ハンセン病家族訴訟 国が控訴断念

2019年07月10日

9日、国は、6月28日に熊本地裁が、ハンセン病の隔離政策でその家族も差別を受けたとして、国の責任を認める判決を言い渡したことについて、控訴を断念する意向を明らかにしました。

 

20190709 ハンセン病 勝訴確定

 

安倍首相は、「筆舌に尽くしがたい経験をされたご家族の皆様のご苦労をこれ以上長引かせるわけにはいきません。その思いのもと異例のことではありますが控訴しないことといたしました」と会見で述べました。
この裁判はハンセン病元患者の家族561人が国の誤った隔離政策で差別を受けたとして国に賠償と謝罪を求めていたもので熊本地裁は国の責任を認め、541人に総額3億7000万円あまりの賠償金の支払いを命じていました。
控訴断念を受けて、原告団は会見を開き、国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」(熊本県合志市)の入所者自治会長の志村康さん(86)「安倍首相の決断には驚いているし、感謝している」と歓迎。その一方で「入所者とともに家族も苦しんできた。できるだけ広い救済をお願いしたい。家族が『私の兄弟はハンセン病でした』と言える社会になってほしい」と願いを語りました。

 

小池晃書記局長は、遊説先の松江市で、国のハンセン病家族訴訟控訴断念について記者団に問われ、「共産党は控訴断念を求めてきた。世論と運動に押された当然の決定だ」 「ハンセン病元患者の家族への謝罪と十分な補償、立法措置も含めた必要な対応を。元患者の強い願いである医療・介護体制の充実にも国は十分な責任を果たすべき」と述べました。

 

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