上賀茂「大田神社」の杜若(かきつばた)

2020年05月16日

 

15日は、いつもなら京都三大祭りの一つである葵祭ですが、今年はコロナウイルス感染症の影響で行列行事「路頭の儀」が中止となりました。

この季節はというと、葵祭にゆかりがある上賀茂の「大田神社」のカキツバタが見頃。秘書の永戸辰夫さんが足を運んで写真を送ってくれました。

 

カキツバタ1

 

永戸さんによると、大田神社でもカキツバタが群生する庭園は、コロナで立ち入ることができなかったとか。遠目からスマホで撮ったそうで、やや鮮明でないことはご容赦をとのことでした。

 

コロナ看板

 

こちらは、神社南側の道路から見たカキツバタだそうです。通常ですと神社総代、町内会の皆さんのテントが張ってあるのですが。

 

カキツバタ2

 

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カキツバタといえば、「唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ」という在原業平の有名な歌を思い出しますね。

おおよそ意味は、「唐衣を長いこと着ているうちに、馴染んでしなやかになった褄。そんな褄のように馴れ親しんできた妻を置いてきている。褄が馴染んだ衣を洗い張りしてくれた妻、その衣を着ていた私。京の都に妻を置いて遥々東国へとやってきたこの旅のことを、こうしてしみじみと思う」というところでしょうか。

原典である『古今和歌集』歌番号410(巻九・羇旅歌)の詞書には次のようにあります。

「東(あづま)の方へ、友とする人、一人二人いざなひて行きけり。三河国八橋といふ所にいたれりけるに、その川のほとりに、かきつばたいとおもしろく咲けりけるを見て、木の陰に下りゐて、かきつばたといふ五文字を、句のかしらにすゑて、旅の心をよまむとてよめる」

実に風流ですね。

 

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さて、大田神社の南側は、北大路魯山人の生誕の地でもあります。

 

廬山人

 

また、上賀茂神社の入り口付近には、明治5年創業、私もよく立ち寄る「神馬堂 」さんがあります。

 

神馬堂

 

名物の「やきもち」は一つ130円。お運びの際はぜひ買い求めてみてください。ほんのりとした甘みがなんともいえない美味しさです。ただし、早ければ午前中にも売り切れますのでご注意ください。

 

あぶりもち