緊急会見、国民投票法の採決に抗議する//衆院・憲法審、赤嶺氏が反対討論

2021年05月7日

 

6日、国会内で、自民党の二階俊博幹事長と立憲民主党の福山哲郎幹事長らが会談し、国民投票法改定案について「今国会の会期中に成立させる」と文書で合意したことを受け、記者会見を行いました。

私は、会見に先立って、この合意について、立憲民主党の安住淳国対委員長に「大変、遺憾だ」と抗議しました。

 

 

会見では、「菅総理が国民投票法改定案を、改憲4項目を議論の第一歩とする発言していることは重大だ」と強調。

そして、「CM規制の問題、最低投票率の問題、公務員の運動制限の問題などなど、様々な問題がある」と根本的欠陥を放置していることを指摘。「問題点を脇に置いたまま採決することは認められない」と述べ、「採決することに、反対である」と表明。

さらに「審議は続行するべきである」と強調しました。

メディアの記者から「立憲民主党などと対応が異なるが野党共闘への影響は」と問われ、「いま述べた、共産党の立場は明確に伝えている」と応じ、「憲法改悪を阻止し、来るべき総選挙で審判を下すことが大事だ」と強調。そして「憲法改悪阻止の国民的運動を国会内外で起こし、それを土台にして総選挙で勝利していくための野党共闘を進めていく」と述べました。

 

 

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6日、衆院憲法審査会が開かれ、憲法改正手続きに関する国民投票法改正案と修正案が可決されました。

日本共産党からは、本村伸子衆院議員が質疑を行い、質疑・議論を続行することを要求。

 

 

赤嶺政賢議員が反対討論を行いました(写真下)。ぜひ、お読みください。

 

 

討論は以下の通りです。

私は、日本共産党を代表して、与党提出の国民投票法改定案及び修正案に反対の討論を行います。

与党案に反対する第一の理由は、安倍前首相が2020年と期限を区切って改憲を主張する下で、改憲議論に進む「呼び水」とするために提出されたものだからです。

自民党は、4年前の安倍前首相の号令の下、「改憲4項目」を策定し、これを審査会に提示し、改憲原案のすり合わせをしようと画策しました。野党が「安倍改憲」に反対するもとで、自民党は審査会を動かそうと、突如与党案を持ち出してきたのです。

しかしこの3年間、安倍政権が改憲を叫べば叫ぶほど、「安倍改憲」に反対する国民世論は大きくなりました。安倍氏自身が退陣にあたって「国民世論が盛り上がらなかったのは事実だ」と認めた通りです。

にもかかわらず、菅首相がまた、国民投票法改定案の成立を「改憲4項目」の議論を進める一歩とすると述べていることは看過できません。

国民はいま、憲法改正を政治の優先課題とは考えていません。いま政治がすべきは新型コロナ対策に全力を挙げることであり、改憲を優先する必要は全くありません。

第二に、与党案は国民投票法がもつ根本的な欠陥を放置していることです。

現行の国民投票法は最低投票率の問題や、公務員の運動を不当に制限している問題、資金力の多寡によって広告の量が左右される問題など、民意を酌み尽くし、正確に反映させるという点で、重大な欠陥があります。これらの問題は、2007年の法制定時や2014年の改定時にも国会の附帯決議で指摘され、与党も賛成したものです。この根本問題にこそ真摯に向き合うべきであり、これを脇に置いたまま、7項目のみ採決することは許されません。

さらに、この間の審議で、公選法並びで本当に民意を酌み尽くすことができるのかという問題が浮き彫りになりました。公選法も含め、いまの選挙制度に問題があるということに他なりません。国民の意思を正確に反映する制度のあり方へと抜本的に見直すべきです。

なお、修正案については、有料広告のあり方などの問題について3年間検討するというものですが、それをもって欠陥を放置したままの与党案を採決してよいということにはなりません。審議は続行すべきです。

ましてや、この問題を済んだこととして、「改憲4項目」の議論に入ることなど断じて認められません。安倍・菅政権による改憲策動を断固として阻止する決意を申し上げて、反対討論とします。