22日、外務委員会その③ フグ処理者の認定制度全国統一化を

2020年05月27日

報告です。22日の外務委員会の第3弾です。

国際獣疫事務局アジア太平洋地域代表事務所(OIE)に関する特権・免除協定に関連して、フグ食の安全とフグ処理者の資格取得の全国統一化を求めました。

余談ですが、フグに関する質問の冒頭に、「世に『フグは食いたし 命は惜しし』といわれる」と切り出したのですが、委員会室では笑いが起きました。
また、茂木敏充大臣には質問しなかったのですが、別の委員の答弁に際し、秀吉の時代、江戸時代。伊藤博文氏に関するフグのうんちくを傾けて発言が行われたことも付記しておきます。

まず冒頭、OIE(国際獣疫事務局)が1997年に発行した「米国の食中毒における魚介類の役割」と題する文書で「自然毒を有する魚介類の一つとして、フグの毒性」が紹介されており、「フグの毒による中毒の発生件数は日本が最多」、一番多いと指摘しています。

私は、あらためてフグの毒性と、この間、交雑種フグの出現という新しい状況について質しました。
フグの毒・テトロドトキシンは、青酸カリの約1000倍の毒力。
もともと、フグは種類によって毒のある個所、すなわち食用可能な部位がまちまちで取り扱いが困難。そのうえ、やっかいなことに、ここ数年、いままでにない品種ともいうべき「交雑種フグ」が数多く出現していると聞きます。

 

 

農水省の黒萩真悟増殖推進部長は、交雑の原因は、近年の海水温の上昇や海流の変化により、フグ類各種の区域に変化が生じ、交雑が起こりやすい状況になっているといったことが指摘されているとし、引き続き、フグ類の交雑の実態把握に努めてまいりたいと答えました。
私は、まず、獲ったフグは食べてはいけないとの周知の努力がいっそう必要だと、「京都府フグ組合が、京都料理展示大会に参加した方々におこなったアンケート」では、「フグの肝臓について、食べるのは危険」と答えた方は46%で、多数の方が危険だという認識になっていないことを示して提起しました。

 

 

私は、フグは種類によって毒のある個所が違ったり取り扱いが困難なのに、フグ処理者の免許取得は、都道府県によってバラバラ。学科試験と実技試験両方課すところ、講習会受講だけのところもある。処理免許試験の統一化の必要性を説きました。

厚労省の浅沼一成審議官は、「フグ処理者の認定に必要な知識および技術等の全国的な平準化を図る検討会を開催し、昨年10月にフグ処理者の認定基準について、を策定し、都道府県に通知し、既存のフグ処理に関する条例等の改正を要請しており、フグ処理の認定基準の全国平準化を図ってまいりたい」と答弁。

 

 

平準化に向けて、「通知」、5月1日にガイドライン発出されているということも、私は承知している。
問題は、条例等の見直しを確実に実行させ、安全対策を万全に履行しようと思えば、フグを扱う、漁師、漁協、市場、調理人にいたるすべての工程で安全性を確保、完結させるには、厚労省に相当な覚悟がいると、指摘。

統一した水準での実技試験の実施がカギだと再度強調しました。

小島敏文厚労大臣政務官は、「講習会だけで処理者の免許を認定している地方自治体においても、実技試験の実施に向け試験官を養成するなど体制整備が必要だと考えている」と答弁しました。

 

 

私は、最後に、「当面、各都道府県毎でやってみて、やはり問題点が克服されない場合、将来の全国統一試験、つまり国家試験化も視野に入れる必要がある」と、提起しました。