7日、外務委質疑。防衛省「イージスシステムレーダー選定で、ロッキード社から事前紹介の事実を認める」

2021年04月11日

 

遅くなりましたが、報告です。

7日に行われた外務委員会では、「北朝鮮をめぐる問題について」と、前回の質疑に続き「イージスレーダー選定問題について」を質問しました。

北朝鮮問題では、2日に行われた日米韓3カ国の安全保障担当の高官協議の「共同声明」について茂木敏充外務相に質問。「北朝鮮の安全かつ検証可能で不可逆的な核放棄をはじめとする朝鮮半島の非核化は、関係国の対話と交渉の最大目標にされるべきだ」として、大臣の所見を質問。

 

 

茂木大臣は、「安保理決議に従って、北朝鮮によるすべての大量破壊兵器と、あらゆる射程の弾道ミサイルの完全な検証可能かつ不可逆的な廃棄、CVIDを求めていく方針に変わりはない」「今後とも、日米、日米韓3カ国で緊密に連携し、中国、ロシアを含む国際社会と協力しながら関連する安保理決議の完全な履行を進めて北朝鮮の非核化をめざしたい」と述べました。

 

 

私は、「日本は北朝鮮と日朝平壌宣言を結んでいる。関係国と連携しながら平壌宣言に基づく外交解決をめざす努力を強めるべきだ」と求めました。

 

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次に、前回(2日)の質問に続き、米国ミサイル防衛庁のグリーブス長官と西田整備計画局長らとの会談のやり取りを記した文書=「会談記録」の開示を求め、さらにイージスシステムレーダー選定に関わる疑惑を新たな事実を示し追及しました。、

結論から言うと、防衛省は、2018年6月12日に米ミサイル防衛庁(MDA)とロッキードマーチン社(LM社)から「SPY7」、MDAから「SPY6」(レイセオン社製)の提案を受領しており、それ以前に提案を受けた事実はなく、公平・公正な手続きで選定されたと説明してきましたが、同省が正式に提案を受領する以前に米側からLM社レーダーについて「紹介」があったこと答弁し、事実上事前提案があったことを認めました。このことは、レーダー選定を巡って、最初からロッキード社の「SPY-7ありき」で行われたのではないか、出来レースだったのではないかという重大な問題になったということです。

 

 

私は、18年2月11日付「産経」でLM社のブラッド・ヒックスミサイル防衛を扱う担当副社長がインタビューで、「(防衛省に)開発中のSSR(現SPY7)のご提案をしている」「私どもとしてはMDAを通じてデータを提供している」と証言していたと指摘。
「防衛省の説明と違うではない」と、答弁を求めました。

 

 

中山氏は当初、「報道は承知していない」と述べていましたが、「事務方から報告は受けていないのかと質問した。ことは選定に関わる重大発言。知らないでは済まされない。LM社副社長は、提案・データの提供とまで言い切っている」と重ねて質問。

その指摘に「『紹介』を受けている」と答弁し、米側から働きかけがあった事実を認めました。

 

 

もう一つの質問のポイント、米国ミサイル防衛庁のグリーブス長官と西田整備計画局長らとの会談のやり取りを記した文書=「会談記録」について、防衛省が提出を拒否している問題を質しました。

その際、防衛省が、情報公開法に基づき定める審査基準には、「基本的考え方」として次のとおり定めていることを指摘しました。

 

 

「基本的考え方」には、「ある行政文書に一部不開示情報が含まれていた場合においても、これをもって当該行政文書そのものを不開示とすることは、法の許容するところではなく、この場合には原則として部分開示により対応する」――このように定めている。

この規定に照らせば、私が再三提出を求めているグリーブス長官との「会談記録」についても、「米側との関係」などを理由に提出を拒むことは、情報公開法に反する行為であって法的に許されない。従って、「部分開示により対応」すべきではないのか?「黒塗り」にしたとしても、提出すべきものなのだ」と強調しました。

 

 

(写真上は資料を示しての質問)私の資料要求に対して、防衛省が2019年5月に提出した「イージス・アショアの候補地について」という戦略企画課作成の文書だ。「保秘のレベル」は「秘」指定だが、防衛省は一部黒塗りで提出している。このように防衛省は、「保秘のレベル」が、例え「秘」指定であったとしても提出していると述べました。

中山氏は「いずれの形式であっても内容を公表することは困難。提出を控える」と繰り返すのみでした。

 

 

そこで私は、この間、中山副大臣は提出を拒否している「やり取りの記録」は保秘性が高いというが、どういうレベルのものかと問うと、中山氏は「”注意”のレベル」と答弁。

 

 

防衛省が自ら「情報公開法に反する」と定める審査基準を無視し、行政文書の提出そのものを拒否する。そんなことが許されれば、今後、防衛省にとって都合の悪い行政文書は、いくらでも提出を拒否することが可能になってしまう。そんなことは絶対に容認できないと厳しく指摘しました。