菅内閣不信任案提出//衆院本会議、志位氏が賛成討論//共同会見//動画も

2021年06月16日

 

15日、野党4党(日本共産党、立憲民主党、国民民主党、社民党)は、「菅政権に国民の命と健康を守る資格がない」として、「菅内閣不信任決議案」を、大島理森・衆院議長に提出しました。国会対策委員会のメンバーで。

提出の理由は、新型コロナウイルス感染症対策で「失策を重ね、無為無策であること」、河井克行・案里夫妻の選挙違反事件などの「政治とカネの問題」での説明責任を果たしていないこと、など。

 

 

提出にあたっては、野党4党は国会の会期を3カ月延長することを求めていましたが、政府・与党側は拒否。野党党首会談を開き、不信任決議案の提出を決めました。

 

 

午後の本会議で議題となりました。

決議案は、以下のものです。

 

*******

 

午後1時からの本会議で、「菅内閣不信任決議案」が議題となり、立憲民主党の枝野幸男代表が趣旨説明・提出の理由を述べ、日本共産党、立憲民主党、国民民主党が賛成。
自民党・公明党・日本維新の会などの反対多数で否決されました。

不信任決議案の賛成討論に、日本共産党からは、志位和夫委員長が、立憲民主党からは原口一博副代表国民民主党からは玉木雄一郎代表が立ちました。

志位氏は、賛成の第1の理由として「新型コロナ対応の失敗」あげ、①科学に基づく「封じ込め」の戦略をもっていないこと、②失敗から謙虚に学び、次の対策に生かすという姿勢がないこと、③コロナ対応にまで「自己責任」論を持ち込んだことを指摘。

 

 

第2の理由として「国民に我慢を強いながら東京オリンピック・パラリンピックの開催強行は許されない」と批判。
「オリンピックを中止し、すべての力をコロナ収束に集中することを求める」と強調。

 

 

第3の理由として、「新型コロナ・パンデミックからの教訓を学び、日本の政治に生かそうという姿勢がない」と指摘。
コロナ危機の最中に、病床を削り、高齢者の医療費を引き上げる。血も涙もない政治を強行しておいて、よく『国民の命と健康を守る』と言えたものだ」と批判。そして、「2つの医療破壊法の実施はこれからであり、総選挙での審判によって、その実施をとめ、医療に手厚い日本をつくるために力をつくす」と決意表明しました。

第4の理由として、「強権と腐敗の政治を一層ひどくした」として、辺野古新基地建設に戦没者の遺骨が眠る土を使って埋め立てをしていること、日本学術会議の会員任命拒否問題、政治とカネの問題を取り上げ、「強権と腐敗の政治という点でも、菅政権に国政を担う資格がない」と批判。

最後に「来るべき総選挙で、市民と野党の共闘の力で、菅政権を倒し、国民が安心して暮らせる新しい日本をつくるために全力をあげる」と決意を述べました。

 

*******

 

本会議に先立って、不信任決議案提出後、野党国対委員長の共同会見を行い、立憲民主党の安住淳国対委員長が報告。

安住氏は「私たちは、これまで会期を明日で閉じるのではなく、オリンピック・パラリンピック、そして感染拡大の中で、大変な経済的困窮にある国民のみなさん、さらにはインド株をはじめとした変異ウイルスに対して、どういうふうに社会が変わっていくのか、刻々と変化している中で、国会を閉じることは反対である」と述べたことを報告。

そして、野党党首会談での「新型コロナウイルス対策の失敗(志位委員長)、経済的対策等の不十分な対応(玉木代表)、命を守ることが出来ない内閣(福島党首)」との発言を紹介し「菅内閣は信任にあたらずという野党4党の党首会談の意を踏まえ、国対委員長が不信任決議案を提出した」と述べました。

 

 

記者団から「提出されればすぐに解散」との発言に対して、「総選挙に対する認識は」と問われ、安住氏は「受けて立つ。私どもは代表ではないけれども、野党全員、その覚悟で、覚悟を決めて賛同している」と述べました。

 

*******

 

野党国対委員長ら国会対策委員会のメンバーが集まり、提出に向かうところから共同会見までの動画です。