補正予算、共産党は、宮本徹議員が反対討論

2022年05月28日

 

27日、衆院本会議で2022年度補正予算が採決に付され、自民党・公明党・国民民主党などの賛成多数で可決されました。
国民民主党は、2022年度本予算に賛成したことに続き、今回の補正予算にも賛成し、いよいよ与党の立場を鮮明にしました。

日本共産党を代表して、宮本徹衆院議員が補正予算反対の討論を行いました。

 

 

以下、宮本徹議員の反対討論です。

私は日本共産党を代表して、政府提出の補正予算案に対する反対討論を行います。

反対する第一の理由は、物価対策の補正予算であるにもかかわらず、ガソリン・燃油対策をのぞけば、物価高騰に苦しむ国民や中小零細事業主等への支援がないにひとしく、これでは国民の暮らしを守れないからであります。
物価高騰は、電気・ガス、食品、生活必需品など全般に及び、これからも値上げラッシュが続きます。所得が少ない人ほど打撃をうけ、中小企業・小規模事業者への影響も深刻です。いま、政治がやるべき仕事は、物価の引き下げと、物価に負けないよう収入を増やすことです。

物価引き下げの最も効果的な対策は、消費税の緊急減税です。政府に決断を求めます。また賃上げに、政治が責任を果たすべきです。中小企業支援とセットで、最低賃金を1,500円めざして抜本的に引き上げ、正規も非正規も、賃金の底上げをはかるべきです。

物価高騰が続く中、年金の削減や75歳以上の医療費の窓口負担の2倍化のような、血も涙もない政策は、ただちに中止することを強く求めます。年金カット法など年金減額の仕組みを改め、年金の底上げこそはかるべきです。

 

 

反対する理由の第二は、本補正予算案での予備費の積み増しは、国民の税金の使い方は、国民の代表が国会で議論して議決するという、財政民主主義を踏みにじるものだからであります。

財政法は予備費について、予見しがたい予算の不足に充てるとしており、閣議決定も、災害に起因する必要な諸経費や比較的軽微と認められる経費等へ支出するとしています。
安倍・菅・岸田政権の下で、新型コロナ対策の名目で巨額の予備費計上が常態化しています。本補正予算案では、22年度の執行途中の「新型コロナ対策」の特定予備費の看板を書き換えて、新たに物価高対策へ拡大しています。「予見しがたい予算の不足」とは到底言えません。
時の政府が財政法の趣旨を無視し、巨額の予備費をつみ、国会での議論を経ることなく、政権の財布のように利用することは、財政民主主義を踏みにじるものであり、断じて認められません。

 

 

岸田総理は日米首脳会談で、「防衛費の相当な増額を確保する」と表明しました。自民党は、昨年の総選挙で「GDP比2%以上」「も念頭に、防衛関係の増額を」めざす」とかかげ、すでに、「5年以内に(必要な予算水準の)達成を目指す」と提言しています。 GDP比2%といえば、いまの防衛省予算のほぼ倍増、11兆円、ロシアをこえて、世界3位の軍事費大国になります。どこから、そんな財源が出てくるのか。財務省は、他経費を削減して国防費に一層重点配分するか、国民負担を増加させるか、という議論に直結、と指摘しています。
大軍拡は、消費税増税か、社会保障や福祉教育の削減への道であり、断じて許されません。

岸田総理は、ミサイルの脅威に対する「反撃能力」を含め、あらゆる選択肢を検討するとバイデン大統領に説明したといいます。政府が敵基地攻撃能力の保有について、集団的自衛権の行使として、他国の空爆まで言及していることは極めて重大です。日本が攻撃されてないのに、アメリカが戦争をはじめれば、アメリカと一緒になって反撃し、他国への空爆までおこなうのは、憲法違反そのものです。
こうした能力の保有は、安全保障のジレンマをよびおこし、際限のない軍拡競争につながる、亡国の道です。

日本とアジアの平和のためには、東アジアに友好協力条約の枠組みをつくっていくなど、憲法9条にもとづく平和外交こそ必要です。以上、指摘し、反対討論を終わります。