考えですか。 明確にお答ください。

 

第二の問題は、 高速道路は一万四千キロに留まらないということです。 一万四千キロを補完する 「地域高規格道路」があります。一八六の計画路線、 約七千キロ、さらに、一一〇の「候補路線」が九〇年代に建設大臣によって指定されているのであります。これには「紀伊淡路連絡道路」 「東京湾口道路」など六本の長大橋道路の計画まで含まれています。すべて合わせれば、実に二万キロを超えます。 一般国道の総延長五万キロの四割にもおよぶ高速道路網をつくることになるのであります。

政府は、高速道路をネットワークでつなぐことが重要だといいますが、いったいどこまで高速道路をつくり続けるつもりですか。

その財源を保障するために、道路特定財源が必要であり、暫定税率の維持が必要だということではありませんか。はっきりとお答えください。

こういった無謀な高速道路・大型道路の建設がやめられないのは、まさに道路特定財源があるからであります。

 

第三の問題は、この三月に閣議決定しようとしている「国土形成計画」の全国計画に、 こうした高速道路ネットワークを位置づけようとしていることであります。これは何故ですか。今後の日本の国土計画づくりの中心に、 高速道路建設をすえることは、反省を迫られた過去の全総計画による開発中心の政策を、 これまでと同じように続けることになるのではありませんか。

過去の開発構想をそのまま推進することはやめるべきであります。

 

最後に、生活道路の整備についてお聞きします。

住民にとっていま必要なのは、身近な生活道路の整備や維持・補修です。ところが、地方自治体の財政不足で、 生活道路の整備もままならない深刻な事態がひろがっています。

その原因は、国直轄事業負担金など高速道路中心の道路整備によって、地方は借金を押し付けられ、 切実な生活道路の予算を削減せざるをえなくなっているからではありませんか。

政府は、道路特定財源がなくなれば、通学路の整備や踏切の改善ができなくなると言います。しかし、これまで道路特定財源がありながら、 生活道路予算が削られている現実を、どう説明するのですか。

生活道路整備費の大半は、地方自治体の一般財源でまかなわれてきたものです。地方自治体にとっては、 道路特定財源を一般財源化してこそ、 自治体自らの判断で、住民のために、切実な生活道路の整備にも使うことができるのであります。

特定財源のもとで自動的に高速道路ができていく仕組みを根本的にあらため、 その全額を道路にも福祉や医療にもつかえる一般財源化に、いまこそ踏み出すべきであります。

以上、総理の答弁を求め、私の質問を終わります。

 

| コメント (2) | トラックバック (0) | Update: 2008/02/22

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コメント

道路特定財源によって、地方は地域経営という地方自治の柱を失ったと考えるのは私だけ?「地方自治に地域経営のスキルが求められている」地産地消の講演会で大学教授(農業経営学科)が力説したが、私にはなんか物足りなかった。江戸時代でも幕府に与えられた石高(米の生産力)以外にも、地域の特徴を生かした産業や特産物等の換金作物の奨励などを行って地域財政を豊かにしてきた。昭和の高度成長期以後、道路特定財源などに頼った公共事業を国が率先して行ってきたため、特色の無い地方が多くなってしまったのではないだろか?新幹線や高速道路は結局、人と金を都会に吸い寄せるバキュームパイプだと思うのは私だけ?

 市川さん。おっしゃる通りではないでしょうか?
いま地方自治体は財政難であえいでいます。国交省などは「地方自治体はこぞって、道路特定財源の維持を望んでいる」声高に叫びますが、本当でしょうか?
 高速道路を造り続ける財源が必要なのか、カネに色目はないわけで、財源が必要なのか?
 よく吟味することが求められますよね。
 もともと、地方交付税をバッサリ削ったことに国の責任があるのです。良く見ると、生活道路の維持・補修の予算が減りっぱなしの事実が浮かび上がってきます。
 京都などはその例で、高速道路の費用は何倍もつぎ込むが、歩道の補修の費用は6年前の6分の一という実態です。
 このような問題をしっかり掘り下げて議論したいものです。 

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