こくたが駆く

菅首相との党首会談で、志位委員長が「復興へ希望がもてる施策、原発からの撤退をもとめる」(第二次提言)を提案

17日、日本共産党の志位和夫委員長と、菅直人首相との党首会談を行ないました。政府側から福山哲郎官房副長官が、日本共産党側から市田忠義書記局長と私が同席しました。
志位委員長から、「復興への希望がもてる施策、原発からの撤退をもとめる」と題する、大震災・原発災害にあたっての政府への第二次提言を行ないました。(全文は《続きを読む》欄に、二回にわたって掲載します。)DSC_0103

志位委員長は、「いま、国として、被災地・被災者方が、復興にむけた希望がもてるような政治的なメッセージと具体的施策を、急いで打ち出すことが求められています。総理の決断を求めたい」と提案。
   日本共産党の現地訪問・調査を踏まえて、 「先がみえない」「再建の気力がなくなってしまう」「この地域から人がいなくなってしまう」という痛切な声と、「復興への希望が見えるようにしてほしい、そうすればがんばることができる」という強い要望が共通して出されていることを紹介し、「債務の凍結・免除」「再出発できる生産基盤回復」を求めました。

菅首相は、「必要性は理解できます。そういうメッセージは具体的な提案をセットで出せるようにしてからすべきだと考えます。今後の復興の段階でよく検討したい」と答えました。

DSC00924原発問題について、志位委員長は、「福島原発事故は、原発の危険性について、いまの原発技術は、本質的に未完成で危険なものであるということ、世界有数の地震国であり、世界1、2の津波国である日本に集中立地することは、とりわけ危険きわまりないこと、歴代政府が、「日本の原発では重大事故はおこらない」とする「安全神話」にしがみつき、繰り返しの警告をも無視して安全対策をとらなかったことが、どういう深刻な結果をもたらすかが明瞭となった」と指摘した上で、「政府が、原発からの撤退を政治的に決断すること、原発をゼロにする期限を決めたプログラムをつくることを、強く求めたい」と提案しました。

    菅首相は、「日本共産党として、新しく踏み込んだ提案ですね」と述べ、「安全対策も検証し、エネルギー基本計画の議論を白紙から行なっていきたい」と、答えました。

2011年5月17日

内閣総理大臣 菅直人殿

日本共産党幹部会委員長 志位 和夫

復興への希望がもてる施策、原発からの撤退をもとめる

――大震災・原発災害にあたっての提言(第二次)

1、被災者の生活基盤の回復を国の責任で

   未曾有の大災害から2カ月が経過し、被災者と国民に、国がどのような役割と責任を果たすのかが問われている。わが党は、総理にたいして、3月31日に「被災者支援・復興、原子力・エネルギー政策の転換を――東日本大震災にあたっての提言」をおこなったが、被災者救援でも、復旧・復興でも、被災地の実態は先の見えない困難が山積しており、政府の取り組みの抜本的な改善・強化が必要である。

    一人ひとりの被災者が復興への希望がもてるメッセージ・施策を、国の責任でただちに打ち出す必要がある。以下の諸点について、政府が「国の責任」をはたすべく全力をあげることを提言する。

(1)被災者の救援、2次被害の防止に全力をあげる

――(劣悪な生活環境に置かれている避難所の改善を急ぐ)11万人をこえる被災者が不自由な避難所生活を強いられているが、依然として少なくない避難所で、おにぎりやパンだけなど満足な食事がとれない、週に1回程度しか入浴できない、間仕切りがない、医療や介護のケアがとどかないなど、劣悪な状態がつづいている。避難所生活が2カ月をこえた現時点で、国の責任で実態の把握をおこない、2次被害を防止し、生活環境の改善をはかるためのあらゆる努力をおこなうことを求める。

――(在宅の被災者への救援を抜本的に強化する)被災して半壊状態になっていたり、ライフラインが復旧していない自宅で生活している被災者も多数にのぼっているが、支援の手がとどかず、事実上「放置」されている場合が少なくない。食料、衣料、生活用品をはじめとした生活支援が行き届くように万全の体制をとることが必要である。

