京都の庭を守ったひとたち ~ 森蘊(もりおさむ)と法金剛院

2021年06月13日

 

12 日、京都産業大学ギャラリー「むすびわざ館」で開催中の「京都の庭を守ったひとたち ~ 森蘊(もりおさむ)と法金剛院」に足を運びました。この企画展は7月17日まで開催(日曜、祝日は休館。ただし6 月20日、7月4日は開館)。

 

 

庭園研究家の森氏は、 1952年、47歳で奈良文化財研究所の建造物研究室の室長になり、庭園史研究に没頭。桂離宮や修学院離宮の研究をはじめ、全国の歴史的な庭園の実測に力を注ぎました。

資料によると、森氏の技法は、一般的な庭園測量図と異なり、「地形測量図」には植物が省略されているそうです。庭園の立地環境と水系をあきらかにするため、広範囲にレベル測量を行ない、厳密に等高線を描き、石と建造物とのを相互関係を表現したということで、企画展ではその一部が展示されています。

 

 

また、森氏は、京都では法金剛院や浄瑠璃寺、奈良では旧大乗院や円成寺、平泉では毛越寺や観自在王院などの歴史的な庭園の発掘と整備に尽力。現代の日本庭園史学の基盤を築いた人物です。

現在の文化財修理では当たり前のように実施されていますが、徹底的な文献資料の分析、精密な現地調査と測量図の作成、そして発掘調査の成果を照合した「復原的研究」という方法論は森氏が確立させたものです