京都市東山区で「民泊」の現地調査

2017年05月9日

報告です。先頃、行楽客でにぎわう京都東山区で、3時間かけて「いいまちねっと東山」の皆さんと「民泊」の現状調査を行いました。

東山区では、旅館業法にもとづき京都市に届け出た「簡易宿所」が急増。昨年だけで149件、今年に入り1~3月だけで42件、合計433件(一部ホテル・旅館を含む)になっています。

しかし、これ以外にも行政が掌握していない、いわゆる「違法民泊」も数多く存在します。いろんなタイプの「カギ」で、旅行者客が24時間自由に出入りします(写真1枚目はキーボックスタイプ、写真2枚目はスマホでタッチするタイプ)。

 

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地域住民の皆さんからは、「狭隘道路に面した路地まるごと民泊になる勢い」(八坂の塔を少し下った路地。写真3枚目)、「私の町内の組は昔は9軒だったが、あっという間に民泊になってしまい、残った人は3軒だけ。町内会費も集めに来なくなった」(中弓矢町)、「町内45軒のうち7軒が民泊に。この行き止まりの路地の奥は7軒中4軒が民泊」(大国町、写真4枚目)などの実態をお聞きしました。

 

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また、高台寺東側の山裾から南に向けての広大な敷地(旧「京大和」跡地)には巨大ホテルを建設中(写真5枚目は山裾から手前まで全てホテル)、NTTの所有地にもホテルを建設中(写真6枚目、工事地の奥はマンション民泊)でした。

 

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特に、京都特有の行き止まり、小さい路地の住家連たんの一部が突然民泊になるケースも。老朽木造建築物が多く存在する地域で「違法民泊」が急増していることには、「延焼危険性」や「避難困難性」を高めることとなり、地域住民の不安の声があがっています(写真7、8枚目)。

 

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こうした事態に対し、「六原まちづくり委員会」では、住民参加で作る「六原あんしん あんぜんマップ」を、地域住民の交流施設である「やすらぎ・ふれあい館」に貼り出しておられ(写真9枚目)、民泊建設計画などの情報交換をされていました(写真の赤罫線の囲みがホテルや旅館、ピンク色が民泊、黄土色が「管理地」となっており民泊の可能性が高い土地です)。

 

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