――(仮設住宅の早期建設)被災者の生活の安定、2次被害の防止のためにも、希望者全員が入居できる仮設住宅を早期に建設することが必要である。現状では、地域ごとにみると遅れが深刻なところも少なくない。民有地の借り上げ、集落ごとの小規模な用地確保など、必要な土地を確保するために国が責任をもって支援することを求める。市町村や地元の意向を尊重し地域のコミュニティーを重視すること、地元業者に工事を発注していくことなども、仮設住宅の建設を促進するうえで重要である。仮設住宅入居後でも必要に応じて食料などの生活支援物資が円滑に届くようにする。

(2)復興をどうすすめるのか――2つの原則を堅持する

   復興にあたっては、国はつぎの2つの原則を堅持してあたることが大切だと考える。

――(被災者が再出発できる生活基盤を回復する)一人ひとりの被災者が、破壊された生活の基盤を回復し、自分の力で再出発できるように支援することこそ、復興の最大の目的である。そしてこの目的を達成するための公的支援をおこなうことは国の責任である。それは憲法が保障する幸福追求権(13条)、生存権(25条)などにてらしても、当然の国の責務である。

――(住民合意を尊重し、「上からの押し付け」を許さない)復興の進め方については、「計画をつくるのは住民合意で、実施は市町村と県・国が連携して、財政の大半は国の責任で」ということを原則にすべきである。被災地の実情を無視した「上からの青写真の押し付け」を許さないことが必要である。

   大震災で破壊された「まち」をどういう形で再建していくかについては、被災した各市町村で検討がはじまっているが、大震災の被害は地域ごとに表れ方も違い、それぞれの地域によって自然的条件、産業・文化・歴史などの社会的条件の違いもあり、「まち」をどういう形で再建していくかの道筋は、地域ごとに多様である。上からの画一的なモデルの押しつけでなく、それぞれの地域の実情にそくした復興プランを住民合意でつくりあげていくことを何よりも尊重し、応援していくことが国の姿勢として重要である。真の復興は、民主主義と住民自治を貫いてこそ可能となる。

(3)“復興への希望”が見える施策を急いで――仕事、雇用、産業の再出発のために

いま、国として、被災地・被災者の方々が、復興にむけた希望がもてるような政治的なメッセージと具体的施策を、急いで打ち出すことが求められている。大災害から2カ月がたち、少なくない被災者から、「先がみえない」「再建の気力がなくなってしまう」「この地域から人がいなくなってしまう」という痛切な声が寄せられている。同時に、「復興への希望が見えるようにしてほしい、そうすればがんばることができる」という強い要望が共通してだされている。こうした思いにこたえ、被災者の生活基盤回復に、国が責任を果たすという政治的なメッセージと具体的施策を打ち出すことを求める。

――(「せめてゼロからのスタートを」――「債務の凍結・免除」を国の責任で)多くの事業者が借入金で設備投資した工場、機械、店舗、船舶などを失った。収入も途絶え、財産も設備も失い、借金だけが残った状態で、「さあ再出発」といっても無理な相談である。「マイナスからではなく、せめてゼロからのスタートを」――これがいま、被災地の商工業者からも、漁業者からも、農業者からも、復興への第一歩を踏み出すために共通して非常に強く要望されていることである。

    そのために、国の責任で債務を「凍結・減免」し、債務の重荷を取り除くことがどうしても必要である。たとえば、国が「震災復興支援機構」(仮称)をつくって、債務を金融機関から買い取り、「機構」が買い取った債務は、将来、事業が再生した段階で超長期の展望で返済を行い、被災状況などの実情に応じて債務の減免も行うという方法もある。方法はさまざまあろうが、いま大切なことは、大震災で失った設備や財産にかかる負債を、国の責任で「凍結・減免」するという政治的姿勢をすみやかに打ち出すことである。

――(水産業、農業、商工業、中小企業――各分野で再出発できる基盤回復を)水産業、農業、商工業、中小企業など各分野で、再出発できる基盤を回復するために、現行法の枠組みにとらわれない公的支援を思い切って行う必要がある。

