外務委質疑。沿岸漁業者のクロマグロ漁獲枠の大幅増への転換を要求!定置網に入った全てを漁獲枠として認めよ!

2023年05月14日

10日に開かれた外務委員会で、クロマグロ問題を質問しました。

 

 

この質問の契機となったのはは、日本共産党岩手県議会議員の斎藤信さんの提起によるものです。
3月15日の岩手県議会で、斉藤議員は次のように質問しています。
「(クロマグロ)200㎏を超えるものが100本以上も定置に入っているんですよ。それが出荷できないんですよ。そういう実態をぜひ国にも呼びかけて、この間、追悼式に、うちの穀田国会議員が来ました。外務委員なんですね。漁業協定に関する議題が今月あるというので、クロマグロの問題を取り上げてもらうことにしました」。

この発言を受けて、多くの資料を何度も提供いただき、質問しました。斉藤議員、スタッフのみなさんほんとうにありがとうございます。

 

 

その質問の報告です。10日、衆院外務委員会で、私は、「クロマグロの漁獲枠の問題点と沿岸漁業者の支援強化」について質問しました。

まず、クロマグロ漁業の主体と漁獲量枠の現状がどうなっているのかです。
日本では、9割以上が小規模沿岸漁業で経営体数は約2万。一方、ニッスイやマルハニチロなど大手水産会社も参加する大中まき網漁業の経営体数は20ほどでしかないにもかかわらず、値が高く飛ぶように売れる30キロ以上(大型魚)のクロマグロの漁獲枠は大中まき網漁業が沿岸漁業の2倍以上と優遇されています。
(「大型魚」の令和4管理年度の当初配分は、大中型まき網漁業に3629トン、一方、都道府県管理の沿岸漁業に対しては1740トン。沿岸漁業枠は、大中まき網の47%でしかありません)

 

 

こうした中で、何が起こっているか。獲ったマグロを放流せざるを得ない事態が起こっている。
岩手県では2022年管理年度に、13万5千尾、約739トンものクロマグロを放流せざるを得ない事態になっています(2018年度は、放流ががなんと18万2千尾、1,746万トン、漁獲量の9・6倍にも)。
私は、「せっかく獲ったクロマグロを泣く泣く放流せざるを得ない。大臣は心が痛まないか」と質問。

 

 

林芳正外務大臣は、「山口でも定置網にマグロが入り、漁業者は泣きっ面に蜂と聞く。資源管理の中で、こうした漁業者の実情を踏まえ対応することが重要」と答えました。

 

 

沿岸漁業の定置網は、「魚を待つ漁業」であり、資源管理そのモノだ。
さらに、大中まき網漁業が「6月の産卵期に日本海近郊に集まるクロマグロを根こそぎ獲る漁法」である一方、沿岸漁業は「定置網であれば、『魚を待つ漁業』であり、水産資源の再生産という点でも調和のとれた漁業」と強調しました。

 

 

私は、そのような現状を踏まえ、少ない漁獲枠のもとで、クロマグロの来遊状況に翻弄され、魚を放流あるいは休業を余儀なくされる沿岸漁業者への経済的損失に対する補償の拡充を要求しました。

同時に、「定置網に入ったすべてを漁獲枠として認め、その分、大中まき網漁業の漁獲枠を削る制度設計にすべき」と求めました。

 

 

勝俣孝明農林水産副大臣は、「(沿岸漁業は)時代が求めている持続可能な漁法」との認識を示し、放流・休業への支援強化について、「しっかりと声を受け止め検討したい」と答えました