9日、予算委報告。「イージスシステム搭載艦導入で1兆円」「レーダー選定で、米国ミサイル防衛庁側から圧力の疑惑」を追及

2021年02月13日

報告です。長文の紹介となります。9日、開かれた予算委員会で、既報のように、「イージス・アショアの代替問題について」質問しました。政府が配備を断念したにもかかわらず、昨年12月に閣議決定した内容を追及しました。(分量が多いですがお読みいただければ幸いです)

ーーイージス・システム搭載艦の導入費用は、青天井。レーダーの選定過程で米国ミサイル防衛庁側から圧力の疑惑。イージスシステム搭載艦の導入計画を直ちに中止せよと要求ーー。

 

 

はじめに、閣議決定を抜粋(資料①)して「陸上配備型イージス・アショアに替えて、イージス・システム搭載艦2隻を整備する・・・付加する機能及び設計上の工夫等を含む詳細については、引き続き検討する」としていることから総額は、いくらになるのかと質問。

 

 

岸信夫防衛大臣は、「総経費を示すことは困難」とし「今後搭載艦の詳細を決めていく」と答弁。

総額も公表しないで閣議決定する、その上、艦の搭載機能、設計、運用構想すら決まってもいないことがはっきりしました。

 

 

次に、導入コスト問題です(資料②)。見積りで、2隻4800~5000億円以上かかる、しかも金額が「以上」となっている。青天井ではないか。

大臣は「経費の規模感を示した」と答弁。

私は、イージス・アショアも、最初の経費は1基800億円がついには2000億円に膨れ上がった経過がある。今回のプラン概要を見ても金額の上限が示せない、さらに「実射実験、人材育成経費は含んでいない」(資料参照)、元防衛政務官はライフサイクルコストは1兆円を超す可能性を指摘。総コストが天文学的数字になると指摘しました。

 

 

なぜこの計画に固執するのか。それは、「アメリカとの契約ありき」が出発にあると述べ、問題はアメリカと契約したレーダーの選定に疑義があることだ」と告発しました。
イージスアショアの搭載レーダーとして、米国ロッキード・マーチン社(以降「ロ社」と省略)のLMSSR(現在のSPY7)とレイセオン社のSPY6とを比較している、防衛省から提出された「概要」(資料④)は「高い評価を得た」と結論だけで、具体的根拠が示されていない。

大臣は「最新鋭の装備だ。米国政府から技術的に信頼との所見」「性能を示すのは国の防衛に差し支える」との答弁。

選定が行われた2018年7月当時、ロ社の「SPY7」は、構想段階で、試作品すら完成していない「カタログ」しかないようなものだったのです。こうした中でロ社が選ばれた。自衛艦隊司令官を務めた香田洋二氏ら元自衛隊幹部は「防衛省のレーダー選定はずさんだ」「国民の血税をつぎ込む以上根拠を公表すべきだ」と述べているほどです。

 

 

レーダ選定の経緯(資料④)に問題あり。

2018年7月30日に選定とあるが、米国の議会調査局の「イージス弾道ミサイル防衛計画」と題する報告書(写真下)には「7月3日時点でロ社に選定したとのロイター報道」を取り上げている。事実関係を調べようともしない対応は問題だと指摘しました。

 

 

次に、「選定に関わった防衛省職員と業界関係者等の接触資料」(資料⑤)を示し、「(装備庁だけで)53枚もある。2枚だけコピーして配布したが、相手方の会社や役職、氏名、接触理由などすべて黒塗りだ。計算すると計34回だ。なぜ隠す必要があるのか」と追及。

 

 

大臣は、「(防衛省)機関全体では529回の接触があった」と明らかにしました。

私は、驚くべき数字だ、全部の資料を出すべきだと主張。
黒塗りにしているのは、米国ミサイル防衛庁やロ社の関係者と頻繁に接触していた事実が露呈してしまうからだと述ました。

ここからが大事です。レーダ選定の事情を知る元防衛省の幹部は「しんぶん赤旗」の取材に「ロッキー・マーチン社が米国ミサイル防衛庁を通じて猛烈な圧力をかけていた、レーダー選定の直前に、ミサイル防衛庁長官が来日して、ロッキー・マーチン社を選ぶように圧力をかけた。そのことは当時の防衛副大臣も認めている」と述べた証言を暴露しました。

二度にわたる私の質問に、大臣は「7月23日にグリーブス米ミサイル防衛庁長官と西田整備計画局長らが面会した」と事実を認めました。

これは極めて重大です。やっぱり選定に関わる重大な疑惑があるということではありませんか。

 

 

最後に、防衛省の元幹部が、「しんぶん赤旗」の取材に対して「SPY-7の選定過程は極めて不透明で、第2のロッキード事件になりかねない」と警告していると述べ、接触の実態をすべて明らかにするよう求めました。

さらに、イージス・アショアの配備、イージス・システム搭載艦の導入は、「国民の生命と財産を守るものではない」と指摘。「米国いいなりの軍事利権だ」と強調し、「国民の命と暮らしを守ると言うならば、米国を潤すだけのイージス・システム搭載艦の導入計画を直ちに中止し、その予算を国民生活とコロナ対策に回せ」と要求しました。

 

 

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資料です。私が国会質疑の場で使用したものですので、赤ペン、蛍光ペンでの書き込みがありますが、ご容赦のほどを。
まず資料①

 

 

資料②

 

 

資料③です。

 

 

資料④です。

 

 

資料⑤です。