【水産業】多くの漁港や施設が壊滅的被害を受けており、水産業の再出発のためには、生産・加工・流通までをセットで再生する総合的な全面支援が不可欠である。漁船では、激甚災害法で、5㌧未満の小型船は3分の2を公費でもつことになっているが、被災地での小型漁船はほぼ壊滅状態であり、中型、大型船にも大きな被害が出ている。激甚災害法の枠組みでは、とても再出発はできない。養殖施設の破損は、90%は公費負担ということになっているが、実際は「原価償却分を差し引く」とされ、昨年のチリ津波にさいしての養殖施設破損への公費負担は半分以下にとどまった。被災した漁業者からは、「船も、養殖も100%公費で」という強い要望がよせられている。国がこれにこたえる具体的施策をとることを求める。

【農業】広大な農地が津波によるガレキとヘドロなどで埋まっており、国が全面的にのりだすことなしに、この再生は不可能である。JAや農業者からは、破壊された農地をいったん国が買い上げて、塩抜きもして圃場の整備をしたうえで返還する(払い下げ条件付きの一時的な買い上げと整備)という要望も出されている。国が全面的にのりだして農地を再生させるという姿勢をはっきり打ち出すことを求める。被災地での農業復興にも逆行するTPP(環太平洋連携協定)参加をきっぱり断念すべきである。

【商工業】商工業・中小企業を再生するためには、「債務凍結」とともに、事業を立ち上げるための資金が必要である。無利子融資や利子補給をはじめ制度融資の抜本的な拡充にとどまらず、国の責任で、返済不要の立ち上がり資金を提供する支援金制度を創設することを求める。津波で流された機械のリース代を免除する手立ても必要である。貸工場、貸店舗への公的支援の拡充も求められている。

【農漁協等への支援】漁協、農協、商工会議所をはじめ被災地の水産業、農業、商工業関係の諸団体の「復興への思い」を受けとめ、その要望を十分に反映した復興計画、事業にしてこそ、地域のエネルギーを引き出すことができる。そのためにも、震災で被災した漁協、農協、商工会議所の再建を支援することを求める。

――(当面の生活を支える緊急の雇用対策を)本格的な仕事再開までの生活を支えるとともに、緊急の雇用対策を行う必要がある。被災地では、「『仕事がない』状態が続けば、多くの人が仕事を求めて外に出て行かざるをえない、労働力が流出すれば二度と立ち上がれなくなる」という危機感が表明されている。

    農業、漁業、中小企業などで休業補償を行うとともに、海や陸のガレキの撤去、泥だし、仮設住宅の建設をはじめとした復旧・復興事業を、地元雇用の創出につなげるために、国の支援を強めることが必要である。

    雇用保険の失業給付や雇用調整助成金の大幅延長や対象の拡大も重要である。大企業に下請や関連会社を含めた雇用を確保する社会的責任をはたさせることが重要になっており、国が強力な要請・指導を行うことを求める。

(4)住宅の再建・保障――支援の抜本的拡充と多様なニーズに即した住宅を

    「住まいの再建」は、被災者の生活再建の土台である。「住まいは人権」――負担可能な費用で安全で健康的な住宅に住む権利は、国際的にも確認されたものであり、政府には、被災者の住宅に関する権利を保障する責任がある。国による個人補償、公的支援を拡充しなければならない。

――(被災者生活再建支援法の支援額の抜本的引き上げ、対象拡大)「私有財産の形成は支援しない」などと住宅再建への直接補償を拒否してきた国の姿勢を変えさせて、被災者生活再建支援法改正が実現したが、全壊でも300万円にとどまっている。総理は「引き上げ」を明言したがすみやかな具体化が必要である。支援額の抜本的引き上げとともに、支給対象を、一部損壊、店舗の被害、液状化による被害などにも拡大する。「二重ローン」など過度な負担に被災者の生活が押しつぶされないように、免除や軽減、利子補給などの金融措置をあわせてとることを求める。

――(多様な形態での公営住宅の建設を)「もう一度ローンを組んで家を建てる」ということにはならない被災者も少なくない。被災者が住みなれた土地を離れることなく住める、小規模・分散型なども含めた多様な形態の低家賃の公営住宅を、被災者のニーズや地域の実情にあわせて、それぞれの集落に建設していく必要があり、そのための国の支援を要求する。

