高麗美術館「春展『満月白磁と花と』」&大山崎山荘美術館「黒田辰秋展」を鑑賞
2023年05月4日
選挙もあって足を運ぶことができなかった高麗美術館と大山崎山荘美術館を訪ねました。
高麗美術館では、いつものように代表理事の鄭さんに案内いただきました。(既報)
こちらは、大きな白磁の壷。鄭さんによると、重さは40キロ以上あり、墜としたら大変と前かがみになって持ち運んだとか。灯りに照らされて、美しい白が際立っていました。
鄭さんと。今回の出店の目玉の一つである「鉄砂帆船漁文壷」(これは高麗美術館MEMBERS CARDのデザインでもあります)の前で。
こちらは、双龍をあしらった箪笥。螺鈿、べっ甲などがふんだんに用いられたたいへんきらびやかなもので、感心しました。鄭さんによると、龍の「気」をまとえるよう男子の服を入れるためのものだそうです。
こちらは、屏風に鳥や花の絵をはったもの。しかし、主役は花や鳥が根を張り止まっている「岩」だそうで、鳥やチョウは必ずつがいで描かれていました。
春展は、5月30日まで。夏展は、7月1日から8月27日に開催されます。夏展にも足を運びたいと思います。
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大山﨑山荘美術館の「黒田辰秋展」は、写真撮影できませんでしたが、鑑賞した後、黒田辰秋氏らの作品を収録した図録を買い求めました。
「黒田辰秋」展は、没後40年を記念し展覧会を開催されているもので、5月7日まで。
黒田氏は京都の塗師屋(ぬしや)に生まれ、早くから木漆工芸の制作過程における分業制に疑問を抱いていたそうで、一人で素地から塗りや加飾、仕上げまでを行う一貫制作を志したとのこと。柳宗悦や河井寬次郎の知遇を得たことで民藝運動と関わり、1927年「上加茂民藝協団」を結成して志を同じくする青年らと共同生活を送りながら制作に邁進しました。協団解散後本格的に木漆工芸作家として歩み、精力的な活動のすえ、1970年には木工芸分野で初となる重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定されます。