「これが日本の島々を軍事要塞化にする計画だ」(衆院外務委)、米軍の「遠征前方基地作戦(EABO)」で明らか
2021年05月14日
12日に行われた衆院外務委員会では、米海兵隊の「島嶼(とうしょ)要塞」構想についてただしました。
私は、はじめに「米海兵隊の『遠征前進基地作戦(EABO )』とは、どのような作戦か」と、中山泰秀・防衛副大臣に質問。
中山副大臣は「列島線が生み出す自然の障壁を活用しつつ」とし、「危険前の状況から展開することにより、既成事実化の取り組みに対応するもの」と答弁。
中山副大臣の「列島線、自然の障壁」との答弁を受け、「ミサイル配備拠点の候補地」の資料を示して、「ここには、長崎県対馬を起点に、馬毛島、奄美、沖縄本島、宮古、石垣、与那国島の各付近を候補地としていることが見て取れる」と指摘。「EABO作戦では、こうした日本の島々を障壁として活用するということではないのか」と追及。
下の写真が、2019年2月に米国海軍協会の月刊誌に掲載された「島しょ要塞」と題する資料。
ぜひ、ご覧ください。
中山副大臣は、「軍事戦略上、地政学ベースで考えられたものと思う」、「戦争に至るまでの経過の中で戦争を回避する、リスク回避というのが重要ではないかと考える」と答弁。
私は、「『島しょ要塞構想』どおりに米軍のミサイルが配備されれば米中対立が激化し、有事となった場合、軍事要塞にされた島々が真っ先に標的となり、攻撃対象となるのは明らかだ」と指摘。「日本の島々を戦場にすることを前提にした島しょ要塞構想を知らないでは許されない」と追及。
中山副大臣は「防衛省・自衛隊は、わが国の領土、領海、領空を守り抜く、日本国民の平和な暮らし、これをきっちりと守り抜いていくことにあると思う」としつつも、日米間の具体的な検討状況については「相手方との関係、情報保全の点から、お答えは差し控える」と相変わらずの一般論を語り、逃げの答弁に終始しました。
写真下は、私の質問を報じる「琉球新報」の記事です。
「国内6カ所にミサイル配備計画」という重要性を指摘しています。
最後に「米海兵隊のEABO作戦は、自衛隊のミサイル配備計画と一体の日米共同基地化であり、今回、明らかになった米海兵隊の島しょ要塞構想がそのことを示している」と指摘。「日本の島々を軍事要塞化する日米のミサイル配備計画は断じて容認できない」と強調し、撤回することを求めました。
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この質問の前段で、茂木敏充・外務大臣に、「バーガー米海兵隊総司令官との会談」について一連の問題についてただしました。
海兵隊の戦略再編についての説明を受けたのか?
「安全保障環境が急速に変化する中『脅威』に立ち向かう」とあるが「脅威」とは、共同で立ち向かうことを求められたのでは?
米国大使館ホームページでは「両氏の会談で作戦の即応性」「抑止力の協力調整」を行ったとあるが事実か?
写真下は、答弁する茂木大臣。
日米で連携していくこと、平和・安全のため協力を行う意見交換を行ったとの答弁にとどまりました。