(5)被災者の生活を支える“公共”の再建を

――(医療、介護、福祉、教育など、いのちと暮らしを支える基盤を再構築する)被災地は高齢化率も高く、医療、介護のネットワークの再構築は不可欠である。国公立病院、労災病院、社会保険病院、厚生年金病院の統廃合など、公的病院を縮小し、地域医療を壊してきたツケが問われている。公的病院を再建し、存続、充実させるとともに、民間医療機関、民間福祉施設の再建にも必要な支援を行うことを求める。

    障害者が必要な情報を得られなかったり、被災して介護者を失うなど、困難を抱えている。障害者施設、団体、患者団体への支援と、〝支援の外〟にある障害者、難病患者の実態把握を急ぎ、必要な支援を行うことが必要である。

    復興のためには、子どもたちの未来が輝く地域に再生していかねばならない。学校と教育条件の整備を急ぐことはもとより、就学援助、給費制奨学金、授業料免除などによって、子どもたちから教育の機会を奪わないようにする。保育所などの子育て支援の体制もととのえることも必要である。

――(地域の交通、商店街など、生活と事業活動が可能になる基盤の再建)住民の「足の確保」は被災地の重要な課題になっている。鉄道やバスなどの公共交通機関の復旧への支援はそのカナメである。第三セクターである三陸鉄道は、会社や自治体の「自力」での復旧は不可能である。国が三陸鉄道の復旧に全面的に乗り出すことを宣言することは、復旧・復興にむけて被災者をはげますものとなり、ただちに決断すべきである。さらに、商店街をはじめ街の公共的機能の回復に必要な支援を行う枠組みが必要である。

――(自治体への人的・財政的支援)自治体も被災者である。自治体職員も多くが犠牲となり、家も家族もなくした職員が、大震災以来、不眠不休の奮闘をしているが、それも限界になっている。「行革」「効率化」「民営化と民間委託」などのかけ声で行われた大規模な人員削減によって、被災自治体でも、職員を派遣する自治体でも「人手不足」が障害になっている。国として、行政スタッフ、医療・介護の専門家など、被災自治体への人的な支援を強化することを求める。また、被災地は、高齢化と過疎化に加え、この間の「地方切り捨て」政治で財政基盤も弱い。国の自治体への財政支援を大幅に拡充することを要求する。

(6)復興財源について――復興を妨げる「復興税」には反対する

   すでにわが党は、復興財源について、3月31日の「提言」で、①大企業と高額所得者の減税の中止、不要不急の大型公共事業の中止、米軍への「思いやり予算」やグアムの米軍基地建設費の中止、原発の建設・推進経費の削除、政党助成金の廃止など、今年度予算の抜本的な組み替えを行うこと、②大企業の内部留保を復興事業に活用するために、「震災復興国債」を発行し、大企業に引き受けることを要請する――という二つの基本方向で確保することを提案している。総理は、3月31日の党首会談で、この提案について「検討する」と答えたが、その真剣な検討・実行を強く求める。

    「復興税」を名目にした消費税増税は、被災者にも増税を押しつけ苦しみに追い打ちをかけるとともに、国民生活と日本経済の活力を奪うことによって、国をあげての復興にも大きな障害を持ち込むものであり、絶対にやってはならない。わが党は、復興を妨げる「復興税」には、強く反対する。

 

| コメント (2) | トラックバック (0) | Update: 2011/05/17

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コメント

この提案が少しでも反映されると良いですね。

原発のニュースでは、常に「・・・で、本当のところはどうなの?」という気持ちが付き纏います。^^;

 よ~ぼんさん、メールありがとうございます。
 提案を実らせるべく、国会での論戦、国民的な運動の盛り上げに努力中です。
 本日も、国会では「復興特別委員会」において、青森、岩手、宮城、福島、茨城の商工業者、農協、漁協のっ各々の代表が出席し参考人質疑を行いました。
一歩いっぽ前にすすめるためご一緒に頑張りましょう。
 おっしゃる通り、原発事故の対応については、同感です。どっぷりと「原発安全神話」に浸かっていた輩の話に何かしら信用が置けないのは当然といえば当然かも!

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