入管法改悪法案を参院で廃案へ。本村議員が衆院での反対討論。

2023年05月10日

9日、またもや悪法の採決が強行されました。
日本に暮らす移民・難民の命を危険にさらす「入管法改悪案」が、衆院本会議で自民、公明、維新、国民民主の採決強行により可決されました。断じて許されません。

この日、日本共産党、立憲民主党、社民党、れいわ新選組の議員が、有楽町イトシア前で法案の廃案を求め緊急街頭集会を開きました。

衆院本会議では、日本共産党代表して、本村伸子衆議院議員が反対討論を行いました。

 

 

以下、本村議員が行った、反対討論です。

 

 

私は、日本共産党を代表して、入管法改悪法案に反対の討論を行います。

本法案によって人生を絶望し、壮絶な不安を抱える方々の悲鳴のような声を聞くべきです。ある当事者は、もし送還されるなら、その場で自ら命を絶つと語りました。なぜそこまで追い詰めるのですか。
当事者、家族、弁護士、支援者の参考人質疑も行わず、採決を強行することは、人権無視であり、国会の責任放棄にほかなりません。命、人権は、そんな軽いものであっていいはずがありません。

そもそも、難民認定がほかの先進諸国と比べても非常に狭く、何回難民認定申請をしても難民と認められません。参考人から、出身国情報を把握する能力が弱いことも指摘されました。それにもかかわらず、難民認定申請中でも送還が可能というのは余りにも理不尽です。

参考人から、難民の追放、送還は、場合によっては死刑の執行と同じ効力を持つと述べられましたが、生命や自由が脅かされるおそれがある国への追放、送還を禁じた難民条約、ノン・ルフールマン原則に関わる特別な審査体制もないではありませんか。難民認定の専門性のある第三者機関をつくることこそ最優先にするべきです。

本法案は、ウィシュマさんを死ぬまで追い詰めた、命と尊厳を軽視してきた入管行政を抜本的に改めるものになっていません。
一部公開されたウィシュマさんの映像記録は、報告書が真実を隠蔽していることを明らかにしました。全ての映像記録と資料を国会に提出し、死因始め真相究明をすることは、入管の権限を強める法案審議の大前提です。

法案は、監理措置が適用されない限り常に収容が優先する原則収容主義が維持されており、収容に当たっての司法審査もなく、収容期間の上限もありません。
国連人権理事会特別報告者などからの、この法案は国際人権基準を下回っている、国際人権法に違反する、徹底的に見直しをとの厳しい指摘に真摯に向き合うべきです。

さらに、仮放免や在留資格のない子供を放置し、送還すること、医療を受けさせないことなどは、今でも子どもの権利条約違反です。子供と家族に今すぐ在留特別許可を出すべきです。

政府は、本法案を撤回し、国際人権基準に沿った人権尊重の制度に徹底的に見直すことを強く求め、反対の討論といたします。