31日、外務委。沖縄に長射程ミサイル、戦闘を想定。住民に隠し、配備を既定路線として進めるのは許せない!

2023年06月2日

5月31日、外務委員会で質問しました。
テーマは既報の通り「南西地域での長射程ミサイルの配備計画について」です。資料もぜひご覧ください。

 

 

今回の質問で、政府・防衛省が、沖縄を中心とした南西地域で長距離ミサイルによる戦闘(=長射程火力戦闘)を想定していること(後段の資料4参照。「領域横断的な作戦のイメージ」の下半分に見える赤字=長射程火力戦闘と書かれ、ドンパチがやられている図)が浮き彫りになりました

井野俊郎防衛副大臣が、「『長射程火力戦闘』とは、長距離ミサイルを用いた作戦行動だ」と明言したことからも明らかです。

 

 

配布資料の4枚目は、陸上幕僚監部が2018年10月の部内会議で使用した「陸幕施策説明」の一部。ここには、「将来の我が国防衛における陸上防衛力の役割」として、「領域横断的な作戦のイメージ」図が記されています。「領域横断作戦」は、2015年の日米ガイドラインに盛り込まれ、その後、2018年の「防衛大綱」で具体化されたもので、現在の「安保3文書」に引き継がれた作戦構想です。

 

 

このイメージ図をみると、北朝鮮や中国と見られる地域から、日本に弾道ミサイル攻撃が行われることを想定し、これをBMDで迎撃することに加えて、師団・旅団の作戦基本部隊による機動展開、水陸機動団による両用作戦、日米による共同作戦などが記されています。

 

配布資料の3枚目は、沖縄県議会が3月30日に採択した、政府宛ての意見書です。「
敵基地攻撃能力による攻撃は、相手国からのミサイルなどによる報復を招くことは必至で、『沖縄が再び標的とされる』との不安が、県民の中に広がっている」と強調しています。

そのうえで政府に対し、「アジア太平洋地域の緊張を強め、沖縄が再び戦場になることにつながる南西地域へのミサイル配備など軍事力による抑止ではなく、外交と対話による平和の構築に積極的な役割を果たすこと」を求めています。

この意見書に対する林芳正外務大臣の認識を問いました。

 

 

林大臣は「沖縄が再び戦場になることがあってはならない」と答弁しました。

 

 

しかし、沖縄県議会の願いをまったく無視する動きが報じられているのです。昨年9月19日付の北海道新聞は、南西地域の陸自部隊の配備について、防衛省内では、「南西の壁」と呼んでいると報道。その中で、元陸上幕僚長の岩田清文氏は、「南西諸島は戦闘地帯になる可能性がある」と指摘しています。

沖縄戦では、4人に1人が犠牲になりましたが、その最大の教訓は、「軍隊は住民を守らない」ということです。北海道新聞で岩田・元陸幕長は、「本格的に武力攻撃を受ける事態になれば、自衛隊に住民を保護する余力はない」と明言しています。

 

 

もう一点は、政府がこれまで、敵基地攻撃が可能な長射程ミサイルの配備先は決まっていないと繰り返してきたことが、ごまかしで「南西地域への配備は既定路線ではないか」ということです。

配布資料の5枚目は、陸上幕僚監部が2018年11月の部内会議で使用した「陸上自衛隊の将来体制」に関する資料。ここには、「海空領域」とある箇所に、「長射程火力戦闘機能の整備・強化を通じた南西地域における抑止・対処態勢の充実」と記されています。

配布資料の6枚目は、「自衛隊の体制・装備」に関する防衛省の2018年12月の資料。これをみると「長射程火力戦闘機能の強化」として、「高速滑空弾の整備、SSM・中SAMの長射程化」と明記されています。

 

 

「SSM」は12式地対艦誘導弾、「中SAM」は中距離・地対空誘導弾のことであり、「長射程火力戦闘」では、これらを長射程化したものを使うということにほかなりません。

「スタンド・オフ・ミサイルの配備先は、まだ決まっていない」との答弁だが、これをみても、南西地域への配備は既定路線ではないか。

 

 

「配備先は決まっていない」と繰り返すが、防衛省は、今月15日に与那国島で行った住民説明会で、長射程化した「中SAM」を配備すると説明したではないか。また、12式地対艦誘導弾や高速滑空弾にしても、2018年の「防衛大綱」以降、「領域横断作戦に必要な能力」と位置付けてきたではないか。こうした動きをみても、もはや、これらの長射程ミサイルが、南西地域に真っ先に配備されるのは、疑いない。

 断じて許されない。「日本に戦火を呼び込む大軍拡計画は中止すべきだ」と求めました。

 

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委員会で配布した資料です。

資料1

 

 

資料2

 

 

資料3

 

 

資料4

 

 

資料5

 

 

資料6