麻生財務大臣不信任決議案 5野党が共同提出//本会議で自公維が多数で否決に

2019年06月22日

 

20日、5野党が麻生太郎財務大臣・金融担当大臣に対する不信任決議案を衆院に提出。

参院では、「麻生太郎財務大臣・金融担当大臣問責決議案」と「金子原二郎予算委員長解任決議案」が参院に提出しました。

 

DSC_0904 0620財務大臣不信任決議案

 

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21日の衆院本会議では、立憲民主党の川内博史氏が「麻生太郎財務大臣・金融担当大臣不信任決議案」の趣旨説明を行い、今井雅人(立憲民主党)、屋良朝博(国民民主党)、宮本徹(日本共産党)、松原仁(社会保障を立て直す国民会議)の各氏が賛成討論を行いました。

 

宮本徹議員が行った賛成討論の大要は以下の通りです。

 

宮本徹0620 本会議 

 

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「老後資金に2000万円不足する」。麻生大臣は、この金融庁審議会の報告書を、「政府の政策スタンスと違う」として、受け取りを拒否しました。いったいどこが違うのですか。2004年、「100 年安心」の名で導入されたマクロ経済スライドは長期にわたり年金削減をおこなうものです。そのもとで、公的年金では生活費に不足することは、従来政府が説明してきたことではありませんか。そして、公的年金ではたりないことを前提に、安倍政権は未来投資戦略で「私的年金制度の普及・充実」を掲げ、自民党も選挙公約も「積立NISAをさらに普及」、「私的年金の活用促進」を掲げているではありませんか。報告書は「年金 100年安心」の実態が、まったく安心できないものだという不都合な事実をわかりやすく示したにすぎません。

先日の財務金融委員会で大臣は、「大きな不安になって、大きな騒ぎになった」と答弁しました。騒ぎを静め、参議院選挙で与党が不利にならないよう、不都合な事実を明らかにした報告書をなかったものにするなど、まさに党利党略であり断じて許せません。

その上、今月 19日に提出された財政審の建議から、原案にあった「将来世代の基礎年金給付水準が想定よりも低くなる」などの文言が、削除されました。麻生大臣の報告書の受け取り拒否につじつまをあわせて、都合の悪い真実を次々に隠蔽していく。森友問題とまったく同じではありませんか。

報告書の受け取りを拒否しても、国民の不安の大もとにある貧困な年金制度、公的年金では生活費に不足し、年金は2割、基礎年金の3割が減額になる事実は何一つ変わりません。政治がやるべきは、貧困な年金制度の隠蔽ではなく、国民が普通に暮らせる、安心の年金制度をつくるために、真剣な議論をすることではありませんか。実態を隠し、予算委員会での審議を拒否する与党の責任も厳しく糾弾するものであります。

森友疑惑では、真相を隠蔽するために、公文書改ざんが行われ、改ざんを強要された職員が自殺に追い込まれるという痛ましい事態が引き起されました。麻生大臣は、財務省の最高責任者としてその責任をとらないばかりか、その後も、財務省と近畿財務局、大阪航空局のやりとりの文書を隠蔽し続け、総務省個人情報審査会も違法と断じました。

わが党の入手した内部資料では、財務省が会計検査院に報告書の記述の変更を求め圧力をかけていたことも明らかになっています。これだけの事態を引き起こしながら、権力にとって都合の悪い情報は、隠蔽・改ざんする体質が改まらない。麻生太郎君は大臣として全く不適格です。

さらに大臣は、消費税増税を強行しようとしています。内閣府の景気動向指数は2ヶ月連続で悪化です。10月から消費税増税を強行するならば、日本経済と地域経済に破滅的なダメージを与えることは火を見るより明らかです。世論の多数が消費税増税の中止を求めているにもかかわらず、国民生活を一顧だにしない姿勢は許されません。

他方で大臣は、財政法にある財政規律の堅持という責任を投げ捨て、補正予算まで活用して、F 35戦闘機やイージス・アショアをはじめとする米国製の高額な兵器の爆買いなど、軍事費を野放図に拡大する予算編成を繰り返し、後年度負担を急激に膨張させ、未来世代の予算まで食いつぶしています。国民の暮らしを守るためにも、これ以上、麻生太郎君に財務大臣を任せるわけにはいきません。

またさらに、麻生大臣の数々の暴言等、5分ではとても指摘できないほどの不信任の理由があることを申し上げ、財務大臣・金融担当大臣不信任決議案への賛成討論とします。

 

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動画もご覧ください。

 

麻生大臣不信任決議案は、自民党、公明党、維新の会の反対で否決されました。