大震災を教訓に 消防団の安全対策強化を!

2014年05月14日

穀田委員

私は、きょう、まず海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法案について聞きます。

法案は、バラスト水を海上投棄した場合の生態系への影響を問題としたものであって、基本的に賛成できるものであります。

一方、廃棄物の海洋投棄原則禁止を決めたロンドン条約は、許可制が導入されました。その趣旨について環境省に伺いたいと思います。


小林政府参考人

我が国は、廃棄物の海洋投入処分を規制するロンドン条約、またその下にございますロンドン条約議定書に加盟しておりまして、国内においてはこれら条約の内容を海洋汚染防止法で担保しているところでございます。

海洋汚染防止法では、海洋環境の保全の観点から、廃棄物の海洋投入処分などを原則禁止としておりまして、一部の例外的な品目、水底土砂ですとか食品加工の残渣などでございますが、こういうものに限りまして、個別事案ごとに申請内容を審査し、適当と認められた事案に対し環境大臣が海洋投入処分を許可しているという制度でございます。この許可に当たりましても、海洋環境を保全する観点から、排出する海域あるいは排出方法などを制限するというような形で、海洋投入処分については厳しい条件を課しているところでございます。

なお、平成二十三年の東日本大震災の際には、陸上の水産物冷凍庫に保管されておりました水産物が大量に腐敗をしまして処理が困難になる、こういう事態が発生をいたしました。このため、緊急的な措置として、これも海洋汚染防止法に根拠があるわけでございますが、これら腐敗した水産物を投棄できる排出海域または排出方法に係る基準を告示いたしまして、これは二十三年の四月と六月でございますが、個別の許可を要することなく海洋投入処分できるというような措置もしたところでございます。


穀田委員

廃棄物というのは直接申請を受けて個々に許可するということになったということと、もう一点、今私が聞きたかった、三・一一の東日本大震災のときは、今お話がありましたように、緊急的な海洋投入処分に関する告示を発出して、指定された条件のもとでの緊急的な海洋投入を可能としたものであります。

そこで、ホタテの養殖残渣についてです。

ホタテ養殖残渣は、引き揚げた際に養殖かごに付着している微生物などをいうけれども、一旦陸に揚げてしまうと廃棄物の扱いになってしまい、焼却処分をしなければならないことが漁業者の悩みになっています。

陸奥湾では不法投棄で摘発される漁業者も出ており、青森市、むつ市、蓬田村など七市町村、県などがホタテガイ養殖残渣対策協議会を設置して対応を検討しています。陸奥湾を挟む津軽半島、外ケ浜町では、出荷時期に一日当たり約五十トン出る残渣に対して、町の焼却施設では一日二トンしかできない。仮置き場にも困り、周辺住民から悪臭など苦情が来ている。処理費用はトン当たり二万七千円で、販売で得られる収入の半分が取られる状況になっている。

そこで、一昨年十二月二十八日付国交省総合政策局海洋政策課長解釈通知がありますが、このようなホタテ養殖残渣の扱いで、「従来どおり廃棄物に該当しない。」としているのはどういう状況を指すのか、お答えいただきたい。


西脇政府参考人

お答えいたします。

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律におきましては、船舶から海に廃棄物を排出することは原則として禁止されております。

今委員御指摘の通達におきまして、この法律で禁止されている廃棄物の排出に該当しない行為を示しております。「漁ろう活動の際、漁具にかかったゴミ及び漁獲を目的としない水生動植物で漁具にかかったものを当該現場の附近において排出する場合」などがこれに当たると通達しております。

具体的に申し上げれば、漁師の方が漁業をしていて網を引き上げた際に、そこにごみですとか商品にならない魚などがひっかかってしまった場合に、それをその場で海に戻すというような行為を指しておりまして、当該行為はこの法律で禁止されております廃棄物の排出には該当しないということを示した通達でございます。


穀田委員

海洋政策課長が発出した通知はそういうことで、認めている。

そこで、ロンドン条約は、動植物性残渣が処理できるのは五十マイル以遠と限定されています。しかし、一方で、先ほど述べた東日本大震災の緊急投入許可の実例もあります。いただいた資料によりますと、建設汚泥なんかを初めとした許可実績がありますが、これも認めてきた経過があるんですね。だから、養殖残渣を、もともと海にあったものであって、それを海に返すのが一番自然じゃないか、陸に揚げると重大な環境問題になってコストもかかるということだと思うんですね。

