国土交通委、「免震ゴム偽装問題」参考人質疑。報告その2

2015年05月11日

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8日の国土交通委員会で、大臣認定制度と免震ゴムの偽装に係って3つの問題点が質疑の中で浮き彫りになりました。すでに動画をアップしています。動画もご覧ください。

一つは、免震偽装を行った東洋ゴムの責任の問題です。

問題の免震ゴムが使用され新病棟への移転のめどの立たない舞鶴医療センターへの対応を山本社長に問いましたが、「個別には知らない。わからない」との答弁。医療センター院長からは「こちらから連絡して」「来たのは翌々日」「説明資料もなく」「具体的な説明もない」との話を伺っています。病院や災害の際の司令塔となる消防施設などはどういう対処をしたかくらい、責任者として知悉しておくべきでしょう。

なにより問題なのは、2007年にも大臣認定の「耐火パネルの偽装」を行い、反省して提出した「再発防止策」に取り組んでいる最中に・同じ時期に、今度は免震ゴムの偽装をしていたことです。

私は、そのことを追及。国交省に提出した「再発防止策」の『原因』の項には、「技術が不十分なまま事業を開始した」「利益のためには不正もする」と述べているのです。自らの指摘を踏まえて、その視点から点検できなかったのはなぜかとただしました。

山本社長は「不正を見つけることができませんでした。申し訳ありません」と答えるだけでした。ここには、製品の安全より、利益を優先する考え方が根底にあることを、あらためて指摘しました。
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二つめの問題点は、東洋ゴムの再発防止策を点検・監督する国交省の責任です。

国交省は、①品質検査の徹底、②コンプライアンス研修、③部門間の人事異動の徹底の3つをあげ、「これらのいずれかが確実に実施されていたら今回の不正事案は生じえなかったというふうに考えております」と答弁していました。

私は、「この3点について国交省からどんな点検や指導があったのか」を山本社長に問いました。「いかような点検があったのかも知らない」というのが社長の答え。国交省の橋本住宅局長も「現場に入ってチェックした事実はありません」と述べ、国交省が監督責任を果たしていない実態が明らかになりました。報告は受けっ放し。耐火パネル問題でその後も点検なし、これでは国交省の責任も重大と言わなければなりません。

建築構造物の性能評価にかかわる大臣認定制度の問題点も浮き彫りになりました。
私は、「どこに不正を見逃す問題があり、どう改革すればよいのか」と参考人に意見を求めました。

有識者からは「書類審査だけで妥当かどうかを評価するだけだ。実地審査はしていないし、メーカーさんが正しく評価しているというのが前提。どんな試験をやっているのか見に行くしかないのか」「出荷製品を全部見(試験)に行くしかないが、(評価機関の)現体制では難しい。制度の改革が必要」などの意見が出されました。
私は、これらの意見を受けて、国交大臣に、大臣認定制度の根本からの転換を求めました。提案の趣旨と大臣の答弁は先日の報告のとおりです。