「市民連合」発足、戦争法廃止・立憲主義回復に向けての大きなうねり、歓迎します//資料・市民連合の方針

2015年12月22日

グラジオラス

 

20日、私は、奈良市で「戦争法(安保法制)廃止国民連合政府へ 日本共産党の『提案』と懇談のつどい」に講師として訴えていました。

奈良集い写真

 

その際に、「国会で、安保法制に反対する諸団体と5野党との意見交換会開催されている。12月9日の意見交換会で、諸団体が『戦争法廃止「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合』を20日に発足・記者会見を行うと聞いている。ちょうどその内容を発表しているのではないか。意見交換会での発言では、2000万人署名の推進、戦争法の廃止、閣議決定撤回との内容での野党の統一候補の擁立などを含むもので、すばらしい内容だと思う、戦争法廃止、立憲主義回復への大きなうねりとなり、歓迎すべきもの」と発言しました。

そこで、戦争法廃止「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(略称=市民連合)が20日に発表した趣意や理念等々を掲載します。

意見交換会新景

 

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市民連合の趣意・理念・方針
 1.趣意
 去る9月、安倍晋三政権は、集団的自衛権の行使を可能にするため憲法違反の安全保障法制を数の力で成立させた。これは、戦後日本の国民的合意である平和国家、専守防衛の国是を捨て去ろうとする暴挙である。
 他方、安保法制に反対する様々な市民が自発的な運動を繰り広げ、世論に大きな影響を与えたことは、日本の民主政治の歴史上画期的な出来事であった。とはいえ、権力者による憲法の蹂躙(じゅうりん)を食い止めるためには、選挙によって傲慢(ごうまん)な権力者を少数派に転落させる以外にはない。安保法制反対の運動に加わった人々から野党共闘を求める声が上がっているのも当然である。
 しかし、安保法成立後3か月以上が経過しているにもかかわらず、野党共闘の動きは結実していない。来年の参議院選挙で与党がやすやすと多数を維持するなら、多数派による立憲政治の破壊は一層加速し、憲法改正も日程に上るであろう。
 日本の立憲主義と民主主義を守りたいと切望する市民にとって、もはや状況は座視できない。政党間の協議を見守るだけでは、自民党による一強状態を打破することはできない。今何より必要なことは、非自民の中身を具体的に定義し、野党共闘の理念と政策の軸を打ち立てる作業である。安保法制に反対した諸団体および市民が集まり、ここに安保法制廃止と立憲主義の回復を求める市民連合を設立する。
 2.要綱
 【理念】
 立憲主義、民主主義、平和主義の擁護と再生は、誰もが自由で尊厳あるくらしをおくるための前提となるものである。私たち市民連合は、安全保障関連法を廃止、立憲主義を回復し、自由な個人が相互の尊重のうえに持続可能な政治経済社会を構築する政治と政策の実現を志向する。
 【方針】
 1.市民連合は、2000万人署名を共通の基礎とし、
 (1)安全保障関連法の廃止
 (2)立憲主義の回復(集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回を含む)
 (3)個人の尊厳を擁護する政治の実現
 に向けた野党共闘を要求し、これらの課題についての公約を基準に、参議院選における候補者の推薦と支援をおこなう。
 2.市民連合は、参議院選挙における1人区(32選挙区)すべてにおいて、野党が協議・調整によって候補者を1人に絞りこむことを要請する。候補者に関する協議・調整は、選挙区ごとの事情を勘案し、野党とともに必要に応じて市民団体が関与し、その調整によって「無所属」の候補者が擁立される場合も考えられる(無所属候補者は、当選後の議員活動について、市民連合や関与した市民団体との間に一定の協定を締結するものとする)。
 3.市民連合は、個人の尊厳を擁護する政治の実現を目指し、
 (1)格差・貧困の拡大や雇用の不安定化ではなく、公正な分配・再配分や労働条件にもとづく健全で持続可能な経済
 (2)復古的な考えの押しつけを拒み、人権の尊重にもとづいたジェンダー平等や教育の実現
 (3)マスコミや教育現場などにおける言論の自由の擁護
 (4)沖縄の民意をふみにじる辺野古新基地建設の中止
 (5)脱原発と再生可能エネルギーの振興
 などのテーマにおいて政策志向を共有する候補者を重点的に支援していく。
 4.市民連合は、「2000万人戦争法の廃止を求める統一署名」の共同のよびかけ29団体の個人有志、また市民連合の理念と方針に賛同する諸団体有志および個人によって組織し、各地域において野党(無所属)統一候補擁立を目指し活動している市民団体との連携をはかる。