今回の法改正は、船のバラスト水を遠洋で投棄すれば生態系を損ねるというもので、先ほど言いましたように、私、賛成しているんですね。ただ、その趣旨からいうと、ホタテガイ残渣問題というのは、海洋から資源を集めてくるという無理なものじゃなくて、湾内という限定的で、しかも期限も最盛期だけという限定的なものであります。したがって、そういう条件を考慮して、先ほど局長ありましたように、とったところですぐほうるというだけじゃなくて、いわば海際の作業でも養殖残渣を海に返すということを認めることができないかということなんですが、いかがですか。水産庁。


西脇政府参考人

後で水産庁の方から補足があると思いますが、いずれにしても、私どもの所管としては、船で発生するものを船から投棄する場合のということでございます。

当然、海洋汚染防止法につきましては、海の環境を守るという目的がございますので、その中で総合的に判断すべきものだというふうに考えております。


宇賀神政府参考人

お答え申し上げます。

陸上で発生した水産加工残渣の海洋投棄につきましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律または海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律に基づきまして、原則禁止されていると認識しておりますけれども、青森県あるいは北海道ホタテ養殖業におきまして発生した貝殻などの残渣の処理が漁業者などの負担となっていることから、水産庁といたしましては、強い水産業づくり交付金を活用いたしまして、残渣を処理する施設などの整備に支援を行っているところでございます。

今後とも、漁業者の御要望を踏まえ、必要な施設の整備に支援を行ってまいりたいと考えております。


穀田委員

総合政策局長からは総合的にとあった。何もかけているわけじゃないですよ。それで、水産庁からは交付金というのがあった。

でも、国交省の施行令にあるように、海上で処理できれば、そのまま投棄しても廃棄物に該当しないとしているわけですよね。そのために、今水産庁からありましたけれども、船に洗浄機を載せて海上でかごを洗い落としている自治体もある。それから、小型の船に載る洗浄機を開発すべく農水省の予算で県内の三つの自治体がモデル的に始めている、こういう努力をしているわけですね。

それはそれでいいんだけれども、根本的考え方として、船で発生するものは船で捨てて構へんということなわけだから、そこは、自然の環境に逆らわない、季節も、エリアも陸奥湾内というような限定的であるという条件のもとで、海岸付近の作業でもよしと読みかえることが私は必要なんじゃないかというふうに思っているんですね。

だから、海岸では、微生物を処理し過ぎてプランクトンが減り、栄養状態が悪くなり魚もなくなったと漁協の組合長も嘆いている事態でありますし、私は、海上投棄こそは実は自然と環境に優しい解決策だということで、今後もそういう問題について解釈を読みかえるということを要求していきたいと思っています。

次に、ちょっと話をかえまして、今度は海岸法について聞きます。

東日本大震災において、水門、陸閘等の閉鎖に従事した消防団員等が数多く犠牲になりました。これを踏まえて、改正項目に反映されることになったわけですよね。

そこで、操作にかかわる方々の安全対策について質問をします。

東日本大震災においては、消防団員、何と二百五十四名が死亡、行方不明、改めて弔慰を表したいと思うんです。この中に水門、陸閘の閉鎖作業を行っていた方が含まれていて、現場作業の安全が極めて大事だ、そういう体制づくりが求められている、そして閉鎖の確実性を向上させる効果的管理運用体制の実現が必要だということが、今の対策の根本であるなということで間違いありませんね。簡単に。


山縣政府参考人

お答えいたします。

委員御指摘のとおり、今回の震災を踏まえまして、しっかりとした操作を消防団員の方も犠牲を伴うことなくできるような、そんな体制をつくっていこうというのがこの法律の趣旨でございます。


穀田委員

そこで、大震災を受けて、消防庁は、東日本大震災を踏まえた大規模災害時における消防団のあり方等に関する検討会を設置しています。

その中で、津波災害時の消防団員の安全確保対策を中心とした中間報告が出ていまして、それを受けて対応を通知しています。二〇一二年の「津波災害時の消防団員の安全確保対策について」という通知ですが、この中心ポイントは何か、消防庁、簡潔にお答えください。


室田政府参考人

委員御指摘の通知におきましては、同日に提出されました東日本大震災を踏まえた大規模災害時におけます消防団活動のあり方に関する検討会の中間報告書の周知をしたところでございます。

この中間報告におきましては、指揮命令系統に基づく消防団員への情報伝達体制の確保、安全靴やライフジャケット等の消防団の安全装備の充実、安全管理に関する訓練の充実、水門の統廃合や半開化、遠隔操作化、自動化等の推進による水門等の閉鎖活動の最小化等について推進するよう求められたところでございます。

