こくたが駆く

「国民の声が届く選挙制度の実現を求める」院内集会で情勢報告

   30日、憲法会議、自由法曹団、農民連、新婦人、民青など11団体は、「小選挙区制はやっぱり廃止!!国民の声が届く選挙制度の実現を!比例定数削減反対!」1・30集会を開催しました。
   自由法曹団の田中隆弁護士が講師として、ミニ学習会も行われました。P1301721

   私は、日本共産党を代表して国会情勢報告を行いました。(大要を≪続きを読む≫欄に掲載しました)

   憲法会議平井正事務局長の行動提起を受けて、恒例の国会議員要請行動が行われました。

 

小選挙区制の誤りが明白に、「民意を反映する選挙制 度」実現へたたかいを

   こんにちは。「小選挙区制がまちがっている」「国民の声、民意を正しく反映する選挙制度を」というたたかいをすすめてこられた皆さんが、新しい国会になって、院内集会を開かれたことに、まず敬意を表したいと思います。

「自民党が積極的に支持されたわけではない」

   選挙制度をめぐる状況を報告します。P1301728

   今度の総選挙をどうみるか。現行の選挙制度の誤りというか歪みが、これほど明々白々になった事態はないと思います。4割台の得票で8割の議席を占める、まさに「虚構の多数」ということが言えます。今日の本会議で、自民党を代表して質問した高村正彦氏(副総裁)は「自民党の積極的な支持によってもたらされたものではない」と述べました。自民党自身が、議席増は積極的支持によるものではないと認めているのです。

   選挙後の世論調査をみると、自民党に投票した理由として「政策がよかったから」とか「政策を支持」という方は、たった7%にすぎません。何も私が強がりを言ってるわけではなく、客観的な問題として、自民党の294議席のうち237議席という圧倒的多数が小選挙区でとった議席です。過去の選挙と比較しますと、比例代表では、自民党の得票は今回1662万。前回(09年)、惨敗といわれた時でも1881万票とっていますから、約200万票減っています。比例代表の議席は、今回は57議席、前回55議席です。いずれの選挙も180議席の比例代表のうち3分の1もとっていない。3分の1の支持もないという事実をとらえておきたいと思います。

◆「現行選挙制度に問題あり」が世論の7割

   そういう中で、時事通信の世論調査(1月)では、「現行選挙制度の見直し」という方が68%を占めています。「いまの選挙制度に問題あり」「現行選挙制度を変える必要がある」という方が約7割いるということです。さらに、中央のメディアも地方のメディアも、「いまの選挙制度でほんとうにいいんだろうか」という論評や社説を出すという変化がおきています。

   各党も現行選挙制度の問題点を投げかけざるを得ない事態がうまれています。例えば、自民党の石破茂幹事長は「ものすごく民意が振れた」と言い「選挙制度はこれでいいのかという議論はやっていかなければならない」と述べています。みんなの党の渡辺喜美代表も「選挙制度に相当問題がある」と発言。新党改革の舛添要一代表も「2割ぐらいの政党支持率で議席をここまでとる選挙制度がいいのだろうか」と言っているのです。

   ですから今、「選挙制度に問題あり」という世論を大きくかたちづくり、それを前に進ませる、そういう客観的条件がある、このことをしっかり見るべきだと思います。

   いまこそ、みなさんの出番です。「民意の反映する選挙制度をつくろう」という声を大きくひろげていこうではありませんか。

   その際に、選挙とは、国民の代表を選ぶものなんだという点が大事です。昨年、衆院倫選特の参考人として陳述された五十嵐仁・法政大学大原社会問題研究所教授は「選挙で選ばれた人たちが、政権を構成する。それは、当たり前であって、人為的に選挙で民意を集約して、政権交代をもたらすのではいけない。」「選挙で選ばれた代表である国会議員は、議論で合意を築き民意を集約するのが役割」とのべ、そういう段階を経ていくことが議会制民主主義で大事なんだと力説しました。

   同時に私は、「民意を議席数に正確に反映させる制度」ということと合わせて、「政党助成金の廃止」もきちんと言うべきだと思います。政党活動費の8割、9割を税金に依存する実態が政党を堕落させ、劣化させる大きな要因となっているからです。

◆「定数削減」3党合意をどうみるかP1301722

   次に、定数削減の策動についてみますと、昨年11月、野田首相が衆院解散に踏み切る前提として、民主・自民・公明(いま順番はかわっていますけど)の3党国対委員長合意で「定数削減」については、この「通常国会終了までに、結論を得る」となっています。しかしその中に、「選挙制度の抜本的な見直しについて検討を行い」という文言が入っています。この合意の両面を見ておかなければならないと思います。

