「岸田内閣不信任決議案」//宮本岳志議員が賛成討論。『動画』

2023年12月14日

13日の衆議院本会議で、岸田内閣の不信任決議が上程されました。
日本共産党からは、宮本岳志衆院議員が賛成討論を行いました。
日本共産党、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組、社民党、有志の会が、岸田内閣不信任案に賛成しましたが、
自民党、公明党の反対で否決されました。

 

 

 

以下は、宮本岳志議員の「岸田内閣不信任決議案」賛成討論の全文です。

私は日本共産党を代表して、岸田内閣不信任決議案に賛成の討論を行います。

岸田内閣が誕生して2年2か月、いまや内閣支持率は軒並み2割に落ち込み、内閣は完全に国民の信を失いました。それは岸田政権には、日本政治の舵取りをする資格も、能力もないことがまざまざと示された結果に、ほかなりません。そのような政権を、とうてい信任できないことは、当然のことであります。以下、不信任の理由を申し述べます。

岸田内閣不信任決議案に賛成する理由の第一は、物価高騰のもとで、岸田内閣が全くの「経済無策」だからであります。

首相は日本経済停滞の原因は、30年来の「コストカット型経済」だ、そこからの「脱却」が必要だと述べました。しかし、その原因の責任は、そもそも歴代の自民党政治だという自覚をまったく欠いています。自覚していないから、中身のない経済対策しか示せず、日本を世界に類を見ない「賃金が上がらない国」にしてしまいました。
首相は、内閣の支持率が下がり続ける危機感から、一時的な所得税減税を言い出しました。しかし、一方で43兆円の大軍拡と大増税を決めながら、わずか1度きりの「減税」などで、国民が騙されるわけがないのです。

物価高の中で、一時的な所得税減税よりも、消費税減税が、一番効果があるのは明らかです。世論調査でも57%の国民が消費税減税を求めるという結果が出ています。
わが党は、一貫して消費税廃止、減税を求めてきました。今国会でも、本会議や予算委員会で連続して求めてきましたが、首相は消費税減税を「考えていない」というばかりか、「効果についての検討さえしていない」と答弁しました。

岸田政権には、ゆきづまった経済政策をただすことができないばかりか、逆に暮らしを支え、格差をただすことに逆行する政策さえ進めています。
社会保障では、診療報酬のマイナス改定で医療現場を疲弊させ、介護分野では利用料の2割負担対象の拡大をしようとしています。
大学授業料の無償化を多子世帯に拡大するなど、少子化対策を行うと言いますが、その財源は公的医療保険料への1兆円の上乗せ徴収や、1・1兆円の社会保障の歳出削減などによって確保するとしています。
大企業・富裕層優遇の不公平税制や、大軍拡、大型開発の無駄にメスを入れず、「少子化対策」の追加財源を、社会保障の削減で捻出するなど本末転倒です。

国民生活破壊の岸田内閣は、断じて信任できません。

岸田内閣を信任できない第二の理由は、異常な「アメリカいいなり」政治を推し進めているからです。

米国いいなりに開始された敵基地攻撃能力保有と大軍拡は、憲法との矛盾、平和との矛盾、国民生活との矛盾をますます深めています。沖縄県民の意思を無視して破綻が明白な辺野古新基地建設を進めることは断じて許されません。
オスプレイ墜落事故への岸田政権の対応は、「これが独立国といえるのか」というべき恥ずべきものでした。米国に「飛行停止」を要請せず、米軍が「機体そのものに問題があった」として全世界で運用停止をするまで、1週間にわたってオスプレイの飛行が続くという異常な事態が起こりました。米軍と自衛隊のオスプレイの全面撤去しかありません。
ガザでの深刻な人道危機を前にしても、岸田政権は、イスラエルの大規模攻撃の中止を求めず、「即時停戦」を求めない、アメリカの顔色をうかがう情けない態度をとってきました。

11月にニューヨークで開催された核兵器禁止条約第2回締約国会議に、岸田政権はオブザーバー参加すらせず、背を向けました。
異常な「アメリカいいなり」を「異常」とも感じない岸田政権に、日本の進路を任せるわけにはいきません。

岸田内閣不信任決議案に賛成する第三の理由は、底知れぬ「腐敗政治」であります。

「しんぶん赤旗」のスクープに端を発した、自民党の主要五派閥のパーティー券・裏金疑惑は、この間政界を揺るがす大問題となってきました。岸田首相は、「安倍派切り」で乗り切ろうとしていますが、裏金疑惑は決して安倍派だけの問題ではありません。「しんぶん赤旗」日曜版が報じたように、麻生派でも「派閥幹部が茶封筒に札束を入れて渡していた」などの深刻な裏金疑惑が明らかになり、岸田派も、数千万円のパーティー収入の不記載が報じられています。
まさに自民党全体を覆う疑惑であり、まず何よりも「裏金の全貌」――誰が、裏金をいくら得て、何に使ったか、歴代派閥事務総長など全ての関係者の証人喚問を行い、洗いざらい明らかにすることが求められています。

今回の事態は「政治改革」30年のウソとごまかしが露呈したものです。かつて、リクルート事件など、金権・腐敗事件があいついだ時、「政治改革」と称して、企業・団体献金をなくすという口実で政党助成金が導入されました。
ところが、企業・団体献金は政治家個人に対するものだけは禁止しましたが、政党本部と政党支部への企業・団体献金を容認し、企業・団体による政治資金パーティー券購入を認めるという二つの大穴をあけたのであります。
金の力で政治をゆがめる、企業・団体献金は、パーティー券購入を含め、全て禁止すべきです。企業・団体献金にどっぷりつかり、国民のくらしそっちのけで、大企業・財界奉仕の政治を続け、疑惑解明に背を向ける岸田内閣は信任できません。

統一協会と自民党の癒着問題では、岸田首相自身が政調会長の時に国際勝共連合・統一協会の代表と面会していた事実が明らかになりました。首相自らが統一協会の広告塔に使われていたことは極めて重大です。にもかかわらず、そのことへの反省は微塵もありません。統一協会との癒着を断ち切ることができない岸田内閣に、被害者の救済を託すことは、決してできません。

岸田首相は「人の話を聴く力」などと言ってきました。しかし、今日、我々の前にあるのは、国民の声を一切聞かず、国民の暮らしに背を向けて暴走を続ける岸田政権の姿です。大学の自治破壊に反対する広範な大学関係者の声も聞かずに国立大学法人法改悪を強行し、国民と医療機関から連日寄せられる「保険証をなくさないで」の声を踏みにじり、日増しに高まる「巨大な無駄遣いになりかねない大阪・関西万博の中止を」との国民の声にも耳をふさぎ、ただただ暴走する。

そのような政権に一刻も日本の政治の舵取りを任せることはできません。自民党政治を終わらせる国民的大運動を起こし、国民が希望をもって暮らせる新しい日本をつくる決意を表明し、私の賛成討論といたします。