22日、外務委質疑その② 肉用子牛生産者への支援を

2020年05月25日

報告です。22日の外務委員会での質疑の第2弾です。

私は、1月1日に発効された日米貿易協定により、米国産牛肉の輸入量増大による和牛への影響と、コロナ禍のもとで、子牛価格の下落の実態を示し、肉用子牛生産者への支援を求めました。

 

 

米国からの牛肉累計輸入量は、セーフガード発動基準のギリギリのところまで、目いっぱい輸入しています。
これに加えて、新型コロナの感染拡大で、和牛の枝肉価格が全国的に低迷し、国内の肥育農家などに重大な影響が出ています。3月14日付の地方紙の報道によると、青森県畜産農協連合会の会長が、今回の価格の大幅下落について、「繁殖農家のダメージは相当大きい」と述べ、「安値の要因が重なり大打撃。和牛を含めて肉がだぶついた状態」だと指摘した声を紹介しています。
私は、茂木大臣に、こうした深刻な実態が全国各地に広がっていることについてどう思われますかと質しました。

茂木敏充・外務大臣は、「牛肉だけでなく、様々な農産品、そして工業製品につきましても供給過剰が起こる、もしくは、サプライチェーンが寸断されることによって、その供給すら行われないといった深刻な状況にあると思っております。
特に、そういった影響といったものは、中小零細企業であったりとか、農家のみなさんに及んでくると、それ対する手厚い措置を取ることによって、事業を継続する、これがまず、極めて重要なことあると思っております」と答えました。

 

 

肉用子牛の価格が下がり、保証基準(約54万)を下回った場合、生産者に対し生産者補給金を交付する「肉用子牛生産者補給金制度」があります。

私は、奄美大島地区の5月の子牛競り市で51万円に下落、全国でも50万円台で推移している(質問の後に分かったことですが、沖縄では46万9720円になったと報道されました)、岩手県奥州市(江差・胆江地区)では「とても利益が出ない状況。2~3カ月もこの状況が続けば先行きの見通しが立たない」との声を紹介。

もともと、農水省の子牛の生産費は65万円かかるとしているのだから、保証基準額をを生産費まで引き上げるべきだと提起しました。

伊藤良孝・農水副大臣は、「繁殖農家の生産意欲を維持し、生産基盤の弱体を防ぐために、農水省としても真剣に検討していきたい」と答弁しました。

 

 

私は、生産者が営農意欲を持ち続けられるためにも、昨年12月の農水委員会での全会一致の決議「保証基準価格は酪農家の意欲喚起を考慮して決定する」を尊重し、政府の責任で万全な支援と被害補償を要求しました。