   昨日(29日)、民主党が政治改革推進本部総会をおこない、「幅広の議論をおこなう」と確認しています。小選挙区制度のもとでの定数削減という枠内ではありますが、比例だけ削減するのか、小選挙区も削減するのかといった議論、あるいは新たな制度の検討をするのか、ということも含め「幅広の議論」をすると民主党も言ってはいる。

   民・自・公3党の合意はありますが、単に定数削減だけを決めるというわけにはいかない。こういう一連の動きを正確に見て、われわれも対処していく必要があると思います。

   同時に、日本維新の会などが、これまでの民主党の比例削減論とは異なる角度から「議員定数の半減」を主張していることにも注意が必要です。しかし、維新にしても、この総選挙の小選挙区でとった議席は14。比例でとったのが40議席。54議席のうち40は比例でとっている。だから「比例定数を削減する」とか「定数削減」という話は、自らの存在を否定するという側面もあって、そう簡単にすすむものではない。みんなの党も300議席への大幅削減を主張していますが、ここも単純に「定数削減」と言っているわけではなくて、抜本改正して全て比例代表にせよというものです。

   このように、これまでの衆議院選挙制度に関する各党協議会での議論の経過や到達点とは、また違った角度からの「削減」の動きがはじまっていることも事実ですが、それぞれ矛盾を内包しており、そう簡単にすすむ話ではありません。

   こうした状況のもとで、やはり選挙制度全般についての議論をしっかりして、「民意の反映する選挙制度を」という正論が、今こそ大事だと思います。議会制民主主義と議員の役割、民意を反映するツールとしての議員はどうあるべきかという、根本の議論をしっかり提起していくことがきわめて重要だと思います。

◆国民要求のたたかいと共同して、運動の発展をP1301729

   最後に、私は、政治の焦点となっている諸問題での民主的勢力のたたかいとしっかり結んで共同のたたかいを行うことを提起したいと思います。

   今日から安倍政権の所信に対する代表質問がはじまりましたが、野党となった民主党は、よって立つ基盤がどこにあるのかハッキリしない、経済問題でも暮らしの問題でも。自民党政権と同じ「成長戦略」と言いますし、質問で新自由主義批判をしたら「お前のとこもそうだったろう」という野次をあびていました。よって立つ立場がしっかりしてないのでは、真正面から対決することができません。

   安倍政権が国民のくらしと平和を破壊する危険な政権であることを明らかにし、真正面から対決して国民運動を展開する必要があると考えています。

   この数年、みなさんと一緒に選挙制度に関わる問題をたたかってきました。たたかいの発展の契機となったのは、民主党が「社会保障・税一体改革大綱」(12年2月)を決めて、「消費税の増税のためには、身を切らなければならない」と言い出したあたりです。消費税反対のたたかいと連動して、民意の反映する選挙制度実現・比例定数削減反対の運動が大きく発展しました。この教訓に学んでいくことが大事だと思います。

   民意を歪めて多数議席を占め、民意に反する政策で暴走するなどは、二重に民意を踏みにじるものです。消費税増税の反対は、この間の世論調査で53%あり、賛成はわずか38%です。原発は「やめる方向で」という方は75%で、「推進」は16%です。民意ははっきりしているわけで、民意を反映しない暴走を許さない世論をつくっていかなければなりません。

   今日も、この院内集会でミニ学習会がおこなわれましたが、たたかいを前進させるうえで大事なのは学習です。われわれもさらに力をつけてたたかいたいと思います。

   調べてみますと、こんどの選挙で衆議院全体で新人議員は184名、38・2%が新人です。ということは、これまで選挙制度をめぐって、みなさんが議員に面会し一人一人説得活動をされてきましたが、そういう説得を受けていない議員が184名もいるということです。ですから(笑)、「よし、やりがいがあるな」ということになりますかね。

   しかも、中選挙区制の話をしても、よくわからない議員が増えています。1993年の総選挙が中選挙区制での最後の選挙です。私はこの93年の中選挙区制で当選しましたが、連続当選で7期以上の議員でないと中選挙区制は体験していないわけです。

   新しい国会の下で、さまざまな情勢の変化をふまえながら、「民意反映の選挙制度実現」への確信をもって、力感あふれるたたかいをさらにすすめていきましょう。これからも、みなさんと一緒にたたかうことを表明し報告をおわります。

 

| コメント (0) | トラックバック (0) | Update: 2013/02/01

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