また、あわせまして、同通知では、津波到達予測時刻等に基づきます活動可能時間の設定による退避ルールの設定等につきまして定めた津波災害時の安全管理マニュアルを策定するように要請したところでございます。


穀田委員

マニュアルの作成を推進するとしてきたということね、最後。

では、マニュアルの作成の現状はどうなっているか。

消防庁防災課の津波災害時の消防団活動・安全管理マニュアル策定状況についてによりますと、海岸を有する市町村及び津波の遡上による被害が想定されている市町村六百五十八のうち、昨年の四月一日段階では、策定済みは百五十四、二三・四%にすぎない。

着手済みとした二百五十七町村、これはどうなっているか、その現実を端的にちょっと言ってくれへん。


室田政府参考人

現在、二十六年四月一日現在の策定状況について調査をいたしまして、今集計中でございますけれども、現時点で、委員御指摘の策定済みの市町村は、昨年の段階で二三・四%でございますが、約二割ぐらい割合がふえるのではないかというふうに考えております。


穀田委員

だから、都合でいうと四割だということですわな、どう考えたかて。二三%プラス二割やねんから、四割ということになる。

結局、作成は半分もいっていないということなんですね。だから、結局、極めておくれているということについてどないするのか。一言。


室田政府参考人

今、策定済みのところを申し上げましたけれども、検討に着手済みを合わせますと、約八割の自治体が策定済みないし検討に着手済みとなっておるところでございます。

引き続き、この未策定団体に対しまして早急な策定を強く働きかけてまいりたいと存じます。


穀田委員

着手済みというのは、それは、去年着手してことしまでにつくりますとか来年までにつくりますというものなんですよ。だから、そういうテンポでは間に合わへんから、きちっとしなさいという指導をすべきだということを言っているんですよ。

では、マニュアルの中身はどうか。作成状況のときのは、今言ったように、内容問題ですよね。消防庁はマニュアルにどういう内容を書き込むべきだと考えているか。これも端的にお答えください。


室田政府参考人

津波災害時の消防団活動・安全管理マニュアルにおきましては、消防団員はみずからの命を守ることを最優先とするという考え方に基づきまして、一つは、津波到達予想時刻等に基づきます活動可能時間の設定による退避ルールの確立、二つ目が、指揮本部から隊長、あるいは隊長から団員という指揮命令系統の確立、三つ目が、指揮者のもとで複数人で活動すること、特に水門閉鎖につきましては、一人で複数の水門を担当するのではなく、原則一隊二名以上で一つの水門を担当すること、そして四つ目に、住民に率先避難してもらうとともに、消防団員も一緒に避難することについて住民の理解を得ること等を盛り込むよう働きかけているところでございます。


穀田委員

今あったところでいうと、単に水門のところだけ複数というんじゃなくて、私、消防団の方に東日本大震災の関係で状況を聞きますと、やはり一人で動いていたのではほんまどうしようもないと言っていましたわ。だから、単に水門を閉めるときに複数というんじゃなくて、行動自体が複数じゃなきゃならぬということを口々に言っていますよね。そこははっきりせなあかんと私は思います。

そこで、調べたら、財団法人岩手県消防協会は、その活動指針を出していまして、特に関係者からヒアリングを行って、過去の災害の分析等に加え、指針としたということを書いています。それがこれなんですけれども、こういう、協会としてまとめて出していました。

そこの中では、今お話あったように、消防団員においても退避することが基本だ、それから原則として退避を優先する必要があるということを記述していまして、マニュアル策定に当たり考慮すべき事項として、消防団任務と安全の確保と書いた上で、三番目、マニュアルに盛り込むことが適当な事項として、消防団の任務、消防団の任務は住民の命や財産を災害から守ることであるとともに、その活動にあっては消防団員の安全を何よりも最優先として行わなければならないことを規定すると。

こういう内容に大体各マニュアルはなっていますか。


室田政府参考人

我々も消防団員の方々には、自分を守れないと人も守れないんだ、命も守れないんだということは常々申し上げておりますし、そのような形でマニュアルを策定していただくよう、さまざまな形で働きかけをしているところでございます。


穀田委員

私、そのマニュアルをいろいろ見ましたけれども、確かに活動可能時間の設定というのは結構書いているんですね。だけれども、今言った理念、考え方をずばっと書いているかどうかという問題が私は大事だと思うんですね。やはり安全が最優先だということを書き込む指導をちゃんとしていただきたいと思っています。今後また、次までに検証したいと思います。

