「内閣官房長官松野博一君不信任決議案」//宮本徹議員・賛成討論。『動画』もご覧ください。

2023年12月12日

12日の衆議院本会議で、松野博一内閣官房長官の不信任決議が上程されました。
日本共産党からは、宮本徹衆院議員が賛成討論を行いました。

与党の多数で否決されました。それにしても松野官房長官を12日の本会議で天まで持ち上げて擁護し、14日頃には任に能わずと「更迭」する。このいい加減さはあきれるばかりです。臭いものにふたは許されません。

いよいよ、真相究明が必要です。裏金疑惑の議員は、証人喚問でただす以外にありません。

 

 

以下は、宮本徹議員の「松野官房長官不信任決議案」賛成討論の全文です。

私は日本共産党を代表して、内閣官房長官、松野博一君不信任決議案に賛成の討論を行います。

日本共産党が発行する「しんぶん赤旗」の昨年11月のスクープ報道が端緒となった、自民党の派閥の政治資金パーティーを巡る裏金疑惑は、まさに底なしの様相です。ノルマ以上のパーティー券収入を派閥側も議員側も収支報告書に記載せず、裏金にする。安倍派による組織的な裏金化は、この5年だけで数億円の規模と報じられています。

「安倍一強」政治のもとで、桜を見る会、加計疑惑、森友疑惑など行政の私物化が問題になってきました。その一方で、権力・権威をバックに、企業や業界団体にパーティー券を売りまくり、大量の裏金をつくって、うまい汁を吸ってきたのではないか。表に出せない金の使い方をしているのではないか。企業・団体との汚い癒着が隠されているのではないか。物価高騰で苦しむ国民そっちのけの、「金まみれの政治」に、国民の不信は極限に達しています。

岸田政権の中枢を担う安倍派幹部が、そろって裏金疑惑をかけられています。ところが、松野官房長官をはじめ、誰一人として裏金疑惑について明らかにしようとしない。安倍派閣僚らの交代が報道されていますが、臭いものに蓋をして、幕引きするようなことは許されません。

いったい、誰の発案で、誰がどれだけ裏金をつくり、何に使い、何を隠してきたのか、すべて、国民の前に明らかにすべきです。
安倍派だけではありません。麻生派についても赤旗紙面で、「ノルマを超えて販売したパーティー券のキックバックは、裏金で渡していた」「現金が入った茶封筒を手渡した」と証言が報道されています。公訴時効かどうかにかかわらず、隠さず、真実を明らかにすべきです。二階派も、岸田派もパーティー券収入の過少記載が指摘されています。パーティー券をめぐる不正は、自民党全体の問題と言わなければなりません。
岸田政権の中枢が関わり、自民党全体が問われる疑惑であるにもかかわらず、岸田総理は、疑惑解明に背を向け、説明責任も全く果たしていません。

今こそ、国会が真相究明の役割を果たす必要があります。司直の捜査を理由に説明を拒むことは許されません。松野官房長官をはじめ、各派閥の事務総長経験者らを証人喚問し、真相を徹底究明することは国会に課せられた使命です。

今回の事態は「政治改革」30年のウソとごまかしが露呈したものと言わなければなりません。かつて、リクルート事件など金権・腐敗事件があいつぎ、「政治改革」と称して、企業・団体献金をなくすという口実で政党助成金が導入されました。ところが、企業・団体献金は政治家個人に禁止するといいながら、政党への企業・団体献金を容認し、企業・団体による政治資金パーティー券購入を認めるという二つの大穴をあけたのであります。

派閥への企業団体献金は禁止されているにもかかわらず、派閥のパーティー券を購入しているのは、圧倒的に企業や団体です。政治資金パーティーを隠れ蓑にして、形を変えた企業・団体献金がおこなわれてきました。しかも、20万円を超えなければ購入者を収支報告書に記載する義務はない不透明な仕組みです。この不透明さと企業・団体献金の抜け道を悪用することによって、多額の裏金づくりがおこなわれたのです。

そもそも企業献金は、本質的に「賄賂性」を持つものです。企業は見返りを期待しているからこそ、「対価」に見合わないパーティー券を大量に購入し、企業団体献金をおこなうのです。
金の力で政治をゆがめる、企業・団体献金は、パーティー券購入を含め、全て禁止すべきです。企業団体献金にどっぷりつかり、国民のくらしそっちのけで、大企業・財界奉仕の政治を続け、疑惑解明に背を向ける岸田政権は退陣すべきです。

以上、申し上げ、松野博一君不信任決議案への賛成討論とします。