「井上ひさし展」世田谷文学館を訪ね鑑賞。ぜひお出かけください

2020年12月2日

 

1日、「『没後10年 井上ひさし展』ー希望へ橋渡しする人」(赤旗日曜版 11月8日も紹介)を、世田谷文学館に訪れて鑑賞。

展示の残り期間(12月6日まで)はわずかですが、ぜひご覧ください。

直に井上ひさしさんの歩みと言葉、作品、思想に触 れ、まさに「希望へ橋渡し」の展示と感じることができます。

 

 

残念ながら写真は、この3枚しか許可されていませんが、素敵で胸を打つ展示でした。感動をお伝えするには、私の能力があまりにも不足していることを嘆かざるを得ません。

時代認識として、共有したいと感じたのが「組曲虐殺」の展示です。

井上さんの最後の戯曲でもある「組曲虐殺」は、小林多喜二を描いた評伝劇(こまつ座で2009年、12年、19年に公演)です。
劇中に、多喜二の名セリフがあります。それは「絶望するには、いい人が多すぎる。希望を持つには、悪いやつが多すぎる。絶望から希望へ橋渡しをする人がいないものだろうか・・・いや、いないことはない」と。

写真下は、井上さんの故郷・山形県東置賜郡川西町の風景パネルをバックに。

 

 

10月18日に山形駅にて行われた「総選挙勝利をめざす街頭演説」で、時代認識について語りました。全体主義の階段を上るのか民主主義の道を歩むかの分水嶺。振り返ってみると「1928年3月15日は、日本共産党への大弾圧。この事実を作家の小林多喜二は「1928年3月15日」の小説にしました。1931年柳条湖事件いわゆる満州事変。(中略)1933年は小林多喜二虐殺の年」こうして戦争への道を進んだのです。
「井上ひさしさんは、
多喜二の最後の2年9カ月を描いた戯曲「組曲虐殺」を著しました。『あとに続くものを信じて走れ」と訴え、「憲法9条の会」の呼びかけ人として活躍しました。井上さんは「いつまでも語り続けることで、次の世代に希望をたくしたい」として、憲法前文に触れて「戦争を起こす主体は政府。『政府の行為』を止めるのは主権者国民」と語りました。

呼びかけに応え、主権者国民の出番、野党連合政権をつくる歴史的チャレンジをと訴えました。

写真下は、「遅筆堂文庫」の旗とともに。
遅筆堂文庫は、1987年に蔵書7万冊を生まれ故郷の川西町に寄贈して開館した文庫で、94年には劇場と町立図書館が入った複合施設・川西町フレンドリープラザとしてオープンしています。