祇園祭宵山の日(7月16日)だけの「行者餅」

2016年07月16日

今日は、祇園祭宵山。宵山と言えば「行者餅」です。毎年、行者餅を食べて無病息災を祈ります。今年は海外ゆえ、地元スタッフ三浦さんの報告です。

京都市東山区東山安井に「柏家光貞」という和菓子の老舗があります。お店の扁額は「柏家光貞」となっていますが、通常は「柏屋光貞」としているようです。

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他の用例に倣って、以後「柏屋光貞」と表記することにします。

前置きが長くなりましたが、これが「行者餅」です。

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パッケージのふたをよく見ていただくと「「常ハ出ませぬ 毎年七月宵山二限る」と書かれています。

2002年にご当主の中川夕津也さんがこくたブログに一文を寄せてくれています。リンク先を見ていただくと全文が読めますが、

一部を引用します。

『■「行者餅」とは?

行者餅

 「行者餅」とは?
いまから、200年ほど前。京都の町に疫病が流行ったといいます。私はまだ屋号を名乗っていませんでしたネ。柏屋光貞と申します。柏屋の6代前、文化3 年ごろといいますから1806年です。四世利兵衛という先考が、聖護院門跡の山伏として、奈良大峰山で修行をしていましたとき、夜の夢の中に「役(えん) 行者」があらわれて、行者の衣に象(かたど)った菓子をつくって、祇園祭りの山鉾の役行者山に供えて、知人縁者に配れば、そのものは、疫病からまぬがれよ うと、お告げがあったそうです。
1806年より以後、柏屋光貞では、連綿とそのお告げを守り、戦後、幾年かは途絶えましたが、いまも、つくっております。
今年は、6月23日に、工場清掃の祓と製造所安全祈願のお祭りを、聖護院宗務総長の宮城泰年師をお導師にお向かえして、修行させていただきました。
行者餅が、完全に済みましたら、大峰山にお礼参りに登拝する予定でございます。
行者餅をつくっています関係もあり、柏屋光貞では、大峰山修業を欠かせません。先代は、峰中出世大先達という山伏では最高位までもらった人でした。』

 来年からは予約販売を取りやめ当日の販売のみとなるようです。予約で受けることが限界になったとのことでした。予約制をとっている今年でも朝8時半でこんな行列でした。来年はもっと早く並ばなければいけません。

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