次に、水門、陸閘等の整備と管理について聞きます。

水管理・国土保全局それから港湾局、そして農水省などが事務局を務めて、水門・陸閘等の効果的な管理運用検討委員会が設置されました。この検討委員会による整備・管理のあり方提言を受けてどのように具体化が進んでいるかという問題ですね。水門、陸閘等の現場作業を担っている近隣民間企業、自治会、町内会、漁協、個人への安全最優先の徹底はどうかということについてお聞きします。


山縣政府参考人

先生御指摘のように、今回、四省庁、農水省、国交省が一緒になりまして、ガイドラインについてのいろいろな検討をしてまいりました。その中で、水門、陸閘については地方自治体が管理しているケースもございますし、それを委託して民間の方にお願いしているケースもございます。いろいろなケースがございますので、いろいろな形の場合でもきちっと安全を前提に操作ができるような、そういう取り組みをどうやったらできるのかという検討をこの中でし、そしてガイドラインをまとめ、これを周知していくということを今やっているところでございます。

以上です。


穀田委員

なぜこんなことを言っているかというと、水門、陸閘等の現場操作員、操作というのは、この間の東日本大震災のときには多くの方々が、多くのところで実際には消防団がやっています。ただ、そういう現場操作、作業をする関係に占める消防団の割合は一三%なんですね。ですから私は、今言った、担っている人たちに対する安全の徹底はどうかということを気にしている。

これが実は、「閉める手引き」ということで、今言った四省庁が出しているパンフレットなんですね。これは、お聞きすると、きのうの段階で聞くと、二万部刷っているということなんだそうです。これに基づいて徹底を図るということにしているということをお聞きしました。

それは、いずれにしても私は大事だなと思っているんです。

そこで、もう一つは、閉めるときに、閉める操作をやっている方々に安全の問題を徹底すると同時に、私は、消防団や操作の担い手の安全最優先という考え方について、住民の理解が決定的だと思っているんです。住民への周知徹底はどのように行われているのか、御回答ください。


野上副大臣

先生御指摘のとおり、水門、陸閘等の現場操作者の安全に配慮した退避ルールの作成に当たりましては、状況によっては近隣地域にも影響が及ぶ可能性があるため、住民の理解を十分に得るということが極めて重要であるというふうに思っております。

実際に、岩手県宮古市の消防団では、東日本大震災以前に、地震発生後の活動時間を十五分といたしまして、その後は避難をするということにつきまして地域住民に対して粘り強く説明をして、地域の理解を得ていました。その結果、東日本大震災においては、退避ルールに従って消防団が退避をして、消防団から一人の犠牲者を出すことなく活動することができたということであります。

改正案におきましては、水門、陸閘等の操作規則を定めるに当たって、海岸管理者は避難対策を担う関係市町村の意見を聞かなければならないことといたしております。また、具体的な運用に当たりましては、例えば海岸管理者が市町村とタイアップして地域住民に説明会を開催するなど、地域住民への理解を十分に得るように、海岸管理者への働きかけを行ってまいりたいというふうに思っています。


穀田委員

先ほど述べたパンフレットでは、岩手県の消防協会がやっているパンフレットでも、消防団の退避ルールについて、地域住民に十分周知し、理解を得ておくことも必要だと書いてあります。

また、消防庁の安全管理マニュアルも見ましたし、先ほど消防庁の防災部長が重点的な内容の四つ目に言っていましたけれども、事前に住民に説明し、理解を得ておくということがこれはとても大事なんですね。

現場に聞きますと、結局、逃げるときに、避難するときに、どうしても、危ないから一緒に逃げましょうと言うんだけれども、応じてくれないわけですよね。そういう人がいるわけですやんか。

ですから、そういう方々が、やはり消防団の方々が逃げようと言っているときには逃げなくちゃならぬ。しかも、そういう方々が逃げるというのは当たり前なんだという理解がなければまたこういうこともうまくいかないわけですね。そういうことを私は言っておきたい。

そこで、もう一つ。今述べたこの冊子では、活動の基本や考え方などは内陸部における地震災害や水災害などにも共通している部分が多く、これらの災害時における活動指針としても参考になるものと考えている、こう指摘しています。私も同意見です。何か手だてを打っていますか。


室田政府参考人

消防団員の内陸部におけます河川氾濫などの津波以外の災害対応につきましては、消防庁におきまして、危機管理上の判断基準である安全管理の指針を示しまして、これに基づきまして市町村がマニュアルを定めるよう要請しているところでございます。

