14日、外務委員会 「『日英原子力協定改正議定書』承認案に反対」の討論を行いました。

2021年05月16日

 

報告です。14日に行われた外務委員会で「日英原子力協定改正議定書承認案」に対する質疑が行われました。

質問は、日本共産党原発・気候変動・エネルギー問題対策委員会責任者である、笠井亮衆院議員が行いました。

笠井氏は、安倍前総理自身がトップセールスを行い、海外受注2兆円を目標にしてきたが実績はと問いました。経済産業副大臣は「ゼロ円」と述べ、議場は「えーっつ」という声が響きました。

昨年12月に政府が署名した改定議定書に、「技術」の文言が入ったが、「外務省は、『技術』の文言を入れることで、我が国とカザフスタン共和国との間で将来的な原子力ビジネス展開が可能になる」としていた。ここに狙いがあると厳しく批判しました。

笠井氏は、原発輸出にしがみつく政府に「反省のかけらもないのか」と迫り、「世界の流れは再エネ・省エネだ」とエネルギー政策の転換を求めました。

 

私は、日英原子力協定改正議定書(=原子力の平和的利用における協力のための日本政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合国政府との間の協定を改正する議定書)承認案に、反対する立場から討論を行いました。

 

 

写真上と下は、反対討論を行う私。

討論の内容は、下記をご覧ください。

 

 

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ーー記ーー

日英原子力協定改正議定書に対する反対討論

私は、日本共産党を代表して、日英原子力協定改正議定書に反対の立場から討論を行います。

本改正議定書は、英国のEU及び欧州原子力共同体脱退にともない、これまで日英間で実施されてきた原子力の平和利用のための法的枠組みを引き続き確保するための措置にとどまらない重大な問題があります。

本改正議定書によって現行協定に新たに追加される「技術」とは、資材、核物質又は設備の開発、生産又は使用のために必要とされる特定の情報であり、この特定の情報には、技術援助として指導、技能の要請、訓練、実用的な知識の提供及び諮問サービスが含まれています。「技術」が協定の対象になることで、日英相互の原子力関連技術の輸出入がいっそう進められることになります。

政府は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の原子力産業として、小型モジュール炉(SMR)や高温ガス炉の推進を温暖化対策として打ち出しています。これは米国や英国、カナダ等の海外ですでに進んでいる次世代革新炉の開発に、日本の原子力関連企業が参画することへの政府の支援策であり、「グリーン成長」の名の下に、原発を最大限活用するものであります。

第9回日英原子力対話では、小型モジュール炉や高温ガス炉などの共同研究開発が議題となっており、今回新たに追加される「技術」は、こうした日英が共同で次世代革新炉の開発研究を進めるための根拠となり得るものであり、到底認められません。

今年は東京電力福島第1原発事故から10年の節目の年です。原発事故は、ひとたび起これば取り返しのつかない被害と汚染をもたらします。環境問題を原発推進に利用することは許されません。

なお、国際航路標識機関条約は、船舶の安全な運航に不可欠な航路標識分野での、より実効性のある国際基準の策定に資するものであり、また、大西洋まぐろ類保存条約改正議定書は、ICCAT(大西洋まぐろ類保存委員会)がおこなう資源の保存・利用の管理のための活動の向上に資するものであり、いずれも賛成です。

以上を述べ、日英原子力協定改正議定書に対する反対討論とします。

 

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採決:日英原子力協定改正議定書採決(反対)

 

 

採決:大西洋のまぐろ類の保存のための国際条約を改正する議定書、国際航路標識機関条約(賛成)