外務委員会①日英EPAは、「コメ再協議の対象にする」など、日欧EPAを上回る譲歩を行っている

2020年11月20日

 

18日に開かれた外務委員会で、日英EPAに関連して貿易自由化が日本農業に与える影響について質問。

日英EPAは、イギリスの欧州連合(EU)離脱で日本EU経済連携協定(日欧EPA)がイギリスに適用されなくなるため、それに代わる協定とされています。

私は、日英EPAに新たに盛り込まれ、日欧EPAにはなかった点があるとして、「5年後にコメを含すべての農産品について見直す再協議」の規定を取り上げ、「なぜ、コメを再協議の対象から除外しなかったのか」と理由をただしました。

茂木敏充外務大臣は、「急にイギリスがコメを作り出して、ものすごい量のコメを日本に輸出してくることは考えられない」と述べ、「他の協定と同じで一般的規定を英国との間におくことにした。国益に反する交渉・合意を行うつもりはない」と答弁しました。

 

 

私は、「除外せずに再協議の対象にすれば、交渉結果次第で、コメの輸入自由化に道を開き、今後のTPP改定交渉や新たな貿易協定で、より高い水準の市場開放を迫られる基準になりかねない」と指摘、批判しました。

農水省に対して、ブルーチーズなどのソフト系チーズなどについて、日欧EPAの関税割当の未使用分をイギリスに適用する日英EPAの仕組みについて質問し、イギリス向けの関税割当が設定されると、EUに約束した市場開放の水準を超える恐れがあると指摘。

さらに、「牛の冷凍肉」「ミルク及びクリーム」「バター」の3品目について、日欧EPAの発効後の2019年2月から12月の輸入額を質問。

 

 

宮内秀樹農林水産副大臣は、金額の答弁はせず、農水省としての考えを述べるのみで、「国内生産への影響は限定的」と答弁。

金額について聞いていることに対しての答弁がなかったので、私は「額(ガク)の事実を聞いているのに、(状況を)長々と話されたらガクッとする」と述べると、委員会室には笑いがもれました。

 

 

EUからの輸入額を前年比でみると、「牛の冷凍肉」で181.8%、「バター」で136.6%、「ミルク及びクリーム」で208.8%と3品目をみても、日欧EPA発効を契機に輸入が急増している。
日英EPA の発効によって、英国を含む欧州全体から引き続き安い輸入品が大量に流入すれば、国産品の値崩れなどの事態を招くことはあきらかだと批判しました。

質疑の動画は衆議院ライブラリーから視聴できます。