この指針におきましては、例えば、河川氾濫を含む風水害への対応では、部長など現場の指揮者が災害現場の状況を的確に把握し、安全確保措置を決定すること。二次災害防止のために監視員を適宜配置すること。隊員の単独行動を行わせないこと。活動が長期にわたるときは、疲労による事故を防ぐため、随時隊員を交代させること。指揮者は、避難方法や合図を事前に徹底させることなどを定めているところでございます。


穀田委員

東日本大震災を受けて消防団の安全管理の問題について出しているわけですよ。

今言っているのは、前からあるのと違うのかと。つまり、今回の東日本大震災の被害を受けて直すわけだから、そういう徹底をするわけだから、そういう内容として再度徹底をこの点もしているのかということを聞いているんですよ。


室田政府参考人

先ほど申し上げました安全管理の指針につきましては、大震災発災後に、再度徹底を図るべく、会議等で、あらゆる機会を捉えてお話をさせていただいていると同時に、そのほか、マニュアルだけではなくて、例えば消防団の装備につきまして、安全の確保を図るため、トランシーバーあるいはライフジャケット、安全靴などを充実するため、本年二月に装備基準を改正いたしまして、あわせて、地方交付税措置を大幅に引き上げております。

また、安全管理にはやはり現場の指揮者の判断というのが非常に大事でございますので、本年三月に、消防学校の教育訓練の基準の見直しを行いまして、分団長や部長等を対象に、現場におけます安全管理に関する実践的な訓練の充実というものを図っているところでございます。


穀田委員

何でこんなことを私が言っているかというと、さっき、消防団じゃない人たちもやっているという話をしましたやんか。

これは現に、京都の由良川では、河川事務所管理以外の水門の開閉は市からの委託を受けた民間人が操作しているんですね。水門は全て手動です。警報が発令されると、三十分ごとに水位を調べ報告し、水位が残り二メートルになった時点で閉鎖する。由良川の水位が下がってくれば、今度は内水を出すために水門をあけなければならない。現実には、閉鎖することはできてもあけることはなかなか困難なんですね。

二〇一三年九月の十八号台風の際に、閉鎖に行き、その後あけなければならないので堤防の監視を続けていた、ところが、氾濫し、内水も水位が上がってきて、結局、国交省のモーターボートに救助ということがやられた、こういう報告があるんです。だから、このように、人の生き死ににかかわる問題が起きているからこそ言っているわけだということをしっかり見てもらわなあかんでと言うておきます。

最後に、私、提言では統廃合や常時閉鎖、背後地への影響の大きい大規模な水門、陸閘の自動化、遠隔操作化が不可欠としています。

全国で二万七千ある水門、陸閘のうち、比較的規模の大きな施設、七千八十七基あるわけです。これはいつまでに自動化する計画ですか。


山縣政府参考人

御指摘のように、まだ大規模な施設が残っているわけですけれども、これにつきましては、できるだけ早く自動化、遠隔化できるように、交付金等の措置等もしながら、また、交付金の中で、こういった運用の計画をつくることを今度新たに、交付金を使って計画づくりについて支援することもできますので、そういった形で、できるだけ早く遠隔化、自動化できるような支援をさせていただきたいと思っております。

以上です。


穀田委員

最後にしますけれども、大臣、聞いてほしいのは、今、できるだけ早くと言っているんだけれども、はっきりしているのは、いつまでにという計画がないということだけははっきりしているということなんですよ。ああいう話をしているけれども、結局いつまでに、あと五年後とか何かという話はないわけなんですね。だから、これが問題だと思うんです。

というのは、この陸閘それから水門の維持管理に関する点検要領の有無で調べてみますと、そういう点検要領がないというのが九割近くなんですね。九割以上なんですよ。だから、下地が非常に弱くなっているという問題を私は提起したい。そういうことをぜひやっていただきたい。

というのは、それでうまくいくかという問題もあるんですね。今度の問題ありますやろ、行きました、これは自動だからほっといた、ところが閉まらなかった、だから行かなくちゃならない、こういう問題もあるわけなんですね。ですから、そういう点も指摘しておきたいということであります。

陸前高田市の消防団の方からは、被災後、防潮堤などのハード面の対策が今なされているわけではない、このときに災害が起こったらどうするかということが問題提起されました。今、災害の記憶が生々しい時期だからこそ、ソフト面の充実をそれぞれの地域ごとにどう対処すべきかを行うべきだということを、私、提言をいただきました。ですから、そういう点を生かしていくべきだということを